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来世はペンギンになりたい

今生はジャニオタとして生きる

マイお題「○○担になったらこんないいことがありました!」を作りました

NEWS ジャニーズ

 おたくが自分の好きなものについて情熱を傾けているところをみるのが好きだ。自担に憧れて本を読むようになった人もいるだろうし、自担が美しすぎて美意識が高まった人もいるだろう。そういう、自担の存在による明るい変化の話がききたい。
 あるいは、自担が存在するだけで毎日ハッピーな人もいるだろう。私もハッピーです。ハッピーすぎて溢れるこの想いを文字にしたい!!!
 というわけでマイお題「○○担になったらこんないいことがありました!」を作りました。

 

お題「○○担になったらこんないいことがありました!」

 

 自担(個人)または自担グループ、どちらについての話でも構いません。「私は○○担になったらこんないいことがあったんだぞ~!」という話を是非してほしいです。好きなものを好きでいることによって生まれるメリットって最高じゃないですか?そんな最高な話がたくさんきけたら嬉しいです。
 まずは言いだしっぺの私が書きます。

 

NEWS担になったらこんないいことがありました!

 

・すごく愛される

 初めてコンサートに行ったとき「こんなに愛されていいのか……?」と驚きながら帰ってきた。私の初めてのNEWSコンは2012年(あの大雨の)秩父宮だったのだが、あの大雨を抜きにしても、NEWSはファンのことをすごく大切にしているんだなと思った。その後、同コンサートの大阪、東京ドームにも行ったが、あまりにも愛されすぎて抜けだせなくなってしまった。
 アイドルが王子様だとしたら、ファンは街娘みたいなもので、王子様を遠くから見てキャーキャーするものだと思っていた。しかしNEWSはファンを「お姫様」にしてしまう。王子様とお姫様の、最高に幸せでファンタジックな空間、それがNEWSのコンサートだ。2012年のコンサートを通してそれを実感したし、それ以降2015年のWHITE、2016年のQUARTETTOに行っても私の認識は変わっていない。
 NEWSのコンサートは「デート」だとはきいていたけれど、それはNEWSの甘い雰囲気を比喩的にたとえたものだと思っていた。まさか本当に全力で「ファンの子は彼女!!!」という扱いをされるとは思っていなくて、当時彼氏いない歴=年齢だった私が誰かに大切に思ってもらえることの嬉しさを知ったのはNEWSのコンサートが初めてだった。
 前にもこのブログで書いたと思うが、NEWSに出会った頃の私はとにかく愛されたかった。大学4年になり、周りは恋人のいる友達で溢れ、おひとりさまでおたくを楽しむ私は若干浮いていた。社会人になっていろいろあって、寂しさは加速していった。そんなときにNEWSのコンサートに行き、NEWSの愛に触れて、寂しさなんていつのまにか忘れてしまっていた。誰かの大切な「君」になることの幸せを知った。この辺の話は過去記事(いつまでも「君」でいられるように ―初めてNEWSのコンサートに行った日― - 来世はペンギンになりたい)に詳しく書いてあるのでどうぞ。

 
 余談だが、NEWSのコンサートに行くといつも、小さい頃の私はお姫様に憧れる女の子だったことを思い出す。
 小学校に上がる前、ピアノの発表会のために祖母が白いレースのドレスを作ってくれた。身長の伸びが激しく、春と秋で同じ服が着られないこともあったため、アニメキャラの衣装や可愛いワンピースをほとんど買ってもらえなかった。仕方ないと思って諦めていた私が初めて手に入れたドレスだった。発表会で弾いた曲は忘れたが、まるでお姫様になったみたいで嬉しかったことは覚えている。NEWSのコンサートに行くと、あのドレスを着たときの気持ちが蘇るのだ。
 NEWSのコンサートは私にとってはあの白いドレスと同じで、たくさんの愛で私をお姫様にしてくれる。小さい頃の夢が叶ったような気分になる。誰かに大切に思われることできっとお姫様になれるのだと思う。
 
 コンサートだけではなく、様々な場面でNEWSは愛を届けてくれる。たとえば、ジャニーズwebでの小山さんの連載「メンバー愛」。月曜にはいつも読者を応援するようなメッセージが書かれている。4人での連載「NEWS RING」でも、雑誌でも、ラジオでも、いろんなところでNEWSは愛を伝えてくれる。
 愛されたかったらNEWS!是非!

 


・美意識が高まる

 NEWSは現在、「美的」という雑誌で「NEWSな美意識」という連載をもっている。4人が交代で美意識を高める企画を行う、という趣旨の連載だ。過去には手越さん洗顔回(スッピンが可愛い)、加藤さんお風呂回など、圧倒的美を見せつけられる企画があった。
 それらの記事を見ているだけでもなんとなく「もっと美しくありたい……!」という願望が芽生えるし、何より雑誌「美的」を読んでいるとコスメに興味がわいてくる。全く興味がなかったわけではないが、よくわからないからと敬遠しているところがあった。しかし、雑誌を見ていると可愛いメイクが沢山掲載されている。なかには手持ちのコスメで真似できるテクニックもあって、ポーチの肥やしになっていたアイシャドウが蘇ったりもした。
 また、NEWSのコンサートで愛されまくった結果、コンサートに行くからにはもっと美しくありたいと思うようになった。今までもコンサートやライブがあるごとに服を買ったりオシャレをしようと心掛けてはいたが、どれだけ頑張っても私なんかじゃ可愛くなんてなれないという気持ちは拭えなかった。しかしNEWSはファンを彼女の如く愛し「可愛い」と言うので、もしかして私も可愛くなれるのでは!?という気持ちになってくる。そんな勘違いのもと、まずはスキンケアに気をつけるようになった(NEWS担になってスキンケアにかける額が格段に増えたがそのぶんの効果は出た)。
 特にスキンケアに関しては、小学生の頃からずっとニキビがひどく化粧水はどんなものでも必ず沁みて痛いものだと思っていたくらいだったが、今は化粧水が沁みることもなくなり、ニキビがひとつできたらそれが目立つくらいに全体がきれいになった。夏の暑さや冬の乾燥にやられて顔も首もニキビだらけになり、耐えきれずかきむしっていた日々とおさらばできた。肌がそれなりにきれいになったことでメイクにも興味が出て、デパートで売っているコスメを買う機会が増えた。高価なコスメを買うことがすなわちいいことではないけれど、高価なコスメの良さがわかるようになったことは個人的に嬉しい。今まで知らなかった世界に足を踏み入れたような気分。
 社会人になって自由に使えるお金が増えたこともあるが、それを自分磨きのために使おうと思うようになったのはNEWSのおかげだ。
 
 ところで私のお気に入りブランドの「ADDICTION」のアイシャドウには「Never Land」という名前の色(しかも緑)があるので要チェック。私はNEWSのアルバム『NEVERLAND』発売決定の知らせが来た日に買いました。
 

 

 

・社会に興味を持つようになった

 私は自分の半径30cmくらいしか見えていないので、社会にもあまり興味がない。興味がないというか、遠くの話すぎてよくわからない。が、NEWS担になってからは少しずつではあるが社会問題について知識を得るようになった。
 普段は報道番組は特に見ておらず、ネットニュースを見ているだけだが、ネットニュースではどうしても自分の見たい情報だけを見てしまうというところがある。しかし、小山さんが出演しているということで家にいれば「news every.」を見るようにしているし、選挙の特番を担当しているということで選挙にも興味を持つようになった(恥ずかしながら選挙権を持った最初の2回くらいしか選挙に行っていなかった)。
 また、小山さんと加藤さんがMCを務める番組「NEWSな2人」を見ていると、社会の様々な問題が垣間見えてくる。孤独死やストーカーなど、ときには目を覆いたくなるような話題もあるが、社会問題について考えるきっかけになる番組だ。当初は軽めのテーマも取り上げていたが、最近は重ためのテーマを中心に取り上げる、他にはない番組となっている。自分とは全く無関係とはいえない話題も出てくるので、社会問題に興味を持つきっかけとなっている。
 相変わらず自分から半径30cmくらいしか見えていないし、報道番組で取り上げられる話題はどこか遠くの話に聞こえてしまう。目に見えて何かが変わったということではないけれど、「わからないからいいや」と社会について全くの無関心でいた頃の私に比べたら「わからないけど知りたい」と思う今のほうが少しはましなんじゃないかな、と思っている。

 

・読んだり書いたり考えたりする機会が増えた

 最近はなかなか本を読まなくなってしまったのだが、この前は小山さんが読んでいた本を読んだ。加藤さんが書評を書いていた本も読んだし、久しぶりに「本を読む」ということを楽しめたのはNEWSのおかげなので小山さんはもっと読んだ本のタイトルを教えてほしい……!おそらく小山さんとは好きな本の趣味が合う……。
 それに加藤さんのソロ曲がサン=テグジュペリの『星の王子さま』をモチーフにしていたり、「チャンカパーナ」や「EMMA」にも発想の元となった本があったりと、本を読む機会が沢山ある。まだ読んでいないものもあるのでこれからもっと読んでいきたい。
 また、NEWSのコンサートや楽曲はどれも奥が深く、あれこれ考えたくなることが沢山でてくる。たとえば2015年のコンサート「WHTE」では、セットリストや演出がとても練られており、考えたことをまとめたくなった(今更Whiteコン覚書(6/13、6/14) - 来世はペンギンになりたい)。そのためにこのブログを始めたくらいに考えることがあったし、書いて誰かに伝えたくなった。それまでは何も考えないようにしようと思っていた頭と心が生き返ったのは間違いなくNEWSのおかげだ。

 それからも沢山書きたいことがあって、こうしてブログを続けている。ブログを始めようと思ったときよりも遥かに多くの人の目に触れるようになったので、見られることを意識した文章を書くようになった。言葉の重みを改めて知った。日常的に「書く」という行為を習慣づけたことで頭の中身の整理もしやすくなった。自分には書いてまとめることで考えるという手法が合っているんだなと認識したのも、NEWS担になってからのことだ。
 NEWSを通して自分について考えることも増えた。私が何かを書くときは「私」のフィルターを通したものについて書いているのだから、自分のこともよく考えるようになった。就活で自己分析をしていたとき以上に自分のことがわかるようになってきた気がする。

 

・ちょっとだけ積極的になった

 今までは何かを思っても自分から発信することは滅多になかった。そんなことをしても意味がないような気がしていたというか、私のような一般も一般を極めたような人間の声が本人や公式に届くなんて思ってもいなかったし、届いたところで何も変わらないと思っていたからだ。
 しかし、何かを伝えることで変わることもあるのだな、とNEWS担になってからは思うようになった。「いいな」と思ったことは言葉にして伝えないとなかったことになってしまうということを学んだ。たとえば番組に対して感想を伝えたり、ラジオにメールを送ったり。自分が何かを伝えることで明確に何かが変わったとは言い切れないけれど、きっと伝わるものがあったのではないかなと思う。「変ラボ」ではファンが見たいと言っている企画(お化け屋敷や全員でのロケ)があったが、きっとファンの声に番組が応えた結果ではないだろうか。
 加藤さんは自分がパーソナリティを務めるラジオに届いたメールは「全部目を通している」と言ってくれているので、好きなものは好きだと伝えたいしよかったものはよかったと伝えたい。そんな気持ちでメールを送っている。幸いなことにメールが読まれたこともあって、嬉しいこともあるものだなぁと思った。
 また、ジャニオタ用のTwitterアカウントを取得したことで人見知りの私にも友達もできた。おたくの話だけではなく、人生においてそこそこ大きめの悩みを相談できる人たちもいる。今までひとりで抱え込むことが圧倒的に多かったので、友達が増えたことでちょっと生きやすくもなった。そういう人たちと出会ったきっかけはNEWSだから、やっぱりNEWSに感謝。

 

・つらいときにも元気になれる

 沢山の愛を伝えてくれるNEWSは、つらいときに元気をくれる。
 仕事でつらいときには「ヒカリノシズク」が胸に響いた。「どうにもならない想いもあるだろう 誰にも言えない傷痕もあるだろう」というフレーズに救われた。そっと寄り添うような歌詞とNEWSの歌声で心が軽くなった。
 小山さんはコンサートで「みんなは僕たちを応援してくれてるけど、僕たちもみんなを応援してる」と言っていた。NEWSとファンのあいだには相思相愛の関係ができているように思える。NEWSが応援してくれているなら頑張ろう、という気持ちになる。会社に行かなければならないのにしんどいとき、家から一歩踏み出すのがつらいとき、もうどうでもいいかなと思ってしまうとき、NEWSのことを思い出すとどうにか一歩を動かせる。私は心が強くないので、そうやって助けてもらいながら日々を生きている。
 それに何よりNEWSはみんな顔が美しいから見ているだけでハッピーになる!!!NEWSの顔見てるだけで元気になる!!!特に新曲「EMMA」はワイルドビューティなNEWSが見られて最高!!!!!

