連作、つくってあそぼ!

 先日、連作の作り方についての話になったので、少し自分のなかで整理してみようかと思います。

 

 前提として、私は「連作をつくるぞ!」と意図して連作を作ることが多いです。ほぼそうかも。最近は20首をばーっと一気に作ることもありますし、10首くらいをつくることもあるし、35首くらいかなということもあります。ズレは多少あるけど、大体最初に意図した数を詠んでるな……。今回はそういう、意図して詠むパターンの話です。意図せずいくつかつくって並べるパターンもあると思います。

 

 

・文字数であそぶ

 複数の歌が並ぶので、そこに文字数による遊びが加わることもあります。1首ではできない遊びです。

 

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 これは「かみさま」という連作です。二次創作の短歌で、神様と神様を崇拝する宗教みたいな人たちからなるユニットがあってそのひとたちをテーマに詠んだものです。

 パッと見てわかると思いますが、左右対称です。なんかこう、宗教とシンメトリーは相性がいいような気がしてシンメトリーにしました。曼荼羅とかってシンメトリーのことが多いじゃないですか。タイトルは「かみさま」ですが、テーマになっているユニットはさまざまな宗教が融合したような感じ(仏教要素もある)ということもあるので、似合うかなと。

 ある程度詠んで、これは文字数で遊べるな〜と思ったのでそれを意図してつくりました。単語を変えてみたり言い換えたりすると意外と簡単に文字数は揃う。

 真ん中の両隣が短めの文字数なので、真ん中の「神様なのに?」が映える並びになっているところも気に入っています。

 私の言葉の使い方の傾向として「〜のなか」「ひと」は漢字をひらきがちで、たぶんそれゆえにシンメトリーになってますね。逆に漢字にすることでも文字数に変化が出るので、いろいろやってみると楽しいかも。

 時系列や流れによる意味合いにはそこまで縛られない歌たちだなと詠んでいる時点で思ったので、これは文字数に重きをおいて並べました。

 

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 これは恋と死のイメージを詠んだ連作です。シンメトリーにするとかではないんですが、最後だけ意図的に文字数が短くなるようにしました。明らかに他と比べて短い/長いと、それだけで印象的で目にとまると思うので。

 

 

・繰り返しであそぶ

 複数並べるから繰り返してみる、というのもありますね。つまり、サビですね。

 

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 これはお題をもらって詠んだ「二人用脱出ゲーム」という連作です。体から始まって最終的に結ばれるボーイズラブの結ばれる前の時点、みたいなリクエストだったと思います。

 「一人では解けない謎がありました」というフレーズが浮かんで、こ〜れは繰り返すべきだな!と思ったので最初と最後に使いました。答えを知りたいという目的が一致したから一緒にいるふたりだけど、まだ「ふたり」になりきれないから答えは見えないんですよね〜っていう、そこが一番言いたかったので。

 そういう「一番言いたいこと」は繰り返しますし、繰り返した短歌で挟むのはよくやります。好きなんだろうな。

 

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 これはアイドル短歌ワンドロで詠んだ「ふたり」。シンメの短歌です。「ふたりって○○ですね」を繰り返し、最後だけ「ふたりって○○でしょ」にしています。ぶっちゃけ上手いよね!気に入ってます。同じかたちを繰り返して最後だけ変えるみたいなのも、音楽でいう最後のサビだけ一音上がる部分があるみたいな……そういうイメージでつくっています。繰り返すから印象に残る、繰り返しをズラすことで印象に残る、の両方をうまく使えたな〜という気がしています。

 あと、すべて「る」で終わるようにもしています。繰り返すからこその良さみたいなのを意識してつくった連作です。

 

 

・対比であそぶ

 対比も繰り返しと同じくらい好きです。よくやります。

 

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 これは二次創作短歌で、「花」をテーマに詠んだものです。世界が正しい状態ではもう二度と出会えないふたりが、世界がエラーを吐いたおかげでまた会えて、世界が元に戻ったのでまたさよならをしたっていう、そういう連作です。最初と最後にその要素が強く出ていて、なかの4首は互いの相手への想いみたいなものを込めました。

 全体を見たときに、最初と最後で「正しさ」と「間違い」の対比が一目見て目につくんじゃないでしょうか。狙っています。「夏」がどちらにも出てきて、一方は「夏が来たって蓮は咲かない」でもう一方は「紫苑は咲いて夏は過ぎゆく」で、これも「夏が来ない/夏が過ぎる」と「蓮は咲かない/紫苑は咲く」の対比です。め、めちゃくちゃうめ〜な!対比を意識しまくってつくった2首です。

 ちなみに4首目の季と5首目の彼岸花も「白い花弁が連れ去ってしまわぬように」「彼岸花連れていってと」のあたりにも対比を仕込んでいます。「(季の)白/彼岸花(の赤)」は色が対になっていて、さらに花を詠むか色を詠むかも対比になってますがこの辺は自己満なので私が楽しければそれで良い。さらに「連れ去ってしまわぬように/連れていって」も対比ですね。こういうのがね……好きでね……よくやります。

 

 

・グラデーションであそぶ

 グラデーションにもいろいろあると思うんですよ。連作つくるときにグラデーション意識することあるか!?あるんですよね〜。

 

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 これは好きな朗読劇を詠んだものです。何がグラデーションかっていうと時系列ですね。単語を拾うと、夕陽夜・星灯りが消えて・夜星となっています。最後の1首はまとめみたいな意味合いなので時系列関係なし。

 

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 これは最後の一文字を並べて左から読むと好きなキャラの名前になる連作です。背景もグラデーションなのはたぶん……グラデーションを意識してるから……かもしれない。

 これは何がグラデーションかというと、主体です。主体の自我の強さみたいなものがグラデーションになっています。左にいくほど濃くなる。

 45首目くらいまではテーマになっているキャラクターに主眼をおいているんですが、それ以降は主体の自我が強くなるイメージです。

 6首目は流れ星を手に入れたくて天窓を開けた主体がいるし、7首目は君を思い出しながらロキソニン飲んでるし、8首目はもう……めちゃくちゃ主体がいる……寝とる……

 ちなみに4首目に「僕の神様」とあってここが例外的に自我出てるじゃん〜と言う感じなんですが、当初は「次の神様」だったんですよ。ちょっとあまりに思想が強すぎたのでぼかした結果の「僕の神様」です。主体の自我はあるけどそこまで濃くはないな……と許容することにしました。

 

・いっぱい詠んであそぶ

 もう単純にいっぱい詠む!私は20首連作を一気につくるのにハマっているらしく、結構やってます。

 

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 これもラブな朗読劇の連作ですね。物語の登場人物の心の動きをなぞるような並びです。朗読劇知ってる人が見たらなぞっていることがわかるようにしたかったので割とそう並んでいます。

 並べているうちにこのへんが薄いな〜と思ったらそこの短歌を足したり、逆に多いなと思ったら削ったりして20にしました。これはあんまり繰り返しや対比は使わなかったですね。ストレートにつくりました。

 こんな感じでいっぱい詠むのも楽しいよ!

 

 

 

 以上、連作の並べ方の話でした。他にもある気がする!見つけたらまた書きたい。

HANDEAD ANTHEM SOLO COLLECTION 16曲で短歌を詠みました

 

 2023年4月下旬、突如として転がり落ちました。HANDEAD ANTHEMという、声優×ゾンビ×EDMのコンテンツに。人生でこんなスピードで転げ落ちることあるか?くらいの速度感です。現在進行形で。

 で!その私が愛するHANDEAD  ANTHEM通称ハンセム、2023年8月6日にプロジェクトが終了することが発表されました。

 マジかよ〜〜〜〜〜!!!!!!!つれえ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!こんなに楽しいのに!!!!!!!!!!!!キャラ22人いて声優が7人(4役×4人+2役×3人)とかいう意味わからんコンテンツなのに!!!!!!!!!!!曲も最高なのに!!!!!!!!!!!!!!鬼童町信乃くんもいるのに!!!!!!!!!!!!!??????!?!!!????????

 とりあえず愛してる証を残してえな!詠むか!というわけでソロ16曲の短歌を詠みました。

 

 ハンセムとは:半分死んで幸せになるコンテンツ。4人×4チームと3人×2チームがある。歌う。詳しくは公式サイトを見て!

 

 ※この記事はコンテンツを知らない方にもわかりやすくなるよういくらかハンセムの解説も含んで書いています。ハンセム、気になってほしいので。みんなのソロ曲聴いてくれ!

 

 ソロ曲は16人分存在するので、その16曲をモチーフとして詠みました。歌ってる声帯は4つしかない。本当に?

