加藤シゲアキさんと友達だったらオススメしたいSFたち

 

 加藤さん、33歳のお誕生日おめでとうございます。

 こんな辺境のブログを加藤さんが覗くことなどないと思いたいのですが万が一エゴサに引っかかったりしたとき、できるだけ加藤さんにとって有益であろう情報を詰め込もうと思い、私からのささやかなお誕生日プレゼントとして、加藤さんと友達だったらオススメしたい(というかとっくにしているはずの)SFを挙げました。

 『夏への扉』や『華氏451度』等の海外名作SFを紹介したり『虐殺器官』のレビューを書いたり、最近では『三体』を読んでいたりと結構SFと親和性が高い人(SFに抵抗のない人)だと思うので。世の中には沢山面白いSFがあるんでね。読んでくれ。おおいに読んでくれ。

 

 

 

 

 

ベーシックインカム』井上真偽 集英社

 SF×ミステリの短編集。遺伝子操作やVRなどが出てくるタイプのSFで、実際にありそうな未来という設定を上手く活かしたミステリになっている。読者がもっている「世界の常識」が騙されるというか。最初から明確に示す情報と、隠しつつもよく読めば気づきそうな情報の配分もすごくいい。どの短編もばっちり騙しにきてくれるので、読者としては非常に気持ちがいい。

 まるで「読書」というアトラクションを楽しんでいるような気持ちになれる。私はミステリに対してはそういうギミックの楽しさも求めてしまうタイプなので、こういう作品は大好きです。

 『チュベローズで待ってる』はミステリ風味も味わえる作品だったけど、その系統をもっと深めて書くなら是非こういうミステリのギミックを楽しめる作品を沢山読んでほしいなって。あと単純に加藤さんが好きそうだな~って思った。

 それぞれの作品で余韻は残るものの、しめっとしそうな場面でも文章というか書き口がドライなので後を引かずに次の話を読めるのもいい。書き口はあくまでドライなのに最後に収録されている短編「ベーシックインカム」はエモの濁流だった。でもこのエモは数々のギミックによってつくられたものであって……というギミックのすごさを再認識する一冊。

 井上さんの作品は『探偵が早すぎる』も読んだけど、頭のいい人が書く文章というか無駄がない文章というか、そういう感じが特徴的だなと感じた。ミステリというのは状況の描写が重要になるものだと私は思っているんだけど、それがすごくいい感じなの。ギミックも楽しめるし、文章そのものも楽しめる、とてもいい作品です。 

ベーシックインカム

ベーシックインカム

  • 作者:井上 真偽
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本
 

 

 

『ゲームの王国』小川哲 早川書房

 友達じゃなくても薦めちゃうかもしれないくらい良いので今すぐに読んでほしい。加藤さん以外の人にもめっちゃ勧めたい。私のイチオシなので。

 上巻の舞台はポル・ポト政権下のカンボジア。っていうとこの時点で「わからん……」って思ってしまう人もいると思うが、気にしなくていい。私はポル・ポトの名前くらいしか知らなかった。なんかすごくひどい状況、ということだけわかばいい。気になるワードがあったら検索してみるとより読みやすいかもしれない。SFではあるが、まるで歴史小説のような書き出しに驚くかもしれないが、これは紛れもなくSFなので安心してほしい。

 それなりに史実をなぞっているのか?という雰囲気のなか読み進めると、ロベーブレソンという村の話が出てくる。潔癖症で異常に頭のいいムイタックをはじめとして、輪ゴムの教えを聞く少年だとか泥と会話できる男だとかが出てくる。急に現実から浮いたように感じられて混乱するかもしれないが、そのギャップがまた面白いのだ。歴史的な背景を物語に取り込みつつも、これはエンタメ小説なんだと思う。異能の人たちは出てくるけど、異能バトルなわけではなく、日常のなかに非日常な能力をもった人間がいる、という話。あんまり「○○に似てる」と言うのはどうかなとは思うけど、伊坂幸太郎さんの『魔王』『モダンタイムス』あたりと近い部分はあるように感じられる。政治と異能という意味で。

 下巻では近未来のカンボジアが舞台となる。上巻の主要登場人物であったソリヤとムイタックもおばさんとおじさん。そこに新たな登場人物も増え、SF的ガジェットである脳波を使用したゲーム「チャンドゥク」も出てくる。物語は一体どこに向かうのか?あ~~~~~~思い出しただけでもう面白い。そんでラストね……最高なんだよね……これだけ壮大な物語がどこへ向かうのか?辿り着きたかったのは「そこ」でしかないよなって思っちゃうんだもん……

 上巻ではすぐに人が死ぬので、読んでいてしんどくなることもあるだろう。私も初めて読んだときはやりきれない気持ちでいっぱいだったし、これを読んだ先に何があってもしんどいな……と思っていた。でも全然違う!!!これを読んだ先にあるんだよ!!!!!!!この苦しさが必要なものだとわかったときの感動がすごく大きかった。これ言ったらネタバレになるから言えないんだけど……すごいんだよね……いいから読め……

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)

 
ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

『ゆるやかな世界と、その敵』伴名練 早川書房

 加藤さん、『三体』読んでるって言ってたけど『三体』読んだならこっちも読んでよって言いたい国内SFが山ほどあるよ……そのうちの一冊がこちらです。

 さまざまな種類の話を含んだ短編集で、どれもいい。めちゃくちゃいい。個人的には「美亜羽へ贈る拳銃」がめちゃくちゃよかった。「美亜羽」=「ミァハ」という名前で気づくかもしれないが、伊藤計劃『ハーモニー』のトリビュート作品である。脳へのインプラント施術により、愛する人へ向ける愛情を固定できるようになった時代の話。愛情を固定しているから気持ちがうつろうこともない。そんな世界で出会う、北条美亜羽と神冴実継というふたりの物語。「人が誰かを愛す」ということはどういうことなのか。それは単なる「気持ち」なのか、もっと物理的に解明できるものなのか。結末も含めて完璧と言いたくなるほど美しい話だ。タイトルが梶尾真治(こちらもSF作家)の『美亜へ贈る真珠』のオマージュになっているところも、いかに伴名練がSF好きかが伝わってくる。

 『ゼロ年代の臨界点』は1900年代(=ゼロ年代)にどのようにSFが書かれたか、という「偽史」である。偽の歴史。ありえないのに、もしかしたらそうなのかもしれないと思わせる文章で、決して長くはない話なのに読みごたえがすごい。淡々とした語り口でありながら、渦中にいる人物たちが強い感情を互いに抱いていたことが伝わってくる。

 最後に収録されている書下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」もすごくよかった。修学旅行生を乗せた新幹線とその内部だけが「低速化」する現象が発生する話で、主人公は修学旅行を休んだ男の子。どういう理屈で低速化するのか、どうすれば元に戻るのか。あるいは戻らないのか。これもまた、人が人に向ける強い感情がバチバチなのがいい。

 伴名練という作家は今現在単著のものは2冊しか出版されておらず、どういう作家なのか掴み切れない部分はあるが、描写の美しさとある人物が別の人物へ向けるとても強い感情を描くのが特徴的な気がする。なにも「恋」や「愛」とは限らない。複雑に絡まった、なんとも名付けようのない強い感情を描いていて、加藤さんそういうの好きだな……って思ったからオススメしたい次第です。単純にめちゃくちゃ面白いし。

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

 

 

 

『おもいでエマノン梶尾真治 徳間書店

 ふと「加藤さんってエマノン読んでないんだっけ?」と思った。あまりにも加藤さんが好きそうというか、加藤さんが読んでいそうな内容だったので。逆に読んでないんだっけ?くらいの気持ちでいる。

 『おもいでエマノン』に始まるエマノンシリーズ。最初の刊行は1980年代で、2017年にも新刊が出ている。エマノンというのは本作に登場する女の子の名前。名前というか記号というか。「NO NAME」の逆さ綴りで「EMANON」。そばかすがあって、やたら煙草を吸う女の子。彼女は「地球上に生命が誕生してから今までの記憶を全て引き継いでいる」と言う。エマノンというひとりの人間がそれだけ長生きしているということではなく、相手を見つけて子どもを産むとその子に記憶が引き継がれていく、というシステム。

 物語は大抵、エマノンに出会った人たちが彼女を語るという形式がとられる。私はそのなかでもエマノンに惹かれる男の子の話が好きでね……『おもいでエマノン』でいうと最初に収録されている話がそれです。

 イラストが鶴田謙二さんというのもいい。鶴田さんの描く女の子のかっこよくてかわいいところがすごくエマノンって感じがする。加藤さん、たぶんエマノンみたいな女の子好きだと思うよ。どう?エマノンシリーズにはエマノンに惚れる男がたびたび登場するんだけど、加藤さんもその一人なんじゃないか?って思うよ個人的には。

おもいでエマノン (徳間文庫)

おもいでエマノン (徳間文庫)

 

 

 

『人間たちの話』柞刈湯葉 早川書房

 これもすごく面白かった本。『横浜駅SF』の方の短編集です。いろんな世界観の話が詰まっていて、思わず笑っちゃうような描写も結構ある。いろんな世界で、いろんな生き方で、いろいろに生きている、まさに「人間たちの話」。

 最初の短編「冬の時代」は、ほぼほぼ滅んでしまった世界を旅する人間たちの話。近いテーマの物語だと「少女終末旅行」みたいな。ところで加藤さん、「少女終末旅行」はアニメ見ました?見てなかったら早く見てください。

