来世はペンギンになりたい

好きなものを好きと言うために生きてる

「かわいい」の魔法

 今日も今日とて100%主観の話です。他者ではなくて「私」。たまにaskなどで質問がきたりするので、私はこんな感じですという話。

 

 私には呪いがかかっている。
 自分の容姿がとてもひどいものに思えてしまう呪いだ。残念なことに、呪いが解けたとしても美しい姿に変身できるわけではなくそのままなのだけれど。

 病院に行くほどではなかった(と思っている)けど、いわゆる「醜形恐怖症」「身体醜形障害」に近い状態だったのだと思う。小学生の頃、後ろで上級生たちが私の容姿についてあれこれ言っている声が聞こえた。一度気になってしまったら、他の場所でも容姿についてあれこれ言われがちらしい、ということに気付いてしまった。そんな感じだったので、一時期は他者に不快感を与えたり笑われてしまうのがつらくて外出をキャンセルしまくったこともある。今はちゃんと外出するけれど、つらく思うことはたまにある。
 私は特に「肌」に対するコンプレックスがひどい。体の成長が早かったこともあって小学校3年生くらいからずっとニキビに悩まされてきた。皮膚科に通ったり様々な洗顔料を買ったりしたけれどあまり効果がなかった。それでも「大学生になれば治るよ」「二十歳になれば治るよ」という根拠のない言葉を信じ、高校生までは「私も大学生になれば何か変わるのだろう」という甘い期待を抱いていた。しかしいざ大学生になっても何も変わらない。むしろ慣れない化粧のせいでより醜くなる。あまりに肌が醜くて外出できず予定をキャンセルすることもあったし、一度化粧をしても肌が気に入らなくてまた洗顔から繰り返すこともあったし、鏡の前で30分以上薬を塗り続けていることもあった。今考えればそうした行為は異常だった、と認識できるけれど、当時はそんな余裕はなかった。
 余談だけれど私は誰もいないところでは鏡を見続けてしまう。もし醜さで周りに迷惑をかけていたら……とか笑われるような見た目だったら……と思ってしまうので、鏡に「そこまででもない自分」が写っていたら安心できる。もし「そこまででもない自分」ですらなかったら「そこまででもない自分」になるまで動けない。だから鏡を見続けてしまうこともある。ブスは鏡なんて見ないでしょと思ったら大間違いだぞ!
 加えて、ニキビができ始めた頃から体重が増え始め、中学生の頃は人生で一番重かった。「この人のためにきれいになりたい」って人がいるわけでもないんだし色気づく意味もないし別にいいやと思っていたけれど、異性から容姿をからかわれる機会は多かった。
 呪いの原因はなんとなくわかっている。容姿をからかわれてきたこと、そして親からの言葉。もっと明るい受け取り方ができる性格ならよかったのだが、あいにく私はそうではなかった。心の弱い娘でごめん。
 肌に関しては、スキンケアにかけるお金を上げたことでだいぶ改善した。かつてはメイク落としも洗顔も化粧水も乳液もすべて肌にしみるものだと思っていた(みんな痛いのを我慢して使っているんだと本気で思っていた)が、今は全くしみないし、かつてはクリーチャーのような肌だったことを思えば今はなんとか人間になれている(と思いたい)。体型も、人生で最も重いときよりは体重が減った。さすがにあの頃の写真は顔つきも太っているけれど、一度ぐっと体重が落ちて以来、体重が増えたとしても顔に出なくなった。
 それでも、自分に自信がもてたかといえば答えは否で、時折とてもつらくなることがある。なにが引き金なのかはわからないが、このままではとてもじゃないけど外に出られない、と思ってしまう。どうにか自分を騙して外に出ても自分が醜すぎてみじめな気持ちになってしまう。誰かから笑われてしまうのではないかと不安になる。
 だが、そんな呪いを解く魔法の言葉がある。


 「かわいい」。
 誰かからこの一言を言われるだけで、なんだか大丈夫な気がしてくる。ちょっとだけ背筋が伸びる。顔を上げて前を見ることができる。呪いのことを忘れることができる。「かわいい」あるいは「かわいい」に準ずる言葉は、私にとっては強力な魔法なのだ。
 勿論、この話はすべての人に当てはまることではない。あくまで私の話だ。自分で自分をかわいいと思っているわけではないけれど誰かに言ってもらえたら、という気持ちが心の奥底にあるのだろう。己の容姿が好きではないし自信もないので、自分で自分を認めることができないから代わりに誰かに認めてもらいたいという気持ちがあることは否定できない。

 NEWSはファンのことを「かわいい」と形容する。
 ひねくれた気持ちで生きている私にとって、NEWSのその言葉は本当に嬉しい。NEWSがファンに対して「かわいい」と言うのが好きで好きでたまらない。
 NEWSのコンサートはデートだから、オシャレな恰好をしてくる人も多い。あっちもこっちもかわいくてこんな中に私がいてごめん……という気持ちになるけれど、毎年緑色の服を新調しているし、一年で一番美しくありたい日をあげろと言われたら間違いなくコンサートの日をあげる。そのためには無駄なあがきもいろいろとする。パック買ったりとか、ちょっと高いトリートメント買ったりとか。マッサージしてみたり筋トレしてみたり、できることはなるべくやる。そんな状態なので「かわいい」と言われると、見た目に対する努力を認めてもらえた気持ちにもなる。努力が認められたら、それは単純に嬉しいことだ。

 増田さんが今回のツアーグッズのパーカーをファスナーで前が開くタイプにしたことについて、「去年はパーカープルオーバーだったけど今年はジップ式で脱ぎやすくしてみんながパーカー着てるとことお洒落してるとこを両方見られるようにした」「みんな髪もおしゃれしてきてくれるから(脱ぎ着して髪型が崩れないように)今年はジップ式にした」というような発言をしていた。
 コンサートにオシャレをしていくことを、ステージの上にいる人たちがわかってくれているってとても幸せなことだなぁ、と思う。もっとオシャレしたいとかきれいになりたいとか、そういう気持ちが前向きにわいてくる。私が何をしたってかわいくなれるわけがない……と思うより、少なくともNEWSが「かわいい」って言ってくれる!と思うとやる気が出てくる。見てほしくて着飾ったりメイクに気を使ったりするわけではないけれど、それでもやっぱり嬉しい。
 昨年入ったコンサートでは、MCでファンが着ている服の色や靴紐の色の話をしていることもあった。私が思っているより、NEWSはファンのことをよく見ているんだなぁ、と思った。
 でも、NEWSが見ているのはオシャレをしているとかそういう部分だけではないんだろうな、とも思う。「美しい恋にするよ」で小山さんが「みんな笑顔がかわいい!」と言っていたけれど、きっとあのとき小山さんにはファンのかわいい笑顔が見えていたんだろうなと思うと(自分はその場にいなかったとしても)なんだか嬉しい気持ちになる。手越さんが10周年コンサートのトリプルアンコでデレデレしながら会場を見渡していたのもすごく嬉しい。ファンはこの人たちの目に「かわいくていとしいもの」として映っているのだ。
 特に手越さんの存在が大きい。手越さんはファンのことを心から愛しいと思っている顔をしている。嘘のつけない彼のことだから、きっと心底愛おしいと思っているのだろう。それが本当に嬉しい。私に向けたファンサじゃなくても、手越さんが愛おしいものを見る目で会場を見渡すのがたまらなく嬉しいのだ。
 私は生まれてから23年間彼氏がいなかったし10周年コン当時はその23年間の中に含まれているので、誰かに「かわいい」と思われることの嬉しさを知ったのはNEWSのおかげだった。
 コンサートを「デート」と呼んでくれるのも、私にとってはありがたい。「デートだから」という、オシャレなんて似合わない私でもオシャレをする言い訳になるからだ。たったそれだけの言葉で、気持ちは変わる。

 NEWSがファンを「かわいい」と思っているのなら、その言葉に沿うような自分になりたいと思った。少なくとも、そのための努力をしようと決めた。
 スキンケアに力を入れ始めたのもNEWSに出会ってからだし、多少は納得のいく肌になってきたから今度はメイクをもっと勉強しようと思って実際にし始めたのも「美的」での連載が始まった頃だ。メイクはまだいろいろと試しているところだけれど、似合う色というのがなんとなくわかってきた。それといつのまにか太ってしまっていたので(顔に出ないし体重計が家になかったから気付かなかった……めっちゃショック……)、一番よかった体重まで戻そうとしてジムにも通っている。少しずつではあるが結果は出てきている。

 

 だからといってNEWSのためにオシャレをしているのかといったらそういうわけではない。私は私のためにオシャレをして、精一杯「かわいい」に近づこうとする。
 かつての私は、私がオシャレをするのは恥ずかしいことだと思っていた(あくまで「私がオシャレすること」。他者のことは関係ない)。「お前みたいな奴が悪あがきをしてもどうにもならない」「どうせ醜いんだから何をしたって意味ない」という内なる声がずっと聞こえていた。当時一番に追っていたグループのコンサートに行くときも、他者にとって不快だったり嘲笑の対象となる容姿であることはわかっているから好きな人たちに迷惑をかけたくない(ひいては誰かに笑われたくない)という気持ちで服を選んだり化粧をしたりしていた。コンサートにむけて何もしないわけではなかったけれど、とても後ろ向きな気持ちで「コンサートの場にいても許される容姿」を目指していた。
 でもきっと許されるとか許されないとかではなくて、自分がどう思うかなんだろうなと最近は思っている。誰も私のことを許してくれないし、そもそも誰も許す/許さないの判断を下す権利など持っていない。持っている人がいるとしたら、それは私だ。「かわいい」という言葉を自分ではない誰かからもらえることは嬉しいけれど、それはただの言葉であって、なんの許可でもない。NEWSからの「かわいい」をきっかけに、最近はそんなふうに思うようになった。
 NEWSのコンサートに行くようになってからは以前よりも前向きな気持ちで、ときには「楽しい」とさえ思えるような気持ちでオシャレをするようになった。強迫観念に駆られる部分が減ったように感じる。何がどう変わったのかを言葉にするのは難しいけれど確かに変わった。笑われないようにとか迷惑にならないようにという気持ちの先が見えてきたのかもしれない。「かわいい」という言葉にはそれだけの力がある。
 自分の容姿は好きではないけれど、別にそれだってよくて、自分の容姿を好きではないことと「かわいい」の努力をすることは別だと思えるようになった。他者から見たらわからないかもしれないけれど、私の中では納得のいく答えを出すことができた。
 以前の私は強迫観念に駆られるようにスキンケアをしたり化粧をしたりしていたけど(今もその名残がないとはいいきれないけど)、楽しんでいる部分も大きい。心が女児なのできらきらしたアイシャドウに弱いし、奇麗な色のリップにも弱い。小さい頃は買ってもらえなかった変身アイテムを簡単に手に入れることができると思うと、なんだか楽しくなってくる。コンサートに向けて「今回のコンサートではこのアイシャドウを使おう」とあれこれ考えながら買って、実際にどう使うか試している時間も楽しい。コンサート前の最後の悪あがきの期間さえ、なんだか楽しいと思える。

 

 呪いも、魔法も、ただの言葉だ。でもその言葉たちに苦しめられたり、救われたりする。「醜い」と言われたからって醜くなるわけではないし、「かわいい」と言われたからってかわいくなるわけではないのに、心が重くなったり軽くなったりする。
 NEWSのコンサートで女の子たちがきらきら輝いているのは、きっとNEWSの「かわいい」の魔法の力もあるのだろう。これからもたくさんのファンに魔法をかけてほしい。私もその魔法にかかっていたい。

私の好きな加藤さん30選 ―30歳の誕生日によせて2―

 加藤さん、30歳のお誕生日おめでとうございます。短歌のほかにも何かできないかなと考えて、やはり私には文章を書くことしかありませんでした。
 祝っても祝っても祝い足りない!!!なので私の好きな加藤さん30選を勝手に並べます。時系列順ではないのでちょっと読みにくいかもしれないけれどご容赦ください。

 


01.「トラブルマン」の徳田さん
 加藤さん出演ドラマでダントツで好き。つっこみどころ満載のファンタジードラマだけれど、むしろそれが良い。クライマックスに向けて狂ったようにテンションが上がってしまう。
 加藤さんのビジュアルは勿論のこと、走ったり戸惑ったり泣いたり血まみれになったり自分の頭に銃突きつけたりするなんてあんまりにも最高すぎる。加藤さんはモテるかっこいい男の子の役が多かったけれど、感情をむき出しにする場面の迫力が本当に圧倒的なのでもっともっともっともっとこういう役が見たい。
 見たことない人は是非とも見てください!!!

