きみはスクリーンの向こう ―オススメ菅田将暉作品― #にわか楽しい #おたく楽しい

 今年は突如として菅田くんにハマりました。いや予兆は8年前からあったんだけど。本腰入れようと思ったのが今年の10月なので超絶にわかです。でもハマったばかりの熱量だから語れることもある。そんな気持ちで書く、おたく楽しい&にわか楽しい参加記事です。

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 忙しい人は「はじめに」を読み飛ばしてください。まったく問題ありません。ていうか忙しい人はこんな記事読んでないで菅田くん出演作品を観てください!!!

 

 

 はじめに

 特撮おたくではないものの、特撮番組を観るのが当たり前の家庭に育った。
 すべては母が「仮面ライダークウガ」の記者会見の映像でオダギリジョーさんに一目惚れし、日曜の朝になると絶対にチャンネルをテレビ朝日に合わせていたことに始まる。それ以来、なんとなく特撮を観る10年間が続いた。そして菅田くんデビュー作である「仮面ライダーW」も観ることとなった。大学生になり、日曜に早起きできなくなったこともあって当時は飛び飛びでしか観ていなかった(し、高校のときはみんな観てたのに大学に行ったら全然特撮観てる人がいなくなってしまった)ということもあったが、菅田くん・桐山くんのことはずっと気になっていた。というか、特撮を1年間観ると特撮に出ていた俳優がその後別の番組で活躍していると「お~~~久しぶり!」みたいな気持ちになるのである。特に菅田くんの場合はしばらく役名で呼ぶ癖が抜けず、ずっと「フィリップ」と呼んでいた。世間的にフィリップの知名度菅田将暉知名度になってきたころ、自然と菅田くんと呼ぶようになった。
 比較的映画を観るほうの人間(しかもほぼ邦画オンリー)なので、菅田くんをスクリーンで観る機会も増えた。というか、映画を観るかどうか考える際にいつの間にか「菅田くんも出てるし」を判断基準に加えていることに気付いた。でもなんとなく、年下の男の子のファンであることを認めることはちょっとだけ勇気がいることだった。私にはまだその勇気がなかった。
 今年、「仮面ライダーW」の続編となる漫画「風都探偵」が始まった。Wの世界がまた広がっていくのが嬉しくて、さらには主演の二人が雑誌の表紙を飾ることが嬉しくて、ついAmazonで配信されている「仮面ライダーW」を全話観てしまった。ちょうどおたくとしてのもやもやを抱えた時期だったため、ずぶずぶにのめり込んだ。1週間で49話を駆け抜けた。
 その流れで、菅田くん主演映画「あゝ、荒野」を観に行った。あまりにも良すぎて、この人を推したい、と思った。この人のファンになりたい。この人のファンになったら、きっといい作品に巡り逢える。おたくとしてのもやもやの、答えに近いものが「あゝ、荒野」にはあった。この作品に出逢えたことの感謝の気持ちも込めて、私は菅田くんのファンになることを決めた。映画を観る理由が、「菅田くんも出てるし」から「菅田くんが出てるから」になった。
 そんな感じで菅田くんのファンになって2か月です。

 

オススメの菅田くん出演作品

 映画・ドラマなど。公開順に並んでいます。レビューというより感想です。

 

仮面ライダーW」

 菅田くんデビュー作。当時16歳、ほっぺがかわいい。
 平成2期の一発目である今作は架空の都市「風都」を舞台とした探偵モノ。主人公・翔太郎はハードボイルドを自称する(が優しすぎてハードボイルドになりきれずハーフボイルドと呼ばれる)探偵で、誰より風都を愛している男。そんな彼の相棒、探偵でいうところの頭脳担当が菅田くん演じるフィリップである。探偵といえば街のヒーロー、探偵といえばバディ……そんな要素と「仮面ライダー」がいい感じに融合している名作である。ギャグ要素もシリアス要素もあってバランスがよい。セリフもいちいちかっこいい。仮面ライダー=子供向けという印象はあるかもしれないし確かにそういう面もあるが、大人が見てもものすごく楽しめる。
 個人的にオススメなのはWの二人のバランスが崩れる回(何度かある)。ファング登場回、エクストリーム登場回、そして47話~最終回。
 続編である「風都探偵」はビッグコミックスピリッツで連載中!これで決まりだ!

