叶った夢と見果てぬ夢と ―NIPPONロマンスポルノ '19 神VS神 2日目―

 

 ポルノグラフィティ20周年おめでとうございます。

 「NIPPONロマンスポルノ'19 神VS神」、2日目の感想です。1日目と同じ曲は省いたり省かなかったりする。前日に引き続きレポではなく個人的な感想です。

 

 

 

 

 

00.オープニング

 この日は2階スタンド席。前日がアリーナ最後列でそこそこ前が見づらかったこともあり、まぁこっちのほうが見晴らしがいいな~とは思った。昨日はセンステ使われるまでセンステの存在知らなかったし。

 昨日はぬるっと袖から出てきたけど、今日はサポメンだけ袖から出てきて二人はセンステから出てきた!!!6万人弱に囲まれるポルノを見ているともうそれだけで泣きそうになる。この時点で会場の声がすごくて、これが9月8日にライブをやる意味か、と思った。

 

01.プッシュプレイ

 二人がセンステにいるままで始まる。エモの塊。背中合わせの二人が「あのロッカー まだ闘ってかな?」って歌うんですよ。エモ。

 それに音響がかなり改善している!!!10年前の2階席は絶望的なまでに反響に泣かされたし前日もそこそこのアレだったのであんまり期待はしていなかったんだけど、ちゃんと声もギターの音もそれ以外の楽器の音も聴こえてきて、音響の人すごいなって感動した。こんなに改善できるものなんだね。

 

02.Mugen

 昨日もやったけど、昨日はブラスのアレンジがあったから結構雰囲気が変わる。「プッシュプレイ」で拳を突き上げてからの「Mugen」だと流れもぴったりで、すごくいい感じ。テンションも上がる。

 

03.THE DAY

 岡野さんのサイレンが前日よりパワーアップしていた。怖い。

 

04.メドレー

 ミュージック・アワー⇒マシンガントーク⇒ヴォイス⇒狼⇒ミュージック・アワー

 今日も本間さんが登場。2階席からだとモニターがよく見えて、本間さんがすごく楽しそうに演奏している様子がわかった。特にミュアワやマシンガントークはすごく笑顔だった気がする。演者が楽しそうにしていると観客も盛り上がるし、すごくいいサイクルが出来上がっていて今この時を閉じ込めて永久機関にして!って気持ちだった。

 昨日よりはちょっと短めのMC。新藤さんから「アポロのメロディを思いついたときのことは覚えてる?」という超いい質問が。しかし別の曲と間違えて「2000年かな……?」と言い始める本間さん。「2000年だったら今日20周年じゃなくなる」と真っ当に指摘する新藤さんと「こういうところあるんよ!」という岡野さん。いうて岡野さんは前日、本間さんと前に共演したのはいつかという話で「FCUW8ね!」という謎の納得を得ていた。ファンクラブイベントは5までしかやってないよ。

 

05.アポロ

 歌い始めたと思ったら楽器の音が出ていなくて一旦止まる。シンプルに岡野さんの歌声が響いてうま……ってなったので楽器の音が出てないことなんて気づかなかった……

 アレンジは前日と同じ。アポロ終わりで暗転して本間さん退場。

 

06.n.t.

 前日は岡野さんの弾き語りだった「n.t.」がバンドバージョンに!イントロの重い音が最高だったし、やっぱり音が多いし重いのでめちゃくちゃ響く。

 今まで全然ライブでやってこなかったこの曲を、アレンジを変えて2日ともやるということはそれなりにこの曲が意味を背負っているということだと思う。自分が今はどんな状態か、本当はどうありたいかを真摯に歌うこの曲は、私にはポルノの決意表明とかみたいに受け取れた。

 

07.Twilight、トワイライト

 トワトワは2日間やらないと思っていたので驚いた。丸いモニターに映し出されるステンドグラスも相俟って、教会のように静謐な空間になる。

 

08.Theme of "74ers"

 さすがに前日泣きすぎたせいでもう泣いてないけど、その代わり一音一音刻み込むように聴いた。新藤さんのギターはボーカルばりに歌うので、この曲もメロディを高らかに歌い上げていた。音源では小さい女の子の声なんだけど、ギターが歌うメロディはどこか「追憶」という言葉を思い起こさせるような音色だった。過去のライブ映像と併せて、今まで歩いてきた道を静かに思い出すような。

 なんて言っていいかわからないけど、この曲は彼らが自分に対して演奏しているような、そんな雰囲気があった。勿論、聴いている人がいるから演奏するわけだけど、この曲を選んだのは私たちのためじゃないような気がした。