 

02.「I・ZA・NA・I・ZU・KI」の加藤さん
 「くっちづっけっを~♪」だけではなくて、その後の「白く溶けるうう~う~♪」で体を折り曲げて歌うところが好き。昔の映像を見ても今の映像を見てもだいたい折り曲げて歌っているので、癖なのかパフォーマンスなのかわからないけれどやってくれないとめちゃくちゃ寂しい。これからも宜しくお願い致します。

 

03.「カカオ」の加藤さん
 作詞作曲、そして演出にも関わっている。いかにも、と言わんばかりに「大人っぽくありたい」が滲み出た世界観。気だるげでありながらギラついた目が好き。今の加藤さんにあの目ができるかって言ったらやっぱり違うと思う。あれはあの頃にしかない、たぶん誰もが失いゆく光だ。映像に残してくれてありがとう。
 きっと加藤さんは表現することが好きなんだなぁ、今は技術も知識も沢山増えてできることが増えたんだね。

 

04.インタビュー時などになかなかカメラを見てくれない加藤さん
 だいたい視線が右下を見ている。
 これ系の加藤さんで一番好きなのは、『ピンクとグレー』発売時に本屋で流れていたインタビュー映像。『閃光スクランブル』の写真展をやっていたときの紀伊国屋書店でもずっとリピートされていてずっと見ていたのを覚えている。自分の書いた本についての話をするのにまだ慣れていなくて、ぼそぼそとした声のトーンで、全然カメラなんて見ないで右下ばかり見ていて、右下に言うべき言葉でも落ちているのかなと思うくらいで、あぁこの人のこと好きだなぁと再認識した。

 

05.映画「ピンクとグレー」舞台挨拶の加藤さん
 映画「ピンクとグレー」特典ディスクには舞台挨拶や青学でのイベントの映像が収められている。メイキングには加藤さんカメオ出演シーンについて本人が話している場面もあるというシゲ担にも優しいつくりなので是非。
 出演者の方々が喋る場面も収められているけれど、加藤さんは誰よりも饒舌だし喋るのがめちゃくちゃ上手い。余計な間がなく、すらすらと言葉が出てくるし、声のトーンも聴きやすい。ぼそぼそとインタビューに応えていた頃とは別人みたい。でも好き。
 特に好きなのは大ヒット御礼舞台挨拶で「一番好きな(気に入っている)場面」を聞かれたときに「いっぱいあるから一番は決められないけど」と言うところ。さすがに社交辞令かなと思ったらその後どんどん「このシーンのこういうところ」を挙げていく。話したいことが止まらないのか早口になってしまったりも。そういうところが好き。

 

06.「SORASHIGE BOOK」のシゲ部長
 「俺ら」な加藤さんが垣間見えるシゲ部。音楽や映画の話で盛り上がりすぎてメールが2通しか読めなかったり、「あ~もう時間なくなっちゃった」と早口で締めたりする。好きなものについて言葉が止まらなくなってしまうの、おたくあるあるすぎて「わかる」しか言えない。
 ときにはそんな話しなくていいよと思うようなメールを読むときもあるけれど、そんなのほっといていいんだってばとも思うけれど、そういうメールにも真摯に応えるところが結局好き。
 好きな音楽だけではなくて読んだ本や観た映画の話も教えてくれるので、追体験しやすいのもありがたい。加藤さんを追うとどんどんサブカルに染まっていくけどそれもまた楽しい。

 

07.「盲目のヨシノリ先生 ~光を失って心が見えた~」のヨシノリ先生
 終わった後に燃え尽きてしまうほど真剣に取り組んでいたという役どころ。ドラマを見ていても、それはよくわかった。ヨシノリ先生という役柄を通して、加藤シゲアキという誠実な青年の姿が見えた。
 ものすごく正直なことを言うと、加藤さんの演技はそこまで私の好みではない(好みかどうかの問題の話)。でも加藤さんの激昂する演技は大好きだ。圧倒される。心にぐさぐさと刺さるものがある。ヨシノリ先生を演じる加藤さんにはだいぶ刺された。あんまりにも刺されまくってしまったので、また加藤さんのことを好きになってしまった。

 

08.「走魂」で100mのタイムを縮める加藤さん
 増田さん、手越さん、小山さんに比べてタイムが遅かった加藤さん。速く走れるようになるためにコーチからのアドバイスを受け止め実践していく。結果を出すために毎日奮闘する加藤さんの姿を見ると、やはり加藤さんは努力の人なのだなぁと思い知る。努力が実った瞬間は、夜だというのにとても眩しく見えた。勿論ライトのせいだけじゃなくて。

 

09.「変ラボ」でゲテモノを食う加藤さん
 好奇心と胃が強いからこそできる、加藤さんにしかできない企画。見たことのない食材にもぐいぐい興味を示し、意外とあっさり口に入れてしまう。そしてぎゃあぎゃあ騒ぐでもなく割と普通に食レポをする。あまりにも恰好いい。
 あと、ワイルドにゲテモノを食う姿が単純に好き。一番好きなのはオオグソクムシを食べたときの顔。

 

10.QUARTETTOドキュメンタリーの加藤さん
 『NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTO』通常版特典のドキュメンタリーにて、「NEWSKOOL」の映像素材を撮ってその仕上がりを見た加藤さんが「思ってたのとは違うんだけど」「いい素材を渡したらいいものが出来上がった」みたいなことをずっとぶつぶつ言っている場面がめちゃくちゃ好き。何を思ってそう言っていたのかはわからない。言った言葉通りの気持ちだったのかもしれないし、何か他の言葉を隠すための言葉だったのかもしれない。どっちかなんてわからないし、どっちでもいい。どう言ったらいいのかもわからないけれど、彼が加藤成亮だった頃のことをちょっとだけ思い出した。
 あと私服がオシャレ。なんだあのメガネと帽子。好き。

 

11.2011年を振り返る2012年~2013年くらいの加藤さん
 加藤さんは当時のことを振り返ったインタビューで「俺がもっとすごかったら2人は抜けなかったのではないか」「(小説を書いたけれど2人の脱退を止めるには)間に合わなかった」というようなことを言っている。それって多分、すごく傲慢なことだと思う。きっと他にもさまざまな要因があるのに(きっと加藤さんもそれをわかっているのに)、そこに責任を負わせるのをやめて「俺のせいで」と背負い込むことは、傲慢だ。とても献身的な傲慢だ。
 あのときの加藤さんはばかみたいに自分を追いこんでいるように見えて、ちょっとだけ心が痛かった。すべては過去の話で、これらの言葉が私に届く頃にはもうずっとずっと昔の話になっている。ファンなんて部外者で、知るのはいつだって終わった後だ。
 胸が痛くなるけれど、定期的にこのときの加藤さんの言葉に触れたくなる。だから多分、私はこのときの加藤さんのことがすごく好きなんだと思う。愛おしくて、決して忘れたくない。

 

12.LIVE!LIVE!LIVE!の加藤さん
 ほっぺ。

 

13.「タイプライターズ」初回の加藤さん
 お気に入りの1冊を持ってくるはずなのに10冊持ってきてしまうところが最高に好き。わかるわかる、選べないよね。これを持っていくのにこっちは持っていかないの?みたいな葛藤があるよね……!
 その中の一冊に舞城王太郎の『煙か土か食い物』が入っているところが最高に好き。『阿修羅ガール』でも『好き好き大好き超愛してる。』でもなく『煙か土か食い物』。最高。その後、自宅の本棚には『イキルキス』などもあって、もしも加藤さんと話す機会があったら舞城の話したいなって気持ちになってしまうくらいそこに惹かれてしまう。って書いているうちになんだか文章のリズムが舞城っぽくなってしまって私は困り果てる。

 

14.少年性を失わない加藤さん
 老成しているとか言われがちだった加藤さんだけど、私は加藤さんはいつまでも中高生くらいの少年だなぁと思っている。30歳を迎えてもなお。顔つきはだんだんと大人になっているし、中身だって全然大人になっていると思うのだけれど、でも加藤さんの中には変わらぬ少年がいるんじゃないかと勝手に夢見ている。
 そんな加藤さんが「終わらないイノセンス」とか「青春のバスドラ」とか「火遊びしたいとか そんなガキじゃないけど」だとかそんな歌詞を歌っちゃうから本当に最高。歌割を考えている方、これからも宜しくお願い致します。

 

15.コヤシゲ夜会の加藤さん
 2015年のも2017年のも、どちらもたまらなく好き。小山さんがぽつぽつとこぼす言葉を真剣な目で受け止めているところも、泣いてしまう小山さんに笑ってしまうところも、笑いながらもらい泣きしているところも、全部好き。ふたりの間にある信頼感とか、名づけようのない何かとか、そういうものを垣間見ることができて嬉しいんだけどそんな気持ちなんて秘密にしておいていいんだよとも思ってちょっと悪いことをしているような、そんな気持ちにもなる。
 あと2017年の夜会後はアイドル誌にやたらと「俺も酔いたいのに小山さんをフォローしなきゃいけないから云々」って書いてあって、はいはいコヤシゲコヤシゲ、って気分になっちゃうところまで含めて好き。

 

16.2015年Myojo10000字インタビューの加藤さん
 インタビューで「忘れられるけどあえて引きずってる」と言っていた加藤さん。こんなこと言う人がコンサートをやって楽しい気持ちになれるのだろうかと不安だったけれど、直後に行ったWHITEではとても楽しそうな笑顔を見せていた。おかげで「加藤さんが楽しそうで嬉しい」と号泣してしまった。
 それと「小山くんに言われた言葉で覚えているものは?」というような質問に「ない(笑) ウソ、あるけどいわない」と答えたところが最高に好き。脳みそ露出狂だけれど、外に出すべき部分とそうではない部分をきちんと分けている。だからこそ安心して加藤さんの言葉を受け取ることができる。

 

17.「愛言葉」の加藤さん
 「986日々 だから今があって やっと叶えたこの4合わせ」なんて歌詞を書いてしまうところがただでさえ好きなのに(「986」で「くやむ」と読んじゃうところも「そういうとこだぞ~~~!!!」って気持ちになってしまうくらい好き)、「Share」の歌詞を引用してしまうなんて、そんなの好きすぎる。と同時に心にぐさぐさと刺さる。そうやってぐさぐさ刺してくる加藤さんのこと、すごく好き。
 それと、WHITEのアンコールでこの曲を歌っているとき、加藤さんが客席に向けて両手を広げたときがあった。ファンの気持ちとかそういうのを受け止めているように見えて、そのファンの中には私もいて、私の気持ちも加藤さんに届いているような気がして、なんだか嬉しくて涙が止まらなかったことを思い出す。

 

18.「White Love Story」の加藤さん
 この曲の歌割、加藤さんパートが最高だって話は昔にしてるんだけどまださせてほしい。過去を振り返るような歌詞が続く中、加藤さんだけが物語の中の台詞のような歌詞を歌う。「セリフはもう決まってたんだ」だよ!?「受け取ってくれるかな」だよ!?この歌詞を加藤さんにしようと思った人にボーナスあげたい。
 しかもめちゃくちゃ優しい顔をしながら歌う。こんなの好きしかないって言うしかない顔なので今すぐWHITEを見てください。

 

19.左手で黒板に文字を書く加藤さん
 「タイプライターズ」の湊かなえさん回で、黒板に文字を書き小説の書き方を説明しているところがある。ここの黒板に文字を書くところがあまりにも書きにくそうでたまらなく好き。学生の頃の加藤さんは黒板に文字を書かなくてはならないときに苛立ったりしていたのだろうかと勝手に考えてしまう。私(左利き)は苛立っていた。
 加藤さんが左利きで困った話とかもっと聞きたいけど今更だろうなぁと思いつつも何回でも聞きたい。いつかジャニーズ左利き会とか開催してほしい。結構いるし。
 あと右手に時計をしている加藤さんもすごく好き。

 

20.球技をやるとポンコツが目立つ加藤さん
 「変ラボ」でバスケの最初のジャンプが当たらなかったり、バレーのサーブも上手くいかなかったり、球技がイマイチなところがすごく好き。というかこれで運動神経が完璧だったら加藤さんは完璧すぎて完璧ではなくなってしまうので、球技はポンコツなくらいがいっそ完璧で、あまりに完璧すぎてぐうの音も出ない。

 

21.自分のことを「加藤」「シゲ」呼びする加藤さん
 可愛いと思ってやってるだろ!可愛いです!

