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来世はペンギンになりたい

好きなものを好きと言うために生きてる

加藤シゲアキにこの歌詞歌わせた人に何かしらの賞をあげたい10選

 

 夏休みの宿題として、『ピンクとグレー』と加藤さんのロングインタビューを読んでレポートを書こうと思ったのですがわたしが書きたいことをだいたい本人が言っていたのでどう書こうか悩んでいたら夏休みが終わりました。そもそも、一週間やそこらで書ききれる内容じゃないので、気長に取り組もうと思います。
 なので、代わりに、前回の記事でも触れた10選を書きました。
 
 賞でも金一封でもなんでもいい。カタログギフトでもいい。何かあげたい。この歌割にしてくれたことに感謝しかない。その感謝を伝える術がないことがもどかしい。そんなパートを挙げていってみようという話です。
 
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1.エンドレス・サマー

想い出す夏 ホタルの光 終わらないイノセンス

 エンドレス・サマー - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 特に「終わらないイノセンス」がいい。イノセンスは「無垢」「無邪気」というような意味なので、だいたい「少年時代」くらいの感じだと思っている(実際どうなのかはわからないけど)。

 加藤さんは非常に少年性を持った人だと思う。多趣味(=興味の幅が広い・好奇心が強い)であったり、趣味について話し出すと早口で止まらなくなるところなど、中学生や高校生の男の子といった雰囲気を感じさせる。話し口調もNEWSのメンバーで最も若者っぽい気がするし(実はNEWSで一番言葉が粗い人じゃないかと思う)、彼は心のうちにいつまでも少年時代の自分を置いているのではないかと思う要素がいくつもある。
 そんな彼が歌う「終わらないイノセンス」という歌詞。彼の中では今という時も少年時代の延長線上にあるのかな、なんて思ってしまったりする。これからもいつまでも少年でいて欲しい。
  
2.渚のお姉サマー

火遊びしたいとか そんなガキじゃないけど

 渚のお姉サマー - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 加藤さんの少年性の話を先程したが、その彼が歌う「そんなガキじゃないけど」という歌詞がとにかくたまらない。もう子供じゃないって自称する人はだいたい子供。いやいやまだまだ心に少年時代の自分がいるくせに~!って気分になる。
 歌詞としても、この歌詞の主人公はかつて火遊びをしちゃった過去があるのか、それともしてみたいけどできないままで「そんなガキじゃない」と言いたくなる年齢になってしまったのかななんて考えてみたりする。
 「~とか」「~けど」という曖昧に濁すような表現も若さを感じさせる。その後に続く「オトナの会話(はなし)をしよう」という増田さんの感情豊かなまるい歌声とも相俟って、加藤さんの少し尖ってぶっきらぼうに聞こえる歌声の少年性が引き立つ。
 本当、加藤さんをこのパートにしようと思った人に何か贈りたい(漠然)
  
3.White Love Story

セリフはもう決まってたんだ受け取ってくれるかな?

 White Love Story - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 別記事*1で独立して書いたので割愛します。

 
4.HIGHER GROUND

この気持ちはなんだ?君が好きなんだ

 HIGHER GROUND - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 言葉で語る加藤さんの中に「この気持ちはなんだ?」と言わしめる気持ちがあるかと思うとドキドキするし、その気持ちを起こさせるものの正体が「君が好きなんだ」っていうのがまたいい。
 この短いフレーズに、加藤さんがもっている熱さが表現されているような気がする。溢れ出る気持ちを言葉にできないけれど「君が好き」ということだけは確かとでもいうような。きっと加藤さんは感情を言葉にする作業をきちんとしている人なのだけれど、このフレーズのように言葉より感情が前に出て押さえきれないようなこともしばしば見受けられる。そういう熱さ。
 
5.2人/130000000の奇跡

君がいない世界は 無声映画みたいだ
空にかかる虹さえ モノクロに見えんだ

 2人/130000000の奇跡 - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 「無声映画みたい」という比喩から文学の香りがしてとても加藤さんに似合っている。映画好きが歌う「無声映画みたい」はなんとなく説得力があるし(無声映画は普通に生きてたら見ないと思うけど、サブカルかつ映画好きの加藤さんならリアルに見ていてもおかしくない気がしてしまう)、その意味でも加藤さんパートで良かったと思える歌詞。
 また、「モノクロに見えんだ」の、「る」が抜かれているのもいい。先程、加藤さんの言葉遣いが実は割と若者的(粗め)なのでは説を唱えたが、その彼がこの曲唯一の「る」抜きの「見えんだ」という個所を歌っていると思うと、歌割考えた方とはいい酒が飲めそうな気がする。
 