 SOLO COLLECTION Ruby、Topaz、Turquoise、Amethystの4枚にそれぞれ4曲収録されています。リリース順、収録順に並んでいます。

 曲名/歌唱キャラ(所属チーム)で記載しています。

 

 

HERO/春野 穏人(夜鳴)

 君の蒔いた種が芽吹いた大切に育ててるから咲いたら見てね

 かわいくて爽やかな曲です。雰囲気を損なわないよう、やさしめの言葉を選びました。

 曲中には花のモチーフは使われていません。じゃあなんで花?そうです、雷我のソロが「花の宴」だからです。この曲は穏人が雷我に向けている感情でできていると解釈しているので、それを短歌で表すには?と思ったらこうなりました。

 直接「花」という語を使ったら野暮なので、ちょっとズラしています。たぶん穏人は自分の花が咲いているとは思ってないから、咲いたら雷我くんにも見てほしいなみたいな気持ちでいるんだろうなって。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 春野 穏人 【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

Temptation/真我里 依留(HIGH-TIDE)

 背負ってるものは要らない感情と感覚だけで部屋を満たして

 難しかった……「不整合な欲」ってなんですか?心身を重ねてはならない相手との逢瀬なのかな?なんでその曲が依留のソロ曲なんですか?でもわかる〜こういう雰囲気なの。わかる。そのひとそのものを表現するソロもあるし、ジャニーズのソロ曲みたいにこの人がこの曲歌うのわかる〜!みたいなソロ曲もあって、依留は後者ですね。

 依留は実家が神社だったり人のオーラが見えたりする子で、歌詞にも「君のオーラに触れたい」とあります。「触れたい」というワードから身体の要素を入れようとしたけどこういう雰囲気の短歌に「体」って入れると途端に直接的で俗っぽくなってしまう。そんなのやだ!と思って「感覚」という単語を引っ張り出しました。視覚触覚嗅覚といった身体があることで感じられる感覚という意味もあるし、依留に見えている相手のオーラを捉えるという意味にも当てはまるし、ぴったりの表現だったなと思いました。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 真我里 依留 【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

SAVIOR/黒崎 隆景(deva)

 もう他に求めるものはありませんあなたの横が世界の終わり

 これ、どうしても最後に詠みたくて最後に詠みました。

 隆景はコウ様に命も心も救われ、すべてをコウ様に尽くすことを決めた男で、「あなた以上の人はいない」って歌詞があるんですよ。どういうことかわかりますか?そう、世界の終わりです。隆景の世界はコウ様によって救われると同時にコウ様が終焉の地となったわけです。「あなた以上の人はいない」んだから。世界の果てがここにあります。そういう短歌なので、最後に詠みました。

 「静かな部屋の片隅で もう何もないと瞼を閉じた」という歌い出しなんですが、絶望の表現として「何もない」が使われているのでコウ様よりほかに何もいらないという意味を「もう他に求めるものはありません」に込めています。何もないのと他に何もいらないじゃ全然違うね。よかったね隆景。天才の短歌です。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 黒崎 隆景 【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

LABYRiNTH/比作 天外(B.U.H)

 内側の迷いの森で泣いている幼い僕を誰か見つけて

 曲から離れたところを詠むか、曲の中にあるものを詠むか。これは前者。なんかもうLABYRiNTHが短歌(概念)なので、曲そのものを詠むのは違うなと思った。

 「LABYRiNTH」の中にいるのは誰ですか?幼い僕=「i」です。天ちゃんさんの一人称は「私」ですが、デッドレベルが上がったときに「僕」って言ってるんですよね(TRACKS TRAST参照)。天ちゃんさんは幼い頃の記憶がないので、その辺のイメージも重ねています。

 ていうか天ちゃんさんの過去、設定資料集(今まで明かされなかった情報も満載の本が出るよ)で明かされるんですか!?ウワーーー!怖い!!!!

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 比作 天外 【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

 

 

Off we go/嘉間良 流(HIGH-TIDE)

 海が言う 帰れる場所があるのならどこへ行こうと大丈夫だと

 流くん、あまりにも家長。HIGH-TIDEはshark houseというシェアハウスで暮らしてるんですが、まぁ〜家長だよね。HIGH-TIDEのヘッドでありshark houseの家長。偉そうとかってことじゃなくて、圧倒的に頼れる。

 水泳選手として世界を飛び回ったり、フェスを主催したり、流くんて頼れるしすごい人なんだけど、それはきっと帰る場所があるからじゃない?という短歌です。流くんだけじゃなくて、HIGH-TIDEのみんなも、帰る場所があるからどこまでだっていけるよねっていう。MVについているミニドラマも、ただいまとおかえりの話だったので。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 嘉間良 流 【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

AWESOME NIGHT/石垣 真那人(HIGH-TIDE)

 眠らない夜へようこそ一杯目グラスのなかの海に口付け

 セクシーダンサーって、何!?わからないけど真那人くんの歌でしかない。依留と同じく、この人が歌ったら似合うな系のソロ曲です。

 なんかこう……クラブでイケイケの曲なんですけど、そのイケイケ感を俗っぽく詠むのは嫌だった。セクシーダンサーって言ってるけど、逆にいうとセクシーダンサー以外にそれっぽいワードはあんまり、ない!多分。「海の中じゃガラスの靴は沈んでしまうから」とか最高ワードが出てくるめちゃくちゃ好きな曲です。だからこそ難しかった。

 難しいときはテーマを決めるんですが、「夜はこれから」です。いい感じの言葉で「夜はこれから」って言ってます。青いカクテル飲んで微笑む真那人くんが見えるでしょ?そんなのもう、夜はこれからでしょ?つまりAWESOME NIGHTでしょ?天才の短歌です。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 石垣 真那人【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

可変的存在/藻津 ノラ(夜鳴)

 何気ない日々のループのなか、猫はチャイムが鳴るまでひと眠りする。

 MVのドラマも何気ない日常って感じだったのでその方向性にしました。「僕は僕」をテーマにもってきてもよかったんだけど、それを短歌の文字数に収めると説教くさくなりそうだったから避けた。説教くさい短歌もいいけど、それはノラくんの短歌じゃないから。

 16首のなかで読点・句読点があるのはこれだけなんですが、なんかノラくんの短歌なら普通の一文みたいにするのもアリだよな〜日常の一部って感じにしたいし、ということでこうなりました。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 藻津 ノラ【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

Ideal World/天神 コウ(deva)

 あまりにも脆い世界に降り立った粘土細工でできた神様 

 コウ様は神様なのですが、も〜〜〜全然人間。人間だけど、人間に人間は救えないから、コウ様は神様になるのです。

 この短歌に関しては言うこともあまりない。そのままなので。世界も脆いしコウ様も脆い。つくりものの神様。

 ボツにした案に「共に往く者などいない車窓には孤独な男の顔が映った」というのもあったんですが、あまりにもかわいそうだなと思ってやめました。共に往く者はいるんだからちゃんと周りを見なよコウ様!devaの3人はコウ様しか見てないよ!自分で引き込んだんだからちゃんと連れていきなよ!

 でもコウ様はフェスで神輿に乗って担がれたりする、かわいいひとです。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 天神 コウ【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

 

花の宴/和食 雷我(夜鳴)

 鮮やかな花の若さは夜空さえ鳴動させて永遠になる

 夜鳴のヘッド、雷我の短歌。めちゃくちゃカッコいい曲なんだけど、夜鳴のメンバーへの愛と信頼を歌っていると解釈しています。え、あんなツンツンなのにメンバーへのラブをソロ曲に……!?かわいすぎる!のでどうしても「夜鳴」の二文字を入れたかったので入れています。結果としてなんか花火ドーン!の雰囲気が出たので天才だと思いました。

 あとさぁ、高校生って永遠じゃない?この先のことも考えるけど、でもそんなの遠い未来って感じで、教室でだらだら喋ってる時間って永遠だったなって。夜鳴は永遠。

 他のチームはヘッドを中心にというところが強いように感じられるけど、夜鳴は割と横並びというか。ヘッドっていっても部活の部長くらいのえらさみたいな。なんかそういう雰囲気があるので、雷我を中心としつつも横並び感をイメージして夜鳴の短歌は全員雷我の短歌と繋がりを持たせています。穏人とは「花」モチーフ、ノラくんとは「鳴」の文字、護とは「空」モチーフが共通してあるように作っています。え?天才?

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Share Happy/冨着 ずみ(HIGH-TIDE)

 ラブアンドハッピー!(たぶん)最強の呪文で背中押してあげるね

 解説することもないほどそのままの短歌。明るくてかわいくて聴いてたら元気が出てくる曲なので、この短歌もそうであれと思います。

 ちょっと適当だけどこの人が言うんならそうなのかな〜の感じを「(たぶん)最強」に込めました。カッコもひとりくらい使いたいと思ってたんだけどずみちだな〜と思ったので。ずみちの、適当だけど面倒見のいい感じ、ちょうどいい優しさですよね。軽くなりすぎず重くなりすぎず、ずみちぽさを込めたつもりです。

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瞳の光/鬼童町 信乃(deva)

まぶしさのなかで微笑むこのひとがきっとこの世の最初の光

 マイスイート、信乃くんの歌です。瞳の光は信乃くんがコウ様と出会い世界が輝いて見えるようになったという歌なので、そういう短歌です。天地開闢

 コウ様は神様であり、もちろん信乃くんもコウ様を信仰しているので、ま〜要するに「光あれ」ということです。神の「光あれ」という言葉で世界は開かれたわけです。ていうかコウ様こそがこの世界に最初にもたらされた光なのです。もっといえばコウ様こそが世界。

 なんかそういう、特定の宗教に準えているわけではなくちょっとずつズレがあったりいろんな宗教ごった煮にした感じがdevaなんだよってところも含めたかった。祈りの言葉は「ディーバ・プラディダーナ」で、インド仏教の香りもするし。

 信乃くんはコウ様にハンデッドにしてもらって世界が色鮮やかに見えるようになったわけですが、光がなければ色も見えないんですよね。あの瞬間に信乃くんの世界に光がもたらされたんだなぁと思います。

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SPIRAL/三次 利狂(B.U.H)

 羽撃かぬ鳥は鏡のなかに在り二重螺旋は外れぬ鎖

 動物行動学の教授だからなんかそれっぽい二重螺旋の歌い出しなんだ〜って思ってたけど、利狂さんには双子の弟の駆さんがいて彼は意思なく彷徨うだけのゾンビ(ゼンデッド)になってんですよね。あ〜もう、「それ」じゃん、の短歌です。

 鳥モチーフを使いたいので「羽撃かぬ鳥」です。「螺旋」も「鎖」も歌詞に出てくるからあんまり使いたくなかったんですが、必要なので使いました。二重螺旋が鎖みたいなかたちをしているので鎖と言っていますが、良い意味でも悪い意味でも切っても切れない血縁もまた鎖だよね〜みたいな気持ちで詠みました。他にも駆さんと関係のあった人たちはいるけど、やっぱ一際重みが違うよな利狂さんは……の短歌。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 三次 利狂【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

 

Take the cake/嘉間良 眩(B.U.H)

 世界ってこんなに速く廻るのか瞬きくらいさせてください

 難しかった。だってこの曲、B.U.Hの愚痴だから。どう詠めと。勝手に16曲やると決めたけど危うく頓挫しかけた。でも天才だから大丈夫だった!

