ポルノグラフィティという色 ―『BUTTERFLY EFFECT』感想―

 ポルノグラフィティ2年ぶりのアルバム『BUTTERFLY EFFECT』が発売されました。19年目も現在進行形で最高な二人が放つ最高なアルバムなので、このアルバムがすげーんだって話を聞いてほしいんでブログに書きます。いつも通り100%の主観です。

 

 

M1.THE DAY

   作詞作曲:新藤晴一/編曲:江口 亮、Porno Graffitti

 アルバム一発目にシングルをもってくるって今までポルノはやってこなかったと思うけれど、アルバム一曲目にふさわしい勢いをもった曲。勢いと強さとインパクトを兼ね備えていて、ジャケ写の炎ともなんとなくイメージが合っている。多分、「THE WAY」でイントロが流れたときにシンクロライトが真っ赤になっていたのを思い出すからだろう。


M2.Working men blues

   作詞: 新藤晴一/作曲:岡野昭仁/編曲:江口 亮、Porno Graffitti

 今までのポルノにはない曲調なのに、新藤さんの歌詞で「あぁめっちゃポルノ」って納得してしまう。
 こういう曲をアルバムのプロモ曲として先に出したりできるところがポルノグラフィティだなぁと思う。たとえば前に「幸せについて本気出して考えてみた」や「ギフト」みたいな曲が響くのも多分ポルノだからだ。新藤さんが「自分はロックになりきれない中途半端な人間」みたいなことを言っていたり、『ルールズ』の主人公が普通であることに悩んでいたりするけれど、そういう「普通」なところがある限りポルノはこういう曲が似合うんだろう。ロックバンドでありながら、彼らはこっちがびっくりするくらい謙虚で、歯車として働く人々のことをフラットな目線で尊敬しているんだなというのが感じられる。それってすごいことだなと思う。
 私は別に仕事をバリバリに頑張っているわけではなくて、やりがいみたいなものは仕事の他にあるので仕事ではなるべく余裕が持てるようにということだけを考えている。一時期はめちゃくちゃ働きたかったけど社内ニートを数年経たらこうなった。そんな感じの働き方なので「お前がやらなきゃ誰がやる?」なんて強い言葉で歌われてもという気持ちになるときもあるんだけれど、それでも私がやらなきゃどうにもならないことってあって、そういうときはこの曲が沁みわたる。
 「感謝の言葉など必要としていないんだ」と歌うことで、それは普段誰からも感謝されない人たちへの感謝の言葉になる。私のやっている仕事なんて誰にも感謝されないけどポルノがそうやって歌ってくれるならまだやれるかななんて思ってしまう。滅多に忙しくない仕事なのに今日めっちゃ忙しかったから頭の中でこの曲を歌いながら頑張りました。

 余談ですが9月にしまなみテレビで初披露された際は弊ツイートを新藤さんが読み上げるという死ぬほど嬉しい出来事がありました。名前のところには「綴」って書いてあるけどどう読んでいいかわからなかったのか、(おそらく)アイコンとID名から「ぺんぎんかわいいさん」と読まれたことは一生忘れません。今後ポルノ関連で何かあったらぺんぎんかわいいという名前で送ります。


M3.君の愛読書がケルアックだった件

   作詞作曲:新藤晴一/編曲:立崎優介、田中ユウスケ、Porno Graffitti

 架空の映画「君の愛読書がケルアックだった件」の主題歌、というていで作った曲。すごく爽やかできらきらしている。新藤さんこういう曲好きだよねぇと言いたくなるくらいのハルポップ。ピアノの音がかわいいし、きらきらした音がするし、サビ後半でリズムが縦になるところがすごく爽やか。ポップに弾ける青春のにおいがする。
 Wikipediaを軽く読んだだけでもケルアックを読む子=「平凡なんて望んじゃいないだろ?」になるのはなんとなくわかる気がする。新藤さんのそういうところ好きだなぁとしみじみ思う。「ロード」とか「ハンドル」はケルアックの作品の中でも有名な『オン・ザ・ロード』からきているものかな。今度ちゃんと読みます。