6.CRY

いまココロが叫んだ声 のみ込むな 吐き出せよ

 CRY - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 きっと、「ココロが叫んだ声」を吐き出したのが『ピンクとグレー』だったり、2012年秩父宮の挨拶だったりしたのかな、なんて思ったりしてしまう。
 やれることがなかった加藤さんが自分の力で手に入れた、「小説の執筆」という、やるべきこと。出版されるかどうかわからない中で書かれた『ピンクとグレー』は、内容云々というより前に、その本の存在そのものが、加藤さんが「ここにいること」を世間に叫んだ声なのではないかな、と思っている。
 そういうところのある人がこの歌詞を歌うから、なんかもうものすごく響く。
 「のみ込むな 吐き出せよ」という禁止+命令の意味を伴う表現も、加藤さんの歌声だと嫌みなく自然に聞こえる気がする。そういう言い方を普段一番しそうだからそう思えるのかもしれない。このあたりはかなり個人的な感情も込みだと思うので断定はできないけれど。
 
7.ささぶね

言えない想いを 願いに託した
逃げ水 蚊遣り火 線香花火

 ささぶね - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 声に出して読みたい日本語。そもそも「ささぶね」の歌詞がとても好きなのでこれもまたいずれ別の機会にじっくり語りたい。
 上に引用した加藤さんのパート(2番)と同じメロディの箇所では「ためらうことなく 明日を語った」とある。この対比がいい。きっと1番で歌われている場面では言葉を紡ぐのにためらう必要などないくらい子どもだったんだろうなぁとか想像してしまうし、2番の加藤さんパートでは「言えない想い」が生まれてしまうくらい大人になってしまったんだろうなぁと思ってもどかしくなる。少年だった加藤さんが……!という喪失感すら感じるが、優しく柔らかく落ち付いた声で歌っているので大人になったことに納得せざるをえない。
 「逃げ水 蚊遣り火 線香花火」の夏の風物詩を羅列しているところは、名詞の羅列にしてひとつひとつの単語についてエピソードを語らないことで聴き手に物語を委ねている。ここは1番の「せせらぎ 畦道 夕暮れの匂い」についても同様である。なんとなく「よこはま・たそがれ」*2を思い出す。

 ただ1番に比べると、2番の羅列はいくらか切なさが強いように思える。「逃げ水」は蜃気楼の一種だし、「蚊遣り火」はおそらく現代では目にすることはなかなかないものだし、「線香花火」はそのまま切なさを表現しているようで、全体的に切ない。
 それに何より「逃げ水 蚊遣り火 線香花火」の歌い方がいい。加藤さんの抑えな歌い方が、更に切なさを演出している。
 
8.WORLD QUEST

逞しさもしたたかさもなく
感情ばかりで泣いた僕に
君は言ったんだ 絶対逃げんなって ここも通過点 そう思えと

 WORLD QUEST - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 ここは加藤さんパートというか、加藤さんと手越さんのパート。ここに関してはこの二人で歌っているのがぐっとくる。Jr.としての歴には差があるが、同い年で、様々な出来事があったけれどもいま4人のなかに残った2人。お互いに「絶対逃げんな」という声を、いや声はかけあわずともお互いに相手に対してそう思っていたのではないかななんて思ったりもする。
 「逞しさもしたたかさもなく感情ばかりで泣いた僕に」が加藤さん、「君は言ったんだ」が手越さん、「絶対逃げんなって」が加藤さん、「ここも通過点 そう思えと」が二人。「君」と「僕」がどちらかに対応するような歌割ではないところや、「君」の発言内容であろう部分を二人で歌っているあたりで、お互いにそう思っているような感じが演出されているような印象を受ける。
 「逞しさもしたたかさもなく感情ばかりで泣いた僕」という表現がとても加藤さんであり手越さんだなと思う。ついこのあいだ、NEWSの1stDVDを見たのだが、あの頃に比べると二人とも逞しくもしたたかにもなったんだなと感じる。そんなん言ったらみんなそうだろって感じだけど、この二人は特に。
 
