読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

来世はペンギンになりたい

今生はジャニオタとして生きる

アルバム『QUARTETTO』があまりにも名盤なのでレビュー書いた

NEWS ジャニーズ

お題「NEWS「QUARTETTO」レビュー」

 

 NEWSの新アルバム『QUARTETTO』が発売になった。昨日からTwitterのTLが騒然としていた。控えめに言っても最高という評価しかできないような名盤だったからだ。

 もし少しでもNEWSの音楽に興味があったらこのアルバムを聴いてほしい。春から関東ローカルではあるがレギュラー番組「変ラボ」もスタートする。その前に少しでもNEWSを知っておきたいと思う人がいたらこのアルバムを聴いてほしい。特に興味がなくても番組観る予定がなくても聴いてほしい。
 
 『QUARTETTO』は前アルバム『White』から1年1カ月しか経っていないにも関わらず、タイアップ曲が5曲収録されている(しかもそのうち2曲はシングル表題曲ではなく、更に言えば1曲はこのアルバムで初収録)。かつてない多さ。ソロ曲を抜いて12曲のうち5曲がタイアップというと、NEWSが2015年にいかに活躍したかが窺える。ちなみにシングル曲は12曲中4曲。これも多い(両A面シングルがあるということもあるが)。
 シングルやタイアップが多いということは、それだけ熱量の高い曲が多いということにつながる。それだけでもこのアルバム『QUARTETTO』をオススメしたいのだが、それ以上にアルバム楽曲の熱量が高い。全曲シングルカットできる。全曲MV作れる。『QUARTETTO』はベストアルバムと錯覚するほど、一曲一曲の勢いが強い。「4人で奏でる」をコンセプトに掲げているが、前作『White』=白ほど具体的ではないので自由度が高いということもある。自由でありながら、ブレない軸がある。きっとその軸こそがNEWSだ。
 名刺代わりとなる『NEWS』、自分たちの色を掲げた『White』、そして4人で奏でる『QUARTETTO』。今のNEWSがやれる音楽の総てを叩きこんだアルバムなのかもしれない。だからこそ聴いてほしい!
 
 
 

01.Theme of "QUARTETTO"

 『QUARTETTO』の世界への入り口となるインスト曲。
 初回盤にはMVが収録されているが、MVで披露している「Theme of "QUARTETTO"」とCDに収録されている「Theme of "QUARTETTO"」は同じではない。是非ともどちらも聴いてほしいし観てほしい。
 CD音源は、アルバム収録曲を部分的に織り込んである(MVにはない部分)。シングルやタイアップが多く『White』と比較するとアルバムとしてのまとまりに欠けてしまう今作を、アルバムとしてまとめあげる役割を果たしている。
 それにしても途中に織り込まれる「エイヤーエイヤーエイヤー」の破壊力が凄まじい。いかに「チュムチュム」が飛び道具であったかが窺える。しかし、今回のアルバムに収録されているシングルの中ではいわゆるトンチキ曲が「チュムチュム」だけなので、めちゃくちゃ効果的な飛び道具になっている。
 MVでは「4人で奏でる」を強く押し出している。今回のDVDはメイキング→MVの順で収録されているが、これが大正解。メイキングも含めてひとつの作品と言える。どのような音をどのように奏でて曲が完成されるのかを追った上で観るMVはより強さを増す。
 4人それぞれの個性を反映させた部屋でそれぞれが出す音が、合わさってひとつの曲になっていく。加藤さんはペンの音やタイプライターの音、小山さんは筋トレ器具の金属音や息遣い、増田さんはジッパーを上げる音やハンガーにかかった服をスライドさせる音、手越さんはリフティングや蹴ったボールを金網にぶつける音。そして「QUARTETTO」の囁きからダンスが始まる。クラップやタップ、ボイスパーカッション等、様々な手段で音を出し、曲にしていく。CD収録版と異なるのは、「4人で奏でる」を印象付けるためにこのMVがあるからだろう。CD収録版とは役割が異なるので、曲の内容も異なってくる。
 色合いが暗く無機質に見える世界の中で、4人の身体が華麗に踊る。前作では『White』=NEWSの色、王子様の色、正統派アイドルの色をコンセプトに掲げていたが、今作ではそのアイドルらしさを自ら塗り替えていく。

 