 「たのしい超監視社会」はジョージ・オーウェルの『一九八四年』のような監視社会と現代のハイブリッドって感じの話。『一九八四年』を読んでいるとあの監視社会がどれだけ怖いかはわかると思うんだけど、そのうえで現代のあれこれを散りばめていてユーモラス(あるいはアイロニック)な作品でもある。

 あとはいきなり部屋の中に岩がある話とか、消化器官のあるやつは全員客!な宇宙ラーメン屋さんの話とか、透明人間の話とか。透明人間の話はこの短編のラストを飾っているだけあって考えるための種が仕込まれた話でもある。

 世界観のギミックだけでも十分面白い話が多くて、加藤さんにもこういう濃いめの世界観のSF書いてほしいなぁという気持ちが募る。特に私は「世界が終わる話」=終末ものとか「世界が終わったあとの話」=ポストアポカリプスとかがめちゃくちゃ好きなので……加藤さんが終わらせる世界、見たくないですか?私は見たいです。何卒、宜しくお願いします。

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)

人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

『天冥の標』小川一水 早川書房

 お寿司苦手な人がいたら、大抵の日本人は「人生損してる」って思うじゃないですか。私はお寿司食べられないんですけど。損なんかしてないわって思うんだけど、もしお寿司が食べられないことで人生損してるんだったら『天冥の標』読んでない奴も人生損してますよ。

 全10タイトル17冊なのでそれなりの量になってしまうので忙しいとなかなか読めないかもしれないんですが、序盤のほうは時系列もバラバラでさほど繋がってないので全部一気に読まなきゃ!という感じではないです。

 人間も、人間じゃないヒトも、宇宙大戦も星間移動も農業もパンデミックもセックスも終末もポストアポカリプスも、およそSFでやれそうなことはとにかく何もかもてんこもり。

 1巻はカドム(オーソドックスな人間で医者)とアクリラ(身体改造を施した種族で顔がいい)のバディが得体のしれないいきものに出会う話、2巻は1巻よりずっと前の時代に未知にして致死率も凄まじい感染症パンデミックに立ち向かった医者の話、3巻は宇宙海賊、4巻は性に従事する機械たちの話、5巻は宇宙で農業する話と人間を超越した存在の話……といった感じ。6巻~10巻は割と連続した部分があるので一気に読んだほうが面白いかな。

 作中ではめちゃくちゃ長い時間が経過するんだけど、その間ずっと「人間」は生き続けていて。勿論個体としては死んでいく者たちもいる。でも、ある個体がもっていた意志をその子孫である個体が(そうとは知らずに)受け継いでいたりして、「人間」といういきものの果てしない営みに思いを馳せたりする。このシリーズのなかでも「性」をテーマにした4巻と「農業=食」をテーマにした5巻はちょっと異質なんだけど、どちらも人間が生き延びていくなかで絶対に必要なものなんですよね。食わなきゃ個体として生きていけないし、生殖しなきゃ種として生きていけない。そういう部分にも触れているのが、このシリーズの面白さのひとつでもある。

 世界が想像以上の秘密をもっていて、読んでいるうちに少しずつヴェールを剥がされていくような感じ。あのときのあれが、このときのこれが、全部全部結びついていく。この読書体験は10巻17冊という圧倒的な量だからこそ体験できるものだし、その10巻17冊という量だけでなくそれぞれの質が凄まじいからまたすごい。加藤さんがこれを読んだとしても私と同じような読書体験をするかどうかはわからないけど、まぁ絶対面白いんで。 

 

 

『グラン・ヴァカンス 廃園の天使』飛浩隆 早川書房

 これもだいぶ前からずっと言ってるオススメ本のひとつです。

 緻密に計算されすぎたあまりにも美しい文章は、それだけでももう価値があるので、文章を書いている人には是非読んでほしいって勝手ながら思っちゃう。手編みのアンティークレースって見たことありますか?あれ、緻密で細かくて美しすぎて人間が手で編んだとは到底思えないようなものもあるんですけど、そういう美しさを文章でも表現できるんだ、って感じの美しさです。作者の飛さんってあまり多くの作品を書いているタイプの作家さんじゃないんだけど、こんな文章を書いてたらそりゃあ時間もかかるよなって納得できるような文章です。飛さんの作品、どれもめちゃくちゃ美しいんだけど、そのなかでもこれは群を抜いている。次点を選ぶなら短編の「海の指」かなぁ。

 人間が訪れなくなったVR世界に取り残されたNPC(ノン・プレイヤー・キャラクターの略。人間が操作するキャラクターではなくあらかじめ世界に組み込まれているキャラクター。RPGでいう「村人」みたいな存在)たちの話で、もうまずこの時点で面白いじゃないですか。で、このNPCたち、読んでいくと何やら「抱えている」らしいことにだんだんと気が付いていく。そうして、彼らの「世界」がそこを訪れる人間たちにとってどんなものだったのかが明らかになる。

 残酷さが美しさと同義になることってあるんですよ。NPCたちの世界は、残酷で美しくて、どことなく清い。めちゃくちゃ残酷だけど汚くないんですよね……いやもう本当に……残酷というか残虐なんですけど……清らかな一面も持ち合わせているから、そこから美しさが芽吹いている。物語と文章、双方の残虐さと美しさで読み手の感性をハックするような、そんな小説です。こんなヤバイ本が世の中にあるのに読まない人がいることが正直信じられないけど感性がハックされちゃうからな……ハックされてもいい人は是非読んでほしいです。

 ちなみに続編『ラギッド・ガール』を読むと『グラン・ヴァカンス』の世界がなんだったのかが明らかになります。 

 

 

 

 

 あと加藤さんはいつになったら「輪るピングドラム」観てくれるんですか?いい加減に観てください。観たよって言ってくれたら「運命の果実を一緒に食べよう」ってうちわ持つので。

 

 こんな記事でお誕生日を祝うのもどうなのよと思うのですが、冒頭にも書いたけれど、ささやかなお誕生日プレゼントのつもりです。本当だったらここに挙げた本一通り買ってプレゼントボックスに放り込みたいけど箱ないからさ。

 

 33歳のあなたが沢山の幸せを掴めますように。

NEWSに楽曲提供してほしいアーティストについて考えた

 

 考えてたら楽しくなっちゃった。楽しくなってたらブログに書いて!って言ってもらえたので書きました。5選って書きたかったけどどうしてもあと1組決まらなかったので4選となりました。

 

 

 

 

 

・作詞作曲:大石昌良

 アニメ「けものフレンズ」の「ようこそジャパリパークへ」をつくった人。最近はアニメ関連の楽曲提供や主題歌などで大活躍。元々はSound Scheduleというバンドのボーカルで、サウスケの「さらばピニャコラーダ」がめちゃくちゃ好きなのでとりあえず一回聴いて。

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 んで是非「楽園都市」も聴いて。こちらはソロ(オーイシマサヨシ)名義の曲。最後の転調が気持ち良すぎるので最後まで聴いてください。最後だけ転調してちょっと上がるパターンめちゃくちゃ好き……

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 ポップかつロックな曲調で、一度聴いたらなかなか耳から離れない。疾走感もあるけど荒々しすぎず、騒々しくもないところがいい。そんでもって華々しさや勢いがしっかりある。こういう曲がNEWSのシングルとしてどーんと出たらめちゃくちゃ強くないですか?是非とも大石さんに作ってもらいたいな~って思います。リズム感のいい曲も多いので、否が応でも気持ちがノってしまうというか。そういう曲、NEWSに沢山欲しいです。

 

 

 

・作詞作曲:川谷絵音

 ゲスの極み乙女。ほかで活躍中の川谷さん。楽曲提供も結構していて、坂本真綾さんの「ユーランゴブレット」や私立恵比寿中学の「あなたのダンスで騒がしい」とかが個人的にはお気に入りです。どっちもすごくいいから是非聴いてみてください。リズム的には「あなたのダンス~」がNEWSに似合いそうだけど、歌詞は「ユーランゴブレット」のほうが似合いそう。

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 薄暗くもポップなところが最高。世の中を俯瞰したうえで斜めから見た感じの歌詞と、その歌詞が乗るにふさわしすぎるメロディ。流れの向きでいうと横揺れ(右)って感じのメロディで、もっとゆっくりだったら「たゆたう」って言葉が似合いそうなのにそこそこ速いから「飲み込まれる」みたいな印象がある。言葉数が多いのにキラーフレーズでキメてくるところがすごいなって毎度思う。なんとなく記憶に残る曲が多くて、そういうのもすごくいい。

 NEWSにダークな曲を歌ってほしいってわけではないんだけど、言われ放題言われているみたいな部分もあるしそういう人らを横目に見て鼻で笑い飛ばすような曲は歌ってくれてもアリだよなって思ってる。

 いろんな騒動があった後に「影ソング」という曲で「本当に品がないな君たちは」って書いてしまえるの、脳天ぶち抜かれるほど嫌いで好きだなって思いました。そこまでの毒はいらないけど、NEWSがきれいでまっすぐな言葉を紡ぐぶん、そうじゃない言葉を歌詞に乗せてくれてもいいよなって。そして川谷絵音であればそれが許される。

 

 

 

・作詞作曲:水野良樹/編曲:本間昭光

 編曲まで指定させてほしい。この二人がいい。

 ポップでキャッチーな曲だったらこの二人がトップクラスだと思っているので、是非ともNEWSの名刺になるような曲を作ってほしい……。水野さんはいきものがかりのメンバーでメインのソングライターでもあり楽曲を多数作っているし、本間さんはポルノグラフィティの「サウダージ」「アゲハ蝶」などの作曲をした方です。記憶に残る曲やアレンジがとにかく上手い人たちなので、そういう曲をNEWSにも是非!!!という気持ちにて選出。

 話題になった曲だとアニメ「かぐや様は告らせたい」主題歌とか。1期も2期もこのペアが担当しています。ラブソングの帝王・鈴木雅之さんが歌っていて、オシャレ・ポップ・インパクトの三拍子が揃っているうえに一度聴いたら耳に残るキャッチーさが最高。1回聴いたら絶対忘れない曲を是非NEWSに!!!