 

22.「KちゃんNEWS」のシゲちゃん
 「KちゃんNEWS」の加藤さんは「シゲちゃん」というイメージ(多分小山さんが「今日のゲストはこの人、シゲちゃんです」って言うからだろう)。眠いのかふわふわしていたり(ちょっとセクシー)、収録中なのに欠伸したり、それでいてツッコミにはキレがあったり、時折深い話もあったり。シゲ部の爆速トークとはまた違うトーンの喋りが聞ける。小山さんと加藤さんの織り成す柔らかな空気が好き。
 最近であれば「しつつも」の回や小山さんの声が出なくて代わりに仕切って「はっせんに!!!!!!」と叫ぶ回がお気に入り。ちょっと前だとウイスキーの生チョコの回も好き。

 

23.自分のことを「男の子」と呼ぶ加藤さん
 主にシゲ部で現れる加藤さん。「僕男の子だから」とか「男の子はこういうの好き」とか、そういうことを言う加藤さんがめちゃくちゃ好き。いや女だけど全然それ好きですよと思いながらにやにやしている(「マッドマックス」の話とか)。深掘りするといろいろ出てきてしまいそうな話題ではあるけれど、加藤さんの言う「男の子」がとにかく好き。
 ちなみに私が愛してやまない新藤さんもかつて「俺は男だから」というサビの「Name is man ~君の味方~」という曲の歌詞を書いている。私はたぶんこういう人に弱い。

 

24.人見知りな加藤さん
 ビビットでタクシーの運転手と話したいか?という話題のときに、店で服を見ているときにも話しかけられたくない加藤さんが放った「自分で選びますよ自分の服なんだから」という発言(ニュアンスだけど「自分で選びますよ」は言ってた気がする)が最高に好き。オシャレには程遠い私は店員さんに一緒に選んでもらう勢いで店員さんを頼っているけれど加藤さんのようなオシャレさんには必要がないのか……。そういえば社交部で店員さんに話しかけるにはとかやってた気がするけど……もう社交的になるのを諦めたのか……でも脱人見知りって言ってたり……好き……。

 

25.泣くと鼻が赤くなっちゃう加藤さん
 できることなら泣いて欲しくなんかないけれど、泣いている加藤さんも好き。感情むきだしって感じの涙で、こんなにも生きている人に対してどんな心無い言葉もただただ失礼だし何より似合わないし、仮に彼の涙を物語として捉えたとしても野暮だしつまらない。
 テレビの向こうで、電波の先で、ステージの上で、この世界のどこかで、加藤さんはあまりにも真っ当に生きている。できれば彼にとってよいことが沢山起こりますようにと願わずにいられない。

 

26.くしゃっとした笑顔の加藤さん
  普段はどちらかといえば犬寄りの顔立ちなのに笑うとネコバスみたいな顔になるところが好き。目尻に寄る皺と、きれいなかたちの口角と、つややかなほっぺが好き。さくらガールのピースも好きだし、メンバーと一緒にいるときに大きく口を開けて笑っているのも好きだし、コンサート中に楽しそうに笑っているのも好き。これからも加藤さんの笑顔が沢山見られますように。

 

27.「あやめ」の加藤さん
 この曲の加藤さんへの好きはめちゃくちゃ多方面からになってしまうので全然一言でまとまらないのだけれど、まず多様性というものを題材にして作品として昇華することができる加藤さんが好き。曲だけでなく、芸術的なパフォーマンスを実現する力をもっている加藤さんが好き。もっと個人的な視点でいうと、扉を叩いてくれる加藤さんが好き。旗を振ってくれる加藤さんが好き。自分に自信を持っている加藤さんが好き。誰かにその優しい手を差し伸べられる加藤さんが好き。

 

28.「シャララタンバリン」の加藤さん
 加藤さんがこのソロ曲作らなかったら私たぶんこんなに加藤さんのこと好きじゃないと思う。でも今もこのときの加藤さんのままだったらこんなに加藤さんのこと好きじゃないとも思う。あの頃の加藤さんからこんなにまっすぐな歌詞とメロディが生まれて来たことも好き。まだ自分に自信を持ち切る前の加藤さんも好き。

 

29.今この瞬間の加藤さん
 私が生きているのと同じ時代をリアルタイムに生きていて、泣いたり笑ったりしながら成長していく加藤さん。決して長い時間ではないけれど、私はその一部を見てきた。ほんの一部だ。だけれど、加藤さんがどんどん変わっていくことがわかる。今この瞬間の加藤さんがいつだって最高なんだろうなと思える。
 加藤さんと同じ時代に生まれられてよかった。ペンギンとして生まれられなかった今生も少しはマシに思える。

 

30.私が今まで見てきた、そしてこれから見ることになるすべての加藤さん
 今までの加藤さんのことも大好きだったから、これからの加藤さんのこともきっと大好きだと思う。思う、というか確信している。加藤さんのこと好きすぎて30じゃ全然収まらないから100歳くらいになってもこの企画やれる。
 今までの加藤さんに対しては「なんでそんなこと言うの」と思ったり「どうしてそんなことするの」と思うこともあった。でもそんな言葉も行動も、私は愛している。きっと好きじゃなかったら「なんで」「どうして」なんて思いもしないだろう。これは、好きの証だ。
 加藤さんについて考えることで、自分について気付くことも沢山ある。これからも、私と加藤さんの二項についてずっと考えていたいな、と思う。こうやって沢山考えることをくれるアイドルは、私にとっては加藤さんしかいない。
 どうかこれからも沢山考えることをください。あなたがそこにいる限り、あなたのことやあなたから派生したことをずっと考えていたいのです。

 

 

 加藤シゲアキさん、30歳のお誕生日おめでとうございます。今日も明日もその先も好き好き大好き超愛してる。
 

それゆえ君はうつくしいひと ―30歳の誕生日によせて―

 加藤さん、30歳のお誕生日おめでとうございます。

 加藤さんのことが好きで、この気持ちを何かにしたくて、でも絵は描けないし手芸もできないし料理もできないしお金もないし自分にできることが全然思いつかなくて、どうにか絞りだしたのが「短歌をつくる」ということでした。年齢の数だけ、毎日ひとつずつTwitterにあげていたものをまとめました。
 決して上手いものではないけれど、加藤さんをおもう気持ちから生まれたことばたちです。

 

 



指先でつむぐ言葉がつれてきた世界はきっと君に優しい

いつまでもうるさい街ね私たち溶けちゃいそうね渋谷駅前

変わってくあなたの中に変わらない何かがあるとわかってはいる

夏の日の午後に揺れてるカーテンと君の瞳にみるイノセンス

きみの星(B612)が見えるから砂漠にいても迷わずに済む

そんなにも寂しいことを言わないでくれよ明日は晴れるらしいよ

涙には価値などありはしないけど泣いてる君はとてもきれいだ

こういうの好きねと知った顔をする ほんとは何も知らないけれど

凡人というのは嘘ね 真っ白くまばゆく光る、眼を焼くほどに

旅先の君が切り取る路地裏は見知らぬ街で懐かしい街

金星に雨が降るころ渋谷には夏の日射しが照りつけている

「愛してる」「愛しています」「愛だから」「愛なの」「愛よ」「愛しかないの」

特別な人じゃないから君のことわかってやれる僕でいられる

僕のこと忘れていいよ君はいま巣立ちのときだ振り返るなよ

カフェラテはとうの昔に冷めたので今は世界にただひとりだけ

きみの本のあいだにいつまでもいられる栞がほんのちょっとだけ憎い

仮に明日世界が終わるとして君はいったい誰を想うのだろう

取るに足らないものばかり転がっているこの部屋を出ていかなくちゃ

咲けよ花 後先なんて考えず今がすべてと さあ咲き誇れ

食って寝て生きて死んでくそれだけは洪積世から変わっちゃいない

悲しみも炒めて卵で綴じたなら美味しいごはんのおかずになるね

「あいつらは不死だというね。」水槽の狭い世界に浮かんだクラゲ

12時前 ガラスの靴を投げ捨てた きらめく破片の名前は「自由」

 


風が吹く きっと私のためじゃない君のためでもない風が吹く

とりあえずビールと告げる横顔を見られないこと それだけのこと

「移り気な花よ」とダリアが笑うので「知っているさ」と返しておいた

シャッターを切って閉じ込めた風景 そこにあなたがいないとしても

現在地不明のナビは頼らない 地図は読めるし問題ないな

歩き方忘れたわけじゃないんだろ 息の仕方も覚えてんだろ

きずあとは金継ぎをして塞ぎます それゆえ君はうつくしいひと

 

 

 

30歳の加藤さんのこともきっと大好きです。

PVにみるポルノグラフィティのファンタジー

 先日、フォロワーの方と「ポルノグラフィティの17年間をPVで駆け抜ける会」を実施した。正規の手段で販売されているものを集めるとデビュー曲「アポロ」から2016年の「THE DAY」までのフルPVを見ることができることが発覚したので、せっかくだから見てみようぜ!ということで。
 1日で17年ぶんのPVを駆け抜けると、彼らのPVがファンタジーに満ちていることがわかった。現実っぽい設定のPVはあまりなく、独特の世界観をもったファンタジー性の強いPVが多いのだ。「ファンタジー」の定義?私がファンタジーと思ったらファンタジーです。いつも通り、100%の主観でお送り致します。
 全48作(たぶん)あるので、いくつか抜粋してご紹介します。公式がShort verを公開しているので動画も貼っておく。

 

 

・アポロ

 デビュー曲がいきなりファンタジー感の強いPV。
 1999年の作品なので今見ると古い部分もあるが、文明が(あるいは人類が)滅んだあとの世界のような、不思議な世界観を作り上げている。しかもこの……たぶん今の技術で作ったらもっとデジデジしたものになるんだろうなって思うけれど99年なのでそこまでデジデジしていないところが……むしろいい……古いSF映画を思わせるところが最高。ちょっと画質が荒いのも世界観に合っているように思えてしまう。
 岡野さんの目が少し気だるげで、しかも何も映していないような視線なのがとてもいい。全然笑わないところも世界観とマッチしていて、滅んだ文明にひとりだけ取り残されたことを不満に思っていそうな感じが最高に好き。超好き。