 この曲は「ラック」のカップリングで、インスト曲だし既に終わったツアーのテーマとなる曲で、そんな曲を「これだ」ってピックアップして聴く人は少ない。そういうレアな曲を出してくれたということなのかもしれないけど、聴き手がどう聴くかよりも弾き手(この場合ギターソロなので新藤さん)がどう弾くかのほうが重要なんじゃないかって、そんなふうに思った。

 

09.瞳の奥をのぞかせて(弾き語りwithNAOTO)

 既に「n.t.」をやっているから今日は違うとわかっていたけど、まさか「瞳の奥をのぞかせて」だとは!この曲は「RHINOCEROS」でやったバージョンが至高でそれを超えることはないと思っていたけど、2番の途中でNAOTOさんが登場したときに瞬間最大風速でいったら超えた。遠いから最初は全然見えなかったんだけど、ゆっくりと歩いてくる金髪が見えてあ~~~これはあの人しかいないってわかって悲鳴。

 弦楽器の高めの音ってこう、弦なのでキリキリした感じがあるというか。ぱーんと響く管楽器とは全然違う音色になる。このキリキリした感じが「瞳の奥をのぞかせて」にはすごく似合う。なぜならこの曲で歌われている「私」の心が張り詰めた状態だから。おそらくは不倫とか周りには決して言えない許されざる恋とかそういう状況で、だけど相手は「私」が張り詰めた状態であることに気付いていない(あるいは気づいても気にしていない)。そばにいてって言いたいけど言えないし、ここにいてって言いたくても言えない。本音で話してとも言えない。そんな「私」が絞り出した願いが「瞳の奥をのぞかせて」だ。そういう張り詰めた感じが、ヴァイオリンのキリキリした音とすごくよく合っている。

 岡野さんのボーカルも鬼気迫る感じがして、すごくよかった。

 

10.ウェンディの薄い文字

 前日分の記事にも書いたけど、「OPEN MUSIC CABINET」には行けていないんですよ。そしてこの曲は今までそのツアーでしか披露されていない。1日目が「Hey Mama」だったから、もしここが日替わりだとしたら、「Hey Mama」の対になれる曲はひとつしかない。

 かわいいイントロが流れてきた途端に悲鳴を上げてしまった。夢が叶う。私がずっと聴きたかった曲が、やっと聴ける。ちゃんと「なぜるだけさ」や「真反対さ」も歌えて、すごく嬉しくてにこにこしてしまった。それがまさかこの曲で泣くことになろうとは。

 完全に余談だが私の「綴」というハンドルネームは2006年から使っている。当初は「綴ウェンディ」というハンドルネームだったのだが、誰も「ウェンディ」の部分を呼ばなかったため「綴」となった。この名前は、「ウェンディの薄い文字」からとったものだ。私が文章を書くのが好きだからとかそういう理由では全くない。私の好きなギタリストの初メインボーカル曲だから、そこからとったものだ。ミーハーな理由である。

 私が「綴」を名乗り始めた頃はまだ高校生だった。羽のついたペンなんて持ってないし「小さい物思う少女」というほど小さくもなかったが、お前なんかがって思われることはわかりきっているけれど自分の曲のように思っていた。そしてこの曲の最後のほうには「ウェンディ君だって可愛い指に リングをはめる頃になったら」という歌詞が出てくる。

 私の左手の薬指には、リングがはまっている。新藤さんが何度もリフレインして歌うこの歌詞がぐさぐさと刺さった。手が大きいし指もそのぶん長いので「可愛い指」とは程遠いが、私の薬指にはリングがはまっていて、隣にはそのペアリングの片割れをした夫もいる。ここまで生きてきたこととか、それでも変わらずポルノのことが好きだってこととか、いろんなことが頭の中にぶわーっと浮かんで涙になって出てきた。

 この先も「綴」でいたいな、と思う。

 

11.リンク

 シングルで聴いたときはそこまで好きな曲ではなかったし、別のライブで聴いてライブ映えする曲だなとは思ったけど多分この日が今までで一番いい「リンク」だった。NAOTOさん率いるNAOTO Stringsのみなさん(12人くらい)が奏でる音がすごい圧。「瞳の奥をのぞかせて」同様、この曲のイントロも張り詰めた感じが必要だと思っているので、キリキリした感じがすごくよかった。

 