 


 以上、私の「NEWS担になったらこんないいことがありました!」でした。
 こんな感じで「○○担になったらこんないいことがありました!」の話を是非きかせてください!

 

控えめに言っても最高なシングル「EMMA」メモ

NEWS ジャニーズ

 NEWSの最新シングル「EMMA」が2/8に発売になった。考察覚書の意味をこめていかにシングル「EMMA」が最高かを書き記しておきたい。なお、今回も私の主観100%にてお送り致します。

 

EMMA

 ドラマ「嫌われる勇気」オープニングテーマ。なんと公式で動画が配信されている。


【公式】木曜劇場『嫌われる勇気』OPタイトルバック動画(マネキンチャレンジ)

 

 愛と性と死、この三つは密接に関わっている。というような勉強を大学でしていたので(志望していたわけじゃないけど気付いたらそういうことになってた)、そういう要素がたっぷり入った「EMMA」を愛さずにはいられない。
 最初に聴いたときから「最高!!!!!」を連呼せざるをえないほど最高だったが、聴けば聴くほど最高の度合いがあがっていく。控えめに言っても最高。

 

・ポップでキャッチー

 私は「ポップなものがポップではないものに“ポップである”という理由で劣る」とは全く思っていなくて(だからといって逆だとも思っていないけど)、ポップなものを突き詰めていくことは恰好いいことだと思っている。アイドルの楽曲というのはポップの極みみたいな一面がある。そのポップの極みの極みみたいな楽曲のひとつが「EMMA」ではないか。
 と言っておきながら、何を以てポップと呼ぶのかという問いに対する答えを、私は持っていない。だが「EMMA」がポップなことは……わかる……わかるんだよ……!だれか詳しく解説して……!!!
 キャッチーは「覚えやすい」「人気が出そう」というような意味合いで受け取っているが、まさしく「EMMA」はキャッチーな曲だろう。イントロから頭に残るし、「EMMA」という名前を繰り返すサビも一回で頭に入ってくる*1。衣装のインパクトもあって、視覚的にも覚えやすい。

 

・歌詞にみる愛と性と死

 愛と性になんらかの関わりがあることは私が説明せずともわかるだろう。性と死、あるいは愛と死にも関わりがある。という話を詳しくしていたら夜が明けるのですごくざっくり言うと、命のやりとりは性的にも見えるときがある、という話。たとえば食事、たとえば銃口を向け合うような殺し合い。それらは愛のやりとりでもあり、時として性行為のメタファーとなりうる。「EMMA」という楽曲においては歌詞は勿論のこと振付にもピストルや頭を撃ち抜く仕草があるが、これらが死――そこに命のやりとりがあることを想起させる。腰を振る振付やはだけた衣装だけではないセクシーさが潜んでいるのだ。

「衝動的な女にピストル握らせ」
 この「ピストル」が何を意味するのかという話は一旦おいといて、「衝動的な女」という言い方がとてもいい。「女の子」「女性」「彼女」「あのこ」など女性を表す言葉はいくらでもあるがその中でも「女」を選ぶところがいい。更に言うと加藤さんがこのフレーズを歌っているのがまたいい。加藤さんの口から発せられる「衝動的な女」という言葉、最高。
 2番では同じメロディで「こっちは引き下がり方 知らない男」になるのも最高。ちゃんと対比の構図になっていて、構成の美しさに床を転がりたくなる。衝動的な女と引き下がり方を知らない男、最高で最悪の組み合わせだ。

「血が流れても 求め合うカラダ」
 まさしく愛と性と死が詰まったフレーズ。「求め合うカラダ」という性を思わせるフレーズに「血が流れても」とつけてくる。命のやりとりを性行為に重ねている感がまさしくここに!違ったらごめん!でも私にはそう聴こえる!ここは私の主観の世界!

「サヨナラまで2cm」
 ここの振付がピストルをモチーフにしていることから、銃口と身体の距離が2cmであると考えることができる。
 「衝動的な女にピストル握らせ」ているわけだからここで銃口は「俺」に向いているのか、それとも「衝動的な女」=EMMAに向いているのか。個人的な考えとしてはこの曲の主人公がEMMAにピストルを向けられているのだと思う。理由は後述。

「もうこれ以上愛せないほど傷つけ合おう」
 この一文の主眼は「傷つけ合おう」に置かれている。「傷つけるほど愛し合おう」ではない。しかも一方的に傷つけるのではなく「傷つけ合おう」。「もうこれ以上愛せないほど」とあるから、この曲の主人公「俺」にとっては愛することと傷つけることには関連性があるものということになる。多分だけれど「俺」にとっては愛し合うことは傷つけ合うことと同義なのではないかと思う。あるいは愛情表現の更に上が「傷つける」という行為なのかもしれない。おそらくは心理的な傷ではなく、物理的な傷だろう。
 また、「もうこれ以上愛せないほど」や「サヨナラまで2cm」とあるのを見ると、「傷つけ合おう」は互いに命を奪い合うことなのかもしれないとも読み取れる。「傷つけ合うこと」「殺し合うこと」が「愛し合うこと」と同義の行為として描かれる作品はあるが、それをアイドルの楽曲で、しかもシングルでやろうというのだからNEWSはすごいな、と思うばかりだ。笑顔の似合う増田さん、バラエティ番組で人を笑わせる手越さん、キャスターとして真面目な表情を見せる小山さん、小説家という知的なイメージをもった加藤さん、という「ワイルド」「男くささ」とは違ったイメージを持つ4人だからこそこの表現が活きるのだろう。

「最後に唄ってくれよ」
 やってくれよ、とルビを振る。「やる」という動詞は場合に応じて意味が変わるが、ここでもいろいろな解釈ができるだろう。
 「唄ってくれよ」という漢字を使っていることから何かしらを「うたう」のだろう。私の個人的な解釈では、ララバイ的なものをイメージしているのかなと思った。ここまでの流れで銃口を向けて「サヨナラまで2cm」=死というものを連想させていて、なおかつ「AM0:00」「赤い夜明けがやってくる前に」「夜よ 酔わせてくれ」という単語から推測するに時間帯は今「夜」。となると、死=眠りという結びつきが想起される。そこに「唄ってくれよ」といったらララバイ=子守唄だろう、という流れ。EMMAに「唄ってくれよ」と言っているのだから銃口は主人公に向けられている。安らかに永遠の眠りに就けるように唄ってくれよ、という感じなのかなぁと思った。そんなふうに解釈させるような物語性のある言葉を「最後に唄ってくれよ」に込めるところにプロの作詞家の本気を感じた。

「赤い夜明けがやってくる前に」
 この「赤い夜明け」が何を意味しているのかも多様な解釈ができるものだと思う。私は「赤」は血、おそらくはこの曲の主人公。1番2番のサビに出てきた「夜明けまでの道連れ」は、ただのワンナイトラブではなくて主人公の命のリミットを示していたように思える。「夜明けまでの道連れ」なのだから、「夜明け」がやってきたらもうお別れ=死、というわけだ。
 
 ざっくりと歌詞から受ける印象を書きだしてみた。全編に渡って愛と性と死のにおいが漂っているこの曲をシングルにもってくるNEWSは最高に恰好いい。

 

・MVと衣装

 基本的にモノクロで、少し赤が見えやすいような感じになっている。加藤さん出演ドラマのオープニングテーマということもあって、加藤さんの纏う赤い衣装が目立つ。
 バイクやオープンカー、ビリヤードなどのなんとなく男くさいアイテム(加藤さんが「男の子が好きそう」と表現しそうなものたち)が並んでいるところが素敵。
 あまり現実味のあるセットではなく、どことなくファンタジーな世界観。ゲームやアニメでならありえそうな場所だ。そこにNEWSが馴染むのは、彼らが持つファンタジー性と増田さんによる衣装があるからに他ならない。衣装については細かな知識がないのでよくわからないけれど、なんかすごいことはわかる。また、増田さんが言う「バラバラに見えても4人で並ぶと統一感がある」というのが、NEWSの個性の強さとグループとしての強さを表しているかのようだ。
 MVは特に小山さんと増田さんが見所。NEWSの三十代コンビの色気が凄まじい。増田さんは前髪を伸ばしたことにより、男らしさ・大人っぽさがぐっとアップしている。小山さんはソロ曲でセクシー路線の曲を多くやっていることもあってこういった路線の曲に慣れているのか、仕草がいちいちずるい。どこでどうすれば自分が魅力的に見えるのかをわかっている。是非とも色気垂れ流し状態の二人に注目して見てほしい。


・露骨なほどのセクシーさ

 露出の多い衣装、イントロから腰を振る振付。この露骨なほどのセクシーさが「EMMA」には似合う。というか、これじゃなきゃダメ、くらいに思っている。
 「EMMA」の歌詞は割と重厚にできている。先程の項目でも挙げたが、「愛と性と死」がゴリゴリに詰まっている。このテーマをそのまま提示して大衆にウケるかといったら、そうではないだろう。単純にいって売れない可能性がある。
 だからそこに「ポップ」という皮を被せる。そして更に視覚的なキャッチーさとして露骨なほどセクシーな衣装や振付を加える。そうすることで、歌詞のもつ重厚なテーマが一気に軽くなったように見せかけているのだ。そうして多くの人に受け入れられる曲に仕上げている。
 この露骨なセクシーさに驚く声も多かったように見受けられた。しかし、これを真面目にやるからこそ「EMMA」は恰好いい。たとえば、こういうインパクトのある楽曲は演者に少しでも自分たちのやっていることを馬鹿にする要素があったらそれで台無しになってしまう。だがNEWSにはそれがない。だからこそ「EMMA」は控えめに言っても最高な曲なのだ。

 

Snow Dance

 初回AB通常すべてに収録。
 オケのつくりがきらきらしている。イントロのギターからもうきらきらしていて、夜のうちに降った真っ白な雪が朝日に照らされて輝いているようなイメージが思い浮かぶ。輝きだけでなく、サビに入ると突き抜けるような疾走感もある。どことなく「シリウス」と似た雰囲気が漂っている曲。

 

・歌割

 なぜシングル表題曲ではないのかと悔むとともにシングルではやれなかった歌割なのだろう、とも思う。
 小山さんの深みのある声から始まり、加藤さんの少年性のある声に「現在」を歌われることの切なさ。手越さんの突き抜けるような歌声。手越さんの歌声はやはり縦に広がる声で、楽器でいうならトランペットに似ている。そして増田さんの柔らかくて広がりのある声。手越さんの縦方向とは対照的で、二人の歌声が交互に聴こえるのが心地よい。そして終盤で4人の声が合わさるところがまたいい。
 こんなにも適材適所って言葉がぴったりな歌割があるかよと思うくらいにぴったりで、4人の歌声の良さを引き出す作りになっている。増田さんが「全員がサビを歌わなくてもよいのでは」と提案したことがこの歌割のきっかけになっている。ありがとう増田さん。またこういう曲が欲しいです。

 

・小山さんの甘さと優しさ

 小山さんの歌声は甘くて優しい。あまり角がないというか、角のない四角、という感じの声。低めの声だと少し角が見えてくるけれど、高くなればなるほど角がなくなって甘さと優しさが増す。おそらくキャスターの聴き取りやすい発音が小山さんの歌声から角を取っているということもあるのだろう。
 そんな小山さんの甘くて優しい歌声で「泣きそうに降る粉雪」と始まる。穏やかに始まり、だんだんと盛り上がっていくこの曲の出だしにぴったりだ。Aメロは言葉数が多いけれど、小山さんの滑舌なら聴き取りづらいということはない。ひとつひとつの単語がしっかりと聴こえる。個人的には「夢だけ残して」の「て」の発音が優しくて切なくて好き。

