よるのぼうけん ーアイドル短歌まとめ8ー

 

 

抜けるほど青い空です あまりにも清々しくて泣きたくもなる

 

 

愛すると愛されるとの相違点 わかったひとは挙手でおしえて

 

 

繋がっているんだろうかこの糸は 犬に小石にあるいは君に

 

 

午前5時 世界の色が入れ替わる そこに私の居場所はあるか

 

 

結ばれない、という極めて単純なそして運命的なつながり

 

 

ここにいる私とそこにいるあなた 交わらぬことを運命と呼ぶ

 

 

あなたには絶望の朝が来なければいいと夜の底から祈る

 

 

人混みではぐれてしまわないように出かけずにいることだって愛

 

 

空を見て  星があんなに光るのは地上が暗い夜だからだよ

 

 

スイミーに似てるね君は雑踏の中でも埋もれられないさかな

 

 

存分に大風として吹き荒れる  あなたの知らぬあなたの海で

 

 

本当のことだけに価値があるなんてそんなの嘘だ、と嘘をついてよ

 

 

 

 

<NEWS16周年>

十五夜を過ぎたあたりの月が咲く 見上げる君に恋をしている

 

 

 

 

 

 

 

<アイドル短歌連作/夢>

来世もし大きな魚に生まれたら夢の中では釣られてやろう

 

 

将来の夢はブロントサウルスの化石 あなたが見上げるような

 

 

友だちになる夢を見て友だちになれないことが浮き彫りになる

 

 

ばけものを見ずに済むよう目を閉じて逃げ込む先を夢と呼ぶのだ

 

 

あれは夢?あれは幻? さわれないものは確かめようもないです

 

 

待ち合わせしよういつか平日の午後に水族館で会おうね

 

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<アイドル短歌連作/よるのぼうけん>

昼間には存在感がないくせに 強く真白くひかる自販機

 

 

真夜中のコンビニ 世界一美味いポテチとペプシコーラを買った

 

 

終わりなどあるわけないと飛び乗った最終電車どこまでも行く

 

 

酔っぱらう大人とくたびれた大人 ちゃんとおうちに帰れますよう

 

 

終点の駅の名前が読めなくて笑い転げる25時過ぎ

 

 

遠ざかる景色 静かになる車内 重ならない手 帰らざる夏

 

 

辿り着くことは怖いね 終点の三つ手前がぼくらのおわり

 

 

悪い子になりたいふりが似合わないあなたは生まれついてのいい子

 

 

駅前の階段に座り込む 空のペットボトルに降り注ぐ朝

 

 

 

 

 

「またいつか」嘘とわかってて頷く これはひみつのよるのぼうけん

 

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