ポルノグラフィティ 『アポロ(short ver.)』


・メリッサ

 ノートの隅っこにメリッサPVのイラストを描く中高生だったみんな~!!!ブログや個人サイトにメリッサPV考察を書く中高生だったみんな~!!!元気にしていますか~!!!私は元気です!!!!!
 沢山の中高生を狂わせたPV。多感な10代でこのPVに出会ってしまったが最後、たちまちポルノグラフィティに魅了されてしまう、蟻地獄(褒め言葉)のようなPV。
 まず、古い本の中の世界のような、異世界感の漂うセット。美しい女性と、屈強な剣士が登場する。そしてボーカルは白塗りの道化師、ギターは黒塗りの騎士、ベースは科学者。もう無理。好き。
 3人とも顔がきれいなので(私は彼らの演奏や人柄だけでなく顔も好きなファンです)、異世界のような衣装も似合ってしまう。なんの違和感もなくファンタジーの世界の住人になれてしまう。
 メンバー全員の「無言の演技」があまりにも秀逸なことにも言及したい。特に岡野さん演じる道化師がすごい。手で作ったハートを左胸に当てる仕草や、優しい笑みを浮かべて花を差し出すところ、そして消えてしまった女性に惑う姿など、どれをとっても素晴らしい。岡野さんの無言の演技はどの作品でもすごいけれど、特に「メリッサ」では一際輝いている。
 これだけ物語性の強い世界観が展開するにも関わらず、どこにも物語のあらすじは書かれていない。PVを見てもわからない。しかしそれゆえに見た者の心に物語を描かせる。このPVを見た者の心にはそれぞれの「ぼくがかんがえたさいきょうのメリッサ」があるのだ。
 ちなみに「メリッサ」のCMでは最後に道化師が花を差し出すカットで終わるものがあった。編集が最高。
 ちなみにちなみにこのPVを撮ったセキ★リュウジ監督はこの後もポルノのファンタジーPVを作りまくる*1。本当にありがとうございます。


ポルノグラフィティ 『メリッサ(short ver.)』

 


・シスター

 ベースのTamaさんが脱退し、2人になって初めてのPV。曲を聴いた時点でこんなに哀愁を誘う曲なのかと驚いたが、PVもなんとなく寂しさを感じさせるつくりになっている。
 暗い色でつくられた世界に、唯一鮮やかさをもたらす真っ赤な木。演奏シーンで新藤さんが持っているのは木でできたギター。コイントスで何かを占い、花を残し、筏に乗って旅立っていく。
 途中には二人が何事かを話している場面がある。音声は入っていないので何を言っているかはわからないが、憂いを帯びた表情で言葉を交わす場面もある。何を言っているのかは公式には発表されていなかったので想像の幅が広がる。
 暗い色彩のなか、暗い表情の2人が、暗い海へ旅立っていく。もう一度言うけれどこれはベースが脱退したあと初めての曲です。最高かよ。物語に物語を重ね、更に大きな物語になっていく。


ポルノグラフィティ 『シスター(short ver.)』

 


ネオメロドラマティック

 SFPV。車のCMソングだったということもあってか、車がびゅんびゅん走る近未来の街が描かれている。エッジの効いた歌詞と曲調ともぴったりのPV。たぶん全編CGで作られているが、2人がその世界観にばっちり合っているのがすごい。全然浮かない。元々がこういう世界の住人なんじゃないかって気さえしてくる。
 それにこのPVには物語がない。何も語られない。唐突に近未来の世界が展開するけれど、そこで何かが起こる、ということもない。唯一物語的な動きがあるとしたら、真っ白ななかに時計がいくつも浮かんでいる場面だろう。それぞれが時計に触れる場面があるが、その意味は語られない。世界観の設定も何もかも説明がないまま、映像は進んでいく。
 見ている者を置いてきぼりにするようで、むしろ「ここには一体なにが隠されているんだろう」という気持ちで世界に引き込む。何も語られないからこそ、そこに物語を見出したくなる。そんなPV。
 曲の疾走感と映像がすごく合っているのも見どころ。


ポルノグラフィティ 『ネオメロドラマティック(short ver.)』

 


Winding Road

 まるで絵本のような世界観のPV。まず、罠にかかって倒れたたぬき(岡野さん)のカットから始まる。この時点でこのPVがただごとじゃないことだけはわかる。
 うさぎの少女がきつねとたぬきに出会い、仲良く遊ぶ。3匹はかくれんぼをすることになり、じゃんけんに負けたうさぎが鬼となってきつねとたぬきを探す。きつねはすぐに見つかったが、たぬきは……!?
 岡野さんがたぬき、新藤さんがきつねという配役(?)もすごくわかる。
 他のファンタジー路線PVに比べると物語はわかりやすい。しかし、物語は決して明るいものではなく、「どこかで掛け違えたボタンを外せないままになった」2人を描いた歌詞を思わせるような、分かり合えない関係性を描いたようなつくりになっている。


ポルノグラフィティ 『Winding Road(short ver.)』

 

・Love too, Death too.

 わけのわからなさが万華鏡のように襲い来るPV(としか説明できないから今すぐ映像を見て)。今敏監督の「パプリカ」のパレードのシーンみたいというか、とにかくわけのわからないものが沢山出てくる。ベスト盤「PORNO GRAFFITTI ACE/JOKER」の直前シングルということもあり、トランプっぽい要素が散りばめられている。また、メンバーの意向で「極楽浄土」をモチーフとしているらしい。もうとりあえずこの時点で全然わからないと思うから一回映像見て。
 個人的には「渦」のPVと近い気がする。「渦」はひたすら暗い方向にわけのわからないものを並べた感じだけれど、この曲のPVは明るい(というか色合いが強い。極彩色)わけのわからないものを並べたような感じ。是非「渦」のPVも合わせてご覧ください。
 このわけのわからなさの中で、青を基調としたスーツを纏ったポルノの2人が際立つ。どれだけバックでわけのわからないものが蠢いていようと、2人は2人として確立している。最初から最後まで全然何もわからないけれど、圧倒的な美と迫力に気圧されること間違いなしなので絶対見てほしい一作。


ポルノグラフィティ 『Love,too Death,too(short ver.)』

 


今宵、月が見えずとも

 新藤さんの恰好良さが爆発しているPV。他のPVは割と岡野さんを中心に見てしまうけれど、このPVの主人公は新藤さんっぽく見える。
 いやこの新藤さん、あまりにも恰好良すぎて無理。このシングルが発売した当時*2PVをフルで見ることのできる期間があって、めちゃくちゃテンションが上がりながら何度も見た記憶がある。また、このシングルのディスクを外したところなどにPVの画像が使われていて、「ここの晴一がマジでやばいから!」というのを説明するためだけにCDを学校に持っていって友達に見せたりしていた。
 このPVも物語が展開するようで何もわからない。街を彷徨う岡野さんと部屋で煙草を吸いながら椅子に腰かけモニタを見つめる新藤さんの対比。部屋に黒いどろどろしたものが侵入してくる様子も描かれているけれどその黒いどろどろがなんなのかもよくわからない。最高。全然わからないからこそ、世界観でなぎ倒す感じが最高。
 とにかく新藤さんが美しいから見てほしい。特に目元のアップがやばい。右目だけのアップも左目だけのアップもあるけどどっちもやばい。「美しすぎるギタリスト」って呼びたい。何を考えているのか全然読み取れなくてやばい。でもなんかこう……内なる炎みたいなのが強くある感じが……するようなしないような……。新藤さんの真顔って強い意志が感じられて、こういう世界観のPVにぴったり。とにかくやばい。新藤さんがひたすらずっと恰好いい。見て。いいから見て。


ポルノグラフィティ 『今宵、月が見えずとも(short ver.)』

 


瞳の奥をのぞかせて

 今まで紹介したPVほどファンタジックではないが、現実世界から離れているという意味ではファンタジーなPV。
 よくわからないオブジェが置かれた部屋に2人が入ってきて、楽曲が始まる。少し不気味というか、心の奥底をそっとなでられたような感じがする。淡々と演奏は進む。
 途中で、2人がトマトを食べるシーンがある。同タイミングで、同じくらいの量を口に運ぶ。何を意味しているのかはわからないけれど、「食事」という行為がもつ生とか死みたいなものを連想する。それが同タイミングで行われている。演奏シーン以外は基本的に「同タイミング」というこだわりが描かれているように見える。他にも、演奏シーンで手元のアップや口元までのカットを多用したりして目を映さない図が多く使われている。目は口ほどにものを言うというが、その肝心な目を映さない。
 目隠しを2人同時にほどく場面もあるが、「瞳の奥をのぞかせて」というタイトルにもかかわらず目隠しをしているところもいい。結局は、瞳の奥などのぞけない。何を考えているのかなどわからない。だからこのPVに描かれている何もかもがわからなくたって仕方がない。誰も、自分以外の誰かの心の奥底などわからないのだから。
 なんだかとてもフェティシズムに満ちていて、どこかエロティックで、でも何もわからない。それもまた一種のファンタジーではないだろうか。


ポルノグラフィティ 『瞳の奥をのぞかせて(short ver.)』

 


この胸を、愛を射よ

 どう見ても東京の街並み(汐留とお台場方面の2か所)だってわかるのにファンタジー感が強すぎて異世界に見えるPV。プロントも見えるし、レインボーブリッジも見えるのに異世界。ポルノグラフィティの異世界力、半端ない。
 巨大な四角(四角以外にどう表現していいのかわからない。立方体?)に腰かけながらギターを弾く新藤さんはまるでスナフキンのようにも見えるし遠くを見ながら歌う岡野さんはRPGの主人公みたいに見える。
 新藤さんが倒れている女性をお姫様だっこで助けたり、岡野さんが泣いている女性を抱きしめたりする。しかし、ひとりの女性に対する愛しさというよりはもっと壮大な愛みたいなものが見えてくるPV。ていうか女の人を抱きしめているのに全然現実味がないのがすごい。ものすごいファンタジー力。圧倒的にファンタジーなので是非見てほしい一作。
 ちなみに新藤さんがリップシンクしているシーンもある。勿論歌声は岡野さんなので、なんだか不思議。


ポルノグラフィティ 『この胸を、愛を射よ(short ver.)』

 


・EXIT

 岡野さんの手に炎が宿り、新藤さんの手にも炎が宿るPV。
 歌詞にモチーフとして使われている「地下鉄」のホームが描かれているけれど、それも日本のよくある地下鉄の駅ではない。どこか遠い国の地下鉄だ。岡野さんは壁にもたれ座り込んだまま歌い、新藤さんは地下鉄のホームを彷徨う。
 そして岡野さんの手に炎が宿る。岡野さんの立つ場所も燃えている。たぶん、実際の炎というよりは心象風景とか不思議な力みたいなものを表現しているんだと思う。光に手を伸ばした新藤さんの手にも同じ炎が宿る。
 冷静に考えて、この「EXIT」という曲はそこまでファンタジックな曲ではないので(新藤さんの歌詞センスが光りまくってるけどファンタジー要素が盛り込まれているというわけではない)、別にこんなにファンタジーなPVでなくたっていいはずだ。だけど手に炎が宿ってしまうような、どファンタジーの世界観。控えめに言っても最高以外の言葉が出てこない。
 新藤さんがギターを叩き壊す場面があるけど、あれは偽物なのでご安心ください。


ポルノグラフィティ 『EXIT(short ver.)』

 


・THE DAY

 メリッサのPVを考察していた勢に今すぐ帰ってきてほしいくらい壮大な物語を秘めたPV。お願いだから心当たりのある人は今すぐにTHE DAYのPVを見て!!!!!
 岡野さんが触れると、機械が動き出す。その機械は「自分では進化を止めることができない機械生命体」で、絶え間なくかたちを変えて巨大化し続ける。途中で機械と同じ赤い光を胸に宿した少女が出てくるが、彼女と新藤さんを同じ角度で撮ったり走り出すところをシンクロさせたりと、意図的に重ねている。走りだした少女はどこへ行くのか。進化を止めることができない機械生命体はどうなるのか。
 正直、全然わからない。あの機械は、あの少女は、そしてこのPVにおけるポルノの2人の役割とは。何も説明がなくて全然わからないけど壮大な物語が詰まっていることだけはわかる。これだけわかれば十分だ。さぁみんな、「ぼくのかんがえたさいきょうのTHE DAY」を発表し合おうぜ!!!という気分になる。
 2003年のポルノグラフィティには「メリッサ」という最強のPVがあった。そして2016年のポルノグラフィティには「THE DAY」という最強のPVがある。


ポルノグラフィティ 『THE DAY』(Short Ver.)

