シゲ担にオススメしたい漫画キャラ、手嶋純太の話

 加藤さんファンのみなさんに、そうでないみなさんにも、オススメしたい漫画のキャラクターがいる。今回はそこそこ高めのテンションでその話しかしないのでどうかあたたかい目で見て欲しい。

 『弱虫ペダル』の手嶋純太だ。

 

 読めばわかる!と言いたいのだが、何せ今『弱虫ペダル』は42巻まで出ているし、手嶋は主人公や(序盤は)メインキャラではないので、読み進める気がしないかもしれない。なので、手嶋純太と加藤さんの共通点をひたすら語っていこうと思う。
 絶対好きになるとは言い切れないけれど、何かしら思うところがあるんじゃないかと思うので、手嶋推しの人には加藤さんを、加藤さんファンには手嶋を、是非ともオススメしていきたい。そんな勝手なお節介の気持ちでこの記事は成り立っています。
 
 ※この記事は『弱虫ペダル』38巻までの内容を含みます。

弱虫ペダルとは?

 週刊少年チャンピオンで連載中。ロードレースにかける高校生の姿を熱く描いている。メガネで背が低くて体も細い高校一年生・小野田坂道が、可能性を見出され自転車競技部に入部して……という部活モノのスポーツ漫画である。
 手嶋純太は主人公・小野田坂道の1学年上の先輩で、小野田が2年になったときの自転車競技部主将である。2年時にはインターハイに出場することは叶わなかったが、3年時には初出場を果たした。28巻からが新世代の話となるので、そこからの出番が多い。
 (参考:Wikipedia記事 弱虫ペダル - Wikipedia)

・「凡人」

 最近、加藤さんが「自分は凡人だ」という発言をしているのを何度かラジオで聞いた。冗談めかして言ったり、「普通の感覚を持った人」程度の意味で使っているような印象を受けるが、私にとって「凡人」という言葉は特別な意味を持っている。
 というのも、うすうす「加藤さんぽいな」と感じていた手嶋純太というキャラクターが、自分のことを「凡人」と呼ぶのである。
 
 アニメ「弱虫ペダル」の公式サイトのキャラクター紹介での手嶋のキャッチフレーズが「戦略でエリートに立ち向かう驚異の凡人」*1であることからも、「凡人」という響きが手嶋を表す重要なキーワードであることがうかがえる。

 確かに、「頂上の蜘蛛男(ピークスパイダー)」*2「箱根の直線鬼」*3等、他の選手には二つ名がついていることが多い中、手嶋には特にないし、特徴的な走りをするわけでもない。というか、特別に速いわけではない。周りを才能のある選手に囲まれながらも、諦めることなく走り続けている。

 しかし、手嶋は自らを「凡人」と呼びながらも、「凡人」であることをよしとしない。凡庸であることを自覚しながら、表彰台の一番上という非凡を目指して走っている。
 加藤さんもまた「凡人」であることをよしとしない面があるように思う。『ピンクとグレー』考察記事でも書いたが、周囲がみなアイドルである状況ではアイドルであることは「当然」「平凡」となってしまう*4

 それが、加藤さんが冗談めかしてたまに言う「アイドルだけじゃやっていけない」という言葉に繋がっているように思える。他に何かできることを見つけなければ、自分だけが持てる何かがなければ生き残れない。加藤さんには周囲に比べて自分だけが何もない時期があったから、余計にそれをわかっていて「凡人」と呼びながらも「凡人」であることを是としないのかもしれない。

・やめられない人、努力の人

 手嶋は中学時代から自転車競技部に所属していたが、ぱっとした成績を残せないまま三年間を終える。それを機に「もう自転車はやめる」と決意するのだが、高校の入学式の日に傾斜のきつい裏門坂と呼ばれる坂をロードに乗って登ってくる青八木一の姿を見てしまう。それをきっかけに、手嶋は青八木とともに自転車競技部に入部届けを提出する。結局やめられなかった。
 
 「それなのになぜロードを続けるのか」と言う問いに対するひとつの答えともいえるものが、37~38巻に描かれている。
 インターハイ1日目、前年度のインターハイで小野田と優勝を争ったライバル校の選手・真波*5と手嶋が山岳リザルト*6を争う場面が出てくる。
 本来ならば小野田が走るはずなのだが、昨年度の優勝者ということで周囲にマークされ、手嶋たちから引き離されてしまう。そこで、手嶋が真波を止めるために追いかけることとなった。しかし、真波と手嶋のあいだには圧倒的な実力差がある。手嶋が必死に走って追いついても、真波は平気な顔でふわっと先行する。
 「坂 好きですか?」走りながら真波が問う。手嶋は「苦痛だよ」と答える。「オレもさっきから何でハコガクの超級クライマー真波山岳を こんなに心拍上げながら 追いかけてんだって考えながら走ってる けどいつも1コの答えに行き着くんだ」と手嶋は語るが、真波は手嶋に興味を示さず、話を聞かずに前のクライマーを追いかけてしまう。(37巻)
 それからも、手嶋は必死に追いつこうとするが、そのたびに真波はさらりとかわして前に出る。何度かそれを繰り返して、二人で先頭を争うところまで来る。何度引き離してもついてくる手嶋に、真波は次第に興味を示し始める。そして、「派手でもない!! 強くもない!!」と手嶋を評した上で、「序盤で言ってた“ひとつの答え”って何ですか」と、先程聞かずに無視した話(真波になぜ追いつこうとするかという疑問)の続きを求める。