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・作詞:新藤晴一/作曲:岡野昭仁

 ポルノがNEWSに楽曲提供するなら、詞曲の組み合わせはこれがベストだと思っています。ラテンな楽曲「オー!リバル」、超絶恰好いいロック「Zombies are standing out」等がこの組み合わせです。アルバム曲ですが超絶キャッチーでアガる夏ポップソング「Ohhh!!!HANABI」等も。

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 美しくてロマンあふれる新藤さんの歌詞と、どこかクセがあるのにすっと入ってくる岡野さんのメロディ、最強なんですよ。NEWSの声ってすごくストレートで力強いので、たとえ普段の会話では使われないような言葉を歌ってもきっと耳に入ってくると思うんだよなぁ。というか「夜よ踊れ」の時点でもうそれ証明されてるし。

 地に足のついた言葉ばかりではなくて、「世の果てでは空と海が交じる」「黒いヴェール 巡礼の列」「銀の髪飾り」「ボイルした時計の皮むき」みたいな言葉が出てくる曲も聴きたいな。「数えきれない人の涙で夜明け前の海は曲も蒼い」って歌ってほしいじゃん……。新藤さんの書く、日常とはあまり地続きじゃない言葉が使われた歌詞をNEWSの声で聴きたい。愛とか恋とか言ってたほうがラブソングとしてわかりやすいし、わかりやすさってすごく大事なんだけど、愛とか恋とか言わなくたってラブソングになりうる。

 頼むから……一度だけでもいいからNEWSの楽曲クレジットにこの並びが来る日をずっと夢見てんだ……新藤さんは最近けっこう楽曲(歌詞)提供の機会が多いので、ワンチャン作詞だけでも……いやでも曲も欲しいんだ……せめて作曲が本間さんであればそれもそれで最高なので何卒……

 

 

 

 

 

 NEWSの(主に楽曲面での)未来、今の時点で(少なくともファン側には)決定事項は何も見えてきてないので、可能性と希望しかないな~って思ってます。真っ白な地図にはなんだって書き込めるよ。

 今までのように楽曲制作陣がほぼ固定なのも安定感があるなぁと思うし、アルバム『STORY』では向井太一さん等あらたな風を吹き込んでくださるアーティストからの提供曲もあったことだし、「3人」という新体制を“チャンス”と捉えて今までと全然違う方向の曲が来たって全然楽しいと思う。楽しいことしか待ってないよ。どう転んだって楽しい。全方位楽しいよ。

 私は「今」のことを考えるので精一杯な性格だけど、NEWSの「未来」を考えるのはすごく楽しい。一緒に楽しい明日に向かえますように。

君と僕の境界線:読むタイプの地獄「ダブル」

 漫画「ダブル」を激推しする記事です。こんな記事読んでる暇があったら「ダブル」読んでくれ。2週間限定で全話無料です。あと7日なんで!読んで!

 私にとって創作に対する「地獄」は誉め言葉です。特にこの漫画に関しては。

 

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あらすじ

無名の天才役者・宝田多家良と、その才能に焦がれ彼を支える役者仲間の鴨島友仁。ふたりでひとつの俳優が「世界一の役者」を目指す!『潜熱』の野田彩子が描く、異色の演劇漫画、開幕!!

 とある劇団に所属する2人の男、友仁と多家良をを中心とした物語。上に漫画掲載ページのあらすじを引用したんだけど、こんなあらすじじゃ地獄が伝わってこねえよ!!!という気持ちでいっぱい。そんな……ふたりでひとつの俳優が「世界一の役者」を目指すって……そんな少年漫画みたいに夢や希望を膨らます話じゃないんだ……目から摂取する読むタイプの地獄です。

 

 

 

・ふたりでひとつが崩れていく

 「ふたりでひとつ」は崩れます。最初のほうで彼らがいかに「ふたりでひとつ」かを見せつけておきながら、途中からどんどん距離が開いていく。多家良の役作りには友仁が必要だし、生活そのものにだって必要で、べたべたすぎて切り離せないように見えるのに、崩れていきます。

 そもそも「ふたりでひとつ」なんて全然健全じゃないんですよ。足りないところを補い合ってるわけですらない。「多家良の才能を知っていてそれをより伸ばして彼を羽ばたかせようとする友仁」という、最初からめちゃくちゃにしんどい構図です。「ふたりでひとつ」って言ったら対等なように聴こえるけど全然そうじゃない。

 だってどちらも役者なんですよ。天才役者を目の前にして、自分も役者で、そこに嫉妬が生まれないなんてことがありますか。少なくとも、友仁のなかには嫉妬と呼べる感情がある。あまり表に見せないけど、ある。しかも多家良の役作りには友仁が絶対的に必要なので、多家良の演技のなかには確実に友仁がいる、そこに対する一種の優越感みたいなものも多分ある。でも自分じゃどう足掻いても届かない世界に多家良なら届くって誰よりもわかっている。わ〜〜〜!地獄だ!感情の地獄だ!これだけ複雑な感情を多家良に抱いているのに、多家良相手には見せない(気づかせない)ところが……友仁も役者なんだよなって思う……

 もしも友仁が役者じゃなくて裏方とか脚本とか演出とか、そういう部類だったらこんな地獄にはならなかった。役者じゃなければきっと、嫉妬もない。でも多家良が役者になろうと思ったきっかけ(というか最初に手を伸ばした相手)すら友仁という、えっ何重に苦を重ねたら気が済むの……?という具合になっています。

 そして多家良は芸能事務所に所属することになり、ドラマに出たり映画に出たりと活躍の場を広げていきます。そして「ふたりでひとつ」か崩れていく。この崩れ方が!まぁ〜しんどい!早く読んで!

 

 

 

・ぶつかり合えない

 演劇の世界にて繰り広げられる、巨大な感情の「馴れ合い」とでも言おうか。感情の「ぶつかり合い」ではない。ぶつかり合ってなんかない。友仁も多家良も、うまいこと本音を隠している。本音なんて隠してませんよあなたに見せるこれが本音ですよって顔して、本音を隠している。えぐい!さっき友仁は複雑な感情を抱いていても多家良にそれを見せない(気づかせない)って書いたけど、多家良だって気づいている部分はあって隠しているのかもしれない。そういう本音の隠し合いをしている。

 というのも、彼らはもう30を過ぎているわけで。もしこれが20代前半くらいだったら、お互いの気持ちをぶつけ合えたかもしれない。ぶつかり合えるような幼さを、彼らはもう持ち合わせていない。ぶつかり合ったところでわだかまりを残して決別するかもしれないけど、それはいつしか再会したときにある種の救いに化ける可能性もある*1。でも本音を隠して拗らせ続ける友仁と多家良、今のところマジでどこにも救いがないんだわ……

 ぶつかり合えないから、二人ともちゃんと「大人の顔」をするんですよね。変にわがまま言ったりしない。わがままを言っても通用しないってわかってるから。無垢と表現される多家良だって、ちょっとはわがまま言うけどそれが通じないってだんだん気付く。そして、わかりましたって顔をして「ふたりでひとつ」を崩していった結果、ウワー!最新話が!しんどい!!!早く読んで!!!

 

 

 

・相手にも自分にも暗示をかける

 「あいつには俺が必要」「俺にはあいつが必要」という暗示を自分にも相手にもかけている二人。そんな呪いみたいな関係性です。頼る/頼られるというロールプレイ。本当はお互いがいなくたって生きていけるのに、自分たちで自分たちを地獄に縛り付けている。

 なんとなく、中高生くらいの女の子みたいだなってイメージ。「あんたが付き合う男は私が判断するから絶対紹介して」みたいな友達、たまにいるじゃないですか。私は異性とは無縁のティーンだったのでそういうのはなかったけど、5個下の後輩の話を聞いていると実際にそういう台詞を言われたことがあるって聞いた。なんていうか、互いの絆を深め確かめ合うロールプレイの一種って感じ。それを30歳の成人男性のあいだで繰り広げる、このアンバランスな感じが「ダブル」の魅力のひとつだと思います。

 そして、友仁と多家良の目指すところって多分その地獄を抜けた先にある。女子中高生の関係性なら目指すところなんてないけど、友仁と多家良は役者という仕事をしている。地獄の先に行くには地獄を壊さないといけないんだけど、壊せるんですよ。だって自分たちで作ったんだから。DIYした地獄なので自分らで壊そうと思ったら壊せる。多家良が役者として売れ始めたあたりから、二人ともそれに気付きはじめる。でも気付いちゃったところでそれもまた新たな地獄なんだよな……

 あんまりネタバレしたくないから詳しいことは言えないんだけど、互いの暗示が崩れつつある最新話(17幕)で描かれる友仁と多家良の対比がすげ〜〜〜〜〜良くて……お前のほうが重症なのかよ…………というショックがすごい。早く読んで!!!!!!!!!!!