 

 

 おそらく、ポルノとポルノの曲で何かを作ろうとする人たちは、ポルノとポルノの楽曲にファンタジーな世界観を見出してしまうのだろう。抽象的で文学的な歌詞に合わせて映像を作ろうとすると、クリエイターたちの創作意欲を刺激するのかもしれない。
 あんまりメンバーの顔のこと言うと怒る人もいるかもしれないけれど、3人でも2人でもとにかく全員顔が恰好いいからこそ似合う世界観だなと思うPVもある。ていうかあれだけ顔が恰好いいんだからただ演奏するだけじゃなくていろんなことしてみたくなるよね……って思ってしまう。野原で空を見上げてたって、森の中に佇んでたって絵になるような人たちだもんね……(「ヴォイス」「音のない森」PVをご覧ください)。
 しかも全員「無言の演技」がすごい。演技自体が上手いか下手かは素人の私には正直よくわからないけれど、世界観に溶け込むのは抜群に上手いと思う。現実世界のどこを探したっていなさそうなくらい、それぞれのPVの世界観に馴染んでいる。特に岡野さんの「無言の演技」はやばい。なんて繊細な表情をするのだろう……。本当に「メリッサ」がやばいから絶対見てほしい。新藤さんは黙って真顔でいても「彼は何かを訴えようとしているのでは……」と思わせる表情がすごくいい。「渦」と「2012Spark」とか特に。意思の強い目というか。
 そういったパワーのあるPVを多数つくりながら、歌って演奏している本人たちは「わしら」「~じゃけぇ」という広島弁を決して失わないギャップも好き。推させてくれ~~~!!!って気持ちが爆発する。
 他にも「音のない森」で森の中を彷徨っている(しかも雨降ってる)PVとか、「オー!リバル」の2人が沢山いるPVとか、CGを一切使っていないにもかかわらずSF的雰囲気が漂う「2012Spark」とか能面が繰り返し吹っ飛び続ける「アニマロッサ」とか逆再生で羽根が舞う「A New Day」とか、紹介したいファンタジーなPVはいくらでもあるけれど、どうにか11作に絞った。10作にしたかったけどおさまらなかった。
 長々と書いたものを読み直してみたら「最高かよ」「やばい」「とにかく見て」しか言ってないけど、それが本音です。


 たった4分程度の映像に物語が詰め込まれていたり、逆に物語がちっともなかったりする。ていうか全然わからないもののほうが多い。でも、何が起きているのかわからなくても、何が描かれているのかわからなくても、目を奪う作品で見た人を少しでも「気になる」という気持ちにさせれば勝ちだと思う。ポルノグラフィティのPVにはそういった作品が多い。

 ポルノグラフィティのPVは見る者の心に物語を想起させる。人を饒舌にする。誰もが語り部となることを許されたような、そんな気さえする。
 きっと新曲もそういうPVになるんじゃない?だってアニメ「パズドラクロス」の主題歌なんだから!きっとファンタジー!とまだどんな曲か発表もされていない新曲のPVに思いを馳せたい。

 あなたの好きなPVはどれですか?

 


 おまけ
 どのPVがどのディスクで見られるかを一覧にしました。シングル初回盤で見られるものもあるけれど、優先順位としてPV集>アルバム>シングル初回としました。間違っていたらそっと教えて。

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COMPLETE CLIPS 1999-2008 [DVD]

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*1:この記事で挙げたなかでは他に「シスター」「Love too, Death too.」「この胸を、愛を射よ」「EXIT」もセキ監督

*2:たぶんサイトジャックか何か。かつてポルノがシングルを出すと、ソニーミュージックのサイトをジャックしてPVがフルで見られるというような企画があった

きっと絶対届いてる愛 ―「NEVERLAND」感想―

お題「私のNEVERLAND」

 

 東京ドームで私が見たのは、とても美しいコンサートと、ファンのことが大好きな4人の姿だった。

 今回はチケットが激戦だったし、大きな出費も控えているのであまりお金を使うことができなくて東京2公演にだけ行くこととなった。本当はアリーナも1公演くらい行きたかったけれど仕方がない……来年こそは……。
 記憶力が怖ろしく悪いのでいろいろと間違っているところもあるかもしれません。100%の主観でお送りしている文章なのでどうか許してください。100%の主観なので他の人の意見は関係ありません。私は私の話をしています。

 

00.OP

 アルバムの映像。NEWSの作った鍵が、少女のもとへ届けられる。私は年甲斐もなく首から鍵を下げていたのだけれど、画面に映し出される鍵と同じものを持ってコンサートに来ているという実感が持てて、とても良かった。小さい頃に読んでいたファンタジーの主人公になったような気持ちで、わくわくする心を抑えられない。
 機関車が現れ、Mr.インポッシブルがNEVERLANDの説明をしてくれる。

 

01.NEVERLAND

 機関車がセンステをぐるりと取り囲む。その真ん中からNEWSが出てくる。それぞれ手に何かを持っているのだけれど、小山さんが杖(ステッキ)、加藤さんがNEVERLANDの国旗、増田さんが刀(日本刀っぽいかたちで二刀流?もしかしたら刀と鞘かもしれない)、手越さんが火のついたトーチ。ひらひらしたマントのような衣装とそれぞれのアイテムが合っていて、東京ドームだってわかっているのにファンタジーの王国にやってきてしまった感がすごかった。鍵を手にしてNEVERLANDにやってきた主人公を不思議の世界に歓迎するような、壮大な演出だった。私が小さい頃読んでいたファンタジー小説のイメージがそのまま具現化されているような感じがした。
 火も出るし水も出る。しかも思ったよりたくさん出る。歌詞に含まれているんだから出てくれたらいいな……くらいに思っていたら予想よりずっとたくさん出てきて、この時点でお金がかかっていることが嬉しくて涙が出てきた。
 そして子どもの声が7つのエレメントを言っていく「LOVE」のところで、私の持っているペンライトが光る。NEWSにとって、愛のエレメントはファンを指す。それが幸せで、また涙が出てしまう。
 あとは増田さんが「七色の喝采はNEVERLAND PARADE」のところで手のひらとピースで指を7本立てているところが最高に格好よくてもう無理って感じだった。世界は早く増田さんの格好良さに気付くべき。まだまだ足りない。こんなのもっとたくさんの人に身てもらわなきゃ駄目。今すぐ全世界に配信してほしい。世界中の街頭ビジョンを買い取ってあの増田さんを映したい。
 どんな振付だったかはもうろくに覚えてないけれど、4人が並んで踊っているのがとても格好よかったことは覚えている。そうだこれだ、これが私の大好きなNEWSだ。ドームにいる55000人を圧倒している、強く美しく歌い踊るNEWSが、私の大好きなNEWSだ。好きで好きでたまらなくて、始まったばかりなのに泣いてばかりだった。
 1日目、ひとりひとりがカメラに抜かれるところで、あまりにも加藤さんが私の予想を遥かに超えて恰好よすぎた。金曜の夜に録画で見たビビットとあまりに別人すぎて、やっぱりアイドルしている加藤さんが一番恰好よくて好きだなと改めて思った。いやほんと加藤さんの顔恰好いいんですよ。皆さん知ってると思いますけど。
 ところで加藤さんに旗を持たせた人は誰なんですか。加藤さんのあの顔と旗、あまりにも似合いすぎじゃないですか。今すぐカタログギフトを贈らせてください。お食事券でもいいです。ペアで贈ります。

 

02.アン・ドゥ・トロワ

 機関車が去って、ひらひらしたマントの衣装を纏ったNEWSが踊る。軽やかでかわいらしくて、さっきあれだけ重厚な曲を披露していた人たちとは思えないような気さえしてくる。「24時のベル」の振付がかわいい。
 なんていうか、「NEVERLAND」でテーマパークのゲートをくぐって、「アン・ドゥ・トロワ」で広場に出たようなイメージ。これからどこへ行こうかなと胸を躍らせているような感じ。たぶんアルバムで聴いたときにもそう思っていたけれど、それが実際に目の前で繰り広げられていて、すごいとしか思えなかった。

 

 ここでMr.インポッシブルがNEVERLANDを案内してくれる。加藤さんは「光」のエリア・North Gate、小山さんは「水」のエリア・East Gate、増田さんは「音」のエリア・West Gate、手越さんは「炎」のエリア・South Gate。もうこの時点で最高な設定がされているんだけれど、一体どうなるのかわくわくが高まる。

 

03.EMMA

 1日目は位置の問題で加藤さんが全く見えなかった(本人は遠すぎて見えない&モニターも柱があって見えない)ので、少し悔しい思いをしたけれど、2日目は加藤さんをずっと見ていた。思ったよりも胸元が開いていてセクシーだった。
 けれど「EMMA」の優勝は増田さんだと思う。あの前髪のセクシーさを生で見ることができて眼福としかいいようがない。どきどきしすぎてたぶん寿命がちょっと縮んでしまった。

 

04.KAGUYA

 花道を歩く4人。コヤシゲがくっついて歩き、テゴマスが適度な距離感で歩いていて、シンメのそれぞれの良さを見せつけられた気がした。小山さんが顔をくっつけにいったときの加藤さんが少年のような笑顔を見せてくれた。ありがとう小山さん……加藤さんからあの表情を引き出せるのはあなただけだと思う……。
 傘を持たないかわりに会場に歌わせることで、パフォーマンスを魅せる曲から一緒に楽しむ曲になっていた。『QUARTETTO』の「KAGUYA」とは全然違う。ひとつの曲でもいろいろな面が楽しめて、NEWSってすごいな~!!!

 

05.恋祭り

 どこかでタオルを回せるだろうと思ってはいたけれど、今回はだいぶ早めだった。「恋祭り」は楽しいから今後も絶対にセトリに入れておいてほしい。あるいは他にもタオルを回せる曲を!