 ぼく(山崎賢人)は成績も運動神経も平均的で「THE 特記事項なし」ともいうべき至って普通の高校三年生だ。窓際の席に座るクラスメイト(上白石萌音)、彼女もまた「THE 特記事項なし」の至って普通の女の子で、ぼくはなんとなく親近感を覚えていた。だけどある日、ぼくは知ってしまった。彼女にはとっておきの秘密があることを――。
 みたいな予告編のナレーションが聞こえてきてしまいそうなくらい映画の主題歌としてぴったり。いっそのこと映画「君の愛読書がケルアックだった件」を作ってみてはいかがでしょうか。彼女の読んでいる本がケルアックと知ってなんとなく興味をもって読み始めたぼく、ケルアックを共通点として親しくなっていく二人、実は自分でも小説を書いている彼女、小説書けるなんてすごいね読ませてよと頼み込んで読ませてもらうぼく、あまりの才能に圧倒されたぼくは彼女の名前で勝手になんらかの文芸賞に応募してしまい、その結果新人賞を受賞してしまった彼女はデビューすることになるのだが、「普通の子と違う」という理由で中学時代にいじめられていた彼女は高校生で小説家デビューなんてしたくないのになんで勝手なことをしたのよと大喧嘩、君は本当にそれでいいのかと問うぼく、果たして彼女は「普通」を捨てて平凡ではない明日を選ぶのか?そのときぼくは?みたいな感じのストーリーでどうでしょうか。

 
M4.I believe

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:立崎優介、田中ユウスケ、Porno Graffitti

 なんとなくだけど尾崎豊とかの時代を思わせるメロディ。ちょっと昭和?っぽいような感じのするゆったりとしたバラード。
 「あなたらしくあれ」「あなた自身を愛してあげなよ」という歌詞が岡野さんだなぁという感じがする。岡野さんの歌詞って広く優しく肯定してくれる。そのままであることを認めてくれるし、認めてあげたほうがいいよって言ってくれるところが、いつも「胸張っていけ!自信もっていけ!」って言ってくれる人だもんなぁと思わせる。


M5.LiAR

   作詞作曲:新藤晴一/編曲:tasuku、Porno Graffitti

 もっと知ってほしい名曲。新藤さんの歌詞のテクニックが詰まっていて、聴くたびにこういうのだよ~!!!って気持ちになる。この曲の歌詞がめっちゃいいって話は別の記事でもしているんだけど、同じことをもう一回言いたいからコピペする(以下コピペ)。
 「赤い血」「金の花粉」「白い仮面」と色を示す言葉散りばめられていて、曲調の鮮やかさとの相乗効果で更に鮮烈な印象を聴き手の頭の中に思い起こさせる。サビで二度「赤い血」「金の花粉」という豪華な色合いを想起させておきながら、最後のサビでは「白い仮面」で終わる。赤や金といった豪華な色彩が最後には白に塗り替えられるところが、「あなた」だけでなく「僕」もまた嘘つきだったというこの歌詞の結末の哀しさを彩る演出になっている。細部にまで美しさを散りばめた歌詞だ。


M6.Fade away

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:江口 亮、Porno Graffitti

 この曲だけで元が取れる。シングル候補になっていたというのも頷ける曲。「ラック」の再来、いやそれを上回るくらいのインパクトを持っている曲。今からでも遅くないからシングルになってほしい。こういうポルノを世間にかましてほしい。曲順的にここまで割と「ポルノグラフィティ」って名刺が似合う曲が並んでいたので(特に前の曲がラテンの「LiAR」だし)、こういうポルノもありますけどって背後から殴られた感じ。殴ってくれてありがとう。待ってた。
 二番のくだりを聴いていると歌詞は新藤さんかなと思ってしまったけれど、よくよく聴いていると言葉の選び方が岡野さんだなとわかる。というか今回のアルバムはそれぞれの作詞作曲の良さも活かされながら「ポルノグラフィティ」であることの良さがめちゃくちゃ出ている気がする。どっちが作った良さみたいなのは勿論あるんだけど、それ以上に「ポルノグラフィティ」が前に出てくるというか。
 この曲については好きとか嫌いとかではなくて、いやすごく好きなんだけど好きとか嫌いとかの評価とか意味なくて多分そんなものは超越してしまっていて、ポルノグラフィティからこの曲が出てくるということが心底嬉しい。