 

・加藤さんの少年性

 何度でも言うぞ!加藤さんの声の少年性が最高だって!
 「もう何もいらない 二人の現在(ばしょ)があるなら 未来などいらない」と加藤さんが歌うのが最高だって何回でも言う。加藤さんの歌声には少年のような切なさがある。そんな声で「未来などいらない」と、刹那に生きることを歌っている。でも、少年はいつまでも少年ではいられない。たとえ未来などいらなくたって、未来はやってきてしまう。だからこそ「未来などいらない」と歌う。「掌の輝き」というささやかで刹那的なものを望む。こんな最高がある?こちらこそもう何もいらない!最高!
 と思っていたら2番では「時のないベンチで 肩寄せあえた日々が 僕らの永遠」と歌う。「未来などいらない」と歌うわけだ、だって「僕らの永遠」があったんだから。きっと「時のないベンチ」には確かな永遠があった。今はもうなくとも、間違いなくあったのだ。その永遠に閉じ込められてしまいたいという幼稚さを感じるような願いを少年性のある歌声で加藤さんが歌う。このパートを加藤さんにしようと思った人誰?何かしらの賞をあげたい。

 

・手越さんの高音

 突き抜けるような手越さんの高音。AメロBメロが比較的穏やかだっただけに、突然視界が開けるような感じがする。ぱーんと飛び出るトランペットのような声は、NEWSの歌の要であることを象徴するかのようにサビで高らかに響き渡る。
 手越さんのような歌声をもつ人がグループにいることは大きい。その良さを最大限に活かした歌割とメロディで、そのあとにくる増田さんパートとの掛け合いがとても美しい。

 

・増田さんの軽やかさ

 手越さんとの掛け合いになる増田さんのパートの大半は「Let's do the snow dance」。増田さんの歌声は軽やかで弾むような感じがするので、「snow dance」というフレーズとぴったりハマる。「君と」「今は」「今日は」「せめて」という切ない歌詞も、増田さんの軽やかな歌声なら重くなりすぎない。そのおかげで、手越さんの声の切実さが更に響く。
 手越さんの声が高らかに伸び、増田さんの声が軽やかに弾む。この対比が美しい。さすがテゴマス。

 

・THE冬の歌

 この曲がゲレンデで流れていない意味がわからないくらいゲレンデに似合う曲。今すぐゲレンデでかけて!じゃないと私スキーにもスノボにも行けない!行く予定ないけど!
 イントロのギターも、ギターと同じメロディを奏でるキーボード(多分)も、打ち込みのリズムの音も、全体的にきらきらしている。このきらきら感が冬っぽい。冬のJ-POPの王道という感じがする。
 冬っぽくはあるけれど、是非ともコンサートで聴きたい。コンサートが春~初夏であることなんて無視して冬メドレーしよう。生で4人の歌声の良さがこれでもかと活かされたこの曲を聴きたい。というか沢山の人に聴いてほしい。

 

 

さくらガール -Represent NEWS Mix-

 初回盤Bに収録。2010年リリースのシングル「さくらガール」を再録したもの。大幅なリミックスは行わず(もしかしたら多少の音質改善はしているかも)、以前と同じオケを使用している。

 

・大人になること

 一通り聴いて、まずは寂しさを感じた。それは2人の声がないということもそうだし、4人の声が大人になっていることへの寂しさでもあった。
 特に小山さんのパート「言葉にならない キミの『さよなら』に まだ受け入れられないことばかり」の変化が大きい。「さくらガール」発売当時(2010年3月31日)は、まだ小山さんはキャスターではない。同年4月からキャスターとなる。キャスターの滑舌を会得する前の小山さんが歌うこのパートはどこか言葉が逃げてしまっているような感じがする。それが「まだ受け入れられないことばかり」という歌詞と合っている感じがした。一方、今の小山さんは歌声に深みがあるうえに滑舌がよくなっているので言葉がはっきりと聞こえる。「まだ受け入れられないことばかり」という言葉の重みがしっかりと伝わってくる歌い方になっている。
 手越さんの「散りゆくから綺麗なんだってさ そんなこと知らない僕に何が出来たっていうのさ」も、大人になった今の歌声だと印象が違う。かつてのどこかぶっきらぼうで心底「そんなこと知らない僕に何が出来たっていうのさ」と思っていそうな歌い方も、「そんなこと知らない僕」の後悔のにじむ今の歌い方も、どちらもいい。
 増田さんの歌う大サビも、声の広がり方が違う。今の増田さんの声は力強さと深みがある。
 今からおよそ7年前の6人が歌っていた「さくらガール」は、若さゆえの切なさがあった。今歌う「さくらガール」は、どうしようもないことをくよくよ想うようなやるせなさや弱さが、いささか減った気がする。やるせなさというよりは、過去を振り返っているような感じがした。「さくらのような 君でした」という最初のフレーズが、かつてはまださほど日が過ぎていない過去のように思えたけれど、今は振り返らないと見えないほど遠い過去のように思える。たぶんそれが「大人になる」ということなのだろう。
 それに、今の自分の年齢も、かつてのさくらガールを歌った頃のメンバーを追い越してしまった。初めて聴いたときは彼らより年下だったのに。聴き手としての私も大人になったから聴こえ方が変わった、ということもあるのかもしれない。
 否が応でも人は変わる。主観の世界で生きているから、私が変われば私の目に映るものも変わる。私も変わるしNEWSも変わる。変わらないものなどない。NEWSを見ていると、そんなことを思う。

 

 

I・ZA・NA・I・ZU・KI -Represent NEWS Mix-

 初回盤Bに収録。2005年4月リリースのファーストアルバム『touch』に収録されている曲を再録したもの。こちらも以前と同じオケを使用している。

 

・「Represent」の意味

 単純に、ようやく加藤さんの「くちづけを」が音源として聴けるようになった喜びが大きかった。2012年のコンサート「美しい恋にするよ」でみんな待ってたんでしょとでも言わんばかりにドヤドヤした表情で歌う加藤さんが思い浮かぶ。
 また、手越さんの「悲しくも 美しく こんなにも 惹かれあうなら」のところが、歌い方にだいぶ変化がある。広がりのある声になっているし、声に感情が乗るようになったような感じもする。10年以上前の曲なのだから変化があって当然なのだが、改めて音源で聴くと新鮮に思える。
 サブタイトルにつけられている「Represent」とは、「再演」などという意味。リミックスするのではなくそのままの音源で歌うことに何か意味が合ったのだろう、と勝手に思う。私はそれを推測するしかないし、正解はわからないけれど、自分の中で腑に落ちる答えは出ている。
 「再演」するからには、全く同じでは意味がないし、パワーダウンしてしまっては「再演」は失敗に終わってしまう。何かしらのパワーアップを図らねばならない。そう考えたとき、彼らはリミックスするという手段に頼らず、自分たちの歌声で楽曲をパワーアップすることにしたのかもしれない。歌声を武器とするNEWSらしい選択だな、と思った。

 

 

スノードロップ

 通常盤のみ収録。柔らかな冬バラード。「恋を知らない君へ」がNEWSの夏バラードだとしたら、その対になる位置にこの「スノードロップ」を配置したい。NEWSの優しい歌声が活きる曲。

 

・切ない冬のラブソング

 「Snow Dance」は若さ(あるいは幼さ)が感じられる歌詞だったが、「スノードロップ」はゆったりとしたテンポに合った大人な冬のラブソングという感じがする。どちらも別れを歌うラブソングでありながら、方向性が違う。
 サビの歌詞に出てくる「沫雪」とは「あわのように消えやすい雪」という意味。そして最後のサビでは「雪どけ」のときが来てしまい、沫雪に残していた足跡も消えてしまう。なんとなく「恋を知らない君へ」の「あぁ あなただけは消えないで」と重なる。夏でも冬でも切ないNEWS。

 

・とにかく大サビ

 この曲の一番の盛り上がりは小山さんの大サビだろう。というかこのパートのためにこの曲があるのでは?と思うくらい、小山さんの歌声の良さが活きている。小山さんにしようと思った人誰ですか?今すぐカタログギフトを贈らせてください。できるだけ高いやつにするし、体験型のやつがよかったらそれにします。とにかく感謝を金で示したい。
 小山さんは高めのパートを歌うと喉が閉まったような歌声になる。というか普通自分の出せる音域の限界に近づけば喉が閉まる。そして大抵、その声は聞き苦しい。自分が合唱部だったときは喉の閉まった声の聞き苦しさにひどくショックを受けたのを覚えている。だが小山さんはそうならない。明らかに力が入りすぎている感じがするのに、聞き苦しさがない。苦しそうな歌声には聴こえるけれど、甘さと切なさがほどよく感じられるので聞き苦しいとは思わない。
 加藤さんが折にふれては「小山は苦しいとき/弱っているときが良い」と発言しているが、確かに小山さんの苦しそうな歌声は魅力的だ。苦しそうだけれど、苦しそうに歌うべき箇所にあてられているともう最高。「スノードロップ」の大サビは苦しそうに歌う小山さんだからこそこの良さが出る。
 これは他の3人にはおそらくできない歌い方で*2、小山さんの歌声の持ち味といえよう。コンサートなどで披露することがあれば是非とも生で聴いてみたい。

 

 そんな最高な5曲が詰まったシングル「EMMA」、絶賛発売中です!!!

 

 

 

 

 

 

 

*1:持論だけどサビで同じ言葉を繰り返す曲ってだいたい名曲

*2:そもそもNEWSの楽曲の音域的に限界に近付いてしまうのが小山さんしかいないという意味でもできない

しんどいあなたへ贈るジャニーズ応援ソング

NEWS ジャニーズ

 しんどいときは音楽を聴くに限る。それもアイドル。
 私の個人的な感覚では、アイドルは他のアーティストに比べ圧倒的に「応援ソング」と呼ばれる類の曲が多いような気がする。しかも多種多様、さまざまな角度から応援してくれる。風邪薬ではないけど、どの症状にも聴くように処方されているようなイメージで、つらい状況にあわせて聴く曲を選んでいる。
 ということで、好きな応援ソングをまとめてみようかな、という記事。

 

 

NEWS

BE FUNKY!

BE FUNKY! - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 疾走感のあるメロディとアレンジと歌詞。「進め」「走れ」というメッセージに煽られる。こんなとこで立ち止まってる場合じゃない、と再び歩き出す力をくれる。ドラマ「トラブルマン」の徳田のように走りだしたくなる。
 「Yo こんな輝く世界 止まらない 期待・愛・未来 What? 楽しけりゃいいじゃない? 一度きりのMy Lifeじゃない?」のフレーズに何度でも勇気づけられる。ここを歌うのが、まだ鬱屈としていた頃の加藤さんだという事実がぐっとくる。今の加藤さんが歌っても勿論いいなと思うのだけれど、CD音源などで聴くあの頃の加藤さんの歌うこの箇所が最高で、更に言えば「美しい恋にするよ」でこのフレーズを歌う加藤さんが最高。加藤さん自身が突き進み切り開いた先にあるコンサートでこの曲を歌うから余計にぐっときてしまう。
 「What? 楽しけりゃいいじゃない? 一度きりのMy Lifeじゃない?」と簡単には割り切れないことだらけだけれど、でも「一度きりのMy Life」なのだから私のために私が楽しいように生きていきたい、と思う。

 

ヒカリノシズク

ヒカリノシズク - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

 4人のNEWSによる応援ソングの真骨頂。シンプルなオケと歌が胸をぎゅっと掴む。
 加藤さんの小説を原作としたドラマ『傘をもたない蟻たちは』の主題歌であったこの曲は、「上手く生きられない人たち」に寄り添う曲となっている。きっと上手く生きていける人なんてほんの一握りで、ほとんどの人がそうではない。私もそうではない人のひとりだ。
 「どうにもならない想いがあるだろう 誰にも言えない傷痕もあるだろう」という歌詞がたまらなく好き、という話を何度もしている気がするけれどまだする。つらいときにどうしてほしいかなんて人によるだろうけれど、私は「つらい」という私の現状をまず認めてほしい、と思ってしまう。他者と比べて「そんなのまだまだつらくない」「みんなつらいんだよ」なんて言われても私のつらさには他者なんて関係ない。私が今「つらい」と思っていることを認めてさえくれれば、それで一旦気持ちがおさまる。私がつらいことに周りが気付いていなかったときに「ヒカリノシズク」を聴いて、私にはNEWSがいてよかった、と心から思った。私がつらいことをちゃんと認めてくれる人がいる。それだけで、私はまた頑張ろうと思える。