 

06.D.T.F

 紫の人が「バカになろうぜ~!!!」って言うから見に来るグループ間違えたかと思った(cf:村上信五)。イントロが流れてきて、よかったあってた!と思った。笑
 どういうジャンルの曲なのかわからないけど、SMAPの「SHAKE」が好きな私が「D.T.F」を好きなのは必然では?と思っている。多分同じジャンルの曲なんじゃないかな。
 ぎゅぎゅっとくっつく4人が圧倒的ノーベル平和賞。楽しそうな4人の顔が見られて幸せな一曲。おそらくこの曲がセトリ入りしたのは少プレのダイノジ大谷さんプレゼンツのプレミアムショーのおかげなのではないかと思っている。ありがとう大谷さん。

 

07.4+FAN

 「恋祭り」~「D.T.F」そして「4+FAN」のお祭り感。加藤さんの「やっぱ僕らファンタスティック」がまた聞けて嬉しい。
 ここまでのお祭りゾーンは、テーマパークに入ったばかりの楽しい気持ちを表現しているみたいに思えた。どれに乗ろうかな、どこに行こうかな、何を食べようかな、何を見ようかな、そんなわくわくした気持ち。

 

 OPで出てきた少女が再び映像に登場する。彼女があけようとしているのは、「光」のエリアに通じる扉だ。

 

08.あやめ

 思ったことは別記事に書いた(ひとりの青年と、私の愛のはなし ―コンサート「あやめ」感想― - 来世はペンギンになりたい)。私、加藤さんのこと好きだなぁ。
 加藤さんのソロ、あんまり先の方に持ってこられるとその後の曲のあいだも加藤さんのソロのことばかり考えてしまうのでできれば次回からは後半でお願いします!(でもそしたらコンサート終わるまで上の空でちゃんとエンディングとか見られないかもしれない……どっちにしろ困ったな……)
 私は視覚的な記憶力がものすごく弱いようで、見たものを覚えておくことが本当に苦手だ。だから人の顔を覚えるのも苦手だし、コンサートで何かがあっても少しも覚えていられない。見たものを頭の中に思い描こうとしても、それができない。「あのときこう思った」ということくらいしか覚えていない。でも、どうしても「あやめ」を忘れたくなかった。見たもの全部覚えていたい。その気持ちが強すぎて、他の曲の途中でも「あやめ」のことを考えて誰もいないセンステを見つめたりしていた。あそこで起きた素晴らしい奇跡のことを、加藤シゲアキというひとりの青年が命を燃やしていたことを、ひとつだって忘れたくない。こんなふうに思う曲は初めてで、私もどうしていいのかわからなかった。何が正解かはわからないけど、私は「あやめ」を覚えていることに全力を注いだことは間違いではなかったと思う。

 

09.Brightest

 Jr.がダンスで「あやめ」から「Brightest」を繋いでいるのがとても素敵だなぁと頭のどこかで思いながら、でも心は「あやめ」から帰って来られなかった(というかここからちょいちょい「あやめ」の思い出し泣きとかしてるから記憶があいまいになる)。
 この曲は天井席から見たかった。せめて天井ではないにしても正面から。レーザーが恰好良すぎて、今すぐ円盤になってくれないと暴動を起こしそう。
 私はポルノグラフィティのライブで育った人間で、彼らのライブにはたまに「まるまる一曲、演者の姿が影になって顔とか全然見えない照明」みたいなのがたまにある。ろくに理科を学ばなかったから光の構造がよくわからないけど、逆光?みたいな感じになるやつ。それがとても恰好いいから、いつかNEWSのライブでも見たいなぁと思っていた。でもアイドルは顔を見せることも大事な要素のひとつだからそんな照明の使い方はしないよなぁ……とも思っていた。
 だから「Brightest」の照明がすごく嬉しかった。間奏のダンス、同じ動きを繰り返すところ、ひとつも顔が見えないのが嬉しかった。きっと「光」を司るエリアというコンセプトがあるからできたことなのだろうと思うけれど、本当に嬉しかった。
 4人それぞれの後ろに映像が映し出されていたけれど、小山さんが□モチーフ、増田さんが▽モチーフ、加藤さんが○モチーフなことは確認できた。手越さんはなんだったんだ……?ハートなのかな……?ちゃんと見ることができなかったのがちょっと心残り(なにせ心がまだ「あやめ」から帰ってこれていないのでまともに覚えてない)。
 真正面の席から見られなかったことは悔しいけど、誰かがこの光景を真正面から見ていたんだったらいいや、と思えるくらい素晴らしかった。

 

10.シリウス

 「光」=星の光という解釈での選曲だろう。去年のツアーで大好きだった「シリウス」をまたすぐ聴くことができて嬉しかった。(でも心が「あやめ」から帰ってきてなくてあんまり記憶がない……)

 

11.Snow Dance

 やった~~~!!!少プレだけで終わりかと思ってた!!!会場が一気にゲレンデになった!!!
 このきらきらしたイントロは「光」のエリアにぴったり。4人の歌声がそれぞれ美しく響いて、個々の歌唱力が高いNEWSの強みだなぁと思った。1日目は増田さんのリフターの目の前で、増田さんの色気がすごすぎてやばかった。語彙力も亡くなるレベルのやばさ。
 ところで「光」のエリアを司る加藤さんが「掌の輝きを絶やさずにいたい」を歌っているのがぴったりすぎて最高。

 

12.スノードロップ

 1日目は増田さんのリフターが目の前だったので、増田さんの美声を目の前で聴くことができた。増田さんがリフターに腕を置くだけで芸術品のごとき美しさだった。でも、あまり記憶にないけどおそらく小山さんの大サビがなかった気がする……。いつか聴きたい。

 

13.Touch

 Jr.も含め大人数で並んであの振付をやると可愛い!4人だけのダンスも可愛いけれど、小山さんがソロ準備で抜けてしまうからJr.と一緒に踊るという手、とても考えられているなぁと思った。

 

 加藤さんの「光」のエリア。「世界は光の地図を求める」という歌詞がある「あやめ」から始まる。「Brightest」の照明は本当にすごかった。NEVERLANDの前の週にAmuse Fesに行ってPerfumeの照明を見て、こういうのがジャニーズでもあったらなぁと思っていたものが、NEWSのコンサートで繰り広げられていた。私の夢がひとつ叶ったようなものだ。
 そして次は「水」のWest Gate。

 

14.ニャン太

 生者が死者を思って何かをすること。極端な話をすると、私はそれらすべてを生者の自己満足だと思っている。自己満足というと語弊があるだろうか、それらは死者のための行為ではなく、残された生者のこころを救うためにある行為だと思っている。たとえばお葬式、たとえばお墓参り、たとえば目を閉じ手を合わせること、たとえばレクイエムを歌うこと。
 生者と死者という明らかな境がなくたって、そもそも誰かを思って何かをすることなんて自己満足だ。それは他の誰でもなく自分のための行為だ。小山さんはきっとそれをわかっていて、大切なニャン太のことを歌にしたのだと思う。加藤さんのいうように、この曲は「小山慶一郎への応援歌」でもあって、小山さんはそれを歌っている。
 私は自己満足がすなわち悪いことだとは思わない。私も沢山の自己満足を積み重ねて生きている。私の、私による、私のための行為を、誰かのためなんて言葉でうやむやにしたくない。沢山の自己満足が「誰かのため」「あなたのため」という言葉で覆い隠される世界で、小山さんが自分のためにこの曲を歌っているように思えて、それをすごく誇らしい気持ちで見ていた。素直で、まっすぐで、とても素敵なことだと思う。小山さんのことが好きだな、と改めて思った。
 東京1日目の小山さんは涙をこらえるあまり声が震えてしまっていた。でも大切に歌おうとしていることは伝わってきた。2日目の小山さんはぼろぼろに泣いてしまっていた。でも1日目よりしっかり歌っていた。オーラスでの小山さんは、「きっときっと大丈夫だよ」と歌詞に書いたとおりになっていた。

 

15.恋を知らない君へ

 「ニャン太」からの流れはずるい。こらえていた涙がまた零れてしまう。とてもシンプルで、それゆえに届く歌だった。
 「恋を知らない君へ」は、曲としては好きだけれどドラマが少し苦手な内容だったこともあったしあの夏たくさん聴いたということもあって、そこまで響くかといわれたらそうでもない曲だった。けれど、この2日間に聴いた「恋を知らない君へ」はとにかく響いた。まっすぐでシンプルで、とても心がこもっていた。私の大好きなNEWSだなぁ、と思った。

 

16.フルスイング

 昨年の24時間テレビを終えて、きっと今年は歌うだろうと思っていたけれどやっぱりセトリに入っていた。去年のテレビを見ていた全然ジャニオタではない友達も「いい曲だね」と言ってくれるような曲だから、コンサートにいたNEWSファンではない人にも届く何かがあったのではないだろうか。
 1日目は小山さんが泣いてしまっていた。いろいろ思うことがあったのだろう。彼の心の中にあるものは、私にはわからないけれど、小山さんのことが大好きなことだけは確か。

 

17.恋のABO

 知らないイントロかな?と思っていたら「恋のABO」に繋がった!ここのインスト部分があることで、「ニャン太」~「フルスイング」までの涙パート(って勝手に名付けた)からハッピーでウェイウェイする夏へ気持ちを切り替えていくのがすごい。どうしたらコンサートを楽しめるのかをよく考えられているなぁと思った。

 

18.サマラバ

 振付が最高に可愛くて、加藤さんのしゃかりきダンスばかり見てしまった。真似しやすい振付で、見ながら一緒に踊るのが楽しかった。ほんと……加藤さんのしゃかりきダンスが可愛くて……。
 ダンスには詳しくないから振付の善し悪しはわからないけれど、指でカメラを作って写真を撮るのがとても可愛かったしNEWSらしいなと思った。海に来たら写真撮るもんね!どこまでもポップでどこまでもキュートで、テンションの高いハッピーを具現化したみたいな曲だった。
私はこういうポップな曲が大好きなので、「恋のABO」と「NYARO」に挟まれたこの盛り上がる位置に最高にポップでかわいい曲がきてとても嬉しかった。できればコンサートの定番曲になってほしい。またがむしゃらダンスの加藤さんが見たい。

 

19.NYARO

 すっかりコンサートの定番になった「NYARO」。NEWSがハートを作るのが本当に可愛い。あの振付にNEWSの可愛さがぎゅぎゅっと詰まっている。あれだけセクシーな前髪で雄度が上がった増田さんも、手越さんの前でハートの土台部分で待機している顔は最高にキュート。「NYARO」と歌えるのも楽しいけれど、何より4人とも楽しそうな顔をしていて、見ているだけで楽しくなる。

 

20.ORIHIME

 花道で織姫役と彦星役のJr.が踊っていたような気がするんだけれど、遠くてちゃんと見えなかった……。この曲は織姫と彦星=天の「川」ということからの選曲だろうか。
 加藤さんの歌声がとても優しくて素敵だったことは覚えている。それと小山さんの「もういいかい?」が最高に好き。小山さんの切ない声がこの曲の雰囲気とぴったり合っている。

 

 小山さんの「水」のエリア。「ニャン太」や「フルスイング」は涙、「サマラバ」や「NYARO」は海。いろいろな面を見せる水は、小山さんにぴったりだなと思った。泣いてしまう小山さんも、盛り上がるアゲアゲな曲で煽る小山さんも、「もういいかい?」と切なく問いかける小山さんも、どれも嘘いつわりなく小山さんだ。