<菅田ポイント>
 フィリップには自分がどんな人間だったかという記憶がなく、ずっと外界との接触を絶たれていたため非常識な面もあり、最初はあまり人の心を解さないところがあった。しかし主人公・左翔太郎(桐山漣さん=ドラマカサアリの純ちゃん)の相棒となり探偵事務所や風都の面々とかかわりを持つうちにだんだんと人間らしくなっていく。その様子が、だんだんと演技に慣れていく菅田くんの感じとばっちりシンクロしていてめちゃくちゃ良い。初回と最終回では身体的な面でも演技でも成長していて、顔が全然違う。最終回の「やぁ翔太郎」って言ったときの表情が最高だから見て!!!あとほっぺがすごくかわいい!!!
 ちなみにオーズとフォーゼがメインの映画版「MOVIE大戦MEGA MAX」にもフィリップ出演。髪が短いのに無理やりクリップでとめているところがかわいい。


そこのみにて光輝く

 決して明るい映画ではないし、ラストで物語が好転しているわけでもない。むしろ映画冒頭よりも状況は悪化しているし、さまざまな問題が描かれるけれど何一つ解決していない。けれどそれでも完全な絶望ではなくて、暗かった世界に光が射している。この先の幸せなんて保証されていないけれど、それでもこの世界に光は射す。そういう映画だった。
 物語と映像が相互作用で活かし合う、映画だからこそこの良さが出るのだと納得する。重いしつらい場面もあるけれど、とてもいい映画なので重くて暗い映画が嫌いではない人は是非一度観てみてほしい。
 物語の外側にいる私は映画の中で起こるすべてを知っている。だから登場人物たちに「こうすればいいのに」とか「こうなればいいのに」とか思ったりする。けれどそれは映画の中には届かなくて、勝手に物語は進んでいく。そのもどかしさもまた、映画だからこその良さだと思った。
 映画の中にいる人たちは、勿論役者が演じている=現実にそうやって生きている人たちではない、ということなのだけれど、物語の中で「生きている」ということを切実なほど感じた。この映画を作った人たち(役者や監督たち)も生きているし、原作者もまたこの話を書いたときには生きていた。そしてこの映画を観る私もまた生きている。こんなに薄暗い映画なのに、「生」が詰まっている。いや、薄暗いからこそ「生」のにおいがするのかもしれない。

<菅田ポイント>
 菅田くんが演じるのは仮出所中の男の子・拓児。主人公である達夫(綾野剛さん)と姉の千鶴(池脇千鶴さん)を出会わせる重要な存在。根元の黒い金髪、ヤニで黄色くなった歯、バカそうな感じがいかにも伝わってくるけれど、でもいい子なんだなということはすぐにわかる。そして終盤にも大きな役割を果たすことになるのだけれど、そのときの拓児の目がすごくいい。バカだけど、でも優しい。菅田くん、色々な哀愁を背負った役が似合いすぎる。バカだし優しいけれどすごくいい子で、それなのに研ぎ澄まされたナイフのような鋭さもある。
 クールな役や穏やかな役もいいなと思うけれど、菅田くんの真価が発揮されるのは「自分ではどうすることもできない大きな力に振り回されてしまう、でもどうにか抗おうとする」という役どころなのではないかと思う。あとほんと……バカだけど本能的に聡い感じ……すごく良い……


『そこのみにて光輝く』予告

 


「ピンクとグレー」

 公開期間は2か月ほどだったけれど劇場で観た回数は人生で最多の9回。というのも私は原作者・加藤シゲアキさんのおたくだからだ。原作と映画の内容の違いから原作ファンの間では賛否両論だったが、私としては嫌いな映画ではなかったので自分の中で「どこが面白かったのか」を明確にするために映画館に通っていた。でも多分、菅田くんがメインキャストだったことも映画を観る要因のひとつだったのだろうと思う。好きな俳優が出てなかったらさすがにそんなに観られないだろう。
 「仮面ライダーW」では、新人の菅田くん演じるフィリップと既にキャリアのあった桐山さんの対比が必要だった。それと同様に、この「ピンクとグレー」では映画初出演にして初主演の中島くんと映画出演経験が豊富な菅田くんという対比がどうしても必要だった。それに気付いたときは「W」のときとは逆の立ち位置にいる菅田くんに少し驚いたけれど、その立ち位置に見合う姿になっていることになんだか勝手に感慨深くなった。中島くんと菅田くんの対比を巧みに利用した映画になっているので、それも含めて楽しんでほしい。

<菅田ポイント>
 前半と後半の差。後半でボコボコに殴られて笑っているところが本当に最高。菅田くん演じる「成瀬」というキャラクターは映画オリジナルなのだけれど、つまり原作を読んでいても彼の素性は全くわからないのだけれど、キャラクターに奥行きがあるのは「成瀬」というキャラクターとして映画の中で生きる菅田くんが演じているからだと思う。