9.愛はシンプルなカレーライス

君のハートが わからない時がある
でもきっと分かろうとする気持ちが必要な時

 愛はシンプルなカレーライス - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 著作やインタビューを読む中で、加藤さんは多分「わかりたい/わかってほしい」人なんだろうなという説が(私の中で勝手に)浮上しているのだが(この話はそのうち詳しく書きたい)、そんな彼が歌うこのフレーズはとても響く。
 どれだけ親しい間柄でも「わからない時がある」のは当然で、だからといってそのまま放っておくわけでも相手が悪いというわけでもなくて「分かろうとする」努力をしていくという、とてもシンプルな姿勢。歌詞としての作りでそうしているだけかもしれないが、「理解する」ではなく「分かろうとする」という言葉なのがいい。分かるか分からないかは別として、「分かろうとする」。この歌詞に描かれるあたたかく幸せな二人の世界ととてもよくマッチしている。
 余談だが、このフレーズを聞くたびに、ポルノグラフィティ新藤晴一さんがエッセイ集『自宅にて』の中で、「人は“完全”にわかり合えることはない」というテーマの回を設け、「僕も「人はわかり合える」と思うよ。むしろ人とわかり合えないと、生きていくことはとても苦しいものになるかもしれない。けれど繰り返すことになるが、「“完全”にはわかり合えない」と思う。理由は結構あっけないもの。他人は自分じゃないから。」*3と言っているのを思い出す。新藤さんと加藤さん、二人の「理解する」ということについての考え方をもっと知りたいので是非対談をお願いします。どこに頼めばよいのだろう。
 
10.BE FUNKY!

もう 何回くらいミスったろう みんな白い目してる
抱えきれないこの プレッシャーゲーム 足を引っ張って

 BE FUNKY! - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 NEWSの足を引っ張っているのは自分だと思っていた人*4がこのパートを歌っているかと思うとぐっと来る。ぐっと来ないわけにいかない。というかこのパートは多分、リアルに加藤さんが体験してきた光景なんじゃないだろうか。Jr時代の経歴はエリートだが、そのぶんできないことがある自分とのギャップに苦しんでいた彼の抱えるプレッシャーはどれほどだったのか、私にはわからない。
 加藤さん主演ドラマの主題歌というだけあって、ドラマのために作られた曲なのだろうが、むしろこれ加藤さんの人生にあて書きしたんじゃないかと思う。加藤さんの熱さが全面に渡って表現されている。加藤さんの人生をドラマ化することがあるのなら絶対に主題歌はこれがいい。
 このパート以外も、歌詞全体が加藤さんのために書かれているように思える。一度、加藤さんがインタビューで話した言葉から歌詞に当てはまる部分を引っ張る作業もしてみたい。
 

Yo こんな輝く世界 止まらない 期待・愛・未来
What? 楽しけりゃいいんじゃない? 一度きりの My Lifeじゃない?

 一曲につき一か所にしたかったのだが、この曲はどちらかひとつに選べなかった。
 「みんな白い目をしてる」「足を引っ張って」と歌った人が「こんな輝く世界 止まらない 期待・愛・未来」と歌う。もちろんそのあいだの歌詞があるからこそ、このラップ部分が生きるのだが、これらのパートに加藤さんをあてた人にほんと何か贈りたい。
 ラップ部分のこの歌詞を思い出すとき、いつも2012年秩父宮の映像を思い出す。「”アイドル”をもう一回やり直す」*5気持ちで挑んだという加藤さんが、何かを訴えかけるようにあるいは自分に言い聞かせるように歌うこのフレーズ。+act miniのインタビューを読むと、秩父宮の映像を見て、何か吹っ切れたんだなこの人、と思ったのは間違いではないのだとわかる。この歌詞のように「楽しけりゃいいんじゃない?」「一度きりの My Life じゃない?」という気持ちに至ったのだろう。
 さらっと歌えば上っ面を滑ってしまいそうな言葉を、しっかりと噛み締めて誰かに伝えるように歌う。その「誰か」は、見ているお客さんだけでなく、くすぶった人生を送りながらあの映像を繰り返し見る私や、もしかしたら過去の加藤さん自身なのかもしれない。
 彼の眼に映る世界がいつまでも「輝く世界」であることを願う。
 
 
 
 以上、加藤シゲアキにこの歌詞歌わせた人に何かしらの賞をあげたい10選でした。