 

 初期はバレーユニットらしい「がんばれ!僕が君の背中を押すよ!」的な応援ソングが多いが、4人になって以降は「つらいこともある。でも願えばいつか夢は叶う」という方向性の曲が多くなる。一時期はカップリング曲に必ず一曲は入っていることもあった。
 それらの楽曲とはまた少し方向性が違って、「つらいことも上手くいかないこともあるよね」と聴き手に寄り添ってくれる楽曲「ヒカリノシズク」。背中を押すでもなく励ますでもなくそっと寄り添う楽曲は、痛みを知っているNEWSにぴったりだと思った。

 

僕が僕のすべて

僕が僕のすべて - 嵐 - 歌詞 : 歌ネット

 「ありのまま」であること、「僕」であることを歌った曲。イントロからもう優しくて、疲れた心が柔らかく癒される。
 現代人の抱える大きな悩みのひとつが「アイデンティティの確立」という話はいろんなところで言われているけれど、私も例外ではなくアイデンティティについて悩んでいるひとりだ。私は何者なのか、何者になれるのか、何者にもなれないのか。特に高校・大学時代には漠然とした悩みを抱えていた。でも「今ここにいる 僕が僕のすべて それだけは変わらない」という自然体の歌詞で少し肩の荷がおりたような気がした。私は何者でもなく「私」なのだと思える。難しいことを肩肘張って考えるばかりがいいことでもないらしい、と思った。

 

迷宮ラブソング

迷宮ラブソング - 嵐 - 歌詞 : 歌ネット

 「ラブソング」ってタイトルにあるけれど、聴いていると元気が出るので応援ソングということにする。ドラマ「謎解きはディナーの後で」主題歌で、執事・影山をイメージしているのだろう、「君」を陰ながら「導く」「見守る」ようなテイストの曲。
 アイドルが歌うからこそ届く曲というのは確かにあって、そのひとつがこの「迷宮ラブソング」だと思っている。いつもテレビの向こうにいて、一方的に見るしかない人たちに「僕がきっと その手を強く 引くよ」なんて言われたらちょっとどきっとしてしまうというか、いいなと思ってしまうというか、上手く言えないけれどなんだかそんな気持ちになる。抽象度が高く、「君と僕」にさまざまな関係性をあてはめられそうな曲だから、うっかり「ファンとアイドル」をあてはめてしまっているのかもしれない。でもたまにはそういう気分になってもいいと思う。
 それと単純に、嵐に「誰よりずっと 輝く君を 僕は知ってるから」って言われたら、なんだか心強く感じる。歌詞をそのまま真に受けているわけではないけれど、漠然とした根拠のない自信がわいてくる。

 
 嵐もやはり初期はバレーユニットっぽい「がんばれ!」系の応援ソングが多い気がする。それも好きだけれど、「僕が僕のすべて」のように「今ここにいる僕」「他の誰でもない僕」を歌う曲も嵐には似合う。「今ここにいる僕」の先にはきっと明るい未来が待っているような気がしてくる。

 

 

SMAP

君は君だよ

君は君だよ - SMAP - 歌詞 : 歌ネット

 柔らかで優しいメロディにのせて「君は君だよ だから誰かの 望むように 生きなくていいよ」と柔らかで優しい歌声で歌ってくれる。こんなに優しくていいのかなぁと思ってしまうくらい優しい。
 小学生の頃、特にこの曲が好きだった。「ホントまだ たいして長く 生きてないのにね」という歌詞があるからだ。たいして長く生きてない私にもつらいことがあって、それは「小学生なんてそんなもん」と片付けられるほど(当時の私にとっては)軽いものではなくて、それでもどうにか頑張っているのだということをわかってくれる人がいる気がして嬉しかった。SMAPがわかってくれてるんなら頑張ろう、と漠然と思っていた。
 私は小さい頃からちょっと変わった子で、今もちょっと変わった子がそのまま大人になったような感じなので、「君は君だよ」というその一言に励まされる。まともになろうと努力したこともあったけれど上手くいかなかった。ちょっと変わった子のままでも頑張っていけばいいと思えるのはこの曲のおかげだ。

 

笑顔のゲンキ

笑顔のゲンキ - SMAP - 歌詞 : 歌ネット

 いきなり「元気な君が好き」って歌われたら、なんだか背筋が伸びるような感じがする。好きって言ってくれるなら元気でいたいな、と思う。これぞアイドルの力だなぁと実感する。
 馬飼野康二さんによるアイドルの眩しさやきらめきが散りばめられたメロディは、口ずさんでいるだけで心が明るくなる。更には間奏にまでアイドルのきらきらが詰め込まれていて、もうとにかくきらきらしている一曲。この曲を聴くと、小さい頃にセボンスターを買ってもらって喜んでいたときの気持ちが蘇る。「笑顔のゲンキ」のきらきらは、私の中ではセボンスターのきらきらと繋がっている。かつて女児だった私の憧れがこの曲には詰まっているのだ。
 この曲が主題歌だったアニメ「姫ちゃんのリボン」が好きで、この曲の「赤いリボンもキリリッと」という歌詞に憧れて、ポニーテールには赤いリボンのついたヘアゴムを使っていた。この曲を聴くと、心の中でいつもあの頃みたいに「赤いリボンもキリリッと」結んでいる。何かに無邪気に憧れるあの頃を思い出して、なんだか気持ちがしゃきっとする。
 今はセボンスターを買ってもあの頃ほどきらきらして見えないし、赤いリボンを結んだとしてもあの頃ほどしゃきっとした気持ちにならない。でも、この曲を聴くとあのときの気持ちが蘇って、なんだか元気になれる。


 『SMAP AID』というアルバムがリリースされるほど応援ソングを歌ってきたSMAP。ここに挙げた以外にも、つらいときに励ましてくれる曲は沢山ある。口ずさんでいるだけでなんだか気持ちが明るくなる曲も沢山ある。
 母がSMAPファンであり、私は物心がつく前からSMAPの楽曲を聴いて育ってきた。アイドルを知る前にSMAPを知ったし、ジャニーズを知る前にSMAPを知った。おそらく、私と同世代(あるいは私よりも年下の世代)にはそういう人が多いのではないかと思う。知らず知らずのうちにSMAPの楽曲に励まされて生きてきた私の体にも心にも、SMAPの楽曲が刻み込まれている。

 

 

TOKIO

花唄

花唄 - TOKIO - 歌詞 : 歌ネット

 気分が落ちているとき、明るく元気を出すにはこの曲。もうイントロだけで上がるから騙されたと思って一回聴いてみてほしい。どうやったって悲しく歌えないくらい明るくて楽しいメロディと長瀬さんの力強い歌声が、沈んだ気分を盛り上げてくれる。
 歌詞も全体的に元気が出る。まずいきなり「嗚呼~花が咲く 理由もないけど」でちょっと元気になる。なにはともあれ花が咲くのならきっといいことなのだろう、という気がしてくる。何より、「僕らがいる 意味は奪えない」という歌詞にはっとさせられる。とても短い言葉だけれど大切なことだし、普段の生活の中では忘れがちなことだ。私が私であること、私がここにいることをわかってほしいと思ってしまうタイプなので、いつもこのフレーズがぐっとくる。
 ラストのサビ前の盛り上がりもやばい。こんなに元気出る!?と思うくらいに元気になる。それぞれの楽器がぐわーっとラストのサビに向かっていくのがめちゃくちゃいいし、特にこの曲はブラスサウンドを取り入れているのでぱーんと明るいトランペットの音が響いて否が応でもテンションが上がる。
 最後の最後まで元気たっぷりで、一曲聴き終わる頃にはなんだか元気をわけてもらったような気になるので、いまいちテンションの上がらない朝にオススメ。

 

Mr.Traveling Man

Mr.Traveling Man - TOKIO - 歌詞 : 歌ネット

 「願うのなら望むのなら立ち止まらずに進もう 渡り歩くこの世界はときに厳しいけど」というサビの歌詞が、立ち止まってしまった足を一歩前へ進ませる力をくれる。世界は明るくて美しいだけのものではないと歌うけれど、その先に希望を見出す歌詞に何度励まされただろう。勿論、そんなに悪いことばかりではないとわかっているけれど、人生の明るい面に目を向けられないほどつらいときはどうしてもある。つらいことが目の前にあって、それしか見えなくなってしまうときがある。そんなときは明るい曲よりも、「それでも進め」と言ってくれる曲のほうが心に響く。
 悲観したいわけではないけれど、世界が明るくて美しいなんて思いたくないときがある。それを認めてしまったら、今の私のこのつらい気持ちはどこへいくのだろう、と考えてしまう。つらい気持ちがここにあるのは事実として、その先へと歌ってくれる歌詞が心に響く。
 この曲と同じく清水昭男さん作詞作曲の太陽と砂漠のバラもオススメ。

 

NaNaNa(太陽なんていらねぇ)

NaNaNa(太陽なんていらねぇ) - TOKIO - 歌詞 : 歌ネット

 「いつの時代も悲しみは消えねぇけど」という歌詞を見ると、「Mr.Traveling Man」と世界観は遠くないように思える。TOKIOの応援ソングは現状のつらさを認めてくれる。そのうえで、それでも進めと歌うのだ。進んだ先に希望が待つと歌う。打破しなければならない現状と闘う力をくれる。
 この曲はMVも見ていて元気が出る。ドラマ「うぬぼれ刑事」の主題歌だったこともあってドラマに出演していた生田斗真さんもMVに出演している。彼女と別れた生田さんが部屋に帰ると天井や棚の中など「そんなところから出てくる!?」みたいなところからTOKIOが出てきてワイワイ歌って生田さんを圧倒し、励ます。生田さんは最初は驚いていたけれどだんだん楽しくなって最後は再び彼女の元へ急ぐ、というような物語だ。私の中のTOKIOはこの曲のイメージで、つらいときにワーっと元気をくれるような存在だと思っている。私がしんどいときにはTOKIOはベッドを突き破って出てきたり天井にはりついていたりしてくれないけど、この曲を聴くと明るく楽しい気持ちになって、いつのまにか悩み事を忘れてしまっている。

 

 背中を押された程度では頑張れないくらいに落ちているときはTOKIOを聴く。つらい現実に削られた精神も、TOKIOの奏でる骨太の音で再び燃え上がる。やる気を出すとか出さないとかではなく、正直もう頑張れないしやる気も出せないけどそれでもやらなければならないことがあるときはTOKIO。絶対にTOKIOとりあえずどうしようもないほどしんどい奴は黙っていますぐTOKIOを聴け!
 つい先日も、引越しのための片付けが心底つらすぎて(私はいわゆる「片付けられない女」なので本当につらかった。どうしたらいいかわからなくて泣いた)、物が散乱した部屋で段ボールを前に途方に暮れていたとき、このままではやばいと思ってTOKIOの応援ソングプレイリストを作成しリピートし続け、TOKIOに励まされながら部屋を片付けていた。どうにか間に合った。TOKIOがいなければ危うく引越しができないところだった。私の引越しを支えたのはTOKIOだった。
 大学に入って、上手くやれなかったときもTOKIOを聴いていた。就活のときにも聴いていた。渡り歩くこの世界はときに厳しい。でも、その先に何かがあるかもしれない。そう思いながらしんどい現状に立ち向かった日々を思い出す。今まで何度TOKIOに助けられたかわからない。
 「世知辛い世の中だけどやらなきゃならないんだよ。なんとかなるって、俺たちもいるんだからさ」というような雰囲気の曲が多くて、弱った心が鼓舞されてやらなきゃいけないことに取り組む気力が出てくる。TOKIOはきっと私の、そしてあなたの味方だ。