02.QUARTETTO

 「Theme of "QUARTETTO"」によって『QUARTETTO』の世界の入り口に立たされた聴き手を、『QUARTETTO』の世界へ一気に連れていくのがこの曲。「Take you all to "QUARTETTO" world Ready go」と歌うだけある。
 冒頭の美しいハーモニーから始まって、前作のリード曲『MR.WHITE』にも通じるようなサイバー感のある世界が広がっていく。曲の途中ではそれぞれが「QUARTETTO」と囁く場面があるが、その順番が「チャンカパーナ」と同じになっていたりと、前々作『NEWS』からの繋がりも感じさせる。
 1番の加藤さんの「燃え尽きるまで」の威力がすごい。周りの音が一切止んでいる中で聴こえる加藤さんの「燃え尽きるまで」。空気を切り裂くような、曲の勢いを更に強めるような、そんな引き金になっている感じ。2番Aメロのコヤシゲのハモリもいい。コンサートで聴いたらどうなるのか楽しみ。
 あと歌詞がやばい(語彙)。「QUARTETTO」は「四重奏」という意味なのに、歌詞の中では「四重奏」と書いて「メロディライン」と読むし「QUARTETTO」と囁く。何が正解だかよくわからないけれど全部恰好いいからそれでよし。
 NEWSが歌う「」が好きだという話は以前したが、この曲の歌詞にも「星」が登場する。これまで「星」=NEWSを導くものとして歌った歌詞が多かったが、「星になり奏でる四重奏」とあるようにNEWS=「星」だ。星をめざしていた彼らが今度は星になりファンを導いていく。
 シングル「ヒカリノシズク/Touch」のカップリング曲にも「星の旅人たち」があったし今回は「シリウス」と「ライフ」*1と加藤さんソロに星が出てくる。ここ最近のNEWSは「星」を歌いがちで嬉しい。
 ちなみに今回のアルバムブックレット等には五線譜ならぬ「四線譜」の柄が使われている。通常版ブックレット開いたページとか、特典メモパッドとか。ピアノを習っていたことがあり五線譜を見慣れている身としてはちょっと目の錯覚を起こした気分になるが、五線譜をあえて四線譜にしてしまうオシャレさ、それがNEWS。


03.ANTHEM

 FIFAクラブワールドカップジャパン2015オフィシャルソング。
 「QUARTETTO」とはまた違ったハーモニーから始まる。「QUARTETTO」の終わりも声のみなので、「ANTHEM」冒頭への繋がりが自然。
 サッカー関連の楽曲は「WORLD QUEST」「SEVEN COLORS」「ONE -for the win-」に続いて4曲目だが、その中でも最もわかりやすい曲なのではないかと思う。CWCで優勝した選手たちが口ずさんでいた様子も記憶に新しいが、それもこの曲のわかりやすさに起因するのではないかと思う。冒頭の部分は日本語詞ではないので言葉が通じなくても口ずさめるし、サビの盛り上がり方の派手さもいい。
 それだけインパクトの強い曲だったので、シングルカットされなかったことが悔やまれる(CDシングルよりも高価なDVDシングル「四銃士」カップリングだったため、サッカーで気になった方が手に取りづらかったのではないか)。しかし今回のアルバムに収録されたことで、この曲を目当てに手に取ってくださった方々が他の曲にも興味を持って下さる可能性も十分にあるのでアルバムに入って本当に良かったと思う一曲。
 