12.サウダージ

 ストリングスのおかげでめちゃくちゃ豪華!!!!!アウトロのギターがやっぱりよくて、新藤さんの歌うギターの哀愁がすごい。

 この曲が始まる前、岡野さんが「みなさんお馴染みの曲を!……あれ違った?合ってる?2000年に出た、ポルトガル語で情熱?郷愁?郷愁という意味の……」みたいな感じになってその横で新藤さんがプークスクスって感じの笑みを浮かべていたのがポルノの同級生感を垣間見るようで最高だった。

 

13.ブレス

 聴きたかった!!!去年しまなみロマポルに行けなかったからしばらく聴けないかなぁと思っていたけど、ストリングスが最高のアレンジで聴けて本当によかった。爽やかさとあたたかさがすごくいいバランスの曲。CD音源では物足りなくなってしまう……

 

14.愛が呼ぶほうへ

 前日はホーンアレンジ、そして今日はストリングアレンジ。どちらも違う種類のあたたかさがあって、同じ曲をこんなふうにアレンジして聴かせてくれるのすごく嬉しいなぁと思った。

 

15.Zombies are standing out

 だからギャップよ。この曲が始まる前、丸いモニターに目玉が映し出される。ぎょろっと動く目玉はマジで怖くて、セットの形も相俟って四角のモニターは白目の部分に見えるし、こんなモニターの使い方あるかよ天才かよ。巨大な目が何かを探すようにぎょろぎょろ動いていて、すごく気持ち悪くて最高だった。

 ポルノはドラムとベースがいない。そのあたりを逆手に取ってというか、EDM(とはいえよく知らないけど)みたいなものをもりもり取り込んでいる。それとバンドのロックをいい感じに融合していて、そういう楽曲の今の時点での到達点って感じがする。よく知らないけど。

 あとサビの照明がやばい。何が起きているのかわからないくらいぐるぐると赤と白の光が回る。ポルノの照明は毎度変態だが、今回はこの曲が一番変態だった。

 

16.サボテン

 なんかアレンジが今までに聴いてきたサボテンとは違う感じがした!近頃のライブでは割とやってくれる曲となったので珍しいとは感じないが、アレンジの力ってすごい。すげえ語彙のない感想しか出てこない!苦笑

 

17.ヒトリノ夜

 岡野さん、テンションが上がったのかサビを急にファンに振る。「歌って!」って言われて戸惑いながらも「だからロンリ・ロンリー君だけはオリジナルラブを貫いて」のあたりとかを歌った。ポルノの曲って基本的にファンのパート(っていうのもおかしいけど)って「ラララ」とか「ウォウウォウ」とか、あとは「A New Day」における「言うなー!」みたいな感じで決まっていることが多い。歌ってって言われるのも大抵そういう部分なんだけど、ファンに歌ってほしかったのかなぁ。歌詞出ないけどみんな「ヒトリノ夜」くらいなら覚えているからそれなりに大きな声で歌っていた。会場からの声を聴く岡野さんが嬉しそうで、私も嬉しい。

 

18.瞬く星の下で

 実はめちゃくちゃ好きな曲なんだけど、なんで突如やってくれた?知ってた?ストリングのアレンジが豪華でこれも今まで聴いたなかで一番良かった。

 「白馬には自分で乗るほうがいい」って歌っちゃうのがさぁ、ポルノグラフィティなんだよね。

 

19.ハネウマライダー

 前日より音響がよいためタオルを回しても音が遮られない。岡野さんが自動ハンドル切り装置みたいに動いていて、なんだかとても愛おしかった。テンションの高い状態の岡野さんってふしぎ。でもそのふしぎさは、ファンを楽しませる方向に振り切れていることは確か。

 

20.アゲハ蝶

 今日はウェーブはなし。間奏の部分で「ラララ」を歌うファンの姿が映し出されていて、新藤さんが会場に背を向けてそっちを見ているのが印象的だった(会場は客電ついてないから多分ステージからは見づらいんだろうと思う)。カメラさんがめちゃくちゃいい仕事をしてくれて、このときの新藤さんの表情をばっちり撮っていて、真ん中以外のモニターに映してくれた。

 その顔が、すごく幸せそうに見えた。嬉しそうで、愛おしいものを見るような目をしていた。

 私と新藤さんは他人だし、直接話したこともない。関わりなんて少しもない。それでも私は新藤さんのことがすごく好きで、初恋の人は新藤さんなんて言っちゃうしすぐ「恋した」「恋しかできない」「圧倒的恋」とか言っちゃうし、それは置いといたとしてもあの言葉のセンスが私にあったらなと羨ましく思うこともあるしギターも恰好いいしとにかく好き。でもどれだけ好きだろうと私は新藤さんの家族ではないし親族でもないし友達でもないし知り合いでもないし顔見知りですらない。私に限らず、ファンのほとんどはそういった「無関係」の「赤の他人」なのではないかと思う。