M7.クリスマスのHide&Seek

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:江口 亮、Porno Graffitti

 大人っぽいイントロ。冬っぽさもあって、タイトルや歌詞を見なくとも冬の曲なんだなということがわかる。冬クールのドラマの主題歌に使わなきゃ勿体ないくらい冬感が溢れている。アレンジがオシャレでかわいくて、でも歌詞は切ない。「Hard Days, Holy Night」に代わる新しい定番かと言われたら違うような気はするけれど、こっちが聴きたい!というときって絶対あると思う。
 Bメロ、岡野さんのファルセットのコーラスがうっすら聴こえるんだけどこれがめちゃくちゃオシャレで聴いていて心地よい。サビの伸びもすっとしていて気持ちいいし、でもなんだか寂しさが胸に残る。歌詞だけじゃなくてアレンジとメロディもどことなく寂しい。もっと聴き込んだら思うことも沢山あるんだろうなぁと思うんだけど、この手の冬の曲が大好きなのでポルノにこういう冬の曲ができたことが嬉しくて仕方がない。
 この曲のオシャレなギターソロが好きすぎて早くライブで聴きたい。


M8.MICROWAVE

   作詞作曲:新藤晴一/編曲:トオミヨウ、Porno Graffitti

 この曲だけで元が取れる。ポルノ史上最高にオシャレな曲。デビュー19年目でこんな曲が出てくるポルノグラフィティ、心底すごいと思う。この人たち多分まだまだすごいことになる。
 イントロから「この曲はアレンジがやばい」って感じさせる。音楽に疎いのでどういうジャンルなのかは全然わからないけど、聴いていて心地いい。オシャレで大人で、今までになかったポルノだ。
 アレンジもさることながら歌詞もやばい。電子レンジや冷蔵庫冷凍庫、台所にいけばだいたいある家電をモチーフにしている。自分の頭の中を冷蔵庫の中身に見立てて「捨てればいいのだけど なんにもない空っぽより少しはマシ」って言っちゃうのやばい。きっと主人公は夜中に冷蔵庫を開けてそこにどうしようもないものしかないことに気づいて、でも「なんにもない空っぽより少しはマシ」とか思っちゃうんだろうな、なんて勝手に想像してしまう。「EXIT」などの歌詞でもわかるけれど、新藤さんの歌詞は現実に見えている光景と心の中の様子をオーバーラップさせるのが超絶うまい。その良さがこの曲の歌詞にも活かされている。言葉数は全然多くないしどういう状況なのかを詳しく語ったりしないのに「きっとこんな感じだろう」って想像させる力がすごい。これが新藤さんの歌詞の力だ。
 このアルバムには随所に「ポルノグラフィティ」を感じるという話をさっきからしているのだけれど、これも「ポルノグラフィティ」の極みのひとつになりうるものなんじゃないかと思う。私はポルノを二人組バンドだと思っているけれど、でもまぁベースとドラムがいないので実質としてはバンドではないわけで、じゃあバンドではないポルノができることってなんだ?って考えたらそれはベースとドラムがいない分いろんな手法の音楽ができるってことではないかなと思う。多分、この曲はポルノがバンドという形態ではないからできる曲だ。


M9.夜間飛行

  作詞作曲:新藤晴一/編曲:宗本康兵、Porno Graffitti

 この曲だけで元が取れる。イントロのピアノがきらきらしていて、かといって満天の星空というわけではなくて、まばらに星が瞬いているような、東京の冬の澄んだ星空を思い浮かべる。どことなく「ワン・ウーマン・ショー~甘い幻~」を思わせる。新藤さんのこの手の歌詞って本当にいい……いつも思うけれど状況を説明するような言葉なんて全然ないのにどういう二人なのかわかってしまうのってすごい。新藤さんのこういうところ本当に好き。
 サビでは視覚も聴覚も触覚も使っていて、最後のサビで嗅覚が出てくるのすごくずるい。最後に「私好みじゃないパフューム」で締めるところがもうとにかくずるい。緻密な計算とテクニックが詰まっているこういう歌詞を見ると勝手に「やられた~~~!」って気分になってしまう。今回も私の負けです。できることなら永遠に負け続けたい。なんの勝負か知らないけど。
 こういう曲にこういう歌詞をのせたらそんなの岡野さんの声が似合うに決まっているし、新藤さんの歌うようなギターの音色がゆったりと響くのなんて最高に決まっている。二人のいいとこをぎゅっと詰めてあって、ポルノグラフィティポルノグラフィティたる所以みたいなのを感じる一曲。