 

 

 私の「今このとき私がつらいことをわかってくれ」というわがままが全開の選曲となってしまった。でもつらいときはつらいんだから何かに頼ったっていいじゃないか。頼れる人がいないなら、誰にも迷惑をかけずひっそりと励まされたいなら、アイドルの楽曲に頼ったっていいと思う。
 曲を聴いたからってすべてが解決するわけではないけれど、ちょっとくらいは楽になれるかもしれない。しんどいあなたに、アイドルの歌う応援ソングが届きますように。

一難去ってまた一難去って一難 ―「トラブルマン」のススメ―

NEWS ジャニーズ

 加藤さんが「影の主人公」として出演しているドラマ「嫌われる勇気」の放送が始まった。番宣にも沢山出たし、見逃してもネットで1週間無料で見られるし、YouTubeにも予告やOP映像が公式で投稿されている。つまりいつでもどこでも青山くんを見放題というわけだ。
 というわけで(?)、青山役で加藤さんが気になり始めた方も元々加藤さんを知っていた方も、加藤さん主演ドラマトラブルマンはいかがですか?という話。

 

トラブルマン」とは

 2010年春クールのドラマ。テレビ東京系で金曜24:12~の枠*1で放送されていた。全12話。
 主演は連ドラ初主演となる加藤さん(放送当時22歳)。映画をメインに活動するSABU監督(ジャニーズ的に言うとV6の「ホールドアップダウン」「ハードラックヒーロー」、手越さんの「疾走」などを撮った監督)が原案・脚本・監督を務める。
 主人公・徳田は保険会社に勤務している。お人好しな性格が災いして、顧客に保険金をおろしすぎたためにクビに。落ち込みながら帰宅すると、アパートの周りには明らかに危ない風貌の男たちがうろついていた。その男たちは徳田と同じアパートに住むやくざの下っ端・尾崎を探していた。徳田は自分の部屋に入ったはずが尾崎と鉢合わせてしまう。そこからあれよあれよとトラブルに巻き込まれていく。
 
 詳しくは公式サイト(まだあった!)とWikipediaをご覧ください。Wikipediaはストーリーがだいたい書いてあるからネタバレを読みたくない人は注意。
 

ドラマ24「トラブルマン」:テレビ東京

トラブルマン - Wikipedia

 

 

トラブルマン」のここがオススメ

1.映画のような撮り方

 SABU監督が初めてテレビ作品を作ったのがこの「トラブルマン」。普段は映画を撮っているので、作りが非常に映画的になっている。12話のドラマというよりも映画を12分割した、というほうがわかりやすいかもしれない。でもやっぱりテレビだからできる、という部分もあって、映画とテレビのいいとこどりな印象。
 たとえば、ドラマの一話が終わって次の話に行くと数日が経ち場面が切り替わっているスタイルはよく見かける。いわゆる一話完結というやつだ。一方、「トラブルマン」は話の区切りでも場面が切り替わることはなく、基本的には「大家さんの部屋」という同じ場面がずっと続いている。
 「トラブルマン」は全12話だが、冒頭から最終話まで、作中の時間では一日も経過していない。昼から夕方くらいしか経っていない。そんなに話の進みが遅いのかといえばそういうわけでもない。前半は一話ずつ、徳田と同じアパートに住む人々の過去の回想が続いていく。最初に大家さんの部屋に住人が集うまで(物語の時間軸の起点)が描かれ、住人たちの抱える過去が暴かれ、それまで黙っていた主人公・徳田の過去が暴かれ、それからクライマックス(再び物語の時間軸に戻る)につながる*2。あまり連ドラ的ではない構造で、映画を12分割した感じ、と言っている意味がわかるだろう。ドラマを続けて観るのが飽きてしまう人でも観やすい。
 そういう構造なので毎週続けて観るよりも全話を一気に観たほうが話がわかりやすい。私もリアルタイムでは数話観た程度で(当時はまだNEWS担ではなかった)、何曜日の何時にやっているのか把握しておらず全話観るに至らなかったわけだが、DVD-BOXを買って一気に観た。たぶん一気に観るほうが合っているタイプの話なのではないかと思う。でも忙しくて一気に観られない!という人でも、ちゃんと次の話へのわくわく感があるので大丈夫。わくわくしながら次の話を見られる時間まで待とう。でも続きが気になって見たくなっちゃうから気をつけて!

 


2.加藤さん演じる「巻き込まれ型主人公」

 加藤さんにこの徳田という「巻き込まれ型主人公」の役をやらせようと思った人にはA5ランクのお肉の商品券とか贈らせてほしい。あまりにも似合いすぎている。
 現在出演中のドラマ「嫌われる勇気」の青山も蘭子に振り回されていて、その可愛さも相俟って話題となっている。少なくとも私の周辺ではめちゃくちゃ話題になっている。
 多分だけど、加藤さんは巻き込まれたり振り回されたりする役が似合う*3。本人がそういう性格かどうかはおいといて、似合う。絶対似合う。めちゃくちゃ似合う。
 なんていうか、加藤さんってどこかセカイ系の主人公っぽさがあると思う。自分から大きな世界にコミットするような冒険譚ではなく、世界の方から彼のもとにやってくるような感じ。私のイメージする「影の主人公」ポジションは「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョン、「魔人探偵脳噛ネウロ」のヤコ。「巻き込まれ型主人公」だと「いちご100%」の真中淳平とか。作品が偏っていて申し訳ない。でもこのへんのキャラクターのようなポジションが加藤さんには似合うと思う。なんていうか、加藤さんって運命のほうから来るよね……(個人的な見解)
 しかし「トラブルマン」はただの巻き込まれ主人公かと思いきや……!?なところもあるので最終話まで必見。もう7年も前のドラマなのだからネタバレなんて書いてもいいだろうと思うけれど、できればまだ観ていない人にはあまり前情報のない状態で観てほしい(というかこの記事を読んだだけで「トラブルマン」の物語を把握してしまっては勿体ないので記述を控えたい)。たぶん検索すればいくらでも結末なんてわかってしまうし、そもそもさっき貼ったWikipediaを見たらだいたいわかってしまうので、結末を知ってから観たいという場合はそちらをご覧ください。

 


3.B級映画的面白さ

 一言で言おうとするなら、シュールでSFでシリアスでコメディなきみとぼくのセカイ系(B級)、といった感じ。この表現でびびっときた人は是非とも観てほしい。加藤さんとセカイ系は相性が良い。セカイ系という言葉は多様な意味を含むけれど、「若者(特に男性)の自意識を描写」「きみとぼくの世界」みたいな感じの物語のことを指して言っている*4
 あらすじにもならない大枠だけを言葉にすると、現実にはありえない要素を含みながら人間ドラマを描いたうえでなんだかよくわからないしこの先のことも世界のこともわからないけれどきみとぼくがハッピーっぽくなる、という感じ。私はそういう物語がとても好きなのでどっぷりハマった。特にラストシーンのセカイ系っぽさが最高に好き。「きみとぼく」という閉鎖的でミクロな世界を見る限り、この物語は間違いなくハッピーエンドだ。
 エンタメ作品として作られているので説教くさいテーマがあるというわけではないけれど、一貫して「過去にとらわれるな、前へ進め」ということが描かれている。だから徳田はひたすら走るシーンが繰り返されるのだろう。
 登場人物たちは過去に囚われながら生きているし、主人公・徳田は過去にも囚われているしこれから起こるだろうことも危惧している。そんな彼らがいろいろあった末に「過去なんて関係ない、前を向け、走れ!!!!!!!」というところに辿りつく。あまりにも前を見すぎて「とにかく!!!!!!!!!!!!走れ!!!!!!!!!!!!!!」みたいな状況になるけれどそこが面白い。観ていてすごくテンションが上がる。
 
 全体的にB級っぽいつくり(手を抜いているわけではない。B級っぽい)になっていて、現実にはなかなかありえない要素をキーとして話が進んでいく。若干の脚本の破綻(というほどでもないけれど、都合よく展開する部分)はあるにせよ、「こういうB級っぽい話にはそういうのもあるよね」で受け入れられる程度のものだ。むしろこういうタイプの物語では、きちんと筋が通っていて、起こる事象すべてに説明がつく時点で興ざめしてしまうだろう。探そうと思えばこの物語には穴なんていくらでもあって、でもそれはあえて空けてある穴なのだ。だから穴がそこにあろうがなかろうが関係ないし、「そこに穴があります!」と言うのはナンセンスなことだろう。そういうものを真面目に作っているから面白い、というものだ。「トラブルマン」はそういう類の話だと思う。
 「ドラマを見る」という行為の主導権は本来見る側が持っているものだが、いっそそれを手放して「ドラマを見る」という行為の主導権をドラマに握られるくらいの気持ちで見るとより楽しめるかもしれない。B級っぽさ、あるいは深夜ドラマっぽさを狙っているんだろうなと思う部分も多々あるので、そういうものが好きな人にはうってつけのドラマだ。
 しかしこれをゴールデンタイムで放送しても、まだ理性の残っている時間帯ではどこか白けてしまっただろう。普通の時間帯のドラマでは決してできない、深夜枠だからこそできる面白さが詰まっている。

 


4.加藤さんの演技

 連ドラ初主演となる加藤さんの演技もみどころ。演技の良し悪しはわからないので語りようがないが、少なくとも加藤さんの演技はこのドラマに合っているように思えた。
 加藤さんの状況に「巻き込まれる」、あるいは状況に「置いていかれる」という演技がすごく好きなのだが、このドラマはそのオンパレード。ちなみに他の登場人物は概ね徳田に対してぐいぐいくるので、とにかく困った顔を浮かべる場面が多い。「え?」と訊き返すときの声のトーンや「勘弁して下さいよ」とでも言いたげな顔がめちゃくちゃいい。そのあとに取り繕ったように「ははは……」と笑う顔もいい。笑ったところで何も解決していないところも含めていい。ちょっと委縮していて言いたいことを言えずにごまかす感じもすごくいい。
 また、アパートの住人たちの過去に触れることで徳田が過去を思い出すフラッシュバックが挟まれることがあるが、そのときの徳田の顔の憂いがすごくいい。加藤さんの持ち味(?)ともいえる憂いが活かされている。「あ、こいつ何かあるな」と思わせる表情をしている。
 全体的に「巻き込まれる」「置いていかれる」というスタンスの徳田だが、終盤には自発的に行動をとることになる。今まで一方的に流されるままだった徳田と、感情を発露し状況の主導権を握る徳田の対比がとても鮮やか。
 加藤さんの、急激に感情を発露する演技もすごく魅力的だ。ひとりの人間が抱えきれる量を超えた感情が、涙や叫びとなって現れている気がする。2016年の24時間テレビスペシャルドラマ「盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~」でも、加藤さん演じるヨシノリ先生が、見が見えなくなったことに対して叫ぶ場面がある。あの良さに繋がるものがこの「トラブルマン」の中にもあるように見えた。
 それと徳田はひたすら走る。第一話オープニングで走っているし、エンディングでも走っている。走るのは得意ではないということはこの時点で既に「走魂*5により実証済だし今見ると「変ラボ」の加藤さんも頭をよぎるが、速さはともかく懸命に走っている姿はなんだかぐっとくる。
 それと、ピンポイントだけど9話の徳田のモノローグがめちゃくちゃいい。映像として映っているのは無表情な徳田だが、心の中ではどんな顔をして喋っているかが容易に想像できる。表情のある声をしていて、すごく好きだなと思った。もしかしたら加藤さんは声の仕事も向いているのかもしれない。というか私が聴きたいので是非やってほしい。

 

 

5.主題歌

 主題歌はみんな大好き「BE FUNKY!」。曲だけを聴いても「前へ進め!」という強いメッセージが伝わってくるが、ドラマと併せて聴くとまた感慨深い。徳田が走っている映像とともに流れる「BE FUNKY!」の疾走感は清々しくて、さっきまで頭の中を支配していた嫌なことも吹き飛んでしまいそうな感じがする。
 歌詞も「トラブルマン」の内容を反映したものになっている。「悩んでないでススメヨ」とか「難解な人生もいっそタノシメ」とか、これらの歌詞は聴き手に向けたものでもあるし、同時にドラマの主人公・徳田に向けた言葉のようにも思える。
 更に言うと、個人的には加藤さん自身「BE FUNKY!」がものすごく似合うと思っている。「こんな輝く世界 止まらない 期待・愛・未来」なんて歌詞があって、しかも加藤さんがそのパートを歌っていることに何度も感謝している。そのせいで多重に意味が重ねられて加藤さんと「トラブルマン」と「BE FUNKY!」のどれもが愛おしく思えて仕方がない。

