来世はペンギンになりたい

好きなものを好きと言うために生きてる

紫色の花が咲いた日

 生まれて初めて、推しの卒業を経験した。
 2016年5月30日。めいめいこと田村芽実は、世界で一番輝いているきらきらした笑顔でアンジュルムを卒業していった。

 
 思えば、私は彼女がアイドルになったときから知っていた。
 友達が「最近気になっている」と突然オススメしてきたのがスマイレージ。まだ4人だったし、メジャーデビューもしていなかったと思う。ジャニオタとして覚醒してきた頃だったのであまり深くは追っていなかったけれど、「スキちゃん」「ぁまのじゃく」などの曲が可愛くて、なんだか気になる存在だった。
 小川さんの卒業を聞いたときには驚いたと同時に寂しさがこみあげてきた。私スマイレージのこと好きだったんだな、と意識した瞬間だった。新メンバーが加入することには、どちらかというと不安の方が大きかった。女子アイドルを応援していたことがなかったので、メンバーの増員に慣れていなかったということもある。
 でも、不安も心配もいらなかった。オーディションに受かっためいめいを見て、「この子すごく可愛い!」と思った。4人の頃は4人が好きだったからいわゆる箱推しというやつだったけれど、めいめいに出会って初めて「推し」という存在ができた。スマイレージが私にとってこんなにも愛おしいグループになったのは、めいめいがいたからだ。
 おでこを出した髪型はインパクトがあって、笑うと細くなる目と八重歯が可愛くて、全然顔を覚えられない私でもすぐに覚えられた。元気いっぱいで明るい笑顔が印象的だった。「タチアガール」の頃の写真と昨日の日替わり写真を見比べると、こんなに成長したんだなぁと感慨深い。あどけない小さな女の子が、奇麗で可愛くて恰好いい女の子になっていた。
 可愛い声も強い声もなんでも出せる、めいめいの歌声が大好きだった。「ミニスカポストウーマン」の可愛い歌声、「次々続々」の強い歌声。アンジュルムがあんなにも強いグループという印象になるのは、めいめいの歌声の力が大きいのではないかと思う。
 
 金銭的にも体力的にもジャニオタとポルノファンをやるので精一杯で、優先順位はその次になってしまっていたから、ずっとずっと全力で推してきた人たちには敵わないしこうして彼女への気持ちを言葉にするのもなんだか申し訳ないような気もしているけれど、それでも私はアンジュルムのことが、めいめいのことが大好きだった。
 初めて行ったリリイベの握手会で感極まって「めいめい大好き!」と叫んだら「ありがとう!」と笑ってぎゅっと手を握り返してくれたのが忘れられない。コンサートのとき、紫のライトを振る私のほうを向いて笑ってくれたことも忘れられない。
 記憶の中のめいめいはいつも笑顔だ。昨日も、めいめいは沢山笑っていた。
 福田さんの卒業公演のときも滝のように泣いたけど、昨日はそれ以上に泣いていた。めいめいの名前を叫びすぎて今日は声が出ない。でも後悔はない。少しでもめいめいに声が届いていたら嬉しい。
 昨日は1階席だったのであまり近くはなかったけれど、ダンスを見ればめいめいがどこにいるかすぐわかった。レーザーもガンガンに効いていて、アクセントダンスもすごくて、コンサート最初の1曲であるめいめいラストシングル「次々続々」は最高に恰好良かった。「行っておいで」のところでめいめいとかみこちゃんがモニタに映るのも、すごく良かった。
 アンコールのソロ衣装はまるで外国のお人形さんみたいな赤に白ドットのワンピース型ドレスで、世界一可愛かった。町娘みたいな親しみやすい衣装にしたところがめいめいだな、と思った。演技しながら歌った「自転車チリリン」。未来のミュージカル女優の、最初の一歩を見た気がした。
 べしょべしょに泣いてしまってコンタクトも浮いてしまって、紫のサイリウムの光が滲んで見えた。めいめいを囲む紫の光は可憐な花のようだった。緑色の小さな芽は、紫色の花を咲かせた。そしていつか、実を結ぶことだろう。
 とても前向きで明るい卒業コンサートだった。めいめいの目は未来を見ていて、残るメンバーも未来を見ていた。冒頭で和田さんが「9人体制の今のアンジュルムに自信しかありません」と言いきっていたけれど、それは本当なんだとパフォーマンスを見て確信した。このアンジュルムなら、めいめいが抜けても決してパワーダウンすることはないだろうと思った。
 
 めいめいは周りの人やファンのことを大切に思ってくれているということがとても伝わってきた。
 卒業グッズのラバーバンドは男女問わずつけやすいデザインだったし、かつてのイメージカラー緑とアンジュルムとしてのメンバーカラー紫があしらわれていて、なんだか嬉しかった。つけたときには気付かなかったけれど、家に帰って腕から外したら、中にもメッセージが書いてあることに気付いた。「THANK YOU FOR WONDERFUL TIME」。帰るまで気付かなかったから、余計に胸に沁みた。
 アンコールの後にステージに出てきためいめいは幸せそうな笑顔で「みなさん大好きです!」と言ってくれた。大好きなめいめいに大好きと言ってもらえて、めいめいのファンは最高に幸せだと思った。勿論、私も最高に幸せだった。ずっと寂しくて泣いていたけど、最後は寂しさではなくて、「大好き」と言ってもらえた嬉しさで泣いた。
 最後の最後まで、めいめいは最高にアイドルだった。
 
 きっとめいめいはミュージカル女優になって帰ってくる。めいめいにはそれだけの力があると確信している。それに、めいめいは頑張り屋さんだから絶対に夢を叶えると思う。いつかまたステージに立つ彼女に会える。でも、アイドルのめいめいに会えるのは昨日が最後だった。これを書いている今も泣いている。寂しいけれどそれだけではなくて、昨日のめいめいの輝きを思い出して、あんまりにも眩しくて泣いてしまう。いつかきっと、その輝きを日本中に、世界中に知らしめてほしい。
 もしもめいめいがアイドルではなかったら、出会えていなかったと思う。めいめいを見つけることが出来なかったと思う。だから、アイドルになってくれてありがとう。辛いこともたくさんあっただろうけど、沢山の人を笑顔にするアイドルでいてくれてありがとう。
 
 めいめい、卒業おめでとう。