 

 

 私は演劇に携わったことがないし、俳優さんを売れはじめの頃からめちゃくちゃ推したりしたこともあまりないので、この漫画が描く演劇的な部分は理解しきれていないことが多いと思う。演劇に携わった人とでは見方も全然違うかもしれない。なので、友仁と多家良の関係性を重視してオススメポイントを書きました。でも最新話の「砂糖」のくだりはきっと演劇界隈では「ある」話なんだろうな〜って想像できた。そういうディテールも凝っている作品だなと思います。

 最新話では多家良のマネージャーである冷田さんの過去の話も出てきて、それもめちゃくちゃに重たくて良かったです。友仁と多家良がすごく魅力的なんだけど、周囲のキャラクターもみんな魅力的だから困る……困らないけど……

 

 

 2週間限定で全話無料公開しているので、大慌てではありますが「ダブル」をオススメしたいと思い書きました。みんな!読んで!!!!!

 

ダブル(1) (ヒーローズコミックス)

ダブル(1) (ヒーローズコミックス)

  • 作者:野田彩子
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: コミック
 
ダブル (2) (ヒーローズコミックス)

ダブル (2) (ヒーローズコミックス)

  • 作者:野田彩子
  • 発売日: 2020/03/14
  • メディア: コミック
 

 


*1:個人的には「ぶつかり合った結果わだかまりを残して決別し、再会することである種の救いを得た」話というのが加藤シゲアキさんの『ピンクとグレー』だと思ってます

私たちの教科書『自宅にて』の話をしよう

 あなたは『自宅にて』という本を知っているだろうか。

 ポルノグラフィティのギタリスト・新藤さんが音楽雑誌「PATi PATi」にて連載していた同名のエッセイ(全51回+ブータン旅行記)をまとめた本だ。「PATi PATi」2001年2月号 - 2005年4月号に渡って連載されていたもので、ざっくりいうとアルバム『foo?』からシングル「ネオメロドラマティック/ROLL」までの期間、新藤さんが26歳から30歳までの期間である。

 新藤さんがそのとき思っていたことや考えていたことがぎゅっと詰まったこの一冊は、特に思春期に読むと多大な影響を受けてしまう。その後の人生を左右するレベルでの影響さえ与えうる本だ。あまりの影響力の強さゆえに絶版になってしまったのではないかとすら思えてくる。かくいう私も思春期に『自宅にて』を読み新藤さんの考え方を己の中に知らず知らずのうちに取り入れてしまった、あるいは自分の考えを言語化したら概ね新藤さんの考え方と一致していた、そんなまどろっこしいこと言わずともとにかく新藤晴一というひとに影響を受け憧れまくっていた「晴一チルドレン」のひとりである。そんな私たちの教科書、『自宅にて』の話です。教科書ってそこに書いてあることが正解って意味じゃなくて、読んであれこれ考えたり思ったりするためのものだと私は思っているので、そういう意味での「教科書」です。

 胸に響くテーマが胸に響く言葉で語られていて(でも決して難しい言葉ではなくて、言葉としてはわかりやすくて、だけど意味を探っていくと難しかったりもして)、あるいはたまにどうでもいい話のときもあって、でもそれもなんとなく心に残る言葉で綴られていて、ふとしたときに頭の中に浮かんでくる。そんな新藤さんの言葉を抜粋して紹介したいと思う。といいつつほぼ自分の話ですが。

 

 

 

 

 

第1回:夢の話

 

夢の中にいるはずなのに現実的……?それはまだ僕自身、上があることをわかってるからだろう。夢が叶ってまた新たな夢ができたからだろう。

 

 第一回から「夢」について語るあたり、新藤晴一新藤晴一度が高すぎる。それでこそみたいなところ、あると思う。それに何より、2001年の新藤さんがここで語っていることは、少なくとも2017年の台湾ライブのインタビューの時点では変わっていない。もしかしたら原点とかそういう部分なのかなぁ、と勝手に想像している。そして昨年出たシングルのカップリング「一雫」でもやっぱりそういうことを書いていて、変わっていないんだなぁと改めて思った。「冷めた頭じゃここにいれない」ってね。

 学生時代のバンド活動から始まり、大阪へと進出し、そして東京へ。音楽を奏でる彼らは彼らはデビューを夢見ていた。そして1999年、彼らはデビューを果たした。つまりこの時点で一度夢は叶っている。でもその先にまた新しい夢が生まれる。現状に満足することなく、次から次へと夢を思い描き、前へ進んでいく。ポルノグラフィティが「殿堂入り」せずいまでも現役で活躍し続けているのは、今もまだ夢の途中だからだ。

 彼らがポルノグラフィティをやりきる日がいつか来るとして、その日その瞬間までずっと夢を見ていてほしい。一緒に夢を見させてほしい。最高の夢の終わりまで見せてほしい。

 このブログでも何回もこの「夢を見ている」って話をしているけど私のサビだから仕方ないと思ってください。多分ボケたらこの話ばっかりするんだろうな。なにせ人生のサビなので。

 

 

第9回:人は“完全”にわかり合えることはない

 

 この“完全”はよく「絶対という言葉はない」の“絶対”に近い精錬さかな?

僕も「人はわかり合える」とは思うよ。むしろ人とわかり合えないと、生きていくことはとても苦しいものになるかもしれない。けれど繰り返すことになるが「“完全”にはわかり合えない」と思う。理由は結構あっけないもの。他人は自分じゃないから。 

 あまりにも私の中に普段からある考え方と一致していて、正直これ読んで感銘を受けたからそう思うようになったのかそれ以前からこういうふうに考えていたのかわからなくなっていることのひとつ。もしこのブログを何度か見たことがある人だったら、こいついつもこの話してんなって思うんじゃないかと心配になるくらいこの話をよくしている。特に2017年の秋~冬はずっとしてた。そのくらい私に根付いている考え方のひとつだ。

 この本が出たのは2006年元日あたりだったと記憶しているけれど、その頃の私は中学生から高校生になる境目の時期で割と病んでいた。相談相手が欲しかったけれど、親ともわかり合えなくてどうしていいかわからなかった。わかり合えるはずはないと思いながらも、わかってほしい気持ちが強くてどうしようもなかった。そんなときに新藤さんのこの言葉を思い出すと、ちょっとだけ気持ちが和らいだのを思い出す。私はひとりしかいなくて、他の誰も私ではない。私と近しい存在だったとしても、そのひとは「私と近しい存在」であって「私」ではないのだ。だからどんな人とも“完全”にわかり合えることはないんだから仕方ないよなぁと思えるようになった。「私」の本質的な孤独は、「私」が「私」であるために大切なものなのだと気づけた。わかり合うことの大切さと、“完全”にはわかり合えないことを理解することの大切さを知った。

 

 一番危なかった時期に『自宅にて』があってよかったし、いまだに手元に置いて繰り返し読みたくなるのはこの回があるからかもしれない。

 

 ちなみにこのめちゃくちゃ好きな回について、新藤さんがnoteにて新たに考えたことを書いているので是非そちらもチェックしてほしいです。「たとえ喜怒哀楽の喜でさえ、剥き出しの感情は悪臭を放つことがある」というのが、わかる~~~~~すぎてそりゃあこの人の文章が好きなわけだ……と改めて思いました。

note.com

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第10回:負の力

 

誰からも認められている状況で、誰かに認められたいという力は生まれてこないし、金持ちな人は金持ちになりたいとは思わないだろう。負け犬には負け犬のパワー。Tamaの言うことを要約すればこういうことになると思う。詳しくは本人に聞いて。

 私が初めて「PATiPATi」および「自宅にて」の存在を知り、初めて読んでみたのがこの回だった。それまでは音楽雑誌があるなんて知らなかったな。

 はじめてがこの回だってしっかり覚えている。だって好きな歌詞を書くギタリストがエッセイ連載やってるって知って初めて読んだ回が「負の力」ってインパクト強くて忘れられないでしょ。「負け犬には負け犬のパワー」って。自分とは圧倒的に離れたところにいるミュージシャンがそんなこと言うんだって思ったの、覚えている。

 新藤さんいわく、この「負の力」というのはTamaさんが言っていたものだそう。Tamaさんの言っていたことについて書いているというのも記憶に残った一因かな。Tamaさんて(フロントマンである岡野さんと作詞を多く担当する新藤さんに比べれば)ファンに対して発する言葉って少ないように感じていたから、余計に記憶に残ったんだと思う。

 確かにそういう力ってあるよなぁと改めて読み返して思った。テンションが落ちているときだから書ける文章っていうのも絶対にあるだろうし、それが名文になることだってあるだろう。アイドルのほうの自担(加藤シゲアキさん)についてあーだこーだ書いている文章は大多数がそうだし。テンションが落ちていて、自分を見つめ直す機会が訪れて、そのときに考えたことが再びテンションをあげるきっかけになったりもする。私の場合は「私と新藤さん」とか「私と加藤さん」について考えることで自分自身について考えることになって、自分の悪いところだけじゃなくいいところも見えてきたりして、少し立ち直れたりする。そういうのもきっと「負の力」だね。

 

 