04.シリウス

 ウイング 「Missスレンダ」CMソング。ブラ曲第三弾。
 なぜこの曲がシングルではないのか。この曲がシングルカットされていたら絶対にファン増えたのに。そんな曲をアルバムにしか収録しない、それがNEWS!
 昨年の夏にCMで使われるサビのみレコーディングされたが、その後カップリング等にも収録されず、半年以上経ってようやく全貌を現した。この曲の素晴らしさがアルバムを手に取った人にしか伝わらないのが本当に悔しい。歌番組でこの曲を歌ってほしかった。NEWSにあまり興味がなかった人がTwitterで「初めて聴いたけどこの曲いいね」と呟いているのを見たかった。いいでしょこの曲って自慢したかった。もう「シリウス」だけでアルバム1枚分お金出した意味ある。
 イントロはなく、ブレス音そして手越さんの歌声から始まる。「QUARTETTO」「ANTHEM」も似たような構成で始まるが、「シリウス」は日本語詞でしかもサビからなので、英語詞から始まる「QUARTETTO」や「oh oh oh」から始まる「ANTHEM」のように何かが始まる予感というよりも、今この瞬間何かが突然始まった感じがする。手越さんの突き抜けるような明るい歌声がこれでもかと活かされている。サビで空が見える。手越さんの歌声があまりに爽やかに雲を突き抜けるから空が見える。
 手越さんの歌声の疾走感に加藤さんの上ハモが爽やかさと切なさを加え、続いて来る増田さんののびやかな「oh oh oh」が視界を開く。Aメロの増田さんは柔らかで落ち着いた雰囲気を生んでBメロの小山さんの甘い歌声につなぎ、そこに加藤さんが合流して2人でサビ前を歌い(コヤシゲのサビ前すごく盛り上がってやばい)、サビで4人になって、そこからまた2番は1番とは対照的にBメロ増田さん→手越さん→サビ前テゴマス(1番のサビ前)→サビ4人というこの、全員の歌声が乗っかっていく感じ。あと今割と勢いで喋ってるから歌割間違ってたらごめんなさい。
 そして大サビの加藤さん→手越さん。NEWSの末っ子コンビのもつ少年性がこれでもかと発揮されている。切ない青春の日々(なお、私にはそんなもんはない)が頭の中に思い浮かぶ。この二人がこのパートを歌うから余計にアニメ主題歌感が増している。何度聴いてもブラのCMソングだとは思えない。絶対にアニメ主題歌だと思う。
 過去のブラ曲「渚のお姉サマー」「NYARO」とは系統が大きく異なる。まず「夏」「SUMMER」が一度も出てこない(ちなみにシリウスは冬に見えるおおぐま座の星)。その場で恋に落ちるひと夏の恋、出会って心が逸る気持ちを歌った2曲に対して、「シリウス」は別れを予感させる歌詞になっている。しかし曲は明るく高らかに響く。手越さんの声の明るさや輝きが、おおぐま座α星のシリウスを思わせる。この曲の主人公は間違いなく手越さんだと思う。
 「星座」「空に願う」というロマンティックな言葉が使われていたり、愛する人を「SLENDA」(商品名と掛けているのだが英語表記がまるで人名のように見えて商品名以上の意味を持っている)と呼ぶなどファンタジックな部分もあり、曲の疾走感と相俟ってアニメ主題歌のような雰囲気がある。二次元オタクには是非オススメしたい。頭の中にこの曲をOPに使った架空のアニメが見えるんだけど私以外の他の誰にもこの映像が見えていないのが悔しい。きっと二次元オタクに刺さる部分のある楽曲だと思うので我こそはと思う方は是非聴いてみてください。「シリウス」を聴いたら頭の中に物語が見えてくる人が結構いるんじゃないかという感じがするので「シリウス文学大賞」とか設立して欲しい。審査員は勿論小説家の加藤シゲアキさん。

 

05.Touch

 ニッセンCMソング。新宿駅に大きく広告が掲示されたり、電車の中吊り広告になっていたりと、大々的にCMキャラクターとして展開していたのが記憶に新しい。NEWSファン以外も目にしたり聴いたりすることが多かったのではないだろうか。
 「チェリッシュ」「Happy Birthday」等の系統の可愛さを今の4人で歌った楽曲。歌う人が前にいて、その後ろでわちゃわちゃしているというMVの構図は「Happy Birthday」と共通している。過去のNEWSを今のNEWSがアップデートしていく。
 いろいろ書こうと思ったけど「Touch」については別記事で語っているのでそちらをご覧ください。

penguinkawaii.hatenablog.com

 