M10.真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:江口 亮、Porno Graffitti

 「夜間飛行」からの緩急が!すごい!こういうことができるのがポルノの強み!
 このアルバムに入っている「ゴリゴリしてるなぁ」と感じる曲の編曲はだいたい江口さんがかかわっているので、多分江口さんがそういうのが得意でポルノもそれをわかって江口さんとやってるんだろうなという感じがした。恥ずかしながら今まで編曲のすごさってぼんやりとしかわかっていなかったんだけど、あぁこういうことかって理解させてくれるのがこのアルバムだった。


M11.170828-29

   作詞作曲:新藤晴一/編曲:tasuku、Porno Graffitti

 ポップかつロックみたいな感じ?歌詞の重みをメロディで少し軽く見せているというか。キャッチーなメロディのおかげでいくらか歌詞の重みを羽ばたかせている感じがする。曲まで重いトーンで来られたらちょっと怖くて聴けなくなりそうだけど、いいバランスで安心して聴ける。思っていたよりも全然説教くさくなくてカッコイイ。
 ギターが疾走するところが恰好よすぎて、なんとなくだけど布袋さんの曲とかそういう系統みたいなイメージ。
 サビの終わりに「ピースピース」をもってくるのが新藤さんって感じだし、特に最後の「ピースピース」が良すぎる。ここが「ピースピース」だからこそポルノグラフィティなんだよなぁと思った。


M12.Montage

   作詞:岡野昭仁/作曲:新藤晴一/編曲:篤志、Porno Graffitti

 子供向けアニメだろうが容赦ないポルノグラフィティ。何も知らない子供に戻ってパズドラクロスを楽しみに見てそこで初めて「ポルノ」って言葉を知りたい人生だった。大体似たような感じではあったけど。私の場合は「ヒトリノ夜」でした。
 この曲も打ち込みが多用されていて、ライブではどうなるのか楽しみな曲。私はシンプルなバンドの音よりもあれこれ盛り込んである音のほうが好みなので、こういう打ち込みの曲がもっと増えても楽しいなぁとも思う。
 大サビの感じがとても好き。この歌うようなギターから岡野さんの歌声に繋がっているところが心底最高。そして岡野さんの歌声のあとにギターソロがきてそれが終わったら今度はラストのサビでまた岡野さんの声、ってメインの戦慄がギターと歌でリレーしている感じがポルノグラフィティって感じがして好き。
 あと「I bilieve]もそうだけど岡野さんの歌詞は航海しがちである。「Montage」を繰り返す部分が新藤さんっぽいなと思ってたら新藤さんの指示だったのちょっと笑った。


M13.スパイス

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:tasuku、Porno Graffitti

 ポルノのファンを18年やっていて、18年もやっているとこの人たちについていっていいんだろうかと思った時期もあったし親の仇レベルで憎い曲もあったりするんだけれど、そこまでではないものの「どこにでもある日常の一幕」みたいな歌詞を優しいメロディに乗せた感じの曲ってあまりしっくりこなかった。ざっくりと歌詞をみた時点ではこれもそういった曲のひとつなのではないかと思ったけれど、全然違った。えっ私この曲好きなんだけどって戸惑いを覚えるくらい。
 カントリー調の曲に、何気ない日常が描かれている。10代後半から20代前半の私は普通の日常なんてくそくらえみたいな気持ちで生きていたので(かといって破天荒な日常を過ごしていたわけでもないが)、ごく普通の日々を描いた歌詞には特に惹かれなかった。けれど20代後半になって結婚もして、そのあたりで自分がいかに駄目かということに気づき、くそくらえと思っていた普通の日々を生きることの難しさを知って、ようやくこういう普通の日々を描いた歌詞が響くようになった。
 こういった日常系の曲を受け入れられるようになったのはそんなふうに私が大人になったからなのかもしれないし、この曲がもつ魅力のせいなのかもしれない。無理矢理につくったカントリー感というわけではなくて、自然とこうなったんだろうという感じがする。「スパイス」というタイトルで歌詞がひたすら甘いところも好き。


