手のなかのアルファ・ケンタウリは光る ーアイドル短歌まとめ11ー

 いずれまとめてなんらかのかたちにしたいなぁと思ってるうちに短歌が増えます。自分用に本にしたいなぁと思ってはいるんだけど……思ってはいる……

 

 

 

 

そのときはちゃんと言ってよ いつ散ると知れぬ花でもないだろ君は

 

思い出はあまりに遠い今日だから明日になれば忘れるでしょう

 

カーテンの影に隠れた窓際のサボテンだけが知る恋心

 

「恋は罪悪」と誰かが言ったけど気にする暇もないほどの恋

 

寂しさは君のせいでは決してない 僕の僕による僕だけのもの

 

友達じゃないけど君と話したい 多肉植物の花が咲いたよ

 

寝癖さえ愛おしいのだ 寝癖など見たことないが絶対そうだ

 

前髪が伸びる速度を追い越して今すぐ君に、君に会いたい

 

 

 

 

題詠:

 

あなたにも眠れない夜があると知りほっとしたこと、許してほしい

(眠れない夜)

 

おなじ星おなじ世界にみんないる だからぼくらはみんな寂しい

(ひとりぼっち)

 

ポケットで古びた飴がべたついているから君にさよならをする

(飴)

 

伏せられたままの写真立てのよう あなたのことを忘れたいのに

(写真立て)

 

理科室の標本として眠ってる鉱石はどこか君に似ている

(鉱石)

 

鏡ではうつせないもの 暗く濃く濁ったぼくの本心だとか

(鏡)

 

混ざり合う必要はない 君が僕ではないからこそ愛せるんだよ

(水と油)

 

手のなかのアルファ・ケンタウリは光る 君に好きだと伝えるために

(ペンライト)

 

立つ鳥よ跡を濁してくれ せめて泣き喚くだけの時間をくれよ

(最後のステージ)

 

 

 

連作:

「日々」

乗り換えの駅にて少し寄り道を 君に似合いの花束買いに

 

文章の癖が似てきた 悔しいが連用中止でつないでしまう

 

迷うときいつも心に君がいて私の行きたい道を指さす

 

軽やかに過ごせた今日のおしまいに君を想って飲み干すビール

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「卒業公演」

そこにいる君は明日もういない 精一杯の今日を叫んだ

 

コンタクトレンズが浮くほど泣いたのにかわいいドレスが焼き付いている

 

君がいまそこにいるから出会えたの 忘れないから忘れないでね

 

「さよなら」を引きずったまま生きている 「はじめまして」をまた言えるまで

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