 


6.いいからとにかく見て

 あとなんかもう加藤さんのビジュアルが最高。長めの前髪と明るすぎないけど暗いわけでもない茶髪は、作家イメージ*6の強い今ではなかなか見られない。「結局最後は顔かよ」って感じだけどとにかく恰好いいしかわいい。DVD-BOXは5枚組で、各ディスクに加藤さんの顔(どれも最高)が印刷されているからそれを見るだけでも楽しい。まずBOXを開けたときに見えるディスク1からもう既に恰好よさとかわいさで体力が削られる。その後もディスクを入れ替えるたびに加藤さんの顔を見ることになる。しかもどれもいい瞬間を切り取った写真なのでもう最高。
 7話・8話あたりから怒濤の徳田のターンが始まるが、現在の徳田と過去の徳田のギャップも良い。現在の徳田はスーツ姿(ネクタイなし)で周りの人には敬語で話すし一人称は「僕」だが、過去の徳田は彼女と話している場面が多いため砕けた口調で話すうえに一人称も「俺」だし私服。大家さんの部屋ではどこか委縮したままの徳田が回想シーンでは柔らかく笑う場面もあって、いろんなギャップがぐさぐさと刺さりまくる。
 他にも様々なポイントがあるけれど、転んで地面に倒れたり返り血浴びたり殴られて口の中切れたり自分の頭に銃構えたり、とにかくおたくの性癖に刺さりそうな加藤さんがいっぱい見られるから是非!!!

 

 

トラブルマンDVD-BOX

トラブルマンDVD-BOX

 

 

 最終話のクライマックスの「なんかよくわからんけどハッピー!」って気分が最高。何がどうハッピーなのかよくよく考えるとわからないような気もするが、とりあえず世界は救われたし、NEWSの「forever」が流れる中で描かれる彼らはどこか晴れ晴れとしている。未来はたぶん明るい。一難去ってまた一難去ってまた一難去ってを繰り返し、いつかは明るい未来がくるのだ。
 とにかく、いろいろあるけど最終的にはいい感じになるからハッピー!って気分。ハッピー!元気のない日は最終話を観ようって思うくらいにハッピー!(この記事を書くために全12話観終わった感想)(あくまで個人の感想です)(ハッピーには個人差があります)(深夜に観終わりました)

 

 以上、是非とも「トラブルマン」を見てくれ!!!という話でした。「トラブルマン」はいいぞ!!!

 

*1:「勇者ヨシヒコ」とかの枠

*2:2話~6話あたりはアパートの住人たちの過去話。7話あたりから徳田の話になるので、前半で飽きずに後半まで見てほしい。特に8話から怒涛だから!!!

*3:そういえば「パパと娘の七日間」の健太先輩も、入れ替わったパパと娘に振り回されていたし、舞台「中の人」も巻き込まれていた

*4:セカイ系の話になるとよく出てくる「きみとぼく/社会領域/世界の危機」にも当てはまらなくはない

*5:かつて放送されていたレギュラー番組

*6:加藤さん的には黒髪&前髪分けてデコ出しが作家イメージなのだろうか。作家として表舞台に出るときはだいたいそんな感じ

ポップンで叩きたいNEWS曲

NEWS ジャニーズ

 今は全然やらなくなってしまったが、一時期はひたすらゲーセンに通い、音楽ゲーム(以下、音ゲー)に明け暮れていた。私が好きだったのはpop'm music(以下、ポップン)というゲームで、上から降ってくる音符的なもの(ポップ君)に合わせて9つのボタンを叩く、という単純なゲームだ。しかし単純だからこそ奥が深くて難しく、さほど上達はできなかった。ガチ勢というほどにもなれなかった。でも、ものすごく楽しかった。ちなみに私が一番やっていたのは14~16あたり(PS2の10、12も)。特に好きだったのは15の「Apocalypse -memento mori-」。
 昨年末の飲み会で同じくNEWS担でかつて音ゲーマーだった方と「NEWSのこの曲を叩きたい」という話題で盛り上がった。「それ書いてくださいよ」と言われたので、せっかくだから独断と偏見で選んだ「音ゲーで叩きたいNEWS曲」を書いておきます。
 


 この記事では主にポップンで叩きたい曲を挙げていくのだけれど、ボタン構成は以下の図のようになっている。

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画像はpop'n music 15のHow to play(◆・◆ pop'n music 15 ADVENTURE ◆・◆)より引用

 

 わかりやすくするために左側の緑のボタンは「緑L」というように名前をつけておく。左から、白L、黄L、緑L、青L、赤、青R、緑R、黄R、白R。

 

<用語解説>
階段:階段みたいに連なって降ってくる
螺旋:螺旋状に降ってくる。階段の一種
乱打:左右にバラけて降ってくる。規則性はあったりなかったりする。
トリル:隣接するボタンふたつが交互に細かく降ってくる

 

 

<<ポップンで叩きたいNEWS曲ランキング>> 

5位 Change the world   難易度 ★★★☆☆

 最初のラップがリズムが掴めないし乱打だし左右ぶっ飛んだ位置を叩かせるしでちょっと難しい。でも出だしでくじけずメロディがわかるところまで頑張ったらちょっと簡単になる。サビはメロディ叩いたりリズム叩いたり入り混じるので難しいなと思うかもしれないが、慣れたら結構楽にいけるようになる。大体は覚えたらいけるし覚えられない範囲ではないし覚えて簡単に叩けるようになったらめっちゃ楽しい。
 間奏のギターがちょっとめんどくさい。ギターの音がぎゅいんぎゅいんしているせいで音がわかりづらくてどこを叩いているのかわからなくなりがちなのでよく見て叩いて覚える。さっきから「覚える」しか言っていないけど覚えるしかない。ていうか叩いてたら頭に入ってくる。気付けば体が先に動くようになるから大丈夫。
 こういう系統の青春ロックも結構多く収録されていた印象があるので一曲は入れておかないと!と思って選曲。そんなに難しすぎないと思うので是非挑戦してみてほしい。脳内の譜面を叩くしかないけど。

 


4位 BYAKUYA   難易度 ★★★★☆

 NEWSでいえば「BYAKUYA」、嵐でいえば「Monster」、エイトでいえば「Dye D?」。この系列のダークファンタジー曲はめちゃくちゃ楽しい。ポップンでいうとダークネス。ジズ様。
 イントロの高い音は右手。最初はボタンひとつずつだけどだんだんと音が大きくなるにつれ同時に叩くボタンも増える。バイオリンの音は青黄、青赤あたりを往復するように叩く。上がってくるタイプの階段が複数回続くし、歌い出し直前はトリルになっているのでイントロから地味に疲れる。
 1番AメロBメロはメロディに沿って叩くのでそんなに難しくはない。曲が頭に入っていれば叩ける。
 サビはメロディに沿って結構細かく動く。「迫る媚薬」「甘い吐息で」とかが特に早く動くので手が結構忙しい。1番ならまだいいが、後半になってくると疲れて落としてしまうこともあるので注意する必要がある。「BLACK&WHITE」のところは同時押しが続く。もちろん「BYAKUYA」もがっつり同時押し。黄L赤緑R→緑L赤黄R→黄L青L青R黄Rとか(でも白も使いたい)。
 二番のAメロからはメロディじゃなくてバックのパイレーツオブカリビアンみたいな音を叩くことになるので注意。1番と同じ間隔でいると落とす。
 間奏に入ったばっかりのところとか絶対楽しい!コーラスが入ってくるところからはいろんな音が重なっていて、それぞれから美味しい音を拾ってきて叩く感じなので、どこを叩いてるんだかよくわからなくなる。勘で乗り切れるときと全くできないときがありそう。ハマらないと上手くいかない。上手くいったときもなんで上手くいったのかよくわからない。
 最後の「BYAKUYA」の同時押しでかっこよく決めた!と思ったら実はまだ青R→青Lが降ってくるから注意。気を抜いていると忘れてしまう。なんとなくだけど「BYAKUYA」は赤ボタンを多用してきそうな気がする。左右に割り振ってくれていたほうが私は叩きやすいので赤ボタンが沢山出てくる曲は難しい。

 

3位 星の旅人たち   難易度★★★☆☆

 イントロ部分はリズムを左手で、バイオリンを右手で叩く。リズムは基本的に白Lだけだが、右手とズレるので地味に難しい。ピアノを弾くような感覚に近いのかもしれない。でもピアノ経験者だけど左右でリズム/メロディが分離しているタイプの曲はめちゃくちゃ苦手だった……。左右で捉えていたら急に両手で同じになったりまた分離したりするので脳が追いつかない。でも叩きたい。Aメロも左はリズムを刻み続けながら右でメロディ。バイオリンのではなく歌のメロディをなぞる。Bメロでようやく両手でメロディを叩くようになる。
 サビはメロディに合わせて叩く。規則性はあまりないけどきちんとハマるとめちゃくちゃ気持ちいい。そこまで難しくはないけど叩けた感がある。サビが終わるとまたイントロと同じくリズム左手、メロディ右手になる。この不規則乱打→規則性のある動きへの転換とかめちゃくちゃ楽しい。
 間奏もメロディに合わせて叩く。サビに向かう前はちょっと同時押しだけどそこまで難しくはない。そこから一旦静かにサビがあって、最後のサビに向けて盛り上がる。体力もそこまで使わないし、安定して叩ける。
 イントロは特徴的だが、それ以外の部分は普通だしイントロで落としても回復できるので難易度はそこまで高くないと思う。気持ちよくクリアできる楽曲。おそらく初心者~中級者向き。

 

2位 四銃士   難易度 ★★★★★

 ポップンにもクラシック曲がいくつかあるが、大体難しい。「四銃士」も例に漏れず難易度の高い譜面になることが予想される。休みなく常に叩いていなければならないため最後の方には集中力と腕の力で勝負することになりそう。実際にポップン叩いてた頃に腕の持久力が足りずに押したはずのボタンが押せていなくてフルコンボを逃したことは数知れず。
 まずイントロから同時押しが攻めてくる。緑LR・白LR・黄LRを音の上がり下がりに合わせて移動しつつ時々緑L白Rみたいなのを挟んでくる感じ。歌い出しの前のメインのリフっぽいタッタタラララタッタ-のところは両手で細かくメロディを追う。もうしんどい!歌が始まるとメインのメロディとタッタタラララタッタ-が交互に来るのでしんどい。サビ前はジャッジャジャってなるところを叩いてサビのメロディに入るけど、右手がメインで左手がサブ(英語のとこ)を叩くのでまた忙しい。ちなみにサビは何度かあるけど、二回目には別のところ(バイオリンの音)を叩くことになるので注意が必要。せっかく流れを掴んでもまた別のパターンが襲ってくる初見殺し。ていうか初見じゃなくても殺される。オーケストラ曲だとどこの音を叩いているのかよくわからないし、そもそも譜面が難しいので覚えようと思っても覚えられない。頑張るしかない。
 間奏の部分(電子音アレンジが効いているところ)が鬼門で、タッタタラララタが繰り返される上に大サビに向けて盛り上がっていくバイオリンの細かい音が続くので腕が疲れる。大サビ(「戦いはいつでも」)直前は連打。大サビで一瞬落ち着くけれどそのあとにくる最後のサビで腕がもっていかれる。「いざ立ち上がれ」の伸ばしている箇所(「上がれ」)とか、「あ」で白LR交互連打→「が」で黄LR交互連打→「れ」で再び白LR交互連打とかで疲れた腕に追い打ちをかける。最後まで休めるポイントがない、なかなかにしんどい譜面になりそう。
 まぁ4分くらいある曲をフルで叩くことは滅多にないので(過去はロング曲が用意されていたけど16からなくなったはず)、こんなに疲れる曲を実際に叩くことはないのかもしれない。でも叩くならフルが良い。