 愚痴の間にもちゃんと愛が挟まってる、みたいな感じなんですよね。愛あるナントカみたいな言い方は愛があればなんでもいいのかって感じがして好きじゃないけど、愛と信頼がちゃんとあるので、3人とくらむんの間には。でも素直に愛は言わない。皮肉めいた感じでも言わない。自覚してないくらい自明の愛を込めたつもりです。

 瞬きもできないくらい振り回されちゃうけど、くらむんは多分それが嫌じゃないので。毎日楽しくてよかったね!

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 嘉間良 眩【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

気炎万丈晴れ男/久重 護(夜鳴)

 進むのをやめないことが一番の近道だって太陽が言う

 ま、眩しすぎる……。護はあ○のあつこ作品に出てきそうな男の子です。部活も夜鳴の活動も頑張ってるし弟や妹の面倒も見てる。護って3人くらいいる?

 護は眩しいけど一回折れてるし意外と繊細だし、でも頑張り屋で元気で。そういう子はストレートな短歌が似合うのでめちゃくちゃストレートな短歌です。ポルノでいうと昭仁が作詞するわ……と思いながら詠みました。

 太陽はまぁ、そのまま太陽でもあるし、雷我もそこに重なってくるかもしれない。雷我より護のほうがよっぽど太陽なんだけど、でも護を照らしたのは雷我なんだよな。そういう短歌です。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 久重 護【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

溺れるテオリア/白島 溺(B.U.H)

 水槽は広くて深い満たされる日が来るのかと見上げる魚

 溺、伊達メガネとマスクで顔隠してるくせにオシャレは好きだし曲は聴いてほしいし承認欲求がすんごい!けど、それをそのまんま言ってもつまんないから、めちゃくちゃこねくりまわした。

 「まだ頂上ではない」「まだ足りなくて」という歌詞があるので、ようは満たされないってことなんですよね。たぶん溺の棲んでる水槽ってめちゃくちゃでかくて、本当は溺れるほどに注いでほしいのに全然足りないんでしょうね。このソロのいくつかも溺が作った(という設定)だし、売れっ子なのに全然足りないの。欲が深い!承認欲求ヤバ!なんて愛おしいんだろうな。

 溺という名前からの連想で水槽や魚というワードを使いましたが、曲の雰囲気とも合ってて天才だなぁと思いました。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 白島 溺【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

R.I.P/杁 敦豪(deva)

 蛹から孵らぬ蝶を胸に抱く確かに動く幻の翅

 敦豪の心臓は事故で亡くなった妹からもらったもので、このソロ曲もそういう歌だったのでそういう短歌です。詳しく言うほどのこともない。蛹から孵らぬ蝶を胸に抱く、は以前敦豪の短歌詠みたいな〜と思って途中で止まってた下書きからもってきました。

 蛹が「孵る」のか否か、表現としては悩むところですが使用例もあるので使っています。同じ文字数でも羽化しないよりも孵らないのほうがなんか……絶望感あるなって……絶望短歌が最後に来てしまったけどそういう曲順なので仕方ないです!でもこの絶望感、天才だなぁ。

【MVボイスドラマ】SOLO COLLECTION 杁 敦豪【HANDEAD ANTHEM】 - YouTube

 

 

 どの短歌も基本的には(ちょっと厳しかったものもあるけど)普通の短歌としても成立するように詠んでいるので、ハンセムを知る人とそうでない人で感じ方が全然違いそうですね。

 本当に全力を込めて詠んだのでどれも最高の天才短歌だと思っています。私は自分の詠んだものはどれも大好きだけど、今回はもう本当に全部自信作です。この天才短歌を味わい尽くすには、そう!ハンセムを知ってください!とりあえずソロ曲を聴いてほしいな!各種サブスクでも聴けるし、YouTubeにはMVとドラマの動画があるよ!ソロ以外もめちゃくちゃ良い曲ばっかりだよ!

 

 

 本当はやらなきゃいけないこともたくさんあるし、やりたいこともいろいろあるし、でももうそれどころじゃないので全力をハンセムに注いでいます。

 終わるな!!!!!!!!!!でももう覆らないよね。かなしいけど、最後だからって公式がアホみたいな量の情報をくれるし、これから先も愛してねって言ってくれてるみたいで、それはとても嬉しい。

 これから先も愛しているよ。半分死んで幸せになろう!

SideM曲モチーフ短歌「3×17=51」 #SideM短歌

ルール:曲をモチーフにして短歌を詠む。各ユニ3曲と全体曲3曲。3×17=51。

信条 :できるだけ歌詞に出てくる言葉を使わない。曲を知らなくても成立する短歌で(なるべく)ありたい。

 

 

 

FRAME

眠い目で支度する朝 瞼にはラメを、耳にはあなたの声を/Plus 1 Good Day!

特記事項なしの日だって特記事項なしの話で笑い合えたら/SOOTHING PLACE

幸せとは君と並んで歩くとき狭めた歩幅が馴染んでくこと/Swing Your Leaves

 

 

 

 

THE虎牙道

逆立った毛並み鋭く研いだ爪待てを知らない獣のこころ/強く尊き獣たち

俯いて何か見えたか? 一条の光を捉えるための目だろう/RAY OF LIGHT

捕まえてごらん あなたを駆り立てるその焦燥を恋と呼ぶのだ/CATCH ME IF YOU CAN

 

 

Beit

魔法っていつか解けちゃうものだから毎日スキの魔法をキミに/スマイル・エンゲージ

シンデレラには憧れない わたしたちオーダーメイドの恋をしようよ/マイドラマティックヒロイン

君越しの街はきらきら フィルターも加工もなしでときめきの色/Avenue Illusion!

 

 

もふもふえん

見たことのない楽しみが待ってるよ 世界はぜんぶきみの遊び場/わんだー×まーちんぐ!

誰だってみんな特別 忘れちゃいそうになったらいっしょに歌お!/はんどめいど・きみはーと

ひかり降る明日へと駆けていきなさい 花舞う風はあなたの味方/はるかぜバトン

 

 

花筏 我は桜の彩(いろどり)を未来へ乗せてゆくための船/桜彩

袖を振り合うも多生の縁だとか ここはためしに踊りませんか/いとをかし!〜一彩×合彩〜

古来から歌には花を添えるもの あなたのもとへお届けします/祝彩!

 

 

F-LAGS

いま僕がここにいること、顔を上げ明日を見ていること。旗を振る。/Waving FLAGS

喉の奥なかなか出ていかない二文字 ちゃんと言うからちゃんと聞いてて/♡Cupids!

新しいシャツのボタンを閉めたとき僕がわずかに生まれ変わった/made in「♪」

 

 

Altessimo

brillante ご覧 世界は美しく、すべてのものがきみの音楽/Tone's Destiny

音楽の手をとり踊る 軽やかに五線のうえを飛び越えてゆく/Infinite Octave!

苦しみにひそめた声の優艶な響きをひとり僕だけが知る/mermaid fermata

 

 

神速一魂

まだ舗装されていない道この足とその足がある走っていける/RIGHT WAY, SOUL MATE

現在地訊ねたら夢の途中だと傷を光らせマシンが歌う/ROUTE77

甘いもの、難しい本 ひとりでは寂しい夜もひとりではない/オモイノウタ

 

 

C.FIRST

月曜日、登校中に聴く。これは私のための歌だ、と思う。/We're the one

教室を飛び出すときの戸惑いを上書きしてく手のひらの熱/Not Alone

大人ではない僕らなら「信じる」の一言だけで翼が生える/Trust me now

 

 

Legenders

【歴史】今ここにいる僕へ続いてる足跡。君と踏み出す一歩。/Make New Legend

言葉ってときに邪魔だね お喋りは時計の針にさせておこうか/Time Before Time

吹く風は荒野も海も行き過ぎてついには僕の帽子を飛ばす/Symphonic Brave

 

 

Jupiter

踊り出す光 ハレーション 春色の銀河束ねて君に差し出す/運命光年

妖精の粉がなくても飛べるでしょ? 目が合ったならふたりの宇宙/SPACY PARADISE

明日また笑えるように 誰よりも愛しい君のためのきらきら/Before long, DELIGHT

 

 

W

踏み鳴らす音が重なり遠くまで強く響いていくこと ふたり/Great Sympathy

肩組んで歌うアンセム 高く跳ぶ心 未来も追い越していけ/Watchword

疲れたら肩を回してスタンプを押すから並んで「よくできました!」/VIVA!!ファミリーリズム

 

 

S.E.M

今だけの今が煌めく学び舎に子らが笑えば回るMirror ball/Dance in the school

何処にでも行ける切符は最初からそのポケットに入っているよ/From Teacher To Future!

若者よ笑って生きていきなさい世界は君に開かれている/Happy's Birthday

 

 

Café Parade

いい子って誰のことかな落っこちた目玉で笑え さぁ、夜を行く/Reversed Masquerade

鑑定書なんかいらない綺麗だとあなたが思うものが綺麗だ/Pavé Étoiles

ミュージカル開幕します沈んでた心もカフェの魔法でラララ♪/Present for you!!!!! 〜A day in the café〜

 

 

High×Joker

笑い合う瞬間にふと青春の意味に気付いたティーンエイジャー/キセキ的STARRY-TUNE!!!!!

