自担の主演ドラマが最高すぎてしまった #ゼロ一獲千金ゲーム

 最高すぎて、楽しすぎる3か月を過ごしました。
 終わってしまった。圧倒的に最高なドラマ「ゼロ 一獲千金ゲーム」が終わってしまった。9話までが圧倒的に最高に最高に最高だったのでもしかして最終回で期待値爆上げすぎて盛大に転んでしまったりするのではないかと心配していたが全くそんなことはなかった。期待値爆上げしたその更に上を行く最終回だった。あまりに最高すぎて感想を書くのもこれで最後か……と思うと寂しいです。
 といいつつスピンオフあるからまだ最後じゃないんですけど!とりあえず今回は10話の感想です。

 

・ミツルとの再会

 突如姿を現したミツルに驚き、「生きてたのか」と歩み寄ろうとするゼロ。しかし、峰子に「近づかないで」と制止され、黒服の男が立ちはだかる。
 ここまで色々と騙され続けてきたので、ミツルの「ゼロ、久しぶり」という笑顔も実は裏があるのでは……という気持ちになってしまう。でも峰子を見上げる表情を見ると本当になんの屈託もない「久しぶり」だったの……?という気持ちにもなる。いろいろ騙されてきたのでもうわかんないんですよ……だって高校時代の「友達」として出てきたカズヤはゼロのこと殺そうとするし、残虐な「友情の破壊者」として出てきた小太郎は友情に焦がれる人物だったし、じゃあこの「久しぶり」にも何か裏があるのでは……だって在全側にいるし……。と思っていたら、本編中でも二人の過去が(さらっと)語られる。もうこのちょっとだけの映像だけでもしんどい。だってこれコヤシゲなんですよ!?
 夜、ベンチに座るゼロのもとにミツルがやってくる。そして、峰子がミツルの姉であることが明かされる。前回の感想の最後にも書いたけど、峰子とゼロの関係を在全が知っていたんだとしたら発言がいちいち悪趣味で、そりゃあこんなゲームも企画するよねと頷きたくなる。
 ぽつぽつと、互いの近況を話す二人。ミツルを失った後、自分だけが夢を追うわけにはいかないと大学を辞め、今は塾講師をしていること。生活の糧がないミツルは姉に頼らざるをえなかったこと。こんな一瞬では埋まりきらない4年の空白が、会話のぎこちなさから見てとれる。ミツルは過去のゼロの行動を「優しさ」だったと捉えているけれど、その「優しさ」が間違いにもなると告げる。その「間違い」の結果がミツルの動かない足だと思うと胸が痛い。スピンオフ前半を見ればわかるけど、どこにも悪意がないんだもん……悪意がないのに傷ついたり傷つけたりしてしまう二人を見るのがつらい。だけどゼロが優しいということとその優しさが間違いを起こすということを、言いづらさも伴うことを、カズヤが「憐み」と取ってしまっていたことを、きっちりゼロに告げることができるの、あぁこの二人は大親友って言うだけのことあるわ……って思う。ゼロと対等に話せる、ゼロのことを思いやってくれる、ゼロが心を許した相手なんだって、この短い会話からめちゃくちゃ滲み出ていて……んでこれコヤシゲなんですよ……
 ミツルはゼロに「明日は勝ってくれ」と言う。「俺のことは気にすんな」「俺のせいで負けたりしたら許さないから」とも。自分がゼロの味方であることを、暗くなりすぎないように伝えようとしているように感じられた。でも私は捻くれているので「俺のことは気にすんな」という台詞は「気にかけてほしい」と言っているようにも聞こえる。大親友だったがゆえに相手に伝わってほしい本音というか。でも「勝ってほしい」という気持ちもミツルの本音だと思う。自分のことを思って暴走する姉を止めたい気持ちもあるだろう。というところを踏まえて、ここで「気にすんな」って言っちゃうの、めっちゃいいなって思う……「気にすんな」って言われて気にしないでいるほうが無理みたいなところあるし、複雑な気持ちでいる感じがすごく伝わってきて……つら……
 ゼロも4年間つらい思いをしていたんだろうけれど、それはきっとミツルも同じで、二人して相手の存在を心の中に残しすぎてしまっているために苦しんでいたんだと思う。だからってすぐ会って仲直りできるほど軽い出来事ではなくて。これがなんか、カメラ壊しちゃったとかその程度(それも大きいかもしれないけど)だったらきっとこんなに大きくならずに済んだのに、マジでこのときのミツルの絶望を思うとしんどくて……っていう二人をコヤシゲが演じているんですよ……