第20回:言葉の重さ

 心ない言葉を言うことを、口先で語るというなら、これらは口じゃなく人生やその軌跡で語ってるから、そこに言霊があり感動がある。

 この言霊ってやつは、何も心霊現象じゃない。これを感じることは超能力じゃない。誰にでも感じられる。誰でも他人の言葉に一度くらい感動したことがあるでしょ。携帯の液晶画面に表示されたメールの言葉にだって、それが心や感情を基に書かれたものであれば、ちゃんと言霊として一緒に送信されてくる。歴史的な名言じゃなくても、文学的じゃなくても。 

 胸を動かす言葉が沢山詰まっているから、私はこの本が、そして新藤さんのことが好きなんだろうな。新藤さんが誰かの言葉に感動した経験があるように、私は新藤さんの言葉に感動している。心を突き動かされている。

 一方で、引用した部分に示されているような身近な例で心を動かされたこともある。これは初めて読んだ当時はまだ経験していなかったんだけど、のちのち読み返して「これだったんだ」と思ったこと。本命の大学受験の前日に、友達とメールをしていて「為したんだから成る」と返ってきた。私が必死に勉強していたことを知っている彼女だから言えたことだ。その言葉が本当に嬉しくて、そんなふうに言ってくれる友達に感謝しつつちょっと泣いた。なお、無事合格できたのでやっぱり彼女の応援が効いたんだなと思う。メールにのって伝わってくる言霊って、きっとそういうことだよね。大学受験なんてもう10年以上前のことだけど、ずっと忘れられない。きっといつまでたっても思い出すだろう。

 私も、スマホやPCの画面越しに誰かの力になるような言葉を発せているんでしょうか。できてるといいんだけど。

 

 

第43回:嘘でも前に

 

ポルノグラフィティを仕事として僕が生きていけてるのは、まだ夢を見られているからだとも思う。ときどきは目が覚めそうなときもあるけどね。そういうときはぎゅっと頑なに目をつぶって、見ていた夢をたどり直すんだ。 

「嘘でも前に」だよ。

 この回が雑誌連載されているときにリアルタイムで読んでいた頃の私は死にかけていた。大好きなバンド・ポルノグラフィティからメンバーが脱退したからだ。唯一の心のよりどころだったのに。あの人の音楽が、そしてあの人のいるポルノグラフィティの音楽が大好きだったのに。まだネットで人とつながることを覚える前で、学校にもポルノを好きな友達はいなくて、誰ともそのことについての話ができないままでいた。担任の先生に一方的に思いをぶちまけるばかりだった。いろいろなところでああでもないこうでもないと囁かれる他人の勝手な意見に腹を立てたり悲しくなったりしながら、世界に置いてきぼりをくらっていた。前に進みたいけど、足を踏み出すことができずにいた。多分それは私だけではなくて、私以外にも沢山の人が同じ状況だったのではないだろうか。

 そういう人たちにとって、ひとつの救いとなった言葉がこの「嘘でも前に」だと思う。少なくとも私はこの言葉に救われた。嘘でもいいんだ、と思ったらずっと緊張していた心が少し緩んだように思えた。「嘘でも前に」進み続けていたら、岡野さんとTamaさんが一緒に飲んでる写真がTwitterにアップされたりもするしTamaさんがTwitter始めたりもするんだよ。ポルノの20周年ライブにだって、東京ドームに3人がいたって事実を後で知れたりするんだよ。「嘘でも前に」進むことを選んでくれてありがとう、あの日の私。

 私は座右の銘を訊かれたらこの「嘘でも前に」を答えるようにしている。たとえこの先、また「嘘でも前に」進まなければいけないときがきたとして、でもそのときもちゃんと進めると思う。嘘でもいいんだから。

 

 

第50回:名前以上に自分を表すもの

まぁひととおりの趣味や特技、学歴や住所なんかを履歴書みたいに並べれば確率的にあなたとわたしは区別できるんだろうけど、さらに話を突き詰めるとロックのシャウトで言う「履歴書で俺の何がわかるんだよ」って話だ。それって生息地と羽の特徴で分類される蝶みたいなもんだよね。さらにさらに言うと、他人は履歴書でとりあえずの区別ができたとしよう。じゃあ、自分はどうだ。自分が自分を見失ったときに“わたし”をわたしに尋ねたとき、どう答える?まさか自分のことをわかるために住所は使わないだろうね。

 最終回というていで書かれたもの。実は最終回ではなかったんだけどね。ポルノの歌詞だと「Go Steady Go!」なんかに出てくるテーマでもある。

 私が『自宅にて』を読み返したくなるのは、自分についてよくわからなくなったときかもしれない。自分というものが(私が「自分」と思っていたものが)揺らいでしまったとき、自然とこの本に手が伸びる。頁をめくり、書いてあることについて、確かにそう思うとかいやそうは思わないとか私はこう思うとか考えているうちに「私」のかたちがはっきりしてくる。そうだった「私」はこういうかたちなんだった、と思うこともあれば、私が思っていたのとちょっと違ったかたちになっていることもある。でも、それが「私」のかたちであることはわかる。そうやって「私」のかたちを確かめるために『自宅にて』を読みたくなる。自問自答というよりは一問一答に近いようなイメージ。ただ、私が何者かということを探る質問をわざわざしてくれる人はいないので、それを『自宅にて』にやってもらっているという感じかな。

 新藤さんのことも、新藤さんの言葉も、すごく好きだけれど、だからといって彼の感じ方や考え方に100%同意できるわけではない。育ってきた環境、年代、性別、職業、いろんなものが違うし、そもそも違う人間だし。自分とは違うもののことを考え、そこから自分のことについて考えると、じわじわと自分の輪郭が見えてくるような気がする。勿論、その輪郭だっていつでも同じわけじゃなくて、今の私と『自宅にて』をリアルタイムで読んでいた頃の私とは全然違うし、また10年後くらいの私ともきっと全然違うんだろうな。そのときもまた、この本を読んで自分というものを確かめたい。

 私にとっての『自宅にて』はそういう本です。

 

 

第51回:ものづくり

 

 50回の区切りで終わるはずだったのに、「ポルノが表紙の号で始めたから表紙の号で終わろう」とアンコールが実現。「じゃ、今度こそさよなら。」という最後の一文も含めて忘れられない文章だ。

 この回のぶんだけ引用はしない。というのも、引用するところを選べないから。全部引用しなきゃ伝わらないんじゃないかなって感じがして、抜き出せなかった。以前書いた(つくった)ものを超えられるかどうかという次元での戦いの話でした。

 ちなみに「クリエイトすること」という回もあって、そっちでは「頭の中にしかないものはないのと一緒」というような話をしている。これはいい意味でも悪い意味でもめちゃくちゃ影響を受けた回。リアルタイムで読んでいた中高生の頃、多くの中高生が憧れるように創作を生業としたいと私も思っていて、だけど頭の中にしかなかったんだよな。できるだけ発表していこうとしてネットでいろんなことをしていたこともあって、結果としてはやっといてよかったなと思うけど、結構追い詰められた感じになってた時期もあった。今思えば懐かしいし青くさいな。

 そんなふうに「クリエイトすること」を語る人が、以前書いたものを超えるために過去の自分と戦っているっていうのがなんだか新鮮に思えたことを覚えている。文章からどことなく弱気な雰囲気が漂っているのも驚いた。でも、誰かと争っているようじゃダメで、自分自身と戦うレベルになってからこそ、みたいなところがあるんだろうなって、想像するしかないけどそう思った。私はそこにはいけそうにないし、ものづくりで食っているわけじゃないからなぁ。とはいえ、ブログの文章にしろ短歌にしろ、更にいいものをと思う気持ちはあるけれど。

 今の新藤さんはどう思っているんだろう?

 

 

 

おわりに

 「おわりに」と題された文章がまた素晴らしい。

 

 たまたま道ばたに咲いている小さな花を見つけたとして、そこにいた人たちは、それぞれ“奇麗”だとか“健気”だとか、なんらかの感動を覚えました。

 ある人は身近な人にその感動を話し、ある人は絵に描き、またある人は写真を撮りました。そうやって表現された小さな花は、いくつもの姿でまた他の誰かを感動させることができます。その花がそのうち枯れてしまっても、そうやって咲き続けることができるのです。

 僕ならメロディーにして歌詞をつけます。文章を書きます。

 小さな花の“奇麗”は音符ではなく、“健気”さは文字ではなく、僕がどう表現しようが、実際にその小さな花を生み出すことなんてできないことは知っていても、たとえ歪な花になったとしても、それでも表現をしようとします。

 それは確かに動いた心をなかったことにしてしまうのが、自分の心に失礼だと思うからです。そこに意味なんていらないと思います。

 そもそも小さい花が咲いていることに、それ以上の意味なんてないからです。 

 ちょっと引用部分が長くなってしまったけど、このなかから部分的に取り出しても言いたいことが伝わらないので諦めてぐわっと書きました。本当に好きな文章。墓買ったら刻みたいなって思ってる。

 「確かに動いた心をなかったことにしてしまうのが、自分の心に失礼だと思うから」、きっと私はなんらかの文章を書き続けて生きているんだろうなと思う。だってお金になるわけじゃないのに。時間と脳のリソースを割いて、誰が読んでいるかもわからないようなものを、こうして書き続けている。このブログだけでももうすぐ丸5年になる。5年間ものあいだ、私は私の動いた心を文章のかたちにして刻み続けている。

 ライブに行ったら「楽しかった!最高!」だけで十分かもしれない。新曲を聴いたら「やばい!」だけで十分かもしれない。でもそれだけの言葉じゃ足りなくて、これこれこういう理由で私は感動したんですよ、って書き残したい。たとえライブそのものは過ぎ去っていくとしても、新曲はいずれ新曲じゃなくなるとしても、文章として残しておけばそのときの感動を何度でも蘇らせることができるから。