「オレは自転車が好きなんだ」

 そう答える手嶋(38巻)。この人はきっと自転車が好きだから自転車をやめられない人だと思った。加藤さんが『ピンクとグレー』『閃光スクランブル』で描いた「やめられない人たち」と同様に、加藤さん自身と同様に。
 加藤さんと手嶋が似ていると感じた一番の要因は、この「やめられない人」に属するからだと思っている。
 先日参加させていただいたシゲ担座談会*7で、加藤さんの好きなところとして「アイドル以外で生きてた方が楽そうなのにアイドルしかできないしやりたくないところ」を挙げたのだが、「わかる」という声が結構聞こえた。

 確かに加藤さんはアイドル以外にも小説家としての顔を持っているけれど、それはアイドルでなければ成り立たなかったものだ。加藤さんはあくまで、アイドルに軸を置いている。アイドルをやるために、NEWSでいるために小説を書いた人だ。
 Myojo2012年1月号のインタビューにて、加藤さんはこう語っている。

「最後に、自分の気持ちにも耳を傾けてみたんです。 “俺はなんでここまでやってきたんだ?”って。ヘタだ、いらねーって思われながらも、なんで続けてきたんだって」
 ――心の声は聞こえた?
 「“俺はここにいたいんだ”って。“好きだからここに立ってるんだ”って気付きました。誰の意思でもない、自分自身がやりたいからやってたんだって」

 それ以外のほうが得意そうに見えるのに、それしかできないしやりたくない人。私の定義ではこれを「やめられない人」という。
 手嶋もまた、自転車以外で生きていた方が楽そうなのに自転車しかできないしやりたくない人だと思う。中学時代の同級生と会話する描写を見ていると、可愛い女の子とのカラオケに誘われたりしている。よく口が回るし、頭の回転も速いので、コミュニケーション能力は高いほうだと思われる。「高校入ったらロードやめるんだ」と決意して入学式の日に学校に向かいながら「バイトでもして女の子と遊ぶかな……」という未来を夢見ている(6巻)。きっと、そのほうが楽に生きることができただろう。
 一度はやめようと思った自転車をやめられずに続けるも、周囲は自分に期待なんかしていない。それでも自転車は楽しくて、初めて見たインターハイに圧倒され、自分もインターハイで走りたい、と強く思うようになる。
 インターハイの光景を、自分とは違う世界ではなくて自分も行こうと思える場所と捉えるところが、彼のやめられなさなのだと思う。中学時代最後の大会でろくな結果が出せなくても「優勝する青写真は出来てた」「優勝出来ないんだったら意味はない―――」(6巻)と言えるくらいに、手嶋は一番しか見ていなかった。
 思ったことを絵空事にしないよう、手嶋は特訓を重ねる。二年生のときには才能ある一年生たちに敗れてインターハイに出ることは叶わなかったが、三年生のときには主将としてチームをまとめ、インターハイに初めて出場することになる。
 戦略や戦術の本を読んであれこれ考えたり過去のレースの映像を見て研究したり、できることは最大限にやろうとしている姿勢も、努力を怠らない加藤さんと重なる。手嶋の場合、漫画の中に描かれているということもあるが、努力していることが伝わってくるのだ。
 やめられない人であり、努力の人であるという共通点も、この二人には見出すことができる。

・相方の存在、相方との関係性

 加藤さんのロングインタビューには、必ずと言っていいほど小山さんの話が出てくる。それも、割と深い部分の話。シンメとしてここまでやってきた、辛いことも共に乗り越えてきた、共有する想いも多かった二人だからこそ、互いのことを語らずに自分のこれまでを語るのは難しいのだろう。
 手嶋にも相方と呼ぶべき存在がいる。先程も少し名前を出した、青八木一というキャラクターだ。無口で表情も少ないが手嶋だけは青八木が何を考えているのかわかる、という以心伝心ぶりである。
 キャラクターとして、青八木に小山さんが重なることはあまりない。しかし、手嶋と青八木の関係性は加藤さんと小山さんのそれによく似ているのだ。
 