 

 

・それぞれの見る「宇海零」

 最終決戦を前に、ゼロ先生の過去を知り動揺する義賊たち。自分たちが従ってきた、自分たちを救ってくれたある種神様のような存在が、ただのひとりの人間だったと知ってしまえば、動揺しないわけにはいかない。しかし、チカラ氏は「どんな過去があってもゼロはゼロ」と言う。ここで一番ゼロに対して崇拝したり憧れすぎていないフラットな目で見ていた(アンカーを前にして「チカラさんたちには無理です」と言われて怒る等)チカラ氏が言うのが良いなと思った。ゼロの苦しみを知って、動揺して、でもゼロのために何かできないかと考えて闇鍋作っちゃう三人、愛おしい。
 ユウキが冷静に「ゼロくんのあの異常な正義感はあのミツルってやつのせいか」と言うのもキャラに合っていていいなと思った。アンカーのときにゼロを「怖い」と言ったくらいなので、その「怖さ」の理由を知って腑に落ちた感が出ている。何より「異常な正義感」って響きがあの「得体の知れなさ」の正体を言い表しているようですごくしっくりきた。

 

 

・最終決戦

 巨大な鉄球が落ちてくる「鉄球サークル」に始まり、50メートルの高さで飛ぶ「クォータージャンプ」、水責めの「迷宮のトライアングル」、巨大な錨が迫りくる「ジ・アンカー」、21人が皆殺しにされる「魔女の館」などなど、どれも大がかりな仕掛けのゲームばかりだったドリームキングダム。その最終決戦は、変則ポーカー「デイ&ナイト」。使う道具はトランプとダーツだけ。今までのゲームに比べると、ずいぶんシンプルだ。
 個人的には、この展開にはめちゃくちゃ興奮した。私の好きな小説のひとつに『マルドゥック・スクランブル』という作品があって、文庫版では全3冊になる長編でアクションシーンも多くあるにもかかわらず、クライマックスはカジノでブラックジャックをする、というシーンになっている。今まで散々派手なことをしておいて、クライマックスはシンプルなゲームでの心理戦。今までが見た目に派手だった分、最終決戦の緊張が際立つ。最高なんですよ。
 峰子は有利な先攻となり、なおかつダーツの腕もいい。力技で攻めていく感じ。一方ゼロは最初こそ苦戦するものの、相手の心理を読むことで翻弄する。どちらも相手の手を読みまくる感じじゃなくて、一方が力技なの、見ていてわかりやすいのでとてもありがたいなと思った(2回目見るまでルールがいまいちわからなかった人)。それに、どちらも相手の心を読もうとする戦いは9話の標くん戦でもうやってしまっているので、バランスとしてもちょうどいい。
 一度出そうとしたトランプをひっこめたり、数字を順番に並べてしまうなど、言葉では相手を揺さぶろうとするけど結構素直なところがある峰子様。「クォータージャンプ」でセーフ側の声役だったときもセイギに「答えちゃダメ!」って言っちゃうし……なんかそういうとこミツルと姉弟っぽくてしんどい。「クォータージャンプ」で思い出したけど、セーフ側にいる峰子に対して「自分の方に飛ばしてもメリットがない」とゼロは考えていた。でもそうやって揺さぶりをかけて「自分の方に飛ばさない」ことにはメリットがあったんだよね……弟の復讐を果たすっていう……うわつらい……
 途中でミツルを連れ出されてめちゃくちゃ動揺しているところも、小太郎の「城」の文字見て笑っちゃうくらい非道な峰子にも人の心があったんだな……と思わされる。どちらもミツルのことを助けたい気持ちは同じなのに、なんだってこんな地獄を見なければならないのか。在全、本当に怖いキャラクターなんだな……ていうかゼロの心を壊すって言いながら峰子側にしか「弟を殺す」としか伝えないのほんと……ひど……峰子もつらいじゃん……しんど……

 

 