M14.キング&クイーン

   作詞作曲:岡野昭仁/編曲:立崎優介、近藤隆史、田中ユウスケ、Porno Graffitti

 いつもならアルバムの最後ってしっとりした曲やメッセージ性の強い曲を配置しがちなのに、今回は終わりもシングルで締めている。アルバムの最初にポルノ的な疾走感をもったロック「THE DAY」を配置し、アルバムの最後に爽やかでポップな応援ソング「キング&クイーン」を配置する無敵の布陣。
 この曲のプロモーションが今までにないほど気合が入っていたため、感謝の意を込めてグラチャンバレーをそこそこ見たのだが、会場でこの曲が流れているのを聴いてとても誇らしい気持ちになった。ストレートな歌詞と爽やかで明るい曲調。スポーツなんてろくにやったことないからわからないけど、長い試合で疲れた選手たちにもこれなら届くのではないかという気がする。わからないけどね。でも少なくとも、見ている側としては届いているのかもしれないなという気持ちにはなった。
 「限りある人生 たとえ満たされても 留まることを選ぶより/また次の一歩を刻む いつでも挑戦者でいよう」という歌詞がすごく好きで、これがポルノだなぁと聴くたびに思う。ポルノは全然止まる気なんかなくて、デビューからまる18年経ってそれでも今も挑戦し続けている。その挑戦のあらわれがこのアルバムなんだろうってわかっちゃうくらい、新しい風が吹きまくっている。「MICROWAVE」なんて完全に今までのポルノにはなかったポルノだ。アポロからもう18年以上が経ったのに、まだまだ新しいポルノグラフィティが出てくる。きっとこの先もまた新しいポルノグラフィティに会えるんだろうなと、期待と希望で前向きな気持ちになる。私、この人たちのファンでよかった。
 

 


 ざっと聴くとバラエティに富みすぎていて全然まとまりがなさそうな曲が並んでいて、岡野さんが9月のしまなみテレビで「僕らの曲は多彩だから」というようなことを言っていた意味がよくわかった。そりゃあこんなアルバム作っちゃったら自分でも多彩って言ってしまうよね。コンセプトの強いアルバムも聴いてみたいけれど、さまざまな色をみることができるのがポルノの良さでもある。前回のアルバムがロック寄りの多彩だったら、今回はどこにも寄らずただただひたすらに多彩。そんな多彩な曲をまとめているのは岡野さんの声だなと思った。岡野さん自身、納得する歌が歌えたという話をしていたけど、正直どういう感覚なのかはわからないけれど、でも軸とか芯みたいなものとして歌声が機能している感じがした。今までだってそうだったんだけど、今回はそう思う部分が多いというか。さすが声に名前が書いてある男。
 シングル曲が割とポルノらしさみたいなものが強めの曲が多いので、バランスをとっているのかアルバム曲には「ポルノグラフィティ」感はそこまで強くない。というか、全体的に振り幅がすごい。「Fade away」と「君の愛読書がケルアックだった件」が同じアルバムに入っていることなんてある?と思ってしまうくらい。歌詞においても平凡ではない世界を望むんでしょうと問いかける「君の愛読書がケルアックだった件」と平凡な日常を歌う「スパイス」が同じアルバムに入っていて、でも全然矛盾している感じがしないところがポルノの良さだなと思う。
 これだけ多彩でありながら、でも確かに間違いなく、どの曲からも「ポルノグラフィティ」のにおいがする。ポルノらしいとからしくないとかを飛び越えて、すべてを「ポルノグラフィティ」に染めてしまう。多彩であることこそがポルノグラフィティなんだろう。
 デビュー19年目、これがポルノグラフィティの色だ。
 
 音楽という大きな海に一滴の雨を落とすような、というところからバタフライ効果へとつながり『BUTTERFLY EFFECT』と名付けられたこのアルバム。いやもうバラフライ効果どころか、という感じしかしない。

 

 「working men blues」と「君の愛読書がケルアックだった件」を聴いた時点で「あ~このアルバムこの2曲で元取れたわ」って思ったけどそのあとどんどん「この1曲でもう元取れたのでは!?」って曲が出てきまくるので実質無料なんてとっくに通り越している。ちゃんとお金払わせてください。
 初回限定盤を買うと3月に台湾で行われたライブの音源がついていたり、台湾ライブメイキング映像やPVがついていたりもするのでお買い得です!みんなが大好きなアポロサウダージハネウマメリッサあたりが入っています!

 

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