 この言葉を読む前からライブの感想は書き残していた(中学生の時に書いた文章なんて読めたもんじゃないが)。誰かに強制されて書いていたわけじゃないし、そのときもきっと「確かに動いた心をなかったことにしてしまうのが、自分の心に失礼だと思うから」みたいな気持ちで書いていたんだと思う。初めてのライブは心が死んでいた時期だったから、余計に書き残したかったんだろうな。改めてこの「おわりに」を読んで、そうだこういうことだったんだ、って思ったのを覚えている。新藤さんの思考を私が取り入れたというよりは、私が思っていたことが言語化されたら新藤さんの言葉と概ね一致したという例。そういう、自分にとってすごく重要な部分で一致することが多いから、新藤さんの言葉に惹かれるんだろうな。作品が好きでも人間性が好きじゃないアーティストやクリエイター(音楽だけでなく芸術全般を含む)もいて、それも全然いいと思っているんだけど、新藤さんの言葉だけじゃなく新藤さんという人間に憧れて好きだと思ってしまうのって多分そういう重要な部分が一致しているからなんだろう。

 未だに私は自分の心が動いたことをなかったことにしたくない衝動でいろんなことを書いている。勿論言葉も内容も選んで、きれいに整えたかたちにしているけれど、だからといって嘘は書かない。嘘なんか書いても意味ないし。

 多分これから先も、こうやっていろいろ書いていくんだろうな。よろしくお願いしますね。

 

 

 

 

 

 改めて読み返してみると、自分の考えがいかに新藤さんに影響を受けているかを目の当たりにしてなんだか恥ずかしくなってくる。でも思春期にこんな言葉たちに触れながら育ったらそりゃあ影響も受けるよね。

 読んでいると、心が浮かぶこともあるし沈むこともある。でもどちらにしろ、最終的には自分の糧になる。

 いつのまにか私も30になって、あぁこれで自宅にての最後のほうとも同い年になって、あとは越えていくだけなんだなぁとなんだか感慨深くなる。昔読んでいたときはもっとずっと遠い存在に思えていたけど、いろんなことに悩んだり考えたりしている新藤さんの文章を読んでいると、本当はもっと近くにいるのかもしれないと思うようになった。

 この前、新藤さんがラジオで「10代の頃に見ていた30代って親のような存在」みたいな話をしていて、私にとっての新藤さんはまさにそれだなと思う。「10代だった人たちが大人になって、同じ大人というステージで見たときにどう見えるか」という話もしていたんだけど、私としてはさっき書いたように近い存在に思えるようになったな、と思う。失礼なことかもしれないけど、神様みたいな存在ではなく人間なんだとちゃんと認識できるようになったというか。相変わらず憧れであることに代わりはないけど。今の新藤さんも恰好いい大人だなって思うし。

 

 多分、新藤さんは新藤さんが思っているより沢山の人に沢山の影響を与えているんじゃないかな。と思ったので、この記事のタイトルはあえて「私たち」にしました。普段は主語を大きくすることって好きじゃないんだけど、これはあえてそうしています。

 そうやって影響を受けて今ここにいる「私たち」が、また誰かに何かの影響を与えられたとしたら、それって「BUTTERFLY EFFECT」だし、受け継がれていく「UNFADED」なものだよね。なんでその2タイトルを挙げたかっていうとこの記事はもともと「BUTTERFLY EFFECT」の時期に書き始めたものだからです。めっちゃ寝かせたせいで「UNFADED」すらとっくに終わってる!書いてるあいだにも自分がいろいろ揺らいだりして、なかなか完成まで時間がかかってしまったな。

 

 『自宅にて』第50回(最終回のはずだった回)の最後には、こんなふうに書いてある。 

以上、『自宅にて』でした。50回もあれば本気で書いたのから、酔っぱらって書いたのまでいろいろで、中には今回のような自分の漠然とした思いを投げかけたものもあって、そのほとんどが投げっぱなしで答えにたどり着けていないことに気づく。自分で投げたボールはいつか自分がとりに行かなくちゃと思う最終回でした。

 きっと新藤さんが投げたボールは私たちが拾ったり、拾ってまて違うところに投げたりしていたものもあるんじゃないかなって思ったりする。そうやって、私たちは成長してきました。

 落としどころがわからなくなっちゃったけど、これからもいろんなボールを投げてほしいなと思います。勝手に拾って、自分のものにしたりまたどこかに投げたり、誰かとキャッチボールをしたり、そうして広げていくので。

 

 

自宅にて

自宅にて

  • 作者:新藤 晴一
  • 発売日: 2005/12/24
  • メディア: 単行本
 

 

NEWSに歌ってほしい曲を集めてカバーアルバムを妄想した

 下書きに眠っていた記事があったので発掘してきました。NEWSの歌が聴きたい!それだけの気持ちで書いた記事です。

 

 この曲が似合う!というよりは単純にNEWSの歌のうまさ(歌唱力&人の心に届ける力)を味わえるラインナップです。

 

 

 

 

 

01:星屑の街/ゴスペラーズ

 NEWSのアカペラ楽曲、聴きたくない?4人だからちょっと声の圧が足りないかもしれないけど、絶対にアカペラでやってほしい。生で聴いて泣くところまで想定しています。最初から最後までずっときれいな曲で、歌い出しの部分を聴くといつもどこかに帰りたい気持ちになる曲。NEWSには「星」が似合うし、ぴったりなんじゃないでしょうか。

 1曲目にしたのはNEWSの美しいハーモニーでアルバムの幕が開けてほしいからです。

 

 

02:鐘を鳴らして/BONNIE PINK

 「Water me」と迷ったんだけど、手越さんがテイルズやってたっていうの思い出したので「鐘を鳴らして」にしました。ヴェスペリアの曲です。テイルズ枠からはDEENの「夢であるように」も捨てがたかった……!

 柔らかい印象で始まってほしいので、歌い出しは増田さんかなぁ。1番Bメロの「君に背を向けて久しく 満点の星空が寂しい」は小山さん、2番Bメロの「君が君らしくあること それはまた孤独とも言う」は加藤さんのパートです。サビは小山さんが下ハモ。大サビはテゴマス(英語部分は増田さん)。

 爽やかで優しくそれでいて力強さのある楽曲なので、「星屑の街」で幕を開けたアルバムの2番目にぴったりです。

 

 

03:オー!リバル/ポルノグラフィティ

 痛い立ち位置Love,too Death,too、青春花道etcと迷いに迷いまくって知名度と親和性からリバルにしました。たとえ妄想だろうが作るからには売れるアルバムを作りたいんだ。

 Fiestaの亡霊なので、どうにかしてNEWSにキャッチーでポップなラテンを歌ってほしくて仕方がない。「EROTICA」もラテンだけど、私はシングル表題曲にできるようなキャッチーさのあるラテンがほしい……!

 歌割も私の頭の中では決まってる。ここだけは譲れない!という部分、歌い出しは手越さんで、2番Aメロは加藤さん。加藤さんに「我は今生きている」というフレーズを歌ってほしくない人なんていませんものね。

 NEWSの「オー!リバル」はまず間違いなくダンス曲になるので、アルバム発売の際のテレビ出演はこの曲でお願いします。できればポルノもいる場所で歌ってほしいし、その結果次のシングルがポルノ提供楽曲になってほしい。強欲。何卒。

 

 

04:君に届けflumpool

 ポップなバンドの曲を入れたくて。NEWSの歌う「君に届け」、圧倒的なきらきらを放っちゃうんだろうな〜!ストレートすぎるほど真っ直ぐに愛を届けようとする曲、NEWSの得意分野なんじゃないですか?特に2番の「飛び交う嘘や嫉妬に 迷い惑わされない心よ 真っ直ぐな 祈りよ」という歌詞、胸に刻んで生きていきたいです。NEWSを想う私の気持ちもこうありたい。聴けば聴くほどNEWSとファンの曲に聴こえてくる。

 ちなみに以前ポルノグラフィティがカバーしたところ、「君に届け」というタイトルなのに岡野さんのボーカル力が強すぎて豪速球のボールを投げてくる感じでめっちゃ届きました(好き)。

 

 

05:READY STEADY GO/L'Arc〜en〜Ciel

 この曲を機に小山さんが鋼の錬金術師を見ますように、の念を込めて選曲。まぁ全部妄想なんですけど。でも小山さん絶対鋼錬好きだと思わない?1期も2期も見てくれ。

 ポップなバンドの曲をやったらゴリっとしたサウンドのバンドの曲だって入れたいじゃないですか。ゴリっとしつつもポップさのある曲っていったらこれです。ほぼ手越さんの独壇場になりそうだけどちゃんと全員で歌ってもらいます。小山さんの低めの声も活かされるんじゃないかな。「READY STEADY CAN'T HALD ME BACK」のところは加藤さんのパートです。

 

 

06:The moon/藤原さくら

 「madoromi」のような感じで歌ってほしい曲。コンサートでやるときはああいう感じの演出がいいな〜!シンプルに歌を聴かせる感じ。サビ前のパートは絶対に増田さん。

 「私」「君」「あなた」「あの子」が出てくる不思議な歌詞。劇場版のコードギアスのために書き下ろされた曲なのでアニメの物語を意識している部分は大いにあると思う。けどNEWSならこの曲のもつやるせなさとか切なさみたいなものを良い感じに表現してくれると思います。表現力に酔いたい。