眩しすぎ注意!の看板立てといて 無敵の僕らきらきらひかる/JOKER↗︎オールマイティ

炭酸は振るのが礼儀濡れたって夕方までに乾くよ多分/Sunset★Colors

 

 

DRAMATIC STARS

変えたいと願う心は瞬きもさせないような光源になる/DRAMATIC NONFICTION

君の目に星が流れた 僕のこと待っていたって思ってもいい?/MOON NIGHTのせいにして

未来って目を閉じててもくるけれどそれがお前の望む未来か/Change to Chance

 

 

全体曲

開演のブザー鳴らしていつもより速い鼓動がはじまりの音/DRIVE A LIVE

道はまだ続いていくし塞いでたあの日の僕も連れて行こうか/Take a StaMp!

またここで会えますように 燦然とかがやく星が君に微笑む/PRIDE STAR

 

円城寺道流さんの師匠になった

 ご無沙汰しております。ご無沙汰しているあいだに担当が増えました。
 idolm@ster SideMというコンテンツに登場するアイドルユニット「THE 虎牙道」の円城寺道流さんといいます。24歳、元柔道家・現ラーメン屋店主兼アイドルです。
 担当が出演するライブに初めて行ったので、感想を書いておきたいなと。まぁその前に私たちの馴れ初めから聞いてよ。

 

 

<出会い編>
 産後のメンタルヤバ期を救ってくれたアニメの主人公の中の人(濱野大輝さん/私がTwitter上で「推しぴ」と呼ぶひと)が気になって検索したらあまりにも私の好きな顔だったのでい他の作品も知りたいなって探したらSideMに行きついた、という不純な動機です。
 推し声優の歌い踊る姿が見たかったので、円城寺道流というひとを知る前にライブの映像とか観てるんですよ。有識者が駆けつけて貸してくれました。歌もダンスも私のド好みでびびった。ダンスも好みって何?声優だぞ???でも体の使い方がさ……特撮出身俳優なのか?って思うような立ち方するんだ……好きだ……実際特撮は好きみたいだし円谷作品(SSSS.DYNAZENON)と東映作品(ドンブラザーズ)に出ている……
 その頃は、ウワーかっこいい!曲もいい!という印象にとどまっていました。キャラクターを知らない(検索してるからビジュくらいは知っているけどキャラクター性を知らない)ので、それ以上になりようがなかった。
 んですけど。「idolm@ster SideM GLOWING STARS」(通称サイスタ)というリズムゲーのアプリがリリースされまして、ようやくSideMの世界に触れるようになったわけです。それまでもモバゲー版はあったんですけど初見には厳しいUIで心が折れて、その後有識者の手ほどきを受けてモバゲー版も始めました。
 SideMはプレイヤーが「プロデューサー」なんですけど、長年アイドルの「おたく」をやってきた身なのにちゃんと「プロデューサー」になれるのか……という葛藤がめちゃくちゃありました。めんどくさいおたくだな……でもおたくとプロデューサーは違うじゃないですか。私はゲームの世界でもただのおたくでいたいのにな……みたいな葛藤が……すごいあった……(ここ伏線です)

 サイスタから入って道流に出会って、エピソードゼロというアイドルになる前のおはなしも読み始めて、道流のことを少しずつ知って、モバゲー版の道流のカード台詞とか調べていくと、なんかこの人めちゃくちゃ師匠(道流はPを「師匠」と呼びます。教え導いてくれる人的な意味)のこと好きでは……?みたいな描写が多々ありました。
 SideM、アニメ版は男性Pだしそもそもidolm@sterというコンテンツが女の子アイドルをプロデュースするコンテンツから始まっているし(5ブランドあってそのうちのひとつがSideM、それ以外は女の子アイドル)、乙女ゲー的に解釈できる部分もありつつそうではない部分もだいぶ大きい、みたいな印象なんですよ。ライブも男性P結構いるし。
 なので、そこまで乙女ゲー的解釈ではない感じなんだなと思いながら進めていたのに、道流は師匠のことがめちゃくちゃ好きで……どうして……葬り去ったはずの夢女の人格が目覚めてしまった……私は私のことを特別に好きなひとのことが好きだから……円城寺道流というひとは師匠のことが特別に好きなので……
 今年の2月には有識者の助けを得てモバのほうも始めたし、それ以前にライブ映像を貸してくれる有識者もいたし、先人たちに非常に助けられたんですが、誰ひとりとして「円城寺道流って人はPのことめちゃくちゃ好きだから注意しなよ」とは言ってくれなかったんですよね。ひどいよ。

 で、配信でライブを見たんですよ。リアルタイムは厳しかったのでアーカイブを途切れ途切れにスマホで見るくらいしかできなかったんですけど、2022年4月の北海道公演で披露された「いつかのトライアングル」というTHE虎牙道的には唯一のラブソング(他ユニとの合同曲)での推しぴas道流の表情が、恋を知っている顔だったんですよ。
 THE虎牙道というユニの他メンバーは大河タケルくん(17歳・元プロボクサー)と牙崎漣くん(18歳・元拳法家)で、道流だけが20歳以上で他の2人とは明らかに違う雰囲気があったんですよ。恋を知ってる顔してたんですよ。恋を知ってて、でもそれは私の知らない恋で。
 道流には私の知らない恋があったんですよ。あんなに師匠のこと好きなのに。え?ほんとに?びっくりしながら泣いてました。なんの涙なのかはわかんないけど……
 それからしばらく道流のことを考えて過ごしていた頃にサイスタで虎牙道新曲イベがきました。格ゲー主題歌を担当することになってゲームのイベントで楽曲披露と虎牙道の格ゲーエキシビションマッチを行うって内容のイベストで、ゲームに慣れている(得意分野はシューティング)タケルとゲームは初めてだけどコツを掴むのが上手い漣がバチバチにやり合ってるなかで道流は二人に負けたくないから事務所に遅くまで残ってコソ練してるんですよ。それを師匠に見つかって、「練習してたことはふたりだけの秘密にしてください」的なことを言うんですよ。え????????恋はじまった…………
 ちなみにエキシビションマッチは道流が勝ちます。勝ってから「実は練習してて」って自分で言うんです。ふたりだけの秘密って言ったのに自分からさらっとバラしててウワ~~~~~恋しかできない!!!!!!!ちなみにこのイベは義実家で走った。
 こうして円城寺道流さんを担当と呼ぶことになりました。

 

<ライブ編>
 晴れて(?)円城寺道流の夢女となったあと、はじめてのライブは愛知での公演でした。小さな子どもがいる身ではなかなか遠征はしづらいので配信で見ました。これがまぁびっくりするくらい最高だったんだよね……絶対生で見たいなって思った……
 7th LIVEは愛知・横浜公演があることは既に発表されていて、出演者が発表されたときにはTHE 虎牙道の文字はなく、こんどは関東にもきてね~ってめそめそしながら言っていた、んですけど。
 追加出演者の発表があり、1日目と2日目に道と虎牙で分かれて出演することが発表されました。しかも最速先行申込に間に合う。ものすごく迷いましたが、2日間続けて夜までかかる外出をすると家族に負担がかかるため、泣く泣くどちらかに絞ることにしました。もうほんと泣く泣くなんですけど1日目だけにしました。その後2日目のチケットもチャレンジしたんですが当たらず……。まぁ2日連続の単独外出は家族の負担がやばいからやめときなってことですよねって納得しました。
 ちなみにこの時点でソロが収録されるCDの発売がわかっていて、愛知公演では(ユニ全員での出演ではない人たちを中心として)新ソロを披露している人たちもいて、虎牙道をユニでなくバラして出すのは絶対ソロやるからだろ……ってとこまでわかっていました。行ける範囲の距離でやるライブで自担のソロが来るなんて、行かないわけにいかないだろ。

 会場に着いて席を確認して、これ絶対トロッコ通る道だ……って確信しました。センター席のブロック最前だったので……トロッコからは死角だろうけど間近で見られるのは嬉しいなってテンション上がりました。ワンチャン視界に入れないかなって思ったけど実際に死角だった。笑

 この記事は私と円城寺道流というひとの話をしたい記事なのでそれ以外の話題はあんま出さなくてもいいかなって思うんですが、この日はとにかく彩(元茶道家、元歌舞伎役者、元落語家の和ユニット)がすごかった。約3年半ぶりにメンバーが全員揃って、3人ともとにかく楽しそうで、見ていて楽しくなりました。最後の挨拶のときには、3年半のあいだライブに幾度も出演し彩を守ってきた2人が楽しいから終わりたくないって泣いちゃう場面もあって、彩、エモエモのエモだったな……