 

1位 愛のエレジー   難易度 ★★★★☆

 堂々の1位。というかこの曲のためにこの記事を書いたといえるくらい叩きたい。「Love Adicction」「ロメオ2015」など、小山さんソロ曲は叩きたくなる曲が多いのだが、その中でも群を抜いて叩きたいのがこの「愛のエレジー」。
 和の要素を取り入れた楽曲と音ゲーは親和性が高く、ポップンでも「凛として咲く花の如く」「たまゆら*1などの和要素のある楽曲は人気が高い。ハイパージャパネスク「夢幻ノ花」もいいし萌えポップ「おやしろのムスメ」とか大正ロマン的な要素のあるトーキョーロマン「恋する東京」も好き。太鼓や琴の音が入っていると叩きたくなるのかもしれない。
 Aメロ1は主メロに沿って、Aメロ2からはベースと琴の音を叩く感じ。「懐かしい香りがした」のあとに鳴ってる琴の音とかすごく叩きたい。Bメロはカッカッって感じで鳴ってるリズムの部分を叩いて、サビ直前の「タラタタタタ(最後の音がサビの始まりと被るとこ)」の盛り上がり(緑LR→青LR→黄L緑R→緑L黄R→黄LR→白LR、と同時押しが続く部分)に繋げていく。サビは乱打。この曲で一番叩きたいのは間奏。デンデンデンという三味線みたいな音(最初は青L×3でだんだんと黄L青L×3とかに増えていく)と細かな琴の音(階段)が繰り返される感じとかたまらなく楽しい。
 最後のジャッジャージャン!のところは白L緑L黄R白R→白L黄L緑R白R→白L緑L黄L黄R緑R白Rみたいな感じでいっぱい同時押し。油断してると落としそうだけど決まると楽しい。
 絶対楽しいのでNEWSは早く音ゲー界に参戦してください!!!

 

 惜しくもベスト5選外となったのは「push on!」「あなた」など。ちなみに初心者が叩きやすいのは「シャララタンバリン」「ささぶね」など。リズムがゆっくりめで音の数が多すぎない曲が楽に叩けると思う。

 言葉だけで書いてみたけどなんのことだかわからないな!わかる人は一緒に脳内譜面を叩きましょう!あと他の人の脳内譜面も覗き見したいので叩きたい曲を是非語ってください!

*1:2曲とも元々はKONAMIの別の音ゲーの曲だけど

この世にたったふたりのふたり

NEWS ジャニーズ ポルノグラフィティ 関ジャニ∞

 あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。当ブログでは私の主観を通して見る私の好きなものを今年も書き綴っていこうと思います。
 というわけで新年早々シンメの話をします。

 

 

 突然だが私はシンメが好きだ。
 シンメトリーという言葉から生まれた単語で、主にジャニーズ界隈で使用される「シンメ」という言葉。はてなキーワードの説明文を見てみると、ダンスの位置が左右対称である程度の意味しか説明されていないが、多くのジャニオタにとって「シンメ」はそれ以上の意味を持つ。それも、言語化するのが非常に困難な意味を。「担当」という言葉に費やす情熱を上手く言語化できないのと同じで、「シンメ」という言葉も表面的な意味以上の意味をもっている。
 
 あくまで個人のシンメ観に基づき、どう思っているかを言葉にしておこうと思う。
 
 本人たちの意思に関わらず決定されるのがシンメだ。こいつがいいと思っていようが、誰だこいつと思っていようが、選択肢なんかない。運命も偶然もない。あるのは上の人の思惑だけで、それもあるんだかないんだかよくわからない。何を基準に決められたのかわかるシンメもあればわからないシンメもある。そういう漠然と混沌の中からシンメは生まれる。
 最初は互いに自分の人生の「その他大勢」だったかもしれない相手が、いつしか唯一無二になる。どれだけ世界が広がって関わる人が増えていっても、互いの特別さは揺るがない。私の好きなシンメはそういった関係性だ。

 

 

・シンメの入り口

 私がシンメの魅力に気付いたのは関ジャニ∞のヨコヒナである*1
 横山さんが構成を考えていたエイトレンジャー(映画じゃなくてコンサート内で披露されるコントのほう)は、概ねナスレンジャー(村上さん)がキーマンとなっていた。村上さんもそれに応えるだけの力を持っていたし、横山さんは誰よりも村上さんを活かすことができる人だと思う。
 私は基本的には「ドッキリ」というものがあまり好きではない(人が恥をかかされ笑われる様子を見るのが嫌)なので、PUZZLEのDVD特典として収められている「Babunマン」を初めて見るときはすごく緊張した。次々と仕掛ける横山さん。次々と騙されていく村上さん。こんなに素直に騙されて、ネタばらしされたときにひどく傷ついてしまうのではないかと怖かった。
 しかし、ネタばらしをされたときの村上さんの第一声は「俺いまめっちゃおもろいやん!」だった。やばい、この人すごい、と思った。しかし、村上さんがこれだけ面白くなったのも、村上さんに嫌な思いをさせないのも、仕掛けたのが横山さんだからだ。長年一緒にやってきて信頼関係を作り上げ、村上さんを知り尽くしている彼だからこそできることで、他の人には絶対にできない。仕掛ける側が横山さんで、騙される側が村上さんでなければできない。その圧倒的シンメ力に私は完敗したのだった。別になんの勝負もしてないけど。
 村上さんも村上さんで、横山さんのちょっとだらしない部分をしっかりサポートする。ファンが見ることのできる部分では、トークの場面などで発揮されることが多いように思う。最近ではなかなか目にする機会がなくなってしまったが、かつてのレコメンやヒルナンデスなどでよく見られた。
 どちらが前に出てどちらが一歩下がるか、その配分が抜群に上手い二人。その配分を、頭で考えているというより体に染みついた技であるように見えるところが、二人の唯一無二感を更に印象付ける。二人の唯一無二を見せつけられたとき、心が動かされる。これが「尊い」という感情なのかもしれないと思った。これが私のシンメの目覚めである。

 

 

・ジャニーズ以外におけるシンメ的な存在

 ヨコヒナを通してシンメの魅力に気付いた私は、以前からこのシンメに似たものを知っているということにも気付いた。
 ポルノグラフィティのお二人である。ボーカル、ギター、ベースで構成されていたスリーピースバンドは、デビュー5周年を迎える前にベースを欠くこととなった。いつのまにか、二人の期間が三人の期間に並び、追い越し、今では倍以上となった。
 高校時代、ギターの新藤さんがバンドを組みたくてメンバーを探したのがきっかけとなって結成されたという意味では自分たちの意思で組まれたバンドだが、その頃には二人になるとは思っていなかっただろう。デビュー前にドラムがいなくなり、デビューから5年してベースがいなくなった。二人になる予定はなかったのに二人になった。そういう意味で、成り立ちはシンメと似ていなくもない。
 三人から二人になるとき、解散も考えたのだという。どちらかの家で話すのも店で話すのも気まずくて、二人の家から真ん中くらいにある公園で話しあったというエピソードが、2013年になって語られた*2。二人になったのが2005年のことで、随分あとになってこのエピソードを知った私はとても怖くなった。二人が今の"二人"でなかった可能性が十分にありえたことを、今更になって知らされたことがとても怖かった。

 新藤さんと岡野さんは、二人で続けていくことを選んで今に至る。新藤さんはバンドをやりたくて高校時代にバンドを組んだのにドラムが抜けベースが抜け、ぎりぎりスリーピース「バンド」と呼べていたものがもう呼べなくなった、という話を当時のエッセイに書いている。メンバー加入や解散して新たなバンドを組むことも選択肢にはあったのかもしれない。それでも、彼らが選んだ道はバンドという形態を捨てて二人で「ポルノグラフィティ」を続けるというものだった。
 シンメ的な尊さは、"二人"であることを強いられた二人が、"二人"であることを選びとるところにある、と私は思っている。ポルノグラフィティが二人になった経緯はまさにこの尊さに当てはまる。ジャニーズのシンメのように小さい頃から時間を共有しているわけではないが*3、互いに互いを活かしあう関係を築いている。
 新藤さんがメンバー紹介で岡野さんを紹介するとき、「俺の最高の顔見知り」と表現したことがある。近くもなく遠くもない、あるいは近くて遠い、二人の関係性を示すとても優しい言葉だと思った。
 ポルノグラフィティが三人のままだったら、きっと今と同じように好きでいるだろう。しかしもし解散してそれぞれ別に音楽をやったとしたら、私はそれを好きにはならないだろう。
 実際、新藤さんが現在やっている別ユニットには興味がない*4。どちらかといえば新藤さん寄りのファンであるにもかかわらずだ。私が求めるのはポルノグラフィティの新藤さんで、それはつまり岡野さんの隣でギターを弾く新藤さんだ。私にとっては「ポルノグラフィティ」でなければ意味がない。
 しかもこの前のシングル「LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」はその構成から既にシンメみたいな構造だしね!みんな聴いてね!

 

penguinkawaii.hatenablog.com

 

 

 

・シンメ×2で構成されるNEWS

 テゴマスは「歌」を軸に結成されたシンメだ。テゴマスとしてのCDデビューからもう10年が経った。
 二人の歌声はお互いを活かしあう。テゴマスの歌声を語るときに必ず言ってしまうのだが、手越さんの声は高く響き、増田さんの声は広く響く。二人で歌えば、縦と横に声を響かせることができる。声が混ざり合いながら、しかし混ざり合いすぎることはなく、互いの声がちゃんと独立して聴こえるのに、ひとつの音楽として成り立つ。NEWSでは様々なパターンのペアでのハモりがあるが、単純に音だけ聴いたときに互いを活かしあう声の組み合わせというとテゴマスに勝るものはない。
 テゴマスを指して「戦友」と呼んでいる場面を時折見かけるが、まさに二人は歌を武器にして闘ってきたように思える。歌を軸に結成されているからこそ、歌で負けてはならない。「テゴマスの青春」コンサートにてアカペラで披露された「青いベンチ」を聴いて、二人が歌に自信を持っていること、互いの歌を信頼していることが伝わってきた。
 しかし、歌以外の要素に目を向けると、さほど共通点は見えない。キャリアの長いJrだった増田さん、事務所に入ったばかりだった手越さん。昔のエピソードを振り返ってみても、もう一方のシンメのようにべたべたした付き合いはないように見える。
 歌以外で二人に共通点があるとしたら、それは「プロのアイドル」という意識だろう。常に完璧であろうとする姿勢。自分にミスを許さない姿勢。だからこそ二人は「戦友」だ。傷は舐め合わない。傷を負ったって平気なふりをする。共に戦う仲間でありながら最大のライバルでもある。
 テゴマスの現場は青春コンしか行っていないが、そこで見たMCが二人の関係性を示しているようでとても微笑ましかった。「月の友達」に出てくるキャラクターを「うーちゃんって名前にしよう」と提案する増田さんと、「もう終わった公演では月の友達って言ってたよね?」と戸惑う手越さん。結果、よくわからないままその話題は終わる。投げっぱなしである。
 サイリウム型ペンライトについての説明も、「青春といえばサイリウム、次の日には消えてしまっているのがまた青春」という増田さん、一方で「もったいないでしょ」という手越さん。そしてその間をとって作られた、サイリウム型ペンライト。
 お互いに、いまだに未知の存在であり続けているのだろう、と思う。お互いのことはわからないしわかってほしいとも思っていない。相手の歌声を知っていればそれだけでいい。「QUARTETTO」オーラスのMCで加藤さんと小山さんがトイレに行っているあいだ、即座に歌って場を繋ぐことを決めてその場で音合わせをして歌っていたのも、二人の信頼関係を見せつけられたような感じがした。
 二人の関係性をイメージするとき、「背中合わせ」だと思う。お互いのことは見ていなくても歌声は届く。そこにいるのがわかるから、背中を預けて闘える。二人にあるのはそういった信頼関係だ。でも私知ってるよ、増田さんの「話題がファッションしかない」というところに唯一触れられるのは手越さんしかいないってことを。離れようとしても磁石みたいにくっついてしまうふたりだってことを。
 
