色々あったのにミツルに全部持っていかれる9話 #ゼロ一獲千金ゲーム

 とうとう9話まできてしまった。あと1話しかない。嘘でしょ。足りない。全然足りない。最終回のあとに劇場版のお知らせが来ないと困ります。
 だいぶ混乱しているけれど9話の感想です。

 

 

・宝探し

 標くんが4つのリングを手に入れ、ドリキンでのゲームは終わったかに見えた。が、在全の思いつきで20分延長されることとなる。そしてゼロ先生が選んだゲームは、前にチカラ氏が挑んで撃沈した「宝探し」のゲーム。
 このゲームでのゼロ先生が最高にかっこいい。ゲームに挑戦するために長蛇の列ができているのを見て、まずは並ぶより先にこのゲームに挑戦した人たちから情報を集める。まずここでその判断をしている時点でかっこいい。しかも全然焦ってない。きっとゼロ先生には自分が勝利する道筋が見えているのだろう。その後、情報を集めてから時間ギリギリで戻り、制限時間を考えて最後の一人として並んでいる男にリングを2つ渡して順番を譲らせる。男はもともと持っていた2つと合わせてリングを4つ獲得したことになるので挑戦する必要はなくなるし、ゼロ先生はリングが1つになってしまうものの、このゲームに挑戦してリングを3つゲットすることができれば4つになる。リングを手離すことでより多くのリングを獲得するチャンスを得るという駆け引き。痺れる。
 そしてゲームに挑戦するゼロ先生。黒服の男は説明を終え、ドアを閉めようとする。それを足で止めるゼロ先生(かっこいい)。今までに挑戦した者たちから得た情報と黒服の説明で、ゼロ先生はこの「宝探し」ゲームの仕掛けを見事に解いてしまう。なおも黒服はドアを閉めようとするが、それも手でかっこよく止める(かっこいい)。ドアを開けた状態で「今この部屋の中には確かにリングがある」って言って、ドアを閉めたら部屋の外側になるドアノブにリングが隠されているとか……そんな屁理屈みたいなずるい仕掛けにも気付いちゃうなんて……誰の命も背負わないゲームだからかめちゃくちゃ強いじゃん……
 個人的には9話まででゼロ先生が一番クールで恰好よかった場面がこの「宝探し」のゲーム。かっこいい。
 ちなみに、今までゼロ先生の姿がシルエットになってオープニング映像に入っていたのに、今回はゲームに挑戦するゼロ先生を見送る義賊たち3人だったのも熱い。

 

 