MC

 NEWSが喋りの魔術で面白い話を~みたいな説明をMr.インポッシブルがしていた気がする。ハードルをあげてたけどいつも通り面白かった。
 2日目は加藤さん以外のメンバーによる「あやめ」(フル)。私が最後に見る「あやめ」がこれかよ!とは思ったけれど、3人そしてJrやスタッフからの愛を感じた。
 私が最後に見た「あやめ」は加藤さんの「あやめ」じゃなくなったけど、だからといってあの素晴らしい加藤さんの「あやめ」が消えることはない。忘れないようにと何度も何度も思い返しているから、まだ頭の中に残っている。特別なものだから絶対に誰にも何にも侵されたりしない。何度も繰り返し言うけれど私以外の人の意見は関係ありません。私が思ったことを書いているだけです。他の人が私と違う気持ちを抱いてもなんら問題もないし関係もないと思っています。
 MCで加藤さんがいじられていて、最初はひやっとした気持ちにもなったしちょっと怖いと思ってしまったけれど、昔みたいな雰囲気ではなくてすごく安心した。加藤さんも成長したし、他のメンバーも成長した。それぞれを尊重して、尊敬して、それゆえのものだなと思えた。(あとたぶん、見ている私も成長した。)かつてのコンサートのMCで加藤さんがいじられているのを見るのがつらいのは「この人、こんなふうな扱いを受けていたらいつか舞台上からいなくなってしまうんじゃないか」みたいな気持ちがわきあがってしまうからなんだけど、今回は微塵も思わなかった。それが嬉しかったので、記録として書いておきます。
 むしろ加藤さんだけそんな特別扱いしてどっかから恨まれたりしないよね!?と不安になるくらいだった。一旦裏に引っ込んで、「シゲに会いたかったかー?」でしーんとして、他のメンバーがソロまるまるやって、最後に最大音量の「イェーイ!」もらって。アニメで言ったらこれ加藤さん回じゃない?大丈夫?オーラスのMCをこんなに加藤さん一色に染めちゃっていいの!?って心配になるくらい加藤さん大活躍って感じだった。
 最大音量の「イェーイ!」をもらったときの加藤さん、すごく嬉しそうな顔をしていた。いつものダブルピースの>∀<の顔をしようと待っていたみたいだったけれど、そのあとびっくりした顔をしていた。私も喉吹っ飛ばすくらいに叫んだ。だって加藤さんに会いたくて、ずっと楽しみにしていた日なんだから。加藤さんが生声で「ありがとー!」って叫んだのも聞こえた。すごく嬉しそうな顔をしていたのも見えた。加藤さんのことが大好きだなぁという気持ちがまたひとつ強くなった。
 これらの一連のMCのくだりに誰が何を思ってもそれが正解だし不正解だと思う。ただ私はこう思った、というだけの話。どんなふうに思わなきゃ正解とか間違いとかそういうことではなくてすべてが正解だし不正解。ただ、その気持ちが愛に端を発しているのならそれは愛で、抱いた気持ちの違いで大きさなんて測りようがない、というだけは書き記しておきたい。自分のために。
 それから、4人が東京ドームへの思いを語っていたときに、誰かが「こんなにたくさんの人と愛を交換できてるんだよね」というようなことを言っていた。なんの照れもなく、さらっと言っていたところがすごく好きだなと思った。誰かが言ったその言葉を他の人が茶化すこともないし、「そうだね」って感じの空気だったのが嬉しかった。私の大好きな人たちは、コンサートで愛のやりとりができるとなんの疑いもなく信じている人たちだ。
 MCの終わりでは小山さんが「アン・ドゥ・トロワ」と魔法をかける。そして増田さんの「音」のエリアへ。

 


21.FOREVER MINE

 う、歌が上手い……。
 増田さんのダンスがとても好きなので、ソロ曲が発表された時点で「今年は踊らないのか……」って思ってしまったんだけれど、踊らない増田貴久も最高だった。踊っても踊らなくても最高って。ずるい。
 この曲は映画「東京タワー」の主題歌で、「東京タワー」は不倫の話なのでこの曲もそう解釈できるように作られているんだけれど、あまりにも爽やかで優しくて全然不倫の雰囲気じゃないように思えた。あ~~~でも現状の生活がすごくつらくてそこに増田さんみたいな人が「堕ちていこう」って歌うんだったらこの優しい声じゃないと駄目だよな~~~!みたいな気持ちにもなった。無理矢理奪い取るんじゃなく、優しさで身も心も攫っていく、恐ろしい曲。

 

22.Silent Love

 独特の歌割で、これができるのはNEWSが歌を強みとして打ち出しているからだなぁと思った。いつかシングルでもこういうものを出してみてほしい。
 この曲は増田さんのラップが優勝オブ優勝。「実は伝えたかったMy Silent Love」が、もうとっくに諦めてしまった感じの、でも諦めてしまった自分にちょっと苛立っているような感じの声なのが本当に好き。

 

23.ミステリア

 増田さんの司る「音」のエリアだから増田さんで印象的に始まる「ミステリア」がここにきているのかなと思った。
 Jr.を影に見立てたダンスがとても恰好よかった……!NEWSにまとわりつく怪しい影。全然目が足りないのでもっとゆっくり見たい。早く円盤を!
 加藤さんの「愛なら歌にしよう 夢なら旅立とう」のところもすごくよかった。私が歌割を考えていいとしてもこのパートは加藤さんにしたと思う。最高だった。

 

24.BYAKUYA

 まさかまた「BYAKUYA」が聴けるなんて!!!昨年のハロウィン音楽祭でも披露されたし、Jr.がMステで歌ったという話も聴いたし、またやってくれないかなぁと思っていたのでとても嬉しかった。
 「ミステリア」から「BYAKUYA」の流れも、とても美しかった。たぶん、それぞれがアルバムの中で同じポジションの曲(ちょっとゴシックな雰囲気のあるファンタジー楽曲)だからこそ繋がりが美しかったんだと思う。

 

25.さくらガール

 この曲は小山さんのための振付なんじゃないかと思うくらい小山さんに似合う振付だから小山さんを見つめてしまうんだけど、今回ばかりは加藤さんを見ていた。1日目も2日目も私の位置からは背中しか見えなかったけれど、背中をずっと見つめていた。
 私はNEWSの4人の中では小山さんのダンスが一番好みだ。長い手脚と天性のリズム感がつくりだす動きのひとつひとつが美しくて、小山さんばかり見てしまう。勿論加藤さんのことも見ているけれど、加藤さんが好きだから見ているのであって、加藤さんのダンスが好きだから見ているのではなかった(だからといって嫌いだったわけでもないけれど)。
 でも今回は違った。加藤さんのダンスがすごく好きだと思った。ずっと見ていたいと思うくらい好きだった。今までと何がどう違うのかわからないけれど、力強さもしなやかさも増しているように思えた。
 ドームの天井にはレーザーで描かれた桜の花びらが舞っていてとても美しかった。

 

 増田さんの「音」のエリア。増田さんが純粋に歌を聴かせる「FOREVER MINE」から始まり、独特な歌割の「Silent Love」、増田さんから始まる「ミステリア」。NEWSが武器として育ててきた歌のすごさが爆発しているブロックだと思った。
 続いて、手越さんの「炎」のエリアへ。


26.I'm coming

 これぞTHEジャニーズ!みたいなセクシーさで、バンド引き連れて歌うのかなぁと思っていた私としてはセンステにベッドが出てきてすごく驚いた。照明の色もすごく妖艶だった。
 「BLACK FIRE」もだけど、私はこの手の曲はヘドバン(というか首から上と足でリズムを取って楽しむ)すべき曲だと思っている節があって、体が勝手に動いてしまった。そんな中で手越さんを見ていたのであまり詳細は覚えていないんだけれど、なんかこう……手越さんにこういう映画の役やってほしいなって思った。「LOVIN' U」のときも思っていたけど、早く手越さんにバンドマンの役を……!!!

 

27.BLACK FIRE

 ベッドに寝転んだまま歌い出す手越さん。「I'm coming」から世界観を繋げる方法がこれなの、ずるいな~!
 1日目は加藤さんがどこにいるのかすらわからなくて(ちょうど上段の加藤さんと柱が重なってしまっていた。たぶんあそこにいるんだろうな~と思ったけど見えないからよくわからなかった)、諦めて思いきりヘドバンしていた(クラウドを読む限りむしろヘドバンしないと失礼な曲だと思ったのでいつもポルノでロックな曲にノるのと同じテンションで挑んだ)。
 2日目はアリーナだったので、加藤さんがどこにいるのかすぐわかった。手越さんの歌い出しのところから、メンステ上段をずっと見ていた。まだ照明が当たる前から、そこで待機している加藤さんの姿が見えた。昨日は見えなかったけれど、加藤さんがそこにいる。胸が震えた。加藤さんが歌う。全員が登場すると、私の目の前は小山さんの立ち位置だった。こんなに近いのに、小山さんのほうは見られなかった。上段の加藤さんをずっと見つめていた。1日目はヘドバンしていたのに、そんな余裕はなかった。棒立ちで、ひとりメンステの上段にいる加藤さんを目に焼きつけたくていっぱいっぱいだった。
 あと、衣装にマッドマックスっぽさを感じた。あんなマッドマックスみたいな衣装でメンステ上段で歌う加藤さんなんて「Witness me!!!」と言っているのも同然。私が目を離せなくても仕方ない。だって「Witness me!!!」って言ってるんだもん。
 それと加藤さんが片方だけ半袖で片方だけ袖なしみたいな衣装で、めちゃくちゃ恰好よくて、ありがとう増田さん。

 

28.バンビーナ

 やってくれると思ってなかった!!!!!「美しい恋にするよ」のDVDで、歌い出しの加藤さんがあまりに恰好よくて、いつか見られたらいいな~と気楽に思っていたらまさか本当に見られるとは思わなくて、驚きと感動といろんな気持ちがごっちゃになっていた。
 「もっと感じさせてやるよ」の増田さんも恰好いいけれど、この曲は私の中では加藤さんが優勝(優勝という概念なので別に競ってるわけではない)。

 

29.ANTHEM

 「炎」のブロックにぴったりな熱い曲。一緒に歌えるのがすごく楽しい。演者であるNEWSも、客であるファンも、一体となって盛り上がれるのがとても楽しい。見せる側と見る側を超えた関係性が生まれたような気持ちになる。
 サッカー(特にW杯やCWCなど)って、国を挙げて一体となって盛り上がるようなイメージがある。この「ANTHEM」もサッカーのテーマソングということもあって、NEVERLANDという国をあげて一緒に盛り上がっている感じがした。

 

 たぶん手越さんの「炎」のエリアはここまでじゃないかと思う。次からはパレードの時間。

 

30.チャンカパーナ

 エレクトリカルパレードを彷彿とさせる、電飾キラキラな機関車とかぼちゃの馬車が出てくる。その後ろにはJr.が乗るトロッコ(?)もあって、旗を振るJr.たちがいて、まさしく「パレード」だった。「NEVERLAND」にも「NEVERLAND PARADE」という歌詞があるし、セットの夢の国感とも相俟って、このパレード感が最高だった。
 「チャンカパーナ」から「weeeek」くらいまで(「渚のお姉サマー」まで?あまり覚えていない……)はパレード曲。広いドームの外周を回るとなると、全員を楽しませるのは難しい。パレードが近くを通っている席は楽しいけれど、そうではない席が置いてきぼりになってしまう可能性がある。NEWSはそれを「みんなで歌う」ことで会場全体が楽しめるように気を配っていた。
 あんまりちゃんと記憶にないけれど、パレード曲にも関わらず小山さんが割と踊っていてすごく可愛かったことは覚えている。

 

31.チュムチュム

 まさか「チュムチュムアッチャッチャ」がファンの歌うパートだとは思わなかった。
 今までだったら、こういうときの曲は「NEWSニッポン」や「サヤエンドウ」などが多かったように思うけれど、今回はそうではない。2年連続でがっつり踊った「チュムチュム」や『WHITE』のアンコール以来の「渚のお姉サマー」などになっている。今まで作ってきたものに甘えず、新しいことに挑戦していく姿勢が見えたように思えた。

 

32.渚のお姉サマー

 歌ってほしかった「渚のお姉サマー」が帰ってきた~!!!
 「一緒に歌って~!」って言うからどこを歌うのかと思ったら普通にサビを一緒に歌う感じになっていて、NEWSはファンに歌わせるのが好きだよなぁと微笑ましく思いながら一緒に歌った。

 

33.weeeek

 パレードはきっとNEVERLANDの閉園が近いことを知らせている。寂しい気持ちになっているところに来る「weeeek」。一緒に盛り上がれるのが楽しい。Jr.がポンポンを持って「NEWS」の文字やハートマークを作っているのもすごく可愛かった!