 NEWSのもう一方のシンメ、コヤシゲはイメージでいうなら「向かい合わせ」。向かい合ってお互いのことをひたすらよく見て、お互いのことを誰より理解できていると言外に思わせるような、そんなふたり。
 2017年初頭、いきなりコヤシゲがシンメたる所以を見せつけてきた。「有吉・櫻井 THE夜会」で放送された二年振りの夜会にて、2011年の話が出てきた。「2人になってもNEWSやろう」という加藤さんからのメールの話をして小山さんは「(シゲは)俺の事を大事に思ってくれてる」と言っていた。
 自分が誰かから大事に思われていると実感できることってそうそうあるわけではないし、すごく幸せなことだと思う。しかもそれが、仕事上最も身近なところにいるメンバーなのだからきっと幸せなことだろうなと思う。更にはそれを言葉にして相手に伝えているのだから、なんかもうすごいな、としか言葉が出ない。加藤さんも加藤さんで「その想いは変わってない」と小山さんの言葉に被せ気味に断言する。相思相愛という言葉すら安っぽく思えてしまうくらいに、ふたりの間にはふたりにしかわからないものがあるのだろう。
 小山さんが加藤さんの言葉に嬉しそうに頷くのも、とてもいいなと思った。きっと小山さんにとって加藤さんは、欲しいときに欲しい言葉をくれる人なのだろう。そういう相手になんて、なかなか巡り会えるものではない。それが同じグループにいるということ、しかもシンメであることって一体どれほどの奇跡なんだろう、とどこかで聴いた歌詞のような感想を抱いた。
 また、NEWSが4人でやっていけるかどうかというときに、加藤さんは小山さんのサポートに徹したという話(詳しくは2015年Myojoの1万字インタビュー、2012年+act mini vol.19等)もぐっとくる……というかむしろ、どちらかというとぞっとする。「俺がどうしたいとか、いい。この4人でいられたら、それでいいって結論で、」*5と加藤さんは語っているが、もしそれで小山さんが諦めてしまったり上手くいかなかったりしたときはどうするつもりだったのだろうか。勿論小山さんのバックアップをしているのだから何もしていないわけではないけれど、基本的には小山さんのやりたいことをバックアップするのであってそこに加藤さん自身の意思が反映されているわけではない。決して軽くはない自分の行く末を他者にまるごと託すことができるなんて正気の沙汰じゃない、と私には思えてしまう。だって、何があっても自分のせいにできるんだから、他者を信じるより自分を信じたほうが楽だし。でも小山さんと加藤さんが築き上げてきた信頼関係の中では行く末を託すことが可能だったんだろうと思うと、私には絶対にわからない未知の領域なんだと白旗を降るしかない。
 コヤシゲは自分たちの関係を「親友」「ソウルメイト」と表現する。私にはそう呼べる関係の人がいないから、一体どんな気持ちで自分たちの関係に「親友」「ソウルメイト」という名前をつけるのかよくわからない。きっとそこにはふたりしか知らないことがあるんだと思う。2015年Myojoの1万字インタビューで、加藤さんは小山さんに言われて心に残っている言葉を教えてくれなかったくらいだから。
 言葉にするのが難しいけれど、このふたりは互いへの執着が強いように思える。きっとふたりで手を取り合わないと乗り越えられないものがあったのだろう。私が知るすべもないことだけれど。
 


 
 私はシンメが大好きなのでシンメにばかり目が向いてしまうけれど、今のNEWSはシンメ以外でペアを組むことも多い。新曲「EMMA」は小山さん・手越さん/増田さん・加藤さんでAメロBメロの歌割が対照的になっていて、なんだか新鮮に感じた。今後はもっと多くなってくるのだろうと勝手に思っている。しかしだからといってシンメのよさが失われるわけではない。シンメ以外のよさが更に発見されるだけのことだ。

 

 なぜこんなにもシンメに惹かれるのか。私とは全く関わりの無い他者同士の人間関係を取り上げて語るなんて気持ち悪いなと思いながらもやめられないくらいに惹かれている。
 他の人がどうなのかはわからないのであくまで個人的な考えを述べると、「自分は絶対に手に入れられない関係」だからだと思う。
 友達よりも密で、ビジネスパートナーとしても成立している。最も近くにいる味方であり、最も近くにいるライバルでもある。シンメとは、非常に特殊な関係性だ。そもそもそういう関係性は、一般の世界に生きていて生まれるものではないのだろう。芸能界という特殊な場所だからこそ生まれる。
 私はそもそも中学までの知り合いとは全く連絡を取っておらず、高校からの友人が数人、大学からの友人が数人、それ以降に(主にネット経由で)知り合った人がそこそこの人数、といった交友関係の中で生きている。その中に、「親友」と呼べるほど特別な誰かはいない。信頼を置いている友人たちはいるが、それは「親友」とはまた違うと思う。ジャニオタの方々がよく言う「相方」という存在もいない。私に見えている世界は私だけのものだから他者とは共有できないものだけれど、それでも隣に誰かいたら違うのかな、と思うことはある。
 ないものねだりはよくないと思いながら、私は今日もシンメに惹かれる。

 

 

*1:丸山さんが一番好きだが、シンメとして一番好きなのはヨコヒナ

*2:ポルノグラフィティが語る“メンバーの脱退”と“分岐点”に、SMAP・中居も共感。 - エキサイトニュース

*3:とはいえ高校の同級生ではある

*4:はじめはCDこそ買っていたものの積極的に好きにはなれなかった。だからといって嫌いだとかやめてくれだとか思っているわけではない。自由に楽しくやってくれればそれでいい

*5:+act mini vol.19 インタビュー

さよなら私の亡霊

ポルノグラフィティ

 勢いだけで書いたはいいけれど、どこかに置き場が欲しかったのでここに置いておきます。あとで消すかもしれない。

 

 

 ポルノグラフィティの歴史を紐解いていくと、Xというバンドの名前が出てくる。高校生の頃、彼らがコピーしたバンド。文化祭でやった「紅」という曲の話。友達がスモークの代わりにドライアイスをたいてくれたとか、父ちゃんの釣りベストを裏返して着ていたとか。
 そんな彼らがニコ生のYOSHIKI CHANNELに出演することになった。これは見なければいけない、と私の中から声がした。今まで一度もニコ生の有料放送は見たことがなかったし、そもそもニコ生すらほとんど見たことがなかったけれど、とりあえず864円を払えばいいということだけ把握したのでチャンネルに入会し、始まるのを待った。


 正直なところ、YOSHIKIさんについては「X(X JAPAN)というすごいバンドのすごい人」という認識で、「すごい人」というのはわかっていたしテレビで演奏を見てすごいなと思ったけれど、リアルタイムで楽曲を聞いていたわけではないので深くは知らなかった。「ポルノの、特に新藤さんの憧れのバンドの人」という認識だった。
 始まってすぐ席を外さなければならなくて、戻ってきたのは12時50分くらいだったと思う(前半の話もとてもよかったと聞いたので早くタイムシフトが見たい)。慌ててPCの前に駆け寄ると、ちょうどセッションが始まる直前だった。
 岡野さんも新藤さんも、緊張しているのがすぐにわかった。途中から見始めたけれどリハなしであることもすぐにわかった。YOSHIKIさんがピアノの前に座り、何かを弾き始める。何度も何度も、私の人生の半分以上聴き続けたメロディだった。サウダージ
 岡野さんが歌い出して、新藤さんもギターを弾き始める。聴き慣れた曲が新たな色合いを帯びている。しかしだんだん合わせるのが難しくなり、岡野さんの歌が途切れる。困った岡野さんが新藤さんを見ると、ギターの音がメロディを先導して岡野さんの歌声とYOSHIKIさんのピアノを繋ぎ止めた。曲が終わり、YOSHIKIさんがサウダージを好きだと言ってくれた。私の憧れの人の憧れの人が、私の憧れの人を認めている。すごい瞬間を目にしている、ということだけはわかった。歴史が刻まれた瞬間を目撃してしまった、と思った。
 そしてもう一曲、今度は「ENDLESS RAIN」。岡野さんは歌い出しから歌が上手くて、歌が上手い以外の言葉が出てこないくらい歌が上手かった。原曲はテレビで聴いたことがある程度だったけれど、ニコ生のコメントを見る限りキーを下げてあったようだった。そのせいか、YOSHIKIさんは少し弾きづらい部分もあったのかもしれないけれど、とても楽しそうな顔で演奏しているように見えた。新藤さんが弾いたギターソロはとても優しい響きだった。どこか誇らしげにギターを弾く新藤さんの姿。コメントを見ると、「完コピだ」という言葉がいくつも見えた。かつてギター少年だった頃の新藤さんの姿が、一度も見たことがないはずなのに見えた気がした。憧れと共に、憧れを演奏しているから、あんなにも誇らしげだったのだ。ギターが始まる前のところから完コピしてたんです、と話す新藤さんはとても楽しそうだった。
 セッションが終わり、YOSHIKIさんはポルノの二人にツアーがあるのかどうか尋ねた。あったら行きたいということも言っていた。新藤さんは「昔の自分と邂逅できた、誇らしい気持ちだった」というような内容を話していた。私の見たものは間違いじゃなかったんだ、と思った。記念撮影のときは、二人ともまるで少年のような、とてもいい表情をしていた。


 ポルノが出ている第一部が終わった。なんだかとても、晴れやかな気持ちだった。
 なぜこんなにも晴れやかなのだろうと思ったけれど、それは多分私の中にいた亡霊が成仏したからだと思う。
 私もかつて音楽ですごくなりたいと思ったことがあったし、文章を書くことですごくなりたいと思ったこともあった。すべて、ポルノグラフィティという私の憧れに届きたかったからだ。ポルノグラフィティと共に音楽を奏でられたらと思っていたし、新藤さんの書く文章に憧れていた。中学生の頃の私は、手が届く気がしていた。手が届くといっても、追いつくという意味ではない。憧れと対峙することができるとか、認めてもらえるとか、そういう意味だ。いつかあの憧れに手が届いて、認めてもらえる日が来るに違いないと思っていた。高校生の頃、進路を決めるときまでは思っていた気がする。いつからか、憧れは届かないから憧れなのだと思うようになった。私にはそれだけの実力が備わっていなかったし、それ以上はどう努力すればいいのかわからなかった。
 でも、私の憧れの人は、憧れの人に出会い、ちゃんと届いた。音楽が届いて「この曲が好き」と言われたり、「ツアーに行きたい」と言われたりしていた。とても楽しそうな顔で演奏をしていた。私はそれが嬉しくてたまらなかった。
 私の憧れの人が憧れの人に届いたことで、憧れに届きたかった私の亡霊は静かに成仏していった。だって私は自分でその道を断ったのだ。これ以上は努力してもどうにもならないだろうと諦めた。多分やろうと思えばいくらでも努力する方法はあった。だけど私はそれを選ばなかった。その決断をしたのは間違いなく私だ。そうやって、私は憧れに届きたい私を殺した。
 間違った選択だったとは思っていない。後悔もしていない。だけど、行く宛てのない気持ちは亡霊となって残ってしまっていた。私もあんなふうに音楽をやりたかったし、あんなふうに言葉を紡ぎたかったし、できると思っていた。そうだったね、そんなふうに思っていた日々もあったね。
 この生放送を見なくちゃいけないといった声は、私の亡霊のものだったのかもしれない。憧れの人が憧れの人に届くのを見届けて、とても優しくてあたたかな気持ちで満たされて、私の中を彷徨っていた亡霊は今夜消えた。だからこんなにも晴れやかな気持ちで夜中の3時を迎えているのだ。だからこうやって時折目元を拭いながらこの文章をしたためているのだ。

 

 さよなら、私の亡霊。
 なんだか今年はいろんなものとさよならをした気がする。ちょっとずついろんなことを過去にしていく。振り返ってみたら、こんな私でももうそこそこの年数を生きてきたらしく、相応にいろんな出来事があった。少しは大人になれただろうか。どうだろうな。まだわからない。
 そろそろ寝なくちゃ。

 

 いてもたってもいられずiTunesで「ENDLESS RAIN」を購入した。新藤さんが誇らしげに弾いていたギターソロを思い出して、つい口元が綻んで、またちょっとだけ涙が出た。