 高校の入学式の日にロードに乗って裏門坂を登ってきたところで手嶋と出会い、手嶋が自転車をやめられないきっかけを作ったのが青八木だった。それから二人で自転車競技部に入部し、二人でインターハイを見て衝撃を受ける。でも、今の成績や実力ではインターハイには出られない。一人の力では限界があると手嶋が呟く横で、青八木が「だったら二にするか」と言う。速くないが頭は回る手嶋と、ペース配分やレースの戦況の読みは出来ないがここ一番の走りに定評がある青八木。足りないところを互いで補い合って闘うことを約束する。そして二人は「チーム2人」を結成する。
 そして2年生になり、レギュラー決めの合宿にて、チーム2人は主人公を含む1年生たちの前に立ちはだかる。同調直列走法(シンクロストレートツイン)という、限界まで自転車を近付け風の抵抗をなくし、2台の自転車なのにまるで1台かのように走る方法を身につけ、才能のある1年生たちと闘う。しかし、最後の最後で負けてしまい、1年生たちがインターハイに出ることとなる。(6~7巻)
 インターハイの、コースと沿道を分ける柵の内側と外側。外側に立たされる手嶋と青八木を見ると、加藤さんがかつて語っていた、活動休止明けのカウントダウンコンサートの話を思い出す。加藤さんと小山さん以外はソロや別グループでコンサートのステージに立っていて、加藤さんと小山さんの二人はNEWSとしての出番まで二人で控室にいたという話だ。

 「俺と小山で、“俺たちってなんもなくね?”って語り合って。(中略)ここにいるのと、ステージにいる差、階にしたらわずか1階の差だけど、圧倒的な差があるんだなって」(Myojo 2012年1月号)

 1年生に負けた手嶋と青八木もまた、何も持っていなかった。この時点では、二人に差はなかったはずだった。
 しかしここから二人に差がついてくる。青八木は体幹が優れており、それを鍛えればもっと速くなるということを先輩に指摘され、スプリンター*8に転向したこともあり、徐々に速く走れるようになっていく。
 一方、手嶋も先輩から「お前は登れ」と言われクライマー*9に転向するものの、登りが得意なわけではないためなかなか結果は出ない。
 手嶋には何もないままで青八木だけが先に行ってしまう状況も、小山さんがnews every.の仕事をやり始めたときの加藤さんと重なって見えてしまう。何もない自分が「何か」を手に入れようと努力する姿も似ている。
 
 加藤さんと小山さんに限った話ではないと思うが、シンメとはどの二人も自分の意思でお互いを選ぶわけではない。加藤さんと小山さんは、ジャニ―さんの「ユーたち今日からシンメね」の一言に始まり、ずっと一緒にいて、今も同じグループに所属している。*10
 手嶋と青八木は、自分たちの意思で互いを選んだように見えるが、それが最適な選択肢だったというよりは、実際のところ互いしか選択肢がなかったから選んだという部分があるように思う。
 最初からかけがえのない存在だったわけではない二人が、共に時間を過ごす中で唯一無二のものになっていく。私はその図がすごく好きなので、どちらの二人組も見ていて非常に興味深い。
 それぞれの関係の方向性も、なんとなく似ている。前にask.fmの質問で「NEWSの各コンビについて語ってください」という質問をいただいた。その中でコヤシゲについて、「ベクトルが二人の内側に向いてる、みたいな。「二人」として閉じてる感じ。背中あわせじゃなくて見つめあってる。方向性として。」と答えたのだが、手嶋と青八木にも当てはまる。二人の関係性は、外ではなくお互いに向かうようにできている。
 
 最新刊(42巻)で、手嶋と青八木の関係に大きな変化が訪れる。お互いしか見ていなかった二人の関係性が開けたものになっていく。そこもまた見どころなので宜しくお願いします!(ステマ)
 
 
 
 そのほかにも、手嶋は自らが凡人であることを武器としているような節があったり(=過去の「物語」を武器にしているという点で加藤さんと共通している)、いつも星マークの描かれているTシャツを着ていたり(加藤さんが『閃光スクランブル』で提示した、ペンライト=星と、星をめざしてアイドルになった亜希子との関連性)と、いろいろ共通点はこじつけられそうなのだが、明白に言葉を引用できる部分だけをピックアップして並べてみた。
 勿論、共通点もあれば相違点もある。似てないじゃん、という意見もあるかもしれないが、私には似て見えるんだー!!!という主張がしたいがための記事なので、大目に見てください。
 
 結論:加藤さんが好きな人には是非手嶋をオススメしたいし、手嶋が好きな人には是非加藤さんをオススメしたい

*1:『弱虫ペダル』 アニメ公式サイト

*2:手嶋の一学年上の先輩、巻島裕介

*3:ライバル校の選手、新開隼人

*4:きっと何者にもなれなかった加藤成亮の生存戦略 ―『ピンクとグレー』考察― - 来世はペンギンになりたい

*5:手嶋より1学年下の選手。インターハイ優勝常連校の箱根学園において、1年生にしてレギュラーになった

*6:山の頂上のライン。最も速くそこに辿りついた者には二日目に赤いゼッケンがもらえる。得点制ではないので点数的な利はないが、周囲に対して優位をアピールすることはできる

*7:「第1回 加藤シゲアキさん担当による同担座談会」〜シゲ担のクラウド〜 - ろじかりずむ

*8:陸上競技でいう短距離走の選手。平坦な道を得意とする

*9:山道を得意とする

*10:一時期小山さんKAT-TUNだったけど