06.NEWSKOOL

 メンバー紹介曲
 メンバー発案(小山さん?)で制作された楽曲だが、作詞はメンバーではない。NEWSをよく知る、NEWSの楽曲を作ってきた音楽制作陣によるNEWS紹介曲だ。それをNEWSが歌うという、なんだか不思議な構造。随所に「NEWS」の文字が織り込まれている楽曲は今までもあったけれど、一番スタイリッシュに「NEWS」を入れてきた楽曲だと思う。
 あともうオケが最高。もう言葉出てこない。イントロのピアノでもう語彙が死んでる。ピアノとサックスがオシャレに使われているこんなオシャレな楽曲で自分達のことを紹介するNEWS恰好よすぎやしないか。後半に出てくる4人がワンフレーズずつ歌い繋ぐ箇所の出だし「Ladies & Ladies」もなんだかNEWS感がある。ファンは彼女で妻でお姫様だもんね。
 それぞれのソロパートには各々を示す単語が含まれている。
 小山さんは「K」=慶、「Every」=news every、「あの手この手」=手話?、「伝える」=報道
 増田さんは「まっすーぐ」=まっすー、「dress-up」=ファッション
 加藤さんは「シゲキ的」=シゲ、「Catch but release」「FISH IT」=釣り、「活字」=小説家
 手越さんは「言うよ」「U-Yeah」「Ur」=祐也
 手越さん、圧倒的祐也。ゆったりしたメロディのところなので言葉を詰め込めなかったのかもしれないがせめてKICKとかGOALとか入れてあげてほしかった気もする。でも普段メンバーから名前で呼ばれることの少ない*2手越さんの名前を推すあたり、愛なのかもしれない。
 ヒップホップ調の曲は4人になってからはあまりなかったのでとても新鮮に聞こえる。
 特に小山さんの歌い方がいい。帯でキャスターをやっている真面目さ、すぐ泣いてしまうところもある可愛さ、それらのイメージをぐるっと覆す、あのだらしない語尾。はきはきと喋り、言葉がきれいで聴きとりやすい小山さんが、語尾をだらしなく歌っている。かつてのチャラい小山さんの片鱗というか、あのチャラい小山さんが好青年になって、でもどこかチャラさの名残という感じがする。ちょい悪な感じ。もうそれだけで聴く価値がある。しかも低めの音で歌っているので「ヒカリノシズク」で高音を頑張って歌っている小山さんとのギャップがすごい。
 加藤さんの声もこういった曲調が似合う。低めの声だと気怠い感じが出ているのがすごくいい。ちょっと世間をばかにしている感じ。すごくいい。もうそれしか言えない。歌っているというより、そういうキャラクターを演じている感じがするのがいい。
 小山さんと加藤さんがヒップホップ調の曲と相性がいいと、なんとなくジャニーズの高学歴はヒップホップ調と相性がいいのかなというような気がしてくる。多分というか絶対、マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る*3人のせいだ。

 

07.四銃士

 アニメ「金田一少年の事件簿R」OP。
 おそらくこのアルバムの引き金となっている曲。「四重奏」というからにはクラシックっぽい曲が来るのだろうと思ったらクラシカルなのはまさかの「四銃士」のみ。一曲だからこそ、この重厚なオーケストラの演奏がどっしりと構える柱のように感じられる。この曲も4人の歌声がそれぞれに活かされていて、「4人で奏でる」のコンセプトにも合っている。
 ついさっきヒップホップ調の曲を歌っていたのにオーケストラを背負う。『QUARTETTO』というアルバムが様々な種類の楽曲を集めた感じがするが、この曲がさほど浮いたようには感じられないのはここまでインパクトの強い曲が続いているからだろう。というかこのアルバム、インパクトの強い曲しか入っていない。ものすごくハイカロリーなアルバム。コンサートに行くだけで痩せそうな気がする。

 
08.Wonder

 絶対踊るだろうなと予想される曲。特効で火とか出てほしい。アルバムに必ず1曲以上含まれるカッコイイ曲。前回のアルバムでいうと「BYAKUYA」「superSONIC」的なポジションだろうか。
 ピアノとストリングスの妖しげなイントロからゴリゴリしたサウンドに変わるところが最高に好き。増田さん→小山さんのラップは、静かだけれど情熱的に言葉が流れていく。増田さんの「huh?」、恰好良すぎる。「We are Fantastic 4」と、ここでも4を強調する。「四銃士」から続く4の連鎖。
 ついさっき可愛らしく「君に触れTouch」と歌っていたはずなのにめちゃくちゃ恰好いい「Touch You Touch Me」と歌われてなんかもうどうしたらいいの。脳が混乱する。
 1番では手越さんの「Wonder」でサビに入り、2番では増田さんの「Wonder」でサビに入る。二人の歌い方の違いも聞き比べが楽しい。
 最後のサビでは手越さんの高音フェイクが響き渡る。コンサートで聴いたらこんなの最高に決まっている。この曲の恰好良さを言葉で語るのが難しすぎてここだけ文字数少なめになってしまう。聴けばわかる。