・標くんVSゼロ先生

 今回の目玉である決勝戦=標くんVSゼロ先生の「ブレイクダウン」。原作では指を切り落とすゲームだったが、ドラマではリングを叩き壊すゲームに変更されている。頑張って集めてきた4つのリングを使って、しかも叩き潰すゲームって。なかなか悪質である。さすが在全。
 ゼロ先生は自身が王となるというよりも標くんを止めたいという気持ちでリングを4つ集める。このまま標くんを王にしてしまえば、標くんが自分の命を賭けて世界を変える計画を実行してしまう。ゼロ先生はそれを止めることに重きを置いている。あと、「迷宮のトライアングル」で標くんとスナオ氏が同じチームだったことで、ゼロ先生以外にも標くんを心配する大人がいるという状況が良いなと思った。ゼロ先生が「標くんを止めるために標くんに勝つ」と言い出しても「何言ってんだよ」ではなくゼロ先生の意見を補強してくれる人がいることで印象が変わる。脚本ってすごいな……
 このゲームでの標くんとゼロ先生の駆け引きがまた面白い。最初にゼロ先生が4つガードを使ったことを即座に見抜いてしまう標くん。焦るゼロ先生。標くんはひとつしかガードを使っていないのに、そこに誘導されてしまうゼロ先生。攻守交代制なのでさくさく進むし、テンポがいい。見ていてずっとどきどきしてしまう。
 標くんはゼロ先生が4つガードを置いたのを見抜いた理由として「ゆらぎが見えなかった」と答える。きっと標くんは、他の人なら全く気付かないような小さな変化さえ見抜いてしまう力を持っているのだろう。しかしそれは武器であるかもしれないが彼の弱点でもある。自分を騙そうとする相手がいればすぐに気付いてしまう。決して幸せな人生を歩んできたわけではないことは、標くんの態度を見ていればなんとなくわかる。エピソードゼロ標編を作ってほしいくらい、標くんに一体何があってドリームキングダムに来たのかが知りたすぎる。今回でめちゃくちゃ標くんのこと好きになってしまったので……もっと標くんのことが知りたい……
 ゼロ先生は標くんに「周りの人を利用するのではなく、もっと信用してほしい」という旨を告げる。しかし、「ゆらぎ」が見えてしまう標くんにとって、人を信用することは簡単なことではない。なんとなくだけれど、今までも誰かを信用しては裏切られてきたのではないかと、そんな気がする。「信用できる大人なんていない」という標くんの言葉からは、そんな過去が感じられる。
 そんな標くんに対して、ゼロ先生は道徳的な話を続ける。前回「魔女の館」では数学の授業だったが、今回は標くんの心に訴えかける。どこまでも塾講師設定を活かしてくる脚本がもはや怖い。塾講師というか、教育者としての一面を見せるゼロ先生。少なくとも自分は標くんの倍近い年数生きていて、経験したことも多いからこそ語れること。人生の先輩として後輩を導くというか。正しいとは言えない道を進もうとするこどもを、力ではなく言葉と態度で説得する。標くんは私立中学に通っているということは、ゼロ先生が教える子供たちの未来ともいえる。大人と子供であり、教育者と被教育者であり、対等な関係でもある。ゼロ先生は、子供だからといって標くんのことを侮ったりしない。ひとりの人間とひとりの人間として、対等に接する。そのうえで、標くんより長く生きているから、伝えられること/伝えたいことがある。
 「世界を変えることは、誰かを守ることから始まるんじゃないかな」。ゼロ先生はこの言葉を実践してここまできた。そんなゼロが、標くんに「信用してほしい」と言う。信用されるにはどうしたらいいか。ゼロ先生の答えは、標くんを信じることだった。標くんの言葉を信じて彼がノーガードだと言う箱を叩く。箱は壊れ、リングは潰れる。
 第1話で、ゼロ先生は塾講師として問題の解答方法が理解できない生徒に対して授業を「落ち」て説明していた。わからない人を取りこぼさない姿勢に見えるけれど、実際のところは「わからない人を」ではなくて「はみ出してしまう人を」取りこぼさない姿勢なのだと、標くんへの態度を見ていてわかった。はみ出し方というのは2種類ある。授業でいえば、授業内容をわかりすぎてはみ出す人とわからなさすぎてはみ出す人。標くんは世界の「ゆらぎ」が見えすぎるためにはみ出してしまっていた。でも、ゼロ先生はそれを見逃さない。取りこぼさず、寄り添う姿勢を見せる。そうやって寄り添う姿勢を見せてくれることで、救われる人は確かにいる。
 去っていく標くんが「またいつか会いましょう」と丁寧な言葉づかいになっているところもよかった。ゼロ先生のことを認めたんだね。信用できる大人と出会えてよかったね標くん……!

 


・ゼロ先生の「信頼」

 なんていうか、9話まで見てやっと「この人、周りの人のこと信頼してたんだな」って思えるようになった。冷静すぎて「自分でやったほうが速い」ということに対しては自分でやってしまうせいだと思うけれど、「宝探し」についての情報を集めようとするところや8話の「魔女の館」を見て、義賊3人のこともユウキ・セイギのことも信頼してたんじゃん、と今更ながらに理解した。
 7話の感想で「ゼロ先生が信頼できるのは標くんだけでは」と思ったのだけれど、実際のところは逆だったのかもしれないと9話を見て思った。多分、私が思う「信頼」のかたちと、ゼロ先生の「信頼」のかたちが違ったんだと思う。
 私の思う「信頼」は、相手に全幅の信頼を寄せることだった。それはある意味で思考の放棄かもしれない。ゼロ先生の「信頼」は違って、その人ができることに対して「できる」と確信すること、その人ができそうもないことは決して望まないこと。ゼロ先生の「信頼」は、相手の負担にはならない程度の重さのように思える。けれど「できる」と思うことは頼む。8話で周囲の人たちに計算を任せたこと、9話で義賊たちに情報収集を手伝ってもらったこと。それは「信頼」の結果の行動だったように思える。過度な期待を寄せるのではなく、その人にできることを「できる」と信じること。それがゼロ先生の「信頼」だ。
 私の考える「信頼」は、「信仰」と言い換えても成立する。もしかしたら、「信仰」のことを「信頼」と呼んでいたのかもしれない。自分が言葉を取り違えていたことに気付けて良かった。