 けれど、そんな無関係の赤の他人が、彼にあんな顔をさせたのだ。

 ファンはアーティストに忠誠を誓っているわけではないから違うなと思ったらすぐ離れられる。誰かに強制されて好きになるわけでもない。自分で選んでいる。そうやって選んで好きになって、沢山の幸せをもらった。一方的に幸せをもらっているだけなのではないかと思うことも多々あった。でもきっとそうじゃなくて双方向なものだったんだって、あの顔を見たらわかった。それが嬉しくて涙が止まらなくなってしまった。「アゲハ蝶」なんて、ライブでももう何十回と聴いている。今まで一回だって泣いたことがなかったのに。

 たとえば「恋愛」と呼ばれる感情で結ばれたふたりの関係が尊いように、たとえば「家族」と呼ばれる間柄に生まれる愛が美しいように、たとえば「友情」と呼ばれる厚い信頼で手を握り合う関係が眩しいように、アーティストとファンの関係もそれらと等しく、尊くて美しくて眩しい。決してどちらが劣るということはないし、恋愛という関係をファンとアーティストという関係で代替できないように、ファンとアーティストが築く関係もまた、恋愛という関係では代替できない。全く別の、それぞれが尊重されるべきものだ。だってこんなにも尊く、美しく、眩しいものだから。

 彼の幸せそうな表情を見て、そんなことを思いながら泣いた。

 

21.VS

 「アゲハ蝶」からの流れで号泣したまま「VS」へ。もうちょっと待ってくれよ~と思いながらぼろぼろに泣いた。

 「バーサス あの日の僕は 今日を見ていたのかな」という歌詞と、さっき見たばかりの新藤さんの顔が重なる。前回のツアー「UNFADED」では、アリーナクラスの会場を埋め尽くすファンに対して因島を出るときに描いていた夢の景色だと語っていた。だったら東京ドームを埋め尽くす景色はどうだろう。少年が期待したものを超えるような景色ではなかっただろうか。私の涙腺ポイントのひとつが「新藤少年が抱いていた夢」なので、それを思うとどうしても泣いてしまう。泣けばいいとか思っているわけではないけれど、思いが溢れてしまうのはどうしようもない。

 ギターを弾きながら歩く新藤さんの後を、にこにこしながら追いかけていく岡野さん。その図が「ポルノグラフィティ」という感じがした。以前テレビで彼らが母校に帰り、軽音部の活動をしていた部屋で思い出を語っている場面があった。放課後、あの部屋へと移動する彼らも、先を行く新藤さんを追いかける岡野さんみたいなことがあったりしたんじゃないかとか、これは勝手な想像でしかないけれど。バンドをやろうと思った少年と、彼に誘われて一緒にやろうと決めた少年と。一度も見たことがないはずなのに、ポルノグラフィティというものはこうやって始まったのかもしれないなと勝手に思って、また涙。

 

 

 

EN1.オー!リバル

 号泣しながらポルノコールしてた。前日もそうだけど、休む間もなくポルノコールしたいじゃん。休みたくないじゃん。ぶっちゃけ自分が古参のおたくだという自覚はあるので、古参のおたくにできることは何か?って言ったら古参じゃないおたくが恥ずかしくてコールしづらいなっていう状況を生み出さないことだと私は思っているので、自分の使命感としてポルノコールします。

 今回は福山雅治さんを降臨させようとする新藤さん。いつも思うけど、誰をおろしてこなくてもあなたは十分恰好いいからね……

 

EN2.Before Century⇒Century Lovers

 今回は「エビバディ!みんなで!声出せ!」のやつ(昔のバージョン)もやってくれた!!!そのあと「ダサいじゃろ!」って言ってて、さすがにダサいなって思ったけどそこからの「Everybody say」になるんだから最高だと思う。あと「エビバディエビバディセイ」という全体的に置きに行くバージョンもやってた。岡野さん曰く「進化するんよ、恰好よくはないけど」らしい。いや低めの声でいくバージョンも恰好いいよ!