 
09.ライフ

 今までも沢山「」を歌ってきたけれど、この曲では空に還った命を「星」と表現している。今までNEWSにはこういった「星」の歌い方をする曲はなかったような気がする(あったらごめん)ので、新鮮な感じがする。NEWSの歌う「星」にはだいたい希望や未来が重ねられていた気がするので「いつか星になる事 やがて受け入れられるように」という、今はまだ受け入れきれていない状況を歌うのがなんだか新しい。使い古された表現かもしれないが、NEWSが歌うとまた新たな雰囲気を纏って胸をうつ曲になる。
 「QUARTETTO」でも「星になり」「燃え尽きるまで」という歌詞があったが、この曲では「いつか星になる事」「この火が消えるまで」と歌っている。なんとなく関連性があるのかなと思ったり思わなかったり頭を巡らせてしまう。どちらの曲にも「光」「闇」といった歌詞が共通しているし、考えたら見えてくるものがあるかもしれない。ないかもしれないけど。
 とあるきっかけで「いつかは星になる事」=死を意識した主人公が命について考えながら前に進んでいく感じだろうか。人によっていろいろな状況を重ね合わせることができそうな歌詞だ。
 Aメロやサビで聞こえているキーボードっぽい音が星の瞬きのようだし、NEWSの歌声の透明感が生命のきらめきを爽やかに表現している。悩みながらも前に向かっていく等身大の青年の姿がそこにある。
 小山さんが2番Aメロ「いつかは星になる事~」を歌っているのがとても心に響く。キャスターとして、様々な場所へ取材に行く小山さん。この5年間ずっと東日本大震災で被害に遭った地域にも足を運んできた。その中で思うことも、きっとあっただろう。そんな小山さんが歌うからこそ、この歌詞が活きる。小山さんをこのパートにしようと思った人にお願いだからカタログギフトを贈らせてください。贈りたいんです! 

 

10.チュムチュム

 このアルバム唯一のタイアップなしシングル曲。インドとタイアップしたわけではなかった。
 正直、この曲をどうアルバムに入れるのだろうと思っていた。ワイドショーで観た「Theme of "QUARTETTO"」の映像で、その不安は更に加速した。個人的にはものすごく好きな楽曲なので、このインパクト重視の飛び道具楽曲が余り物のように扱われたらとても悲しくなってしまう、と心配していた。あんなオシャレで恰好いい曲とガンジスのほとりで君を見る曲とが共存できるアルバムなんてあるの?と思った。あった。それがこの『QUARTETTO』だった、
 実際、見事に共存していた。どちらがどちらを殺すこともなく、むしろ活かし合っている。
 単体で聴くとインパクトのある曲もアルバムを通して聴いたら落ち着いて聴こえるかと思ったらそんなことはなく、しっかりと「飛び道具」としての機能を維持している。
 このアルバムに収録された楽曲のMVやジャケットを考えてみると、割と色合いが大人しいものが多い。MVも「Touch」が比較的色が多めに使われているが春らしい柔らかな色合いだ。そこに突如現れる「チュムチュム」。赤!金!ギラギラ!目に痛い色彩。異様な熱気が伝わってくる。
 曲調もそうで、クールめな曲と爽やかな曲と大人カワイイ曲を中心に構成される今作の中で絶大なインパクトを誇る。しかし、それがアルバムに多様性を与えることにもなる。NEWSが歌える楽曲の振り幅の大きさを、有無を言わさず突きつける。「チュムチュム」のもっているトンチキパワーを最大限に活かしている。あれだけ「もうトンチキは……」と言わせた楽曲がアルバムの中でこんなにも輝いていることがなんだか嬉しく思える。
 他のどの曲を聴いても、「チュムチュム」は歌いそうにない雰囲気が漂っている。でも歌う。それがNEWS。
  