 で、円城寺道流さんのソロの話なんですけど。
 ソロ曲自体は既にCDが発売されているので(この後のセトリでCD発売もしてない完全初出しのソロ曲も出てきた)、ほどよく聴きこんでいきました。なんていうか、ロック寄りJ-POPでちゃんと売れる曲って印象です。ある程度のポップさもありながら、生バンドでやったら映えるだろうな~って感じの。伝われ。
 円城寺道流、ヤバ……と思い始めた頃には有識者が貸してくれた円盤が手元にあり、それには1曲目のソロが収録されていたんですよ。それもだいぶヤバなんですけど。これ現場で見た人たちやばかっただろうな~って他人事のように思っていたけどまさか自分の身に降りかかることになるとはね。
 セトリとしてはユニから一人出演である北斗のソロ(すっごい楽しい!キラキラしてて眩しい)がきて、めちゃくちゃ楽しい~歌うま~って思ってたんですけど途中で気付きます。あ、これ次だ。絶対次くる。
 北斗ソロが終わって、震える手でペンライトを道流の個人カラーである黄色にしました。併せて持っていた虎牙道の黒ペンラも握りしめて。
 静寂の時間が訪れる。静かなギターの音(ここは音源にはない)。音源にはなくても、もうこのギターの音で次の曲がわかってしまう。
 無音のなか、階段を下りてくる道流。数歩進んだところで、新ソロ「Determind Soul」のイントロがかかる。
 もうここから数分間ろくに記憶がなくて。メンステは割と距離があったんですけど、モニターよりも今そこで歌い踊っているひとを肉眼で見たいタイプなので、微動だにできないまま凝視していました。歌がめちゃくちゃ上手いのは勿論なんですが、熱とか気合とかがすごかった。スタンドマイクとかかなと思っていたらハンドマイクで結構踊ってて、重心が下にある動きがほんとうに円城寺道流でしかなくて……あと脚が長い……
 Cメロ「この自分に重ねてきた日々 全て噛み締めていくさ」のあと、笑うんですよ。それまですごく真剣な表情で歌っていて、そこだけ笑うんです。濱野さんas道流、割とニコニコとかニッコリみたいな言葉が似合うような笑みを浮かべることが多いんですけど、このときはなんていうか、戦いのさなかにいる男が浮かべる笑みっていうか……今までにあったよかったこともつらかったこともあの表情につまっているような、そんな笑顔でした。
 それまではモニター見てなかったのに、ここでふと目に入ったんですよ。そんなの見ちゃったら泣いちゃうでしょ……ここから号泣です。それまでも涙こぼさないように耐えてたけどもうだめだった。
 あの瞬間、世界には私と道流しかいなかったんです。たまにね、そうなっちゃうときがあるんですよ。ポルノでもNEWSでも、自担と私のふたりしか世界にいない瞬間がたまにあるんです。それが、道流ともあって。この瞬間のために、いろんなつらいことと戦って横浜にきたんだな、と思いました。
 新ソロ、YouTubeに試聴あるので聴いてください。イントロから1番終わりまで聴けます。動画の貼り方を思い出せたら貼ります……

 濱野さん、MCでも「師匠たち」と一瞬言ったのを「師匠」って言い直すし、ソロに関しても「いつもは(ユニットの)3人で出るけど、今回は師匠と2人ということで、師匠に背中を押されて……」って言うし、道流にとって師匠はただひとりであることを強調してくれるんですよ。
 315プロ社長も「プロデューサー諸君」って言ってますし、最初の注意事項で事務員の山村くんも「プロデューサーの皆さん」って言いますし、そこに倣ってもいいと思うんです。でも、そうしないんですよね。そこに意図を感じるし、何より私はそういう1対1の関係がめちゃくちゃに……好き……「師匠と2人で」って言われて崩れ落ちちゃった……
 長年アイドルのファンをやっているので、プロデューサーという立場に上手になれない自分がいました。ジャニーズで特別に好きなひとを「担当」と呼ぶのと同じ気持ちで道流のことを「担当」と呼んでいるしさっきもさらっと自担のソロが~って書きました。担当プロデューサーという意味ではなくて、ただのファンとして「道流担」という意識でいました。だから、自分のこと「師匠」だってあんまり思ってなかったんです。広義でいえば道流のこと好きなひとが「師匠」なんだろうけど、私は全然そんな……プロデュースできてないしなみたいな……(「担当」という言葉に特別な思い入れを持ちがちなおたくだから同じノリで「師匠」という言葉にもめちゃくちゃ意味をのせてしまう)
 でも今回、濱野さんas道流を見ていて、私って師匠だったんだな、とわかりました。思ったとか気付いたとかじゃなくて「わかった」。まだ出会ってから日は浅いし、知らないこともたくさんある。けれど、頂点を目指す道流のそばにいたいし、道流が愛しげに「師匠」と呼ぶ先にいたい……
 こうして私は道流の師匠になりました。

 こちらは道流ソロ「Determind Soul」を詠んだ短歌です。感情が高ぶるとすぐ短歌詠むおたくです。

 

 

 やっぱりどうしても生身の人間が好きなので、中の人たちにもしっかりずぶずぶになってるよ!好きなひととしか呼べないひともできた!大抵のイベントが配信で見れるの嬉しいけどお金がなくなるね!時短勤務の給料じゃきついぜ!でもそれはまぁ、別の話。

罪と救済と孤独と愛と罰 ー朗読劇「文豪、そして殺人鬼」ー

 

 

【要約】

 「文豪、そして殺人鬼」という激ヤバ朗読劇を見ました。まだアーカイブ配信チケ買えます。9/3、9/4まで見られます。見てください。

 

 

 

【どんな朗読劇?】

 今回で6回目、前日譚もある(こっちは未見)、人気のオリジナル朗読劇。主な登場人物は3人。キャストは固定されておらず、さまざまな組み合わせが見られる。同じキャストが違う役を演じることもある。私が見た回は濱野大輝さん、益山武明さん、小松昌平さんの初演キャスト。

 

 

【なんでそんなに狂っちゃったの?(ネタバレなし)】

 罪と救済と孤独と愛と罰の話(初見の感想)だったので。そんな話浴びたら気が狂うでしょ。現場で見たらもっとやばいことになってたと思う。こわい。でも絶対現場で見たい。

 

 

【どんなおはなし?】

 公式のあらすじを引用しておきます。 

 

時は昭和40年代。日本は後に「いざなぎ景気」と呼ばれる、好景気の真っ只中。
そんな明るく華やかな世にも影はあり、テレビからは各地で起こる心中事件が報道されていた。

若き才覚溢れるミステリ作家・菅 忠義(かん ただよし)と、あるハンディキャップを背負った少年・一糸 朱知(いっし あけとも)。
隣同士に住む青年二人は、各地の心中事件を追っているフリーの記者・尺 光輝(しゃく こうき)と出会う。

各地で起こる心中事件が紡ぐ、奇妙な友情の糸。
この出会いで、三人はそれぞれの《罪と罰》に対峙する事になる。

『文豪、そして殺人鬼』令和四年葉月公演(第6回公演) | イベント | READPIA

 

 

【ネタバレを含む感想メモ】

 以下、ネタバレを含むのでまっさらな状態で見たい方は今すぐ配信チケ買いに行って見てください。もうちょい知りたいよという方はもう少しお付き合いください。まとめようと思ったけど文章まとめる力がなさすぎてメモの断片にしかならなかった。

 

 

 

 

・死は救い 

 菅さんは死ななきゃ救われないひとだと思いました。私は彼らに対話しろ対話しろって言ってるけど、対話したってあのひとの罪は癒えやしないでしょう。朱知が彼を許しても(そもそも朱知は許す/許さないの視点で菅さんを見てない)、菅さん自身が許せないでしょうね。遅かれ早かれ、菅さんは自死を選んだんじゃないですかね。 

 かなしいことに、菅さんが自分を許せず罪の意識に苛まれ続けていることと朱知は無関係なんですよ。菅さんは罪を償いたいと思ってはいても、それは菅さん自身のためなので。朱知の幸せを願うのも、菅さん自身のため=それが償いであると思っているように、私には見えました。でも人間がとる行動ってぜんぶ自分のためじゃないですか?誰かのためと思う自分のためにすぎないんじゃないですか?そういう意味で菅さんはとっても人間くさいひとでしたね。 

 朱知に友達(=尺さん)ができて、自分から解放されてこの先幸せに生きていくであろう朱知を想像しながら池に飛び込んだんでしょうか。自分勝手ですね。ばかだなぁ。 

 

 朱知は朱知で、菅さんと一緒にいるor死じゃないですか。極端すぎるだろ。でもこの極端さが幼くて、10代半ば(と仮定する、小松朱知から受けた印象)ってそういう年頃だよなぁと思う。菅さんが離れていくことも、菅さんから離れることもない状況で死にたいって、めちゃくちゃかなしくていとしい希死念慮ですね……健気で痛々しい…… 

 尺さんについていったの、彼が自分を殺してくれるかもしれないという一縷の望みがあったんじゃないでしょうか。家に来ないかと言われた最初から死に方を知ろうとしていたんじゃないかな。家族が死んだから自分もではなくて、家族が死んでこのままでは菅さんといられなくなるから自分も。そんなことになるんだったら死んだほうがましだって、そういうことでしょう? 

 菅さんなしで生きていくって選択肢は最初からないんですよ。朱知にとって菅さんは光なので。光のない世界では生きていけないから。だから、菅さんを失ってしまったら、朱知はもう死しか選ばない。彼にとっても死は救いなんでしょうね。かなしいなあ。 

 ふたりとも、同じところに行けるといいですね。 

 

 尺さんにとっては、死は救いじゃないんでしょうか。今のところはそうなのかもなぁという印象です。生きるために人を殺すことはできても、自分から死を選ぶことはできないんでしょうね。そこにどんな感情があるのか、私には計り知れません。でも、生きてることも救いじゃないよね彼にとって。それでも、死ぬ理由も生きる理由も特にないなら生きていくんでしょうね。 

 私は朱知のことがかわいくてたまらないので、朱知と菅さんの背中を死に向かって押した尺さんのこと全然許せないし大嫌いです。嫌いだな〜!嫌いなので生きて苦しんでほしいですね……

 

 

・心中事件 

 尺さんが起こす事件が殺人事件ではなく心中事件と表現されるの、まぁ心中に見せかけて殺してるのでそりゃあそうなんだけど、そういう意味では本当の心中事件は菅さんと朱知の一件だけだったんじゃないかなと思いました。あのふたりは心中したんですよ。尺さんだけがそれを知っている。せっかく第一発見者になれるのに、記事にしなかったんですよねたぶん。人を殺すことと家畜を食べることを並べられる程度の倫理観で生きてきた尺さんに、あのふたりは何かを残したんでしょう。 

 

 