 

EN3.ライラ

 ライラ前のメンバー紹介のところで、サポメンも一言ずつ喋ることに。そのなかでもドラムの真助さんが「自分はドラムだから後ろからずっと見ているけど、今日の二人の姿とお客さんを見ていてぐっときた」的なニュアンスのことを言いながら声を詰まらせていて、真助さんは2008年からポルノのサポメンとして携わってくれているから10年ちょっとの気持ちがそこに乗っかっていたのかなぁと思うと私もまた泣きそうになる。

 本間さんも「ポルノが自分のもとを離れてやっていきたいという話をした後、家に帰ったら涙が出た」という話をして、それを思い出して泣きそうになるという場面があった。本間さんには恩がある一方で、本間さんから一度離れてみなければ成長できない部分があるのも確かだったのだと思う。本間さんがポルノのことをすごく愛してくれているんだなぁと伝わってきて嬉しかったし、そんな彼らが再び共演した20周年という舞台に感謝した。それと、本間さんは「休むことがあってもいいので続けてください。それが僕らの願いです」とも言っていた。ここでいう「僕ら」とは、きっと「ポルノファン」のことだ。ポルノは20年のあいだ、活動を止めることなく走り続けてきた。もしそれをしんどいと感じるなら、休んでくれても構わない。けれど、終わってほしくはないなと私も思う。それを、彼らの身近な人である本間さんから言ってもらえたことが嬉しかった。

 NAOTOさんは久しぶりの登場だったけれど、「離れても心はポルノチームです」と言ってくれてすごく嬉しかった。私にとってはポルノのバックにヴァイオリンの音があるのは当たり前だったので、NAOTOさんがいなかったライブはなんだか物足りなく感じてしまったこともあった。ポルノにとってNAOTOさんがサポメンとして活躍してくれた時間は重要なものだし、NAOTOさんにとっても同じなのだと伝わってくる言葉だった。そしてこれらのエモエモ挨拶のあるなかでnang-changのテンションがフラットだったのもすごく良かった。

 そして最後ははっさくメガネの合図で球場のビール売りの女の子がきて二人に生ビールを注いで、乾杯。岡野さんは口からだばだば流しながらも飲んでいた。既に一度はっさくメガネの音頭で乾杯しているのに、ステージの中央に座り込んで再び乾杯。まるで宅飲みのようなスタイルで、デビュー前とかに夢を語り合う姿はこんな感じだったのかなぁとか思ったりしてまたぐっときた。乾杯する二人の顔がすごく良かった。この人たちを応援してきてよかったなぁと思った。

 

 

 

 

 

 新藤さんは二日間とも「文化祭でバンドをやっていたころに夢見ていたことに繋がっているポルノを汚さぬように」という言葉を繰り返していた。ポルノは「夢」だという新藤さんは、きっとロマンチストなのだと思う。でもただ夢を見ているわけではなくて、夢を見ようとして夢を見ている人だ。

 目を開けてしまえることを、新藤さんは知っている。目を開けてポルノを続けても、それはかつての少年が夢見たことを壊してしまうことになる。だから、ぎゅっと目を瞑りなおしてまた夢を見る。私は、そうやって意識的に夢を見ようとしている新藤さんのことが好きだな、と思う。冷静になろうと思えばなれてしまうけれど、そうやって作られた音楽は彼の望むものではないのだろう。

 「惰性で続けることは夢を汚すことになる」と言ってしまえる彼の潔さ。先日の「音楽と人」のインタビューでも自分の感情に潔癖な人だと評されていたけれど、まさにそうだと思う。だから「ポルノをこれからも続けていく」と簡単に言わない。

 そんな人がポルノグラフィティとして作り出す音楽が、素晴らしいものにならないわけがない。たとえば曲が浮かんだとして、それをポルノとしてやる意味があるのかどうかとか、そういうことをひとつひとつ考えているんだと思う。そうやって選ばれて出てきたポルノグラフィティの音楽が素晴らしいのは当然だって言いたいくらい、そこに彼の努力や意識が潜んでいるのだと思う。

 本心を言えば「これからも末永くよろしく」って言ってくれたほうが安心するし、言ってほしい気持ちもある。だけど、そうやって馴れ合う関係でいいのか?という疑問も生まれる。私にそういう視点を思い出させてくれるのは、新藤さんの夢を見ようとして夢を見る姿勢だ。だから、好き。

 「ポルノはみなさんに幸せを届けられたんでしょうか」「ポルノはみなさんに何かを伝えられたんでしょうか」なんて言っちゃってさ。届いたものなんて山ほどあるよ。沢山幸せをもらったよ。どうしたら伝えられるかな。初めて手紙を書いてみたい気持ちになってる、今。