 

 

07:SUN/星野源

 NEWSが「君の声を聴かせて」って歌ったらめっちゃ似合うじゃん!という選曲です。心が躍るような、聴いているだけでうきうきするメロディをNEWSに歌ってほしい。でもうきうきするだけじゃなくて寂しさが全体を覆っているような感じもあって、作った本人じゃないと歌いこなせない要素が大きいだろうけど、そこはなんとか……NEWSはNEWSの解釈で歌ってほしいな。もはや歌うことが前提みたくなってきてるけどこのカバーアルバムは妄想でしかないんだよな。権力が欲しい。

 

 

08:PENGUIN/槇原敬之

 本当はもっと90年代の曲を入れたかったんだけど、知らない曲よりはどこかで聴いたことがありそうな曲が多いほうがいいよねってことで極力削りました。売りたいので。妄想だけど。それでもどうしても削れなかったのが「PENGUIN」です。この曲はシングルでもないし完全に私の趣味。まぁこのアルバムは妄想なので全部私の趣味ですけど。

 かつての恋愛を振り返るような歌詞なので、歌われていることの大半は過ぎ去ったことであるというのがこの曲の寂しさ。今はもう隣にいない「君」とのことを歌っていて、二人で幸せになることはできなかったけどたぶん「僕」は今幸せじゃないわけではないんだろうなって思えるところがやばい。天才。「君」のことが心の底から大好きで、だからこそ一緒にいられなかったんだろうなって。今このときを並んで生きていないからって、相手のことが大事じゃないとは限らないんですよ。そういう曲、NEWSにも歌ってほしくないですか?私は歌ってほしいです。

 歌割はそんなに考えてないけど「たぶん君と僕とじゃ行けない場所が 二人の行かなきゃいけない場所」は加藤さんパートです。ここで号泣したいので。

 

 

09:リセット/向井太一

 「リセット」は一度折れたところから立ち直っていくような歌詞になっている。アニメ「風が強く吹いている」のED曲であり、物語とのシンクロ度合いも高くてすごく好きな曲になった。一度折れたところから立ち直っていく、という物語はきっとNEWSも共感するところがあるだろう。あまり強弱のある曲ではないが、そのなかにも豊かな感情を表現してくれるんじゃないかな。裏拍のリズムのところは小山さんのリズム感の良さが発揮されちゃうだろうな〜!

 

 

10:Flowerwall/米津玄師

 今のご時世、米津玄師を入れないわけにいかないので。「MAD HEAD LOVE」のような歌詞詰め込みタイプの騒がしめの曲も歌ってほしいんだけど、NEWSの声の良さを活かすとゆっくりめの曲のほうがいいかなぁとも思うので「Flowerwall」。なんていうかこう……NEWSとファンみたいなところのある歌詞だなって思うし……私はラブソングを歌うNEWSが好き……私の選曲に偏りがあるためラブソング濃度薄めなので、「君」を想う曲を入れたいなぁと思った次第です。

 

 

11:だから僕は僕を手放す/WEAVER

 明るくて爽やかなバンドの曲って絶対NEWSに似合うと思うんだよね。WEAVERの杉本くん提供楽曲がほしいのでアミューズとジャニーズにはもっと仲良くなってほしい……

 WEAVERはピアノの音が特徴的な3ピースバンドです。この曲もピアノが印象的。疾走感もあって、思わず駆け出したくなるような曲。絶対この爽やかさ、NEWSに合うと思うんだよな〜!!!

 不思議なタイトルだけど、「僕を手放すのは僕だ」という強い意志に満ちています。「後ろ指さされても 前だけを向けるよな?」っていうのもいい。「自分が信じた道なら 迷わずに行けるよな? 大丈夫」という歌詞もあってね……こういうのを実感たっぷりに人の心に届くように歌うの、NEWSは得意だと思うから……是非……!

 

 

12:青春ラインいきものがかり

 アルバムのこの位置にはきらきらした楽曲がほしいのでいきものがかりの「青春ライン」をセレクト。疾走感と夏と青春がぎゅっと詰まった曲。これの前にセレクトした「だから僕は僕を手放す」との流れもいい感じだと思う。全員が30代半ばに近づいているNEWSはまだまだ青春を歌っても似合います。終わりなき青春なので。いつか水野さんが楽曲提供してくれたらいいな……水野さん、歌詞も曲もべらぼうにいいので……。ちなみにいきものがかりは他の候補としては「ブルーバード」「熱情のスペクトラム」あたりもいいなと思って悩みました。勢いのある水野楽曲がいい……!

 手越さん始まり→Aメロ増田さん→Bメロ加藤さん小山さん→サビ全員みたいな感じかな。きらきらした曲は手越さんのきらきらした声で始まってほしい!

 

 

13:月のワルツ諫山実生

 NEWSにみんなのうた歌ってほしい〜〜〜!!!ちっちゃい頃から英才教育してこ!!!というわけでみんなのことうたの中でも人気の高い楽曲「月のワルツ」です。不思議の国のアリスのようなアラビアンナイトのような、要するに最高な楽曲です。「NEVERLAND」とも近い世界観かもしれない。ファンタジックであやしい世界。

 以前から小山さんのソロ曲でこういうのきたら最高なんだけどな……と思っていた楽曲で、あのちょっと掠れた高音がめちゃくちゃ活かされる歌だと思います。この曲はサビも含めて基本ソロで歌いつないでいく感じの歌割がいいな〜!歌い出しは加藤さん。「こんなに月の青い夜はふしぎなことが起きるよ」を歌ってほしい。で小山さん→手越さん→増田さんって感じかな。大サビの「満ちては欠ける〜」のところは増田さんです。最後のサビは全員で。あんまりにも最高な歌割を思いついてしまったな……

 

 

 

 

 アミューズ強めじゃない?しょうがないよ知ってるアーティストがだいたいアミューズなんだもん……。毎年アミュフェス行ってるから……。

 「星屑の街」から始まって「The moon」「SUN」があってそしてまた「月のワルツ」で終わるの、とても美しくないですか?天才的な曲順組めたなって思いました。単純に星とか月とかの曲が好きっていうのもある。

 みんなもNEWSの歌声を妄想してあそぼ!

 

 はやくNEWSの、4人の歌声が聴きたいなぁ!

ここ最近のポルノがいつも以上にファンに優しい

 ここ最近のポルノが(普段から優しいが)めちゃくちゃ優しいので、それがあまりにも嬉しいから記録に残しておこうと思います。

 

 

 

1.新藤さんのラジオ「カフェイン11」在宅収録

 収録を続けてくれることもありがたいし、在宅なのもありがたい。あんまり外に出ず人と接さずにやれるならそのほうがいいと思う。聞いている側の(つまり私の)精神衛生的にも。

 私の個人的な事情ですが、いろいろ事情がありまして新型コロナウイルスには絶対に感染したくないので結構怯えた日々を過ごしています。メンタルもなかなかにやられています。しんど!そんなしんどい日々のなか、自担*1が在宅にて収録したラジオを毎週届けてくれるの、めちゃくちゃ安心する。

 しかも収録前にはTwitterで毎週テーマを設けてツイートを募集してくれたりもしている。ちなみに普段は基本メールのみで生放送時のみTwitterでの発言も拾う形式のことが多い。メールだけではないかたちで募集することは「つながっている」ことを言外に示しているようにも思える。大抵は木曜収録→翌週月曜放送なので、そこそこのリアルタイム感もある。

 昨今のご時世に対する新藤さんの考えも聞けるが、個人的には普段よりも優しめだなぁと感じる。センシティブな部分もあるから気を付けているということもあるだろうけれど、それ以上にリスナーへの気遣いを感じる。私のようにメンタルがめちゃくちゃにやられている側からすると、それがものすごくありがたい。寄り添おうとしてくれているなぁと感じる。

 ちなみに新藤さんは旅行先のハワイや語学留学先のロンドンから録音したものを放送したこともあるので、ブース以外での録音に慣れているっていうのもあるんだと思う。それにしてもサービス精神が旺盛すぎて本当にありがたい。

 あと、リモートだからこそやれることをということで遠隔地にいる方をゲストに呼んだりもしてて面白い。このあいだはYouTubeでインストラクターをなさっている方(高知在住)をお招きしたし、今週はワインをつくっていらっしゃる方(南アフリカ在住!)をお呼びしている。新藤さんの興味や趣味に偏っているところも込みで最高だな〜って思う。どうやってこの状況を楽しんで乗り越えるかを模索しているところ、かっこいいな。

 

 

 

2.岡野さんのYouTube番組「Dispatchers」

 SNSをやっていない岡野さん、スガシカオさんのTwitterが主な生存確認の場だったものの、最近は「Dispatchers」という配信番組を始めてくれた。おかげで岡野さんの生存が確認できまくっている。

 最初はスタジオでやっていたものの、途中から岡野さんのプライベートスタジオからひとり撮影にて収録するかたちになった。そういうかたちでも届けようって思ってくれる気持ちがめちゃくちゃ嬉しい……!

 ひとり撮影でとりあえずやってみた「番外編」*2は、いろんなポルノの曲を弾き語りにて披露。聴き手を励ますような選曲でぐっとくるので、是非ご覧ください。

 


DISPATCHERS -岡野昭仁@番外編-

 鬼滅の刃OPの「紅蓮華」弾き語りをしてくれた回もある。岡野さんの弾き語りは「アコギ一本と歌」であり、大人しくしっとり、とは限らないところがいい。おれたちはこのパワフルな声が聴きたいんだ!ちなみに岡野さんは義勇さんが好きなんだって!