・朱知の光 

 朱知にとって、菅さんは光だったんだと思います。自分に優しくしてくれる唯一のひと。 

 朱知の孤独は大家族であることに根差しているように見えました。たぶん兄弟のなかでも朱知は頭が良くて聞き分けも良いんでしょうね、頭が良くて聞き分けも良い子は気にかけてもらえないんですよ。気にかけなくたって上手くやれるから。本当は上手くやれていない、気にかけてほしい場面があったとて、それは表に出せない。そんな子なんだろうなぁと思いました。だから、自身に怪我を負わせた相手が言う「大丈夫か?」に救われてしまった。たったそれだけで、と思う、正直。でも、そのたったそれだけ、が朱知の世界を変えてしまったんでしょうね。 

 菅さんは朱知の視力を奪ったこと(と、それを知りながら朱知と日々を過ごしていたこと)を自身の罪だと考えていましたが、朱知からしてみればそんなものはちっとも罪じゃなかったんじゃないですかね。すべてをわかっていながら全盲ではないことを隠して菅さんに構ってもらっていたことを罪に思っていたんですから。あえて「構ってもらっていた」と書きました。たぶん、朱知はそう思っていただろうから。自分が菅さんの自由と幸せを、奪っているのだと考えていた。かなしいね。何が彼をそんなに健気でかなしい子にしてしまったんだろう。誰からも省みられることのない日々、かなぁ。 

 菅さんの「大丈夫か?」、朱知が思うほどの重さはなかったんじゃないかな……。菅さんの独白ではすんごいさらっと「大丈夫かと近づいたら、」くらいに済まされてるし。朱知にとってはそれが光だったけど、菅さんにとっては全然違って、怪我をさせてしまった相手に咄嗟に出ただけの言葉だったかもしれない。でも朱知は声も間違えないくらいちゃんと覚えていて……本当に彼にとって光だったんだね……つらいね……朱知、菅さんが来るまでの4年間、ずっと「大丈夫か?」を抱えて生きていたんでしょう……

 それで声の主が隣に越してきたと知って、事故のことを言い出さずに近づいてきて、朱知はそれが嬉しかったのかもしれない。自分にとっての光がそばにいて、いろいろと構ってくれて。菅さんは朱知の視力を奪ったことを己の罪と思っていたけど、それ以上に朱知にとっては菅さんの言葉が存在が救いだったんだろうな。でも菅さんには伝わらなかったね。つらいね。

 視力を失った代わりに光を得たから、家族から何を言われても何をされてもちょっと愚痴るくらいで済んでしまうのかなぁと思いました。

 

 菅さんは菅さんで、自分が朱知の自由と幸せを奪っていると考えてるし、そこがすれ違っている以上もうだめなんだよ……入水エンドしかないんだ……

 

 

 

・罪と救済と孤独と愛と罰

 の話だと思いました。罪と罰、だけじゃ足りない。今のところの解釈ですけど、書いておきます。

 

 菅さんの罪は、朱知の視力を奪い、そのことを明かさずに朱知の世話を焼き救われ続けていたこと。朱知を自分に縛り付けていたこと。朱知は罪とは思ってなかったですけどね。

 朱知の罪は、全盲のふりをし続けたこと。菅さんに構ってほしいがために、嘘をついていたこと。

 菅さんの罪は、心中事件に見せかけて人を殺してきたこと。でも多分そこじゃないよな〜もっとなんか根深いものがあるよな……

 

 みんな孤独でしたね。菅さんは自分の罪を打ち明けられる相手がいなくて孤独だし、朱知は家族の誰にも顧みられることもなく友達もおらず孤独だし、尺さんは言わずもがな孤独というか菅さんと朱知のあいだに入れないこともまた孤独でしたね。朱知の孤独は菅さんの存在で癒される部分があったのに、菅さんとは友達になれないという一点が大きすぎますね。つらいな。

 

 愛、ありましたよね。菅さんと朱知、思い合いすぎて尺さんが入る余地なかった。嘘と秘密を伴う関係だったとしても、ちゃんとお互いを思い合っていたと思います。相手に好かれたいがために自分を許せなくなる気持ち……つらいな……

 

 

 

・役者込みの感想

濱野尺さん:

 人当たり良すぎて普通に出会ったらこのひとのこと嫌いになるひといなくないですか?嫌いになる要素がないんだもん。めちゃくちゃきらきらしている……生い立ちを感じさせないきらきら……なので「尺さんなら友達もたくさんできるよ」みたいなことを朱知が言ってたのもわかるというか……でもあのきらきらはたぶん作られたきらきらなんだよ……

 「喫茶店にでも行きましょうか」とか「さて、仕事です」みたいな、誰かに話してるわけじゃない、どこに向かってんのかわかんない台詞のストーリーテラー感めちゃ良かったです。この世のものじゃない感じがしました。

 あのアハハって笑い方、心の奥ぜったい笑ってねぇ〜〜〜!!!という感じがしてめちゃくちゃ好きです。表情も人智を超えたものみたいな顔してるときありましたね。人智を超えざるを得なかったというか、そういう感じがしてめちゃよかったです。好きです。「どうも、お兄さん」、夜のほうがヤバ度高く感じました。目ェやばいキレキレの顔を見せてくれて最高でした。

 菅さんが言うように根が優しいひとかどうかはわかんなかったな。どこまでが本心かわかんなかった。昼と夜だと夜のほうが菅さんのこと嫌いそうでしたね。夜の濱野尺さん、菅さんのこと小馬鹿にしてるような印象も受けました。嫌いなんだろうな……そこは本心だったのかもしれないな……

 濱野さん(私がTwitterで推しぴと呼んでいるのは濱野さんです)が出てるおかげで文殺見てみる気になったので本当にありがたいです。尺さんのことは嫌いですけど、この役をやる推しぴのことは大好きだな…………やってくれてありがとう…………

 

小松朱知:

 心を持っていかれてしまった。この3人のなかで一番心を持ってったのは小松朱知でした……めちゃくちゃかわいい少年だったので…………

 聡くて狡くて健気で痛々しくてかわいい男の子でしたね。昼と夜だと昼のほうが歳上に感じました。夜のほうがあどけなくて、初見が夜公演の朱知なのでめちゃくちゃつらかった。

 視線の演技がめちゃ良でした。音声だけじゃなくて映像で残してほしいよ……

 

益山菅さん:

 人間!めっちゃ人間だった!あ〜そりゃあこのひとは朱知の人生をぶっ壊した(と菅さんは思ってる)ことに耐えられないだろうな〜〜〜!!!って納得した。ふつうの人間……いたってふつうの……だから壊れてしまうんだよ……

 面倒見が良くて朱知のことも「もう〜!」みたいな感じで面倒見たくなっちゃう感じのいいひと感がありました。濱野尺さんが人間離れしたヤバさみたいなのを匂わせているので、余計に益山菅さんの人間度が高く感じました。

 

 

 

 

・メモ書き(基本的には21日夜公演)

 ストーリーテラー的な台詞が尺さんにだけあるのはやっぱこれが尺さんの物語だからなんだろうなと思うんだけど、だとしたら尺さんもかわいそうだな……自分の物語なのに菅さんと朱知がつくった閉じた輪を開くことはできなかったね……輪は閉じたまま沈んでいったね……

 

 尺さんから炭の匂いがすることに気付いてるのに(おそらくこの人が殺したことにうすうす勘付いているのに)自分の家族が死んだことを心中じゃないんですかって言っちゃう朱知……家族のこと、どうでもいいわけじゃないけど菅さんに比べたら全然どうでもいいんだろうな……

 

 「尺さんち来たはええけど暇や。うちではまだ雑用を言いつけられてたからな。そのおかげで菅さんに話聞いてもらえたし」朱知、家族にどやされたり雑用言いつけられたりするの、これでまた菅さんとおはなしできるって思ってたんかな……つらいな……なんもなくたってきっと何気ない話とかしたってよかったんだよ……本当にきみは聡くて狡くて健気で痛々しいな……

 

 尺さんの独白のあと、「それでもこうして仕事に行く僕は、少しは偉いんでしょうか」の言い方がかなしすぎた。尺さんもな……かなしいひとだよな……殺人を繰り返すうちにひとではないものになっちゃったみたいな感じがする……ひとの心がないひとの、ひとの心の残滓……

 

 「俺が良かれと思ってしたことが朱知を不幸にする、けど遠くに行かんでほしい」朱知だって離れたくなかったのにね。ばかだねふたりとも。ずっと一緒にいようって言えばよかったのにね。でも罪の意識に耐えられないもんね。かなしいね。

 

 尺さん、菅さんのことめっちゃ嫌いでは?このふたりなんかあるの?前日譚知らないからそのへんはわかんないんですけど……

 朱知が親戚に引き取られることについて菅さんが「目のことで疎まれなきゃいいが……だからって他人の俺が引き取るのもな」って言ったとき、尺さんめちゃくちゃ食い気味に「そうですね」って言ってきたので、え!?そこ押しちゃだめだよ!!!という気持ちになった。尺さん、菅さんのこと嫌いすぎない?割と意図的に自殺に追い込もうとしてない?なんでだろ……尺さんどこまで知ってるの?