11.Departure

 かわいい!!!!!!!!!
 出だしのピコピコした音の可愛さ!打ち込みのパーカッションの音の可愛さ!アニメのエンディング曲という感じがする。なんとなく青春の匂いがするからだろうか。
 NEWSが今まで折に触れては歌ってきた、自分を鼓舞する応援歌。「戻りたい過去(ばしょ)など どこにもないから」という歌詞が力強い。過去を否定するわけではないけれど、過去は「戻りたい」わけではない。今を肯定している歌詞が、4人を強く押し出すこのアルバムにはふさわしい。かといって今後過去に戻りたい歌詞の曲が来てもそれはそれでイイネって思ってしまうんだろうけど。でも、このアルバムにはこの歌詞が似合う。
 あと小山さんに「あの日の自分に誇れるような~」のパートを歌わせた人は誰ですか。「あの日」がいつのことだかはわからないけれど、ぼろぼろに泣いて喉をつまらせ歌えなくなった彼の姿を知っているし、彼が沢山泣いてその涙を乗り越えて今にいることを知っている。そんな小山さんにこんな歌詞歌われたら泣くしかない(書きながら泣いてる)。いつか小山さんが答えあわせをしたときに、はなまる大正解だといい。だから小山さんをこのパートにした人にカタログギフトを贈らせてください。
 手越さんの高らかな「夢の彼方へ」「掴みとるまで」が響いて、コヤシゲの大サビが来る。今までだったらテゴマスのパートだっただろう箇所を、コヤシゲが歌っている。それだけで胸にこみ上げるものがある。二人の歌唱力が上がったことでNEWSの楽曲の幅が更に広がったことがよくわかる楽曲。
 どうか「この夢に嘘はつかない」でいてほしい。私は夢と呼べるような夢はないし、毎日を塗りつぶすように生きているだけだけど、それでも自分自身には嘘をつかずにいたいなと思う。頑張る人にそっと寄り添ってくれるNEWSの応援歌は、いつだって優しい元気をくれる。

 
12.ヒカリノシズク

 ドラマ「傘をもたない蟻たちは」主題歌。
 過去のアルバムラストの曲にはしっとりとした曲が多く、「ヒカリノシズク」もその流れに連なる。が、シングル曲がアルバムの終わりに来るのは珍しい気がする。きっとアルバムのコンセプトに沿わせるために新曲が最後に来ることが多いからだと思うが、今回はその役目をシングル曲である「ヒカリノシズク」が担っている。「Departure」の可愛らしさと明るさから「ヒカリノシズク」に落ち着く流れもいい。
 「QUARTETTO」で「どんなときも希望は消えない」と歌い、「ヒカリノシズク」では「希望が届きますように」と歌う。この2曲だけでなく、このアルバムに収録されている楽曲は(「チュムチュム」や「四銃士」は少し違うが)概ね歌詞の方向性が似ている気がする。だからこそ、曲の個性はバラバラでもどこかまとまりがある。アルバムのコンセプト「4人で奏でる」の柱にあるのは「四銃士」だと思うが、アルバムの歌詞の方向性を決定づけているのは「ヒカリノシズク」だと思う。最後にこの曲に収束できるように作られているような感じがする。
 MVでもTV披露でも踊らず、ストレートな歌詞でメロディやオケに飛び道具も使わず、NEWSが4人の歌声で勝負した一曲。「4人で奏でる」アルバムを締めくくるのにぴったりの曲だ。
 

<ソロ曲>

13.LIS'N(増田さんソロ)

 「Skye beautiful」が増田さんがソロで作り上げてきた世界の一旦の区切りのように感じていたので、次に何が来るのかとても楽しみにしていた。凄まじい曲がきた。予想を5000mくらい上回っている。まさかアコギ使ってくると思わなかった。
 増田さんの声と冷たいアコギの音と打ち込みの音の相性が良すぎる。いろいろな歌い方がこの一曲に詰め込まれていて、増田さんは一体何人いるんだろうと不思議になる。でもすべて一人の、増田貴久という人間が歌っている。この表現の幅の広さが増田さんの歌声なのだ。そんな増田さんにはこの「歌」「聴かせる」ことに特化した歌詞がよく似合う。
 「shut up and watch me」=「俺の歌を聴け!」(超絶意訳)。マクロスかな。なんかもう正座したくなる。コンサートではいつも増田さんのソロでは棒立ちでステージを見つめているが、今回もそうなりそうな予感がする。

 

14.愛のエレジー(小山さんソロ曲)