映画『ピンクとグレー』予告編

 


ディストラクション・ベイビーズ

 とても軽くて重い映画。物語らしい物語があるようには見えなくて、そういう映画って観た後に何も残らないことが多いのだけれど、この作品は観ている最中も観終わった後もどことなく不快な衝動が胸の奥に残った。多分それが暴力的な衝動とかそういうもので、でも私の中の暴力性の導火線は理性という水で湿っているので火がつくことはない。菅田くん演じる高校生・北原は、柳楽くん演じる泰良と出会いさえしなければ導火線に火がついてしまうことはなかったのかもなぁと思った。かわいそうだなって思う気持ちと自業自得だよって思う気持ちでぐるぐるしてしまう。
 そして何より柳楽くんがとにかく化け物じみていてすごい。やばい。最初に出てきたとき、カメラのほうを振り向いた瞬間、あぁこいつはやばいやつだと本能が理解するレベルのやばさ。私の出身地も治安悪かったけどここまでやばいやつはいなかった。でも下位互換にあたる人たちはいたので、そんなに遠い世界の話でもないのかもと感じた。
 最後まで誰ひとり感情移入できなくて、誰に対しても「やめなよ」って気持ちにしかなれなくて、でも映画は止まったりしない。多分それが若者が持てあます暴力というものなんだろう。終始「やめなよ」「だからやめなよって言ったじゃん」って気持ちがぐるぐると胸に渦巻いて、でも私の気持ちなど映画の中には届かなくて、この断絶がたぶん不快さの要因のひとつなんだと思う。
 あと映画「ピンクとグレー」を楽しんだ身としては柳楽くんと菅田くんが肩を並べているところを見るとなんだかぐっとくるものがあった。良かったね成瀬!
 余談だがエンタメ主義の私がこういう映画を観られるようになったのは加藤さんのおかげだと思う。ありがとう加藤さん。

<菅田ポイント>
 血まみれになって死ぬとこ。菅田くんは結構な確率でひどい感じに死ぬ役をやっているので、推しの死に様フェチとしては非常にありがたい。現実では死んでほしくないからフィクションで死んでる姿を見せてほしい。

 


【映画予告編】『ディストラクション・ベイビーズ』出演:#小松菜奈 #柳楽優弥 菅田将暉/監督:真利子哲也

 

あゝ、荒野

 個人的2017年ナンバーワンの映画。人生のなかでもベスト3には入る。寺山修二の小説を原作としていて、設定の変更が多々あるので「古い小説」という雰囲気はない。今、菅田くんの出演作品の中でオススメするなら私は「あゝ、荒野」を選ぶ。
 詳しくは別の記事で書いています。

penguinkawaii.hatenablog.com 

<菅田ポイント>
 まず新次の「父は自殺し母に捨てられ施設で育ち、成長して詐欺グループの一員となるも仲間に暴行を受けたせいで捕まることとなり、数年ぶりに塀の外に出てきて自分をボコボコにした男に会いに行ったらボクシングやっててめちゃくちゃ強くてやられてしまいその男を殺したいという気持ちで自分もボクシングを始める」って設定がめちゃくちゃに似合う。こんな役、今やるなら菅田くんしかいない。しかも新次には対になる存在・建二がいる。「仮面ライダーW」のイメージがあるからかもしれないけれど、「対になる存在との対比」として描かれる人物を演じるのが上手いなぁと思う。自分も相手も活かすの、すごい。
 この役のためにボクサーの体型になっているので、「役者が演じている」というよりも新次としてそこにいる感がすごく強い。ボクシングの試合をまともに見たことがない私からすれば、映画の中の試合シーンはすごくリアルに見えた。特に建二との試合は圧巻。
 私は菅田くんの泣く演技がすごく好きなのだけれど、この映画での涙もすごくよかった。どうにもならないことばかりが新次にふりかかり、まるで子供みたいに泣く場面。映画の外にいる私では新次の孤独には寄り添えなくて、胸の奥がじんわりとつらくなる涙だった。菅田くんは物語の中にとけこみながら、物語の外にいる人へ訴えかけてくる力がすごくあると思う。物語の中と外の壁を壊すのではなく、そこにある壁をよりはっきりと意識させることで訴えかけるというか……とにかくすごい。
 あと、建二のことを「兄貴」と呼ぶ素直な顔がめちゃくちゃ可愛いし、ずっと「兄貴」と呼んでいるところもいい。菅田くんはバディの弟分役が似合うなぁと改めて思った。