 


・ミツルの登場&次回予告

 で、だ。最後にほんの数分しか出ていないミツル。やばい。
 小山さんが「魔女の館」で出てこなかった時点で村上ではないならもうミツルしかないのでは?と思っていたらやっぱりミツルで、んで思った以上にやばいミツルとして出てくるので正直やばい。やばい以外に言葉が出てこない。ここから先は無理やりひねり出した言葉たちです。
 原作では、鉄球サークルで零をかばって怪我をして植物状態になった人物だ。しかし、ドラマでは車椅子姿での登場となった(脚が長い)。公式サイトの記事などから、ゼロとは「4年前まで大親友だった」ことが明かされている。
 今まで冷静な姿を見せていたゼロが、ミツルの姿を見たとたんに動揺を見せる。一瞬挟まれた回想の場面ではミツルに「俺の前から消えろ!」と言われるゼロの姿が。いやこんなの狂うでしょ。だってこの二人コヤシゲですよ?「二人になってもNEWSやろう」のコヤシゲですよ?夜会で泣いてたコヤシゲですよ?実際のところ大親友でソウルメイトなコヤシゲですよ?
 加藤さん主演ドラマの友情出演でメンバー全員出演が決まって、小山さんを一番最後までとっておいて3人の中で最も主人公との関係が深いキャラクターで出すなんて、日テレなんなの?最高なの?
 しかも公式サイトの次回予告を見ると、ミツルは後藤峰子の弟であり、4年前に行方不明ということになってからは在全グループに匿われており、峰子VSゼロの最終決戦にてゼロが勝てばミツルが死ぬことになる(ただしゼロは知らない)とかいう非道にもほどがある状況が書いてあって、こんなの狂わずにいられない。えっ無理じゃない?最高なんじゃない?早く日曜来て!
 しかも恐ろしいのが、ミツルの登場によってこれまでのゼロの言動や峰子・在全の言動について全然違う印象で見えてきてしまうということ。1話から見返したらしんどさが今までの3割増しいや5割増しくらいになってしまいそう。
 峰子がやたらとゼロを嫌っていたのは、弟の人生を潰した存在だから。そんな奴が在全グループの後継者になるなんて絶対に嫌だから。在全が峰子に「あの男(ゼロ)が怖いか?」とか言っていたのも、在全が峰子とミツルとゼロの関係性を知っていて言っているんだったらあんまりにもひどい台詞だ。ゼロをドリームキングダムに連れてきたのも、在全としては面白そうだったからかもしれないし、峰子としてはゼロに復讐できると思ったからかもしれない。
 そしてゼロの言動。あの正義感も、他者の命を守ろうとする責任感も、ミツルの存在が頭の中にあったから。「魔女の館」で間違った答えを送信してしまい呆然としていたのも、合っていると信じていた答えが間違っていたことにショックを受けたのでもなく間違えてしまったこと自体にショックを受けたのでもなく、自分が選択を誤ったことでミツルを失ったときのような恐怖を再び感じていたのかもしれない。ゼロの耳に聞こえていたのは、「リーダー失格!」という声ではなく「俺の前から消えろ!」と叫ぶミツルの声だったのかもしれない。いやそんなのしんどすぎる。しんどすぎるんですけど。
 しんどすぎるので「零」と「ミツル」=「充/満」という対比とか考えちゃって大変なんですけど。セイギが実は石田さんを助けちゃうくらい正義感のある人物であり、ユウキが実は垣根を外して石田さんを助けちゃうくらい勇気のある人物であることが描かれているので、もしかしたらゼロとミツルの名前にも意味を付与していたりしたら無理なんですけど。どれだけ考えてもミツルがどういった行動をとるのか、何を考えているのか、今の手持ちの情報じゃ全然わからなくて妄想の余地しかなくて困るんですけど!このまま日曜までおあずけなんて!無理!!!!!!!

 


 ていうか最後の数分しか出ていないにもかかわらずミツルに心を持っていかれすぎてやばい。なんでまだ日曜じゃないの!?こういうときこそ日曜もっと早く来るべきでしょ!?いつももっと早く来るくせに!ばか!日曜早く来て!