 やっぱり別れてた。失恋し続ける小山さんソロ曲。
 同じく毎回失恋している人がもう一人いるが、系統が全く異なるところがすごい。それぞれの方向性がしっかりと定まっている感じ。小山さんは歌謡曲路線。今回は和の楽器の音がするのが印象的。どこかで聞いたことがありそうでない感じにハマってしまう。単に私が歌謡曲系のJ-POPがめちゃくちゃ好きということもあるけれど、小山さんのソロは毎度好きだ。
 「不器用な男なんだと 知ってたはずだろ」という歌詞を小山さんが歌うとなんだかすごく狡い。そんな台詞を効果的に使えるくらいには器用な人じゃないかよと思ってしまう。狡い。
 「あなたを 死ぬまで 愛したい」の重さがまさに小山さんという感じがする。小山さんの台詞だからこそ重みが増す。「White Love Story」の「時代を超えて 今も変わらず 君は僕のヒロイン」は爽やかに重かったけれど、こっちは湿っぽく重い。小山さんの愛は重い。
 あとすごくポップンで叩けそう。NEWSはそろそろ音楽ゲーに参入してほしい。

 

15.星の王子さま(加藤さんソロ曲)

 今回も作詞作曲加藤シゲアキのシゲアキ劇場。しかし、今までのソロ曲とは少し違った感じがする。ちょっと語りが入るあたり、加藤さんが時折「SORASHIGE BOOK」の音楽部でかけるポエトリーリーディングを意識しているのかもしれない。この語りの部分の声が低いトーンで、聴いていると心にすとんと落ちてくるのが心地いい。
 加藤さんのソロ曲は加藤さんに合った音域、合った雰囲気で作られている上に、加藤さんの好きなものの要素もしっかり入っていて、かつファンが好きそうな要素も入れてくる。ラジオの生放送を毎週経験したり、シゲ部長を慕う部員たちからのメールを通して、ファンの声に頻繁に触れてきた結果なのかなと思う。あるいはエゴサのおかげか。
 名作星の王子さまを題材としたこの楽曲は、『星の王子さま』を読みこんで読みこんで自分の中に落とし込んでそこから新たに生み出されたものだ。不朽の名作が加藤さんの言葉で生まれ変わる。この作業は、加藤さんの作品が他者によって再構築されるという体験があったからこそできたものなのかなと思った。これからまた『星の王子さま』を読み込もうと思っているので、また別の機会に語ろうと思う。
 優しく柔らかなアコギの音(増田さんソロとは対照的)が切なさを誘う。加藤さんの声がもつ切なさも合わさって、加藤さんによって綴られた言葉たちの美しさを切り出していく。光を通してきらきらと光る鉱石のように美しい楽曲だ。
 あと「淡い」の「わい」の部分の歌い方がすごくツボ。この歌い方がやばい2016ランクイン。
 たいせつなものは目に見えないのに語らずにはいられない。別の機会に語ると言いながら結構書いてしまった。

 それから、加藤さんの少年性のある声で「ならこどものままで僕はかまわぬ」って歌われてしまったらもう最高と言うより他ない。この一言を付け加え忘れたことが悔しいので追記。
 

16.Encore(手越さんソロ曲)

 やっぱり別れてた。失恋し続ける手越さんソロ曲。
 今回もピアノがフィーチャーされている。さすがに2連続で弾き語りはなさそうだが、手越さんの声を活かすにはオケはシンプルなほうがいいのかもしれない。というか手越さんとピアノという組み合わせがあまりにも王子様すぎて美しすぎる。手越さんの歌声とピアノの音の相性もきっといいんだと思う。
 手越さんの歌声は「手越さん」であることが何よりも強いけれど、今回は歌声が楽曲の世界と一致している感じがする。たった一人の誰かを失っただけで世界が色を失ってしまうこの歌の主人公が手越さんにすごく似合う。これを挿入歌にしてドラマを作ったほうがいい。「Lovin' U」のときは映画がよかったけれど、今回はドラマを作るべき。今すぐ月9の会議にかけたい。手越さんを主人公にしてこういう王道ラブストーリーをやってほしい。彼女が家を出ていった場面でこの曲が流れだすの最高すぎる。
 
 
 
 という、名曲揃いのアルバム『QUARTETTO』。軽く感想を書こうと思ったら12000字超えてた。拙い文章ではあるが、これだけの文字数を尽くしたくなるアルバムであるということだけでも伝わって欲しい。

 

QUARTETTO【初回盤】(DVD付)

QUARTETTO【初回盤】(DVD付)

 

 

QUARTETTO【通常盤】

QUARTETTO【通常盤】

 

 

*1:この「星」は少し意味が違う気がするけど

*2:酔った小山さんを除く

*3:Hip Pop Boogie - 櫻井翔(嵐) - 歌詞 : 歌ネット