菅田将暉×ヤン・イクチュン、孤独をブチ壊せ/映画『あゝ、荒野』予告編


「火花」

 又吉さんの小説を映画化したもの。現時点で公開されている菅田くん出演作品の中では最新作。まだ映画館で見られます!
 私は夢を諦めた側の人間なので、「夢を追う物語」は眩しすぎてどこか苦手に思っている部分があって、割と避けがちだった。「火花」も、菅田くんが出ていなければ観ていなかっただろうと思う。だからこそ、菅田くんのおかげで「火花」を観られてよかった。この物語は、夢を追う者だけでなく夢にやぶれた者や夢を諦めた者にも優しい。一瞬でも「夢」を抱いたことのたる者にとっての救いのような物語だった。2時間程度の映画の枠の中では、おそらく神谷(桐谷健太さん演じる「天才」的な芸人)と徳永(菅田くん演じる芸人)が過ごした10年を描くのは難しいのだろう。けれど、2時間程度しかないとは思えないくらいに10年間がぎゅっと凝縮されていた。それに、時間が足りないぶん、この映画を撮ったのは板尾創路さんという芸人であるというところにも意味があるのだと思う。単純に物語をまとめる力というだけでなく、芸人だから描きたい/描ける部分もあるのだろうと感じた。
 物語として決して派手ではないけれど、そのぶん「どこかにいたかもしれないスパークスとたうコンビ」の姿が描かれていて、かつてお笑いにハマっていた時期のある身としては心に刺さることもあった。あの頃応援していたけれどもう今はいないあのコンビも、全然ウケないこともあったけれど今も頑張っているあのコンビも、それを見ていた私にさえも、きっと意味はあったし、ある。そんなふうに思うような物語だった。
 笑える場面も泣いてしまう場面も、苦しさも楽しさも詰まっている素敵な映画なので是非劇場へ! 

<菅田ポイント>
 今回は桐谷健太さん演じる神谷との対比として、その「弟子」である徳永という役を演じているのだけれど、ここでも菅田くんの弟分感が遺憾なく発揮されている。最初は犬みたいに「神谷さん神谷さん!」とついて回っていた徳永だが、徐々に関係性が変わっていくところがすごくよかった。切なくて寂しくて、でもそういうことってあるんだよなと胸に迫る。時が流れ、時代が変わり、二人も変わり、二人の関係性も変わっていく。
 そして今回も菅田くんの涙がめちゃくちゃいい。まだ公開中だから詳しくは語らないけど、言葉にならない思いがたくさんあって、その部分が涙として溢れているんだろうなと思うような涙だった。


映画『火花』予告

 

 

オススメの菅田くん楽曲

 菅田くんは楽曲もリリースしています!2018年にはライブもあります!

 

ばかになっちゃったのかな

 菅田くんソロデビューシングル「見たことのない景色」カップリング。正直、表題曲よりもこっちを聴いてほしい。大層な物語を描いているわけではなくて、ただただ恋をしてしまっただけの普通の男の子の歌(男の子じゃなくても当てはまる部分はあると思う)。こんな「どこにでもいる男」を描いた歌を、全然どこにもいそうにない菅田くんが歌うとめちゃくちゃハマる。単純なメロディと単純な歌詞だからこそ菅田くんの声の良さが活きる。

 

 

呼吸

 セカンドシングル。菅田くんも作詞に参加している、黒いコンバースを買いたくなる曲。
 Aメロのテレテレしてる感じのギターがさぁ……あまりにも私が慣れ親しんだ邦楽ロックっぽい音がして……今はアイドルやポップ寄りの曲のほうが好きでそっちを多めに聴いているけどこういう邦楽ロックもめちゃくちゃ聴いてたなぁと懐かしい気持ちになった。歌詞も音も、菅田くんの歌声も、なんとなく邦楽ロック感があるので、「俳優が歌ってる」なんて色眼鏡で見ているといい曲に出会う機会を逃しちゃうかもしれない。気になったら是非聴いてみてほしい。

 

 

灰色と青

 米津玄師さんとのコラボ曲。米津さんにしては歌詞も音もわかりやすくて、でも菅田くんと歌うならこういう曲にしたくなっちゃうよね……そりゃあ菅田くんが歌うなら愛だの恋だのよりも今はここにいない友のことを思うような曲にしたくなるよね……わかるわかる……みたいな気持ちになるくらい名曲。
 一番を米津さん、二番を菅田くんが歌っているのだが、二人の声の寂しさの種類がなんとなく違うところがすごくいい。米津さんの声の寂しさは諦念、菅田くんの声の寂しさは未練って感じ。二人の声が重なるところがないっていうのが……この曲の描く状況と合っていて物語が浮き上がってくるような感じがする。なんかもうとにかく超いいから聴いてほしい。