 尺さんが朱知に言う「しっかりやり直せますって」も酷いよな……朱知と菅さんの今までの人生を否定している……

 「怖気付いていやしないかと思いまして」だからなんでそんなに尺さんは菅さんを殺したいんだ……3人の池のシーンの尺さんめちゃくちゃ苛立ってる感じがする すげー嫌いだよね「命乞いのつもりですか?僕が聞くわけないでしょう!」とか

 

 「俺にだって、菅さんが知らんことくらいあるで」の声……聡くて狡くて健気で痛々しいね……

 

 「俺、もっかい寝たら死ねる?菅さんから離れることも、菅さんが離れてくこともなく、死ねる?」つらいな……

 

 菅さんの告白を聞いてるときの朱知の顔……「知っとるよ」の声……「ついでに言うたら蓮さんの声も同じやね」の声……

 

 菅さん〜〜〜「俺のために」「俺のせいで」じゃないんだよ、朱知は朱知のために見えないふりをしていたんだよ…………

 朱知がほしいのは友達じゃないんだよ……菅さんだけなんだよ……朱知が「蓮さんしか友達がいない」って言うのは菅さんの友達にはなれないことへの寂しさだよ……朱知は友達がほしくて言ってたんじゃないよ……朱知がほしいのは菅さんだけだよ……朱知は尺さんには懐いてないよ殺して欲しかっただけだもの……

 「朱知!俺はお前を地獄に突き落とした張本人や。お前を救ってやれん。おおきにな、もう、俺を救ってくれんでええんや」菅さん!!!朱知が落ちたのは地獄じゃないんよ!!!!光だったんよ!!!!!!あなたが!!!!!!!!ばか!!!!!!!!あんたが死ぬことこそが朱知の地獄なんよ!!!!!!!!わかれ!!!!!!!!

 

 「根の優しさに朱知が懐いとるんわかるやろ」って言うけど、朱知全然尺さんに懐いてないよ……ばか……そんなこともわかんなかったの?だからお互いの気持ちが伝わりきらなかったんじゃないの……つらい……

 

 尺さんはたぶん朱知にシンパシーみたいなの感じてるけど、朱知は心を開いてはない感じがする。最初に朱知が尺さんに近づいたの、菅さんに友達を作りたかったからでしょう……

 

 朱知の「だから、さようなら」の明るさがつらい 泣き笑いの顔で言うな……

 

「ここで、僕も飛び込めたら良いのですが、これといって生きる理由もない僕には、死ぬ理由もないようです。友達も死んじゃいましたし」

 ここで「飛び込めたら良いのですが」って言えるのサイコパスすぎて好き、ここで尺さんのことちょっと好きになった。嫌いだけど(尺さんを演じる推しぴはめっちゃ良いけど尺さん自体は嫌いですね)

 「友達」、朱知のこと?朱知はあなたのこと友達なんて思ってないよ

 

 本当に似たもの同士だったのは尺さんと菅さんのほうだったのかもしれないね。似てなさすぎて鏡合わせみたいな存在なのかもね。

 

 昼公演の朱知の最期のシーンめっちゃつらい……「尺さんなら俺なんかやなくてもいろんな人と友達になれると思う」「でも、俺は……」の違いね、明るくしゃべっていたのに急に「でも」でつらそうになる朱知……朱知には菅さんしかいないもんね……

 「だから、」「さよなら」もつらかった。「だから、」までつらそうなのに「さよなら」を笑って言う……笑うな……笑うんじゃないよ朱知……笑うんじゃないよ……つらいでしょうが私が……朱知…………

 

 

 

 

 最後に、短歌詠んだので載せときますね。

 

 Twitterに載せたやつはバランスを見て一首削ってあるので、こっちが完全版です。

f:id:penguinkawaii:20220825220910j:image

 

 

許してと僕が頭を垂れてそのつむじを踏みつける僕の足

 

光とはあなたのことで罪なんか最初からない なかったんだよ

 

離れても元気でいろよ 新しい朝がお前を迎えるだろう

 

離れたら生きていけない 騒がしく蝉が鳴き出す朝にさよなら

 

罪と救済と孤独と愛と罰 友達にさえなれない僕ら

 

 

 

今ごろは荒れ果てた庭 この夏も池には蓮が咲くのでしょうね

 

 

 

曲をモチーフにした短歌をつくる

 

 

 あくまで私がどうやってつくっているかという話です。「やってみたいけど、どうつくったらいいんだろう」「他の人はどうやっているのかな」というときの参考になれば幸いです。

 そもそも短歌って?って人は「短歌とは」って検索してみて!個人的には、57577のかたちに概ね沿っていて溢れ出る感情を詰め込んであれば大体短歌なんじゃないかなって私は思ってます。そういう前提で進めます。

 ちなみに私はなんらかに所属して短歌を詠んでいるわけでもどこかで短歌を学んだわけでもなく、ただ勝手にひとりで好きなように詠んでいるだけの素人です。

 

 曲をモチーフにした短歌、私は主に「#ポルノ短歌」というタグで詠んでいます。なので、この記事に出てくる短歌はすべてポルノグラフィティの曲をモチーフとした短歌になります。

 

 で、どうやって詠むか。モチーフにしたい曲が決まったら、私はだいたい3種類の視点から考えます。この曲で詠むのにどういう視点で組み立てていくのがいいかな〜っていう感じです。

 

 

①歌詞に書いてあることを自分の言葉に翻訳して詠む

 歌詞の言葉そのままだったらそれは作詞者の言葉に他ならないわけで、それを「私の短歌」にするためにどうやったら自分の言葉に訳せるか、という観点。

 自分の気に入っている歌詞や、この歌詞は要約したらこういうことだよな、みたいなことを自分の言葉にして詠みます。

 私は「言い換え」が好きなので割とこの視点から詠むことも多い気がします。

 

笑ってる場面ばかりを思い出す 思い出したからには過去だ

 ポルノグラフィティ「空が青すぎて」の短歌です。この曲の歌詞には過去形が多用されていて、過ぎ去っていった日々を思い返しているのだろうと想像できます。この多用される過去形と「僕たちは確かに恋をしてた」ってフレーズが好きなんですけど、それを私の言葉で要約したらどうなるかなって思ってつくった短歌です。思い出すということはもう過去の話なんですよね……でもこの曲に描かれる恋はたぶんそんなにかなしい恋じゃないんだろうなと想像できたので、その感じを言葉にしました。

 

遠くから夜明けの色が窓を染めキミじゃなければ駄目だ、と思う

 ポルノグラフィティ「憂色〜Love is you〜」の短歌です。「耳が痛くなるくらい重い静けさに閉ざされて 息をひそめてひとり朝を待っているよ」の部分を中心にこの曲の歌詞全体を要約したような短歌にしたいなと思って詠みました。おそらくはこういうことを歌っているんだろうな、という私の勝手な解釈ですが。

「朝を待っている」の部分から「夜明け」という語をもってきて、「キミ」は歌詞に倣いカタカナ表記、主人公があれこれ歌っているのは「キミじゃなきゃ駄目」ってことなんだろう、という感じで構成されています。たぶんこのふたりは別れてはなさそうだし、この先また同じ時間を過ごしていくんだろうな〜感を出したかったのでそんな感じになっています。曖昧な解説だな。

 

 

②歌詞から連想した物語を詠む

 ①は歌詞の世界観そのものを詠みましたが、②は歌詞には書かれていない(が想像できる)ことを詠む視点です。歌詞のおはなしの延長線上の場合もあるし、歌詞には書かれていないけどきっとこういうこともあるだろう、みたいなのもあります。

 

何度目のデートか数えるのをやめてこれが愛だとわかりはじめる

 ポルノグラフィティ「ラビュー・ラビュー」の短歌です。たぶん歌詞とは「愛」くらいしか単語も被ってないんじゃないかな。でもなんとなくラビュー・ラビューだなってわかるじゃないですか(わかるよね……?)、そういう短歌です。きっとこの曲の「僕」はそんなふうに思ったんじゃないかなって連想しました。

 

だめなのはわかってるけど「あなた」って呼びたかったな あなたのことを

 ポルノグラフィティ「ワン・ウーマン・ショー 〜甘い幻〜」の短歌です。この曲めちゃ好きなので割と気合い入れて詠みました。

 この曲の二人称は「あなた」だけど、「私」は「あなた」に向かって「あなた」と呼んだことはあるのかなと思ったところから詠みました。私はこの曲は家庭のある(ちょっと年齢差もあるかもしれない)男性と交際する女性の歌かなと思っていて、そのおはなしを端的に表現したくてこんな感じになりました。なんとなくだけど「○○さん」としか呼んでないんじゃないかなと思うんですよね……「あなた」と呼ぶのは「あなた」の配偶者にのみ許された特権みたいに思ってんじゃないかな「私」は……っていう想像です。

 

夜にしか息ができない 午後1時私はどこで何しているの

 ポルノグラフィティ瞳の奥をのぞかせて」の短歌です。この曲の歌詞は基本的に夜と朝で構成されているので、「私」は昼間どうしてるんだろうというところから出発してこの短歌に着地しました。午前1時は詩的だけど、午後1時はあんまり詩的じゃないからそれを詠みたいという意図もありました。歌詞のなかから「私」の生活のにおいが全然しないので、このひとは夜以外どうやって生きてるんだろうか、というのを詠みたくて。曲の時代背景は現代じゃなくてもいいなと思ったし、「私」が昼間なにしてるひとなのか全然わかんないので、あまり具体的な単語は入れないようにしました。

 

 例に挙げた短歌も歌詞の物語の隙間を拾って詠んだみたいな感じになってますね。意図してそういうのばかり詠んでるわけじゃないですが、たぶん隙間を想像するのが好きなんだと思います。

 

 

③歌詞や楽曲の外側にいるひとを主体として詠む

 歌詞や楽曲の外側にいるひとは必ずしも自分とは限らないのでちょっとぼかした感じになりました。自分を主体にしてもいいし、別に自分じゃなくてもいいと思います。ようは、曲の「外側」に目を向けるという話です。曲を受け取ったときに何を考えたか、という視点です。

 

滴って落ちるピアノと降り注ぐギターがそれは恋なの?と問う

 ポルノグラフィティ「夜間飛行」の短歌です。この短歌自体は私の体験談ではありませんが、「滴って落ちるピアノと降り注ぐギター」はこの曲の演奏を指しています。あの滴り落ちる雫のようなピアノの音とピアノと少しニュアンスが違って降り注いでくるようなギターの音、歌詞の主人公に「それを恋だというの?」と問いかけてるみたいだなって思ったので、そういう短歌です。演奏を私がそう受け取ったという意味では体験といってもいいのかも。