 


DISPATCHERS -岡野昭仁@プライベートスタジオで紅蓮華を歌う-

 最近では事務所の後輩であるflumpoolのボーカル山村さん&高橋優さん、そして岡野さんのご近所さんであるスガシカオさんをお招きしてリモート飲み会を配信してくれたりもしている。様々な企画で視聴者を楽しませようとしてくれて本当にありがとう……!

 番組のTwitterアカウントも開設され、時々岡野さんがツイートしてくれることもある。実は以前岡野さんもTwitterアカウントを持っていたことがあって、それが東日本大震災の頃でファンが岡野さんの生存確認を(結構真面目に)したかったときだったから、こういう非常時にファンの近くにいようとしてくれるのがありがたい。非常時になるとSNSに現れる救世主・岡野昭仁である。先日のYouTube企画の最中にも岡野さんがツイートして話題になった。

 

 ちなみにこの「Dispatchers」、新藤さんは特殊な電波障害が発生したりして見ていないらしい。そういうとこだぞポルノグラフィティ!(好き)

 

 

 

3.FC設立20周年記念生配信「在宅ポルノラジオ」

 これは前もって予告されていたものの、通常の配信方法は叶わなかったため新藤さんは自宅から、岡野さんはプライベートスタジオから、リモートにて配信する形式となった。中止にせずやってくれたことに感謝だし、なによりおたくとしてはリモートゆえにいつもよりちょっと緩くそして会話も多いところが最高だったわけですよ。ウワ……仲良しじゃん……って尊さの極みみたいなものを感じた。FC限定配信なのであんまり詳しくは話せないんですが、それでもここは!ってところは記録しておこうと思います。

 岡野さんがおつまみを探すために席を外したら、そのあいだは新藤さんがミックスナッツのASMRでつなぐ。しかも新藤さんはそれを気に入って岡野さんに「バイノーラルマイク買って」とか言い出すし。なんで買わそうとするん。仲良しか。

 あとは岡野さんがリモート会議の背景画像変更を使いこなしていて、新藤さんが「俺もそれやりたい!」とそわそわしていたり。めちゃくちゃかわいいんですけど何?という至福の時間だった。ゆるかわ。

 そしてセッションもあり。岡野さんが先に録音したものに新藤さんが被せるという形式にて披露された「幸せについて本気出して考えてみた」。この曲、こういう状況下になって割とすぐくらいの時期に新藤さんのラジオ「カフェイン11」で流れたり、岡野さんの弾き語りでも披露されたりしていて、たぶんポルノの総意として今の時期の我々に届けたい曲なんだろうなと思った。

 誰だってそれなりに人生を頑張ってる

 時々はその「それなり」さえも誉めて欲しい

 この曲で、私はどうしたってこの部分が一番響いてしまう。いっぱいいっぱいだった中学生のとき、私の「それなり」をこの曲は褒めてくれているんだって思ってどうにか生きてこられたから。今も改めて、この歌詞が沁みるなぁと思う。

 普段と違う状況下で、きっとそれぞれが「それなり」に頑張っている。私は在宅勤務になったので、仕事面でいえばゆるゆるでいいなって思われるほうかもしれない。でも、いろいろ事情があって、この先がどうなるかわからない状況でたまに不安に押しつぶされそうになりながらもどうにか生きている。俺たちはそれを知ってるよと、そう言ってくれているみたいに思えて、すごく嬉しかった。

 あとセッションすごく良かったのに「(やり方次第で)もっと良くできたな」って言ってる二人を見て向上心〜〜〜!!!って思った。お二人だって慣れない環境で慣れないことをやってるのにね。すごいなぁ。

 

 

 

4.YouTubeにて3夜連続ライブ映像配信「LIVE ON LINE」

 前々から「YouTubeでなんかやります」と予告はあったが、何をやるんだろうと思っていたら過去のライブ映像をメンバー&スタッフセレクトで選曲して配信するという最高な企画だった。各日程1時間〜1時間ちょいの配信で、大満足の大盛り上がり。タイトルの「LIVE ON LINE」はライブを歌った楽曲である「LIVE ON LIVE」からきているんだろうと思う。粋なことするなぁ。

 映像化されているライブを中心に、各ライブ1〜3曲くらいの選曲。ファン人気の高い「夕陽と星空と僕」や「カルマの坂」などが入っているのもいい。しかも「このライブのこの曲がいい」を的確に突いてくる。ポルノを愛している人たちがセレクトしたんだなってよくわかる。だって「鉄槌」だよ?「鉄槌」*3を入れてくるの、絶対ポルノのことめちゃくちゃ好きな人でしょ。

 選曲には随所にこだわりが見られた。基本的には映像化リリース順になっているが、映像化されたパッケージの中でも順番を入れ替えている箇所もあったりした。3日目の1曲目は「アポロ」で2曲目は「ひとひら」だったが、この2曲はどちらも同じライブ「ラヴ・E・メール・フロム1999」からの選曲で、本来なら「ひとひら」→「アポロ」という演奏順だった。それをわざわざ入れ替えているところにこだわりが見える。1日目の1曲目にライブの最後で定番となっている「ジレンマ」をもってきたりするところもだ。そして3日目の最後に「∠RECEIVER」をもってくるところも。

 この星の裏側でも僕たちの足下でも

 起こりうる出来事から

 逃げない受信者(∠RECEIVER)でいたい 

 そんな歌詞で締めくくられるこの曲がラストに来ていることで、今たしかに世界が変わりつつあることを身近に感じているのだと改めて実感する。ポルノからのメッセージを受け取った気持ちになる、そんなラストだった。

 なおこの配信、Twitterのトレンドにも入るくらいに盛り上がった。ハッシュタグ「#おうちでポルノライヴ」をさかのぼると、「この曲やるんだ!」と喚起する声や「このライブのときにはこんなことがあった」と思い出を語る声など、さまざまな声が聞ける。ライブという、一か所に大勢の人が集まる場が開催できない今、それぞれの胸にあの日あのときのことがよぎる。またライブに行ける日が来るといいなと、そう願ってやまない。

 

 

 

 メンタルがぼろぼろになったとき、助けてくれて本当にありがとう。いつもあなたたちには助けてもらってばかりです。これからもまだしばらくお世話になると思います。いつかまた、日常が戻ってきて、あなたたちの音楽を体で浴びることができるのを楽しみにしています。

*1:アイドル界隈の言葉ではあるけど、新藤さんは間違いなく「自担」なので自担と呼んでます

*2:最初は「特別編」と言っていたものの、岡野さんが「特別っていうとなんか偉そうだから、これは番外編にします」とわざわざ訂正して番外編になった。謙虚すぎていとしい

*3:怖い曲。怖いうえにこれが披露されたライブでのアレンジはめちゃくちゃ怖い

手のなかのアルファ・ケンタウリは光る ーアイドル短歌まとめ11ー

 いずれまとめてなんらかのかたちにしたいなぁと思ってるうちに短歌が増えます。自分用に本にしたいなぁと思ってはいるんだけど……思ってはいる……

 

 

 

 

そのときはちゃんと言ってよ いつ散ると知れぬ花でもないだろ君は

 

思い出はあまりに遠い今日だから明日になれば忘れるでしょう

 

カーテンの影に隠れた窓際のサボテンだけが知る恋心

 

「恋は罪悪」と誰かが言ったけど気にする暇もないほどの恋

 

寂しさは君のせいでは決してない 僕の僕による僕だけのもの

 

友達じゃないけど君と話したい 多肉植物の花が咲いたよ

 

寝癖さえ愛おしいのだ 寝癖など見たことないが絶対そうだ

 

前髪が伸びる速度を追い越して今すぐ君に、君に会いたい

 

 

 

 

題詠:

 

あなたにも眠れない夜があると知りほっとしたこと、許してほしい

(眠れない夜)

 

おなじ星おなじ世界にみんないる だからぼくらはみんな寂しい

(ひとりぼっち)

 

ポケットで古びた飴がべたついているから君にさよならをする

(飴)

 

伏せられたままの写真立てのよう あなたのことを忘れたいのに

(写真立て)

 

理科室の標本として眠ってる鉱石はどこか君に似ている

(鉱石)

 

鏡ではうつせないもの 暗く濃く濁ったぼくの本心だとか

(鏡)

 

混ざり合う必要はない 君が僕ではないからこそ愛せるんだよ

(水と油)

 

手のなかのアルファ・ケンタウリは光る 君に好きだと伝えるために

(ペンライト)

 

立つ鳥よ跡を濁してくれ せめて泣き喚くだけの時間をくれよ

(最後のステージ)

 

 

 

連作:

「日々」

乗り換えの駅にて少し寄り道を 君に似合いの花束買いに

 

文章の癖が似てきた 悔しいが連用中止でつないでしまう

 

迷うときいつも心に君がいて私の行きたい道を指さす

 

軽やかに過ごせた今日のおしまいに君を想って飲み干すビール

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「卒業公演」

そこにいる君は明日もういない 精一杯の今日を叫んだ

 

コンタクトレンズが浮くほど泣いたのにかわいいドレスが焼き付いている

 

君がいまそこにいるから出会えたの 忘れないから忘れないでね

 

「さよなら」を引きずったまま生きている 「はじめまして」をまた言えるまで

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