米津玄師 MV「 灰色と青( +菅田将暉 )」

 

 

菅田くんの魅力

 沢山ありすぎるし私が語るのもおこがましいくらいだけれどあえて語る。魅力、というか好きなところを。
 感情を剥き出しにする場面は菅田くんの魅力のひとつだと思う。なかでも私が好きなのは怒る場面と泣く場面。菅田くんは内に秘めた怒りを表現するところもすごくいいけれど、思い切り叫ぶ場面がさらに好き。映画館でも、菅田くんが怒鳴る場面では思わずびくっとしてしまうくらい声に迫力がある。あとこれ言ったらアレだけど単純に顔がいい……耳から顎にかけての輪郭のラインが最高。眉毛も最高。

 長くジャニーズのおたくをやっていると「ネット配信で出演作品が観られる」ってすごいなと単純に思う。ジャニーズの方々が出ているものは観られないことのほうが多いので。ここに挙げた作品のうちいくつかはAmazonプライムビデオなどで観られます!

 それと、様々なタイプの作品に出演するところも魅力。「銀魂」のような漫画実写化作品、「そこのみにて光輝く」のような重厚な作品、「火花」のような話題の文芸を原作とする作品、などなど。この人についていけばいろんなものが観られる。今年は特に「あゝ、荒野」を劇場で観ることになったのがとても大きかった。菅田くんが出ていなかったら観に行っていなかったと思うけれど、おかげで人生の中でも五本の指に入るくらいの映画に出会えた。これからも面白い作品に出会わせてほしい。
 でも一番は、「何にでもなれるところ」だと思う。菅田くん出演作品のオールナイト上映のタイトルが「菅田将暉、お前は誰だ!」なのもなるほどという感じ。そう言いたくなる気持ち、すごくわかる。誰なんだろう、菅田将暉って。なんとなく見ていた8年では全然わからなくて、ちゃんと見るようになった2か月でも勿論わからない。
 菅田くんが演じた役を並べてみても、すごく幅が広いということしかわからない。まだ若いから弟(だったり弟子だったり、二人並んだときの年下のほう)的な立ち位置の役が多いということはあるけれど、「溺れるナイフ」のコウちゃんのような他者を寄せ付けない力もある。前科者の役も似合うし、小市民の役も似合う。また、バカな弟という役柄でも「そこのみにて光輝く」のときは前科者だけど家族思いで根は優しい感じで、一方「泣くな、はらちゃん」では姉の漫画を勝手に売ったりするけれどどこか憎めない感じがするし何より前科者にはなりそうにない感がすごく出ている。どちらも「バカな弟」なのだけれど雰囲気が全然違う。
 演技の良し悪しはわからないから好みの話になってしまうけれど、菅田くんの演技の好きなところは「どの役も“その人”としてそこに存在することができる」というところ。顔立ちがはっきりしているからどんな役でも「菅田将暉」だとわかるのに、物語にとけこんでいて全然浮いていない。物語の中で、たとえば「あゝ、荒野」だったら新次として生まれて新次として生きている新次の姿にしか見えないし、たとえば「火花」だったらスパークスというコンビで芸人をやっている徳永という男にしか見えない。映画やドラマで描かれるのは登場人物の人生の一部でしかないけれど、これまで彼がどうやって生きてきたのか、この先どうやって生きていくのかを物語の受け手に想像させる力がある。菅田くんが演じる役にはきっと映画やドラマで描かれなかった部分があるのだろうと思わせる力がある。こんなふうに物語にとけこむ役者ってすごいなぁと、演技のことは全然わからないなりに思う。カメレオン俳優なんて言われるけれど、さまざまな役を演じるたびにガチャピン方式で中身入れ替わってるんじゃないかと思いたくなるくらい別人なのに、でも芯の部分には確実に「菅田将暉」がいる。ほんと、誰なの、菅田将暉
 誰だか全然わからない。だからもっと知りたい。もっとわからなくなるとしても、知りたいという欲求が膨らんでいく。そして何より、この人を追っていたら面白い物語と出逢える確信がある。というわけで今日も明日もこの先も、菅田くんに注目していきたいと思っています。

菅田くんをもっと知りたい人へ

 こんな雑誌も出てます!!! 写真もインタビューなどの記事もすごく良い!

別冊カドカワ 総力特集 菅田将暉 (カドカワムック)