・決着

 あと、ミツルを連れ出す場面見てて思ったんだけど、在全は自走もできる車椅子なのにミツルはそうじゃない感じ、ミツルから自由を奪うためだったりしない?怪我の詳細がいまいちわかっていないのでなんとも言えないけど……。川沿いに連れてこられて、ゼロが勝てば自分が死ぬことを知らされるミツル。でも全然動揺も焦りもない。「ゼロはそのこと知ってるの?」と尋ねて、知らせないという答えが返ってくると、「ゼロは、勝つかもね」と言う。自分が死ぬと知ってもなお、ゼロに勝ってほしいと思っているような口ぶりに思えた。
 動かない足を見るとまだゼロのことを本当のところでは許せていないのかもしれないと言うミツル。でもきっと、「許せていない」ということもまた、ミツルを苦しめているのだろう。最初から他人だったり、どうでもいい相手だったらこんなに悩まなかったのかもしれないが、ゼロとミツルは親友だった。だからこそ、いろんな感情がごちゃ混ぜになってしまうのだろう。ゼロとミツルのあいだにある「見えない紐」は、かつては大切な繋がりだったのかもしれないが、二人を重たく縛りつける鎖にもなってしまった。呪いを解いてその鎖を再び大切な繋がりに変えるには、ゼロが再びミツルを助けるしかない。そしてゼロは、それをやり遂げた。
 ミツルにとってもゼロにとっても、あのときの「必ず助けに戻る」という言葉は呪いだったのかもしれない。ゼロにとっては助けられなかったことが、ミツルにとってはゼロから逃げてしまったことが、二人の心に呪いとなって残ってしまっていた。ゼロが峰子を勝たせてミツルを助けにきたことで、二人の呪いが解けたのだろう。晴れやかな笑顔での握手は、見ていてぐっときた。でもこれからまたスピンオフ見なくちゃいけないわけで……つら……(メンタルの急上昇&急降下)
 わざと負けたことをはぐらかして「負けちゃいました」と笑うゼロ。他の誰かを助けてもそれは「他の誰か」でしかなく、ゼロの呪いは解けることがなかった。ようやく解放され、やわらかく笑う姿に心の底から良かったと思った。

 

 

・エピローグと「終わりなき青春」

 エピローグとして、登場人物たちの1年後の姿が描かれる。
 義賊3人は一緒に引っ越し業者でアルバイトをしているらしい。強く生き抜く力を身につけていて、以前は3人揃うとまた死のうとするかもしれないからと発信機を持たされていたのに、もうその心配はないようだ。末崎はヤクザから足を洗って移動販売のお弁当屋さんをやっている。セイギは就活中(めっちゃ面接で落とされそう)。ユウキは在全グループにいて(この神経の図太さ、嫌いじゃない)、在全グループのトップとなった峰子のもとで働いている。在全もまだ生きていて、実質トップとして君臨しているらしい。あれだけ異彩を放っていた標くんも日常に戻っていて、ごはんの前にメロンパンを食べて怒られたり、ピーマンを残そうとして怒られたりしている。彼も普通の子どもだった、というわけだ。相変わらずめちゃくちゃ頭いいけど。
 みんな前向きにそれぞれの人生を歩いている。義賊としての活動はユウキとセイギを仲間に加えてまだ続いているようだ。しかし、5人が集った場にゼロはいない。
 ゼロは再び宇宙物理学への道へ進み、研究に勤しんでいる。ミツルとともに失った夢を、再び追い始めた。主題歌「生きろ」の、「笑えるほど愚かで泣けるほど愛しい 終わりなき青春」という歌詞が頭をよぎる。止まっていたゼロの時間がまた動き出して、終わりなき青春のなかを生きている。
 ゼロの時間が動き出したのなら、きっとミツルもそうだろうし、カズヤ(まだゼロとは会っていない気がする)や小太郎(また何か新しい仕事を見つけて生きていそう)もどこかで元気にやっているのかな。あのみごろさナインの人や石田さんも元気だろうか。なんだかんだでどのキャラクターにも愛着がわいてしまった。最初はあれだけ腹の立つキャラクターだったユウキやセイギも愛おしい。とにかくめちゃくちゃ面白くて、終わり方まで最高で、ドラマに出てきたキャラクターたちが幸せに生きていけるといいな、と思った。

 

 出演者・スタッフのみなさん、とても面白いドラマをありがとうございました!すごく楽しい、とても心揺さぶられる3か月でした。またどこかでゼロたちに会えることを願っています。


 でも!私たちの「ゼロ一獲千金ゲーム」はまだまだ終わらないぜ!来週もスピンオフ後編がある!地獄みたいな前編から一体何がどうなるのか!?どうあってもまだ地獄な気がするけど!スピンオフ後編を見たらまた1話から見返そうと思っています。