 清潔な衝動に正直でいたいあなたが好き。

 

 

 一方、岡野さんは目の前にいる6万人弱の姿を素直に喜ぶ。大きな歓声に、素直に笑顔を見せてくれる。岡野さんの笑顔に何度救われただろうかってくらい、ステージで彼が見せてくれる笑顔が好きだ。

 そして、謙虚すぎるくらいに感謝を重ねる彼の言葉が好きだ。ライブスタッフへの感謝も、事務所のスタッフへの感謝も、サポートしてくれるミュージシャンやアレンジャーへの感謝も、家族や友人への感謝も、ファンへの感謝も、彼の心の底から出てきているもので、ただただ感謝しているから感謝の言葉が出てくるのだと感じた。すごく素直でまっすぐな言葉に思えた。

 自らを「現実を見がちでどこか冷めたところがある」と岡野さんは評する。ある種のリアリストとでもいおうか。リアリストな彼は、8日の挨拶では「なにかひとつ信じられる夢をもっていれば、素晴らしい景色に辿り着ける」ということを「ファンに伝えられることだと思った」と言って語ってくれた。誰かからの受け売りの言葉ではなく、彼自身が現実に体験したがゆえにそういう言葉が出てきたのだろう。現実を見がちだという岡野さんが実際に言葉にしたということは、なんていうか、信頼できるっていうか、この人が言うことだったら信じたいなって思う。

 岡野さんの言葉って、体を預けられるくらいの信頼を置けるっていつも思う。言葉にかたちがあるというか、信じて飛び込めるだけの何かがあると思ってる。そんなふうに思える相手って私のなかでは2人しかいなくて、岡野さんとNEWSの小山さんだけだ。そういう人のことを好きでいられてよかったなって思う。

 そして最後は生声で「ポルノのファンでいてよかったですか?」「僕はポルノグラフィティでよかった!」と言っていた。そんな嬉しいことってないなと思う。私の好きなバンドのボーカルが、私の好きなバンドのボーカルでよかったと言っているのだから。

 それに、「これからもよろしく」という言葉も彼の言葉で聴いた。そうやって前を向いていてくれることは、ファンとしては安心できる。私を揺るがす言葉を放つのはいつだって新藤さんだけど、私が安心できる言葉をくれるのはいつだって岡野さんだ。バランスがいいね。

 現実を見て前を向いている人と慎重に夢を見ている人が同じバンドを構成しているのだから、きっとこれからも素晴らしい音楽を届けてくれるのだと確信できる。

 

 

 そしてこのライブには、Tamaさんも来ていたとTwitterで発言していた。

 私は永遠に「74ers」に憧れ続けている。3人でのポルノのライブには、間に合わなかったから。こんなに好きなのに、3人のポルノを生で見ることができなかった。けれど、この日、私は「ポルノグラフィティ」である2人と「ポルノグラフィティ」であった1人がいる場所に、一緒にいることができた。

 そんなことってある?夢が叶った。もう二度とないだろうと思っていたのに。

 Tamaさんがアミューズを辞めたあたりから彼がどうしているのかわからなかったあいだは、3人のポルノと同じ場所にいられるなんて夢にも思わなかった。3人での演奏を生で聴いてみたい気はするけれど、それはポルノの20周年としてはちょっと違うなとも思うし、でも見たら見たでめっちゃ喜びそうな気もするし、そんなもしもの話はしたくない。とにかく、私は3人のポルノと一緒にあの空間にいたのだ。夢が叶った。もう二度とないと思っていたのに。まさかこんなことが起こるなんて。

 Tamaさんのツイートを見てから、お風呂で泣いたまま動けなかった。「74ers」に憧れ続ける私が、ちょっとだけ報われた気がした。形は違えど、夢が叶ったことにかわりはないと思う。そしていつか3人の演奏が聴けたらいいなぁと、また新たに夢を抱いた。

 

 

 

 

 本当に夢みたいな2日間だったな。大きな歓声に喜ぶ二人の姿を見られたのも嬉しかったし、私が焦がれてきた曲たちが聴けたのも嬉しかった。今までいっぱい聴いてきた曲も新たなアレンジで更に恰好良さを増していた。

 叶った夢と見果てぬ夢を抱えて、これからのポルノグラフィティを応援していきたい。

 

 

 

 ポルノグラフィティ、20周年本当におめでとうございます。

 どうか、これからもよろしく。

 

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