 これは連作のひとつなので連作全体を見ると楽曲から連想したおはなしを描いているように見えますが、この短歌だけ見ると③として成立するなぁと思ったので例として挙げました。

 

どこまでも行けるよ私 擦り減った靴を履き替え歩いていこう

 ポルノグラフィティ「ロマンチスト・エゴイスト」の短歌です。これも別に私自身の体験ってわけじゃないんですけど、ロマエゴを聴いた架空の「私」を主体として詠みました。この曲は聴いた誰かの背筋をぴんと伸ばしてくれるような曲だと思うので、それを表現したくて。でも私の実体験を踏まえたいわけじゃないので、架空の「私」を詠みました。体験とは違うんですが、歌詞のなかのおはなしではなくて歌詞の外側に広がる世界を詠んだものです。

 踵鳴らして歩くには擦り減った靴じゃ駄目だよなと思ったので、そのへんは①のように自分の言葉に翻訳している部分でもありますね。

 

 とはいえ、私は短歌に「私」の感情を含ませるのがあまり得意ではないので、なかなか自分を主体とした短歌は(特に曲からイメージして詠む場合は)詠む技量がないな……と感じます。フィクションを詠むほうが圧倒的に得意だし好きなのでそればかりになりがちです。

 

 

 

 個人的には、①は曲の真下に向かって掘り進めるイメージ、②は曲の世界を広げるイメージ、③は曲の外側に世界を広げるイメージです。って書いてみたけど特に意味はないですね。なんとなくそういうイメージで捉えています。

 これら3つの視点、それぞれ独立してもいるし複数の視点からひとつの短歌を生み出すこともできます。②でやろうとしたけどちょっと物足りないから①の視点からもみてみる、その結果①の要素も②の要素もある短歌がうまれる、ということもよくあります。まぁそこまで深く考えずに、あーだこーだ練ってるうちに混ざってくることが多いですね。こういう観点で詠もうと意図してるわけではなくて、こんなふうに分類できるな〜と思って例示しただけなので。

 

 それと、全体を通じて、どこまで歌詞と同じ言葉を使っていいの?という疑問が生じるんじゃないかと思います。企画などで明確なルールがあるのであればそれに則るのが一番よいと思いますが、企画に参加するわけではなくひとりで勝手に詠んでるときは悩みますよね。私は悩むのが面倒なので「歌詞にある言葉をなるべく使わずにどれほどその曲を表現できるか」を考えて詠んでいます。それはそれで大変ですがうまくいったときはなかなか気持ちがいいです。「ラビュー・ラビュー・ラビュー・ラビュー・オー・マイ・ダーリン」と言わずに「ラビューラビュー」を表現できたら気持ちいいし、「あなたに逢えたそれだけでよかった世界に光が満ちた」と言わずに「アゲハ蝶」を表現できたら気持ちいいよねって話です。私はそっちのほうが好きです。でも「月飼い」を「月」使わずに詠むのは難しいしな〜

 

 いろいろ書いたけど、そんな難しく考えずに詠もうぜ!って話です。詠もうぜ!

 

 

#j31gate に寄せた短歌たち解説

 

 

 たまに参加していたアイドル短歌企画「J31Gate」に寄せた短歌をまとめました。解説つきです。

 

 

 初参加は2021年7月。それまでもJ31Gateのことは存じていましたが、自分の短歌を発表する場はTwitterで十分だろうと思っていたことと、多くの方が目にする企画である以上明るい短歌を出したいという気持ちがあり(しかし私の短歌は暗いものが多いので理想とするものがなかなか詠めない)、参加するには至っていませんでした。が、主催である鷹野しずかさんとのご縁が繋がったことで背中を押されたような気がして&ちょうど気にいるものが詠めたので参加しました。

 

 

 

第18回「音」

039:君の名は月光が海に落ちる音 わずかに跳ねて静かに沈む

(加藤さん)

 

 加藤シゲアキと口に出してみてください。ほら、月光が海に落ちる音がしますね。そういう短歌です。ロリータの冒頭みたいな。

 「か」はkの子音が光の生まれる瞬間のようだし、「とう」はoの母音からものが下に落ちていく印象を受けます。「し」は水面を少し滑る音、「げ」の濁音で一度跳ね、「あ」で再び水面に触れ「き」で静かに沈んでいきます。

 企画に出すものはなるべく明るい短歌を、少なくとも暗さに支配されない短歌を出そうと心がけているんですが、私らしさと明るさが共存したいい短歌になったなと思っています。広い海のうえに月が浮かんでいる風景が浮かんでくるところも気に入っています。

 

 

第19回「夏」

043:若者の夏は輝く 焦燥と、それより少し多い希望で

(加藤さん)

 かつての加藤さんを想って詠んだものです。若かりし頃の加藤さんを見ると若さゆえの焦燥と若さゆえの希望を感じます。今の加藤さんはもっと希望に満ちていて、一面の麦畑のようなあたたかさもあるなぁと思います。

 

 

第22回「ショウ」

022 :夢で逢いましょう あなたが思うよりずっとあなたのことが好きだよ

(NEWS)

 シンプルにそのままの短歌。不特定多数のアイドルに当てはまることかと思いますが、あえてNEWSの歌だとすることに私なりの意味があります。

 私たちはきっとNEWSが思うよりNEWSのことが好きだし、NEWSはきっと 私たちが思うより私たちのことが好きなのだと思います。どちらを主体としてもこの短歌が成立することが、私はとても嬉しいのです。

 また、「そのひとが夢に出てくるのはそのひとが私のことを好きだから」という解釈が古い歌にはあるよという話を古文の授業でしていたなぁと思い出して、そのあたりも込めての「夢」です。と同時に、「夢」=コンサート(NEWSと私たちが心を通わせることのできる空間)のことも指しているように取れるかなとも思います。ね。夢で逢いましょう

 「ショウ」というお題をみて真っ先に「夢で逢いましょう」というフレーズが出てきました。たぶん森博嗣先生の作品『夢・出逢い・魔性 you may die in my show』のせいです。美しいタイトルですよね。

 

 

第23回「雪」

127:ペンギンになる夢を見た 雪の日の極意をきみに授けてあげた

(アイドル名なし)

 

 私といえばペンギン、みたいなところありますよね。ペンギンが出てくるアイドル短歌も詠みたいなと思っていたので、「雪」「ペンギン」ありきで詠んだものです。ちょうど東京も雪が降ってペンギン歩きがどうのと言われてるのを見たもので。

 これもまた夢なんですけど。夢好きなんだな私。ふつうの短歌として詠むと片想いなのかな〜とかかわいい様子も想像できますが、アイドル短歌であることによって「きみ」=対話することが叶わない相手になるのが残酷で気に入っています。そのうえこちらがなにかを教えるわけなので。そんなことってないじゃん。でも夢ならありえるし、夢でしかありえない。なるべく明るい短歌をって言ってたけど、これは字面が明るくてかわいいのでOKとしました。

 

 

第24回「人」

058:人間の醜さと愛しさについて頁をめくり君と話した

(加藤さん)

 

 加藤さんと小説の短歌を詠みたいと思っていて、前回の「雪」でうまくいかなかったのでリベンジしました。さっきはアイドル=対話することが叶わない相手って言いましたけど、そのひとが書いた小説を読むことで対話できるんですよ。両者は矛盾しません。

 登場人物たちの言動が彼の思いを代弁しているとは思っていませんが、作品を通して受ける印象は彼の思いと一致する部分があると思っています。どの作品も、人間の醜さと愛しさを描いている気がして。人間って愚かで醜いね、でもそれと同じか少し多く愛おしいよね、と。そんなこと言ったら世の中の大抵の小説がそうかもしれませんが、他でもない「私」が他でもない「彼」の作品からそういった印象を受けたということが重要なんです。

 ちなみに「頁」は「ページ」と読みます。ルビを振らないのはわざとです。私と彼のあいだではルビは必要ないので。

 

 

153:離れたらまた会えばいい 僕たちはひとのかたちをしてる彗星

(アイドル名なし)

 

 J31Gateは第24回を以て無期限のお休みになるとのことで、その最後の一首となれたことを嬉しく思います。

 まさしく今の私がそうなんですよ。軌道的にちょっと離れているんですよね。生活が非常に忙しく、金銭的身体的そしてなにより精神的な余裕がないのでいろんなもののファンであることをお休みしています。無理をして追っても心と体に良くないので。いつかまたファンを名乗れるか、今はまだわかりません。心の距離も、今までの私と私の好きな人たちの距離とは同じではないので。これは一方的なわがままなのですが、ここ2年ほどのあいだに「私には寄り添ってくれないんだな」と思う出来事がありました。わがままで、非常に傲慢です。アイドルは私のために活動しているわけでも、私のために存在しているわけでもないのに、そんなことを思うなんて。傲慢ですね。でもそう思ってしまったんです。

 きっと、お互いの軌道が今は並んだり交差したりしない位置で周回しているのだろうと思いました。私たちはお互いにひとのかたちをした彗星で、今はちょっと離れているんだなって。

 でも、一度離れたということはまた会えるんですよ。私たちのあいだにある距離は縮めることもできる。

 

遠くから愛しています 僕たちのあいだに横たわるのは銀河

 

 2021年に詠んだものです。どうしても私は私と好きなもの、私とNEWSの関係を宇宙に浮かべたいらしい。これほどに想っているので、きっとまたいつか彼らに手を振り彼らに手を振り返してもらうことができるでしょう。その日がきたら、また逢いましょう。

 

 

 

 とはいえ私自身は生活を営み、たまに短歌を詠み、さまざまなものに転がりながら生きています。不安定な世の中ですが、あなたもどうかお元気で。私はどうにかやっています。