 

34.ポコポンペコーリャ

 絶対歌うと思ってた!!!魔法の呪文みたいなこの曲が、NEVERLANDというコンサートにはぴったりだと思っていた。でも、まさか途中で眠りの魔法がかかってしまうとは思っていなかった。笑
 私は左右がわからないので、モニタに映っているのを見ても腕をどう動かせばいいかわからなくてダンスは苦手なんだけれど、わかんないよ~!と言いながらもすごく楽しかった。7つのエレメントをどう散りばめるのかと思ったけれど、まさかこんなかたちで「踊」を入れてくるとは思わなかった。可愛い顔で小山さんを挟んでいる手越さんも、その手越さんに挟まれる小山さんも、髪が床につかないように眠る増田さんも、魔法が効きやすい体質の加藤さんも、みんなみんな大好きだと思った。
 そして、目覚めたNEWSからのお返し。掲げたペンライトの鍵に光が宿る。ちゃんとは覚えていないのだけれど、「愛をお返ししたいと思います」というようなことを小山さんが言っていた気がする。ペンライトがぱっとついたとき、すごく幸せな気持ちになった。
 きっとNEWSのことやNEWSとファンのことを何も知らない人から見れば、子供だましの茶番に見えてしまうのかもしれない。でも、私はNEWSファンだからこの魔法を楽しむことができる。ペンライトの光は制御されているからついたってわかっているけど、NEWSが灯してくれた光だと思える。きっとNEWSとファンのあいだに信頼関係があって、お互いに楽しむ気持ちがあるからできることなんじゃないかと思った。

 

35.流れ星

 「フルスイング」の流れを汲む曲。NEWSの乗っているクレーンからたくさん星が降ってきていて、とてもきれいだった。加藤さんの「まだ歩けるだろ」が聴けて大満足だったことは覚えているけど、もう終わってしまうんだ、という寂しさが強くてあまり記憶にない。曲の後半くらいから、再び機関車が現れる。OPでメンステからやってきた機関車は、後方から現れてメンステへ帰っていく。
 NEVERLANDの旅が終わる。

 

 アルバムと同じように、Mr.インポッシブルのナレーション。コンサートが終わってしまう。NEVERLANDでの今までの冒険を振り返るように、画面にはコンサートの名場面が映し出される。「D.T.F」の記念写真、それぞれのソロ、「weeeek」のポンポンで作ったハートに囲まれるNEWS。まるでエンドロールみたい。寂しくてちょっと涙が出てきた。
 ここから先は、現実へ帰るための準備。

 

36.U R not alone

 ネタバレを見ていなかったからわからなかったけれど、多分アンコールはないな、と思った。というか、なくて良いと思った。あったらあったでいいのかもしれないけど、ないという選択をしたNEWSが好きだなと思った(たぶん、あるという選択をしてもNEWSのことが好きだけれど)。
 コンサートに沢山行っているわけではないけれど、アンコールを用意していないというのが珍しい構成だということはなんとなくわかる。きっと、勇気のいる構成だったと思う。でも、NEWSは本編で満足させる自信があったんだろうし、こうやってアンコールのないセトリを組めるほどファンはNEWSに信頼されているんだな、とも思った。
 加藤さんはパンフレットで「NEWSは攻めてる」みたいなことを書いていて、その攻めの姿勢の表れのひとつがこのアンコールのない構成だと思った。それと、「NEWSニッポン」「希望~yell~」「星をめざして」などがないセトリもきっと挑戦だったのだろう。今回のセトリは東京ドーム全36曲からソロを引いた32曲のうち、15曲がコンサート初披露の曲だった(「QUARTETTO」のときは全34曲からソロを引いた30曲のうちコンサート初披露は11曲なので、「QUARTETTO」と比べたら初披露が増えている。「WHITE」「10th」と比較しても増えている。定番曲で盛り上がろうぜ!という雰囲気のアンコールがない今回のセトリだからこそ初披露曲を多く入れることができた、ということもあるのかも)。今までにやったことのない曲が多いということは練習時間なども必要になるだろうし、簡単なことではないと思う。そういう挑戦の詰まった、攻めのコンサートだったように思える。
 本題に戻って「U R not alone」の感想を。思うところがいろいろあって1日目はぼろ泣きだった。自分の今後が不安で、でもNEWSと一緒に歌っているうちに「やるしかない」という気持ちになってその気持ちを表明するみたいに歌った。でも泣きすぎて全然音が取れない歌声になってしまった。迷惑だったかもしれないけれど、それでも歌いたくて、できる限りの大声で歌った。
 2日目はアリーナ最前ブロック(しかも3列目)という意味のわからない席だったのだけれど、全編通してなかなか加藤さんが来ない席だったのでちょっとだけ残念な気持ちもあった。けれど、「U R not alone」のときに加藤さんが目の前に来てくれた。1日目と同様に明日からの日々の不安にぼろぼろ泣きながら、でも目の前の加藤さんに届くように必死に歌った。「誰でもいい」と歌詞にはあるけれど、私は他の誰でもなくて加藤さんに声を届けたかった。あなたを応援している人がここにいるよって伝えたかった。届いたかなぁ。届いたって思いたいな。

 

 

 NEVERLANDという夢の国に迷い込んだ私は、いろいろな世界を冒険して、NEWSと一緒に「U R not alone」を歌って、現実に帰ってきた。コンサートは終わってしまったけれど、Mr.インポッシブルはオーラスの最後に「NEVERLANDの旅は永遠に続く!」と言っていた。きっとこのコンサートのことを忘れなければ永遠に続くんだろうな、となんとなく思った。
 まるで夢だったんじゃないかって思うけれど、ちゃんと覚えている。夢だけど夢じゃなかった、みたいな気分。小さい頃の私が憧れたファンタジーの主人公たちも、異世界から帰ってきたときにはこんな気持ちだったのだろうか。
 首から下げた鍵。私はNEWSがくれたこの鍵で、NEVERLANDへ行ってきた。いつかもし私に子供が産まれたら、「ママはこの鍵でNEVERLANDに行ってきたんだよ、とても素敵なところでね……」なんて話ができたらいいな、って割と本気で思っている。

 

 

 2日目は、NEWSコールが止まなかった。この美しいコンサートにアンコールはいらない。歌ってほしかったわけじゃない。ステージに出てこなくたっていい。でも、「一緒に進んでいきましょう」と言ってくれる彼らに、声を届けたかった。規制退場の案内がされるならそれでもいい。そしたらちゃんと帰るから。そう思ってNEWSの名前を呼び続けた。
 小山さんは「つらいときや悲しいときはNEWSのことを思い出してください。僕らはいつもそばにいます」と言ってくれた。NEWSがいつもそばにいてくれるなら、私もいつもそばにいるよ。そう伝えたかった。「U R not alone」という曲があって、本当によかった。私がNEWSに言われるだけじゃなく、NEWSに「あなたはひとりじゃない」と伝えることができる曲があって本当によかった。

 2日目のラストではもう二度とないようなコンサートだと思ったけれど、もう二度となくていいとも思った。もう二度と、つらい思いをしてほしくない。いつだってどんなときだって幸せでいてほしい。
 無理して笑ってほしくないけど、アイドルには笑っていてほしい。楽しんでアイドルをしていてほしい。アイドルを楽しめなくなってしまったら、アイドルなんて辞めて幸せになれる道へ進んでほしい。辞められないわけじゃないって、いくつもの前例が証明しているんだから。でも、できたらアイドルでいてほしい。わがままでごめんね。だから、私は私の大好きなアイドルが心から笑っていられるように、どんなに小さなことでもできる限りのことをしたい。
 だからこうして、何文字も尽くして「好き」を叫んでいる。あなたたちのことが大好きだから。

 私にとっては私に見えているものが事実で真実で、私じゃない誰かにとってはその人に見えているものが事実で真実なのだと思う。事実も真実もひとつではなくて、それぞれが見たものに口出しすることはできない。仕方ないんだよ、見えている世界が違う。それぞれの世界とそれぞれの正義がある。
 だったら、私は私に見えているものを信じる。それに対して誰が何を言ったってどうでもいい。私の真実は揺らがない。
 東京ドームで私が見たのは、とても美しいコンサートと、ファンのことが大好きな4人の姿だった。

 

 「つらいときや悲しいときはNEWSのことを思い出してください」と小山さんは言ってくれた。でもね、嬉しいときも楽しいときもNEWSのことを思い出しているよ。美味しいごはんを食べたときは「NEWSにも食べてほしいな」って思うし、楽しいことがあったときには「NEWSも楽しい日々を過ごしているかな」って思ってる。そうやって思う相手がいて、私はすごく幸せ者だなと確信している。
 これまでのコンサートでは、私はNEWSから愛されているんだなぁ、ということを強く感じた。大切な「君」として愛してもらえていることを強く感じていた。今回もそうだったけれど、それ以上に私の愛はきっとNEWSに届いている、というような気がした。大好きだよというファンの声を、NEWSはちゃんと受け止めているように思えたし、ファンの声がNEWSの力になっていることも感じた。
 すごいよ、愛が届くんだよ、アイドルに。ステージの上できらきらしている人たちに。私の声とか気持ちとかそういうものが愛としてちゃんと届いてる。それがすごく実感できるコンサートだった。愛だよ。愛しかないよ。これが愛じゃなかったらこの世に愛なんてないくらいに愛だよ。
 最後に勝ったり地球救ったりするらしいけど、そんな大それたことじゃなくても、そこには愛があって愛に包まれていた。愛に溢れていた。もし東京ドームがハート型に変形しちゃってたらNEWSとNEWSのファンのせいだ。ごめん。
 愛は別になんの免罪符にもならない。愛があるからって何をしていいわけじゃない。愛があるからどうこうっていう問題ではない。何か具体的に有用な価値があるのかといったら、たぶんないと思う。お金にもならないし、おなかいっぱいにもならない。愛なんてそんなものだ。でも、ファンとNEWSのあいだには双方向の愛があるというその事実が、とても嬉しい。

 私は、友達や恋人や家族やその他どの関係性でも代用できない愛が、ファンとアイドルというかたちの愛が、私とNEWSとのあいだにあると実感している。この素敵で特別な愛を信じているから、信じさせてくれるから、私はNEWSのことが大好きだ。

 愛してもらえることも嬉しいけれど、愛がちゃんと届いている思えることがとても嬉しい。こんなに幸せな気持ちでいられて、NEWSのファンでよかったと心から思う。私はNEWS担・シゲ担をやめるときはジャニオタをやめるときだと確信しているけれど、こんな気持ちになっちゃったらこれからもずっとNEWS担でいるしかないなぁ!

 

 沢山の愛をありがとう。これからも愛して愛される関係が続きますように。

ひとりの青年と、私の愛のはなし ―コンサート「あやめ」感想―

 いつも以上に主観的な文章です。もしかしたら気分を害される方もいるかもしれません。責任は負えないので、それでもという方だけ先へ進んでください。
 私が見た、私の頭の中で紡がれた、私にしかできない「あやめ」の話です。

 

 

 この曲については、曲自体の感想は既にまとめてある(ドアの内側の君を呼ぶ ―「あやめ」感想― - 来世はペンギンになりたい)。コンサートの「あやめ」を見ても、曲を聴いて思ったこととは外れてはいないと思った。これらの気持ちが更に深まったような感じがした。


 私は、あの曲を歌い踊る加藤さんはとても「人間」だと思った。加藤さんというひとりの青年が繰り広げる物語だった。センステへ歩き、ばたりと倒れる(アリーナでは倒れているところから始まっていたらしい)。そこから歌い出す。もしかしたらあの青年は、何か大きな壁にぶつかって倒れてしまったのかもしれない。彼のめざす世界に手を伸ばしても届かないと知ってしまって、道半ばにして倒れてしまったのかもしれない。しかし彼は歌い出す。
 体全体を使ったり、指先と表情で見せたりと、前半は静かに燃える情熱が確かにそこにあるのを感じた。しかしその情熱はまだ向かう先を知らないようにも思えて、この先どうなるのかわからなくて、とても張りつめた空気だった。私は息をのんで見つめるしかなかった。遠いし、双眼鏡も持っていない。コンタクトをしているけど視力がいいわけではない。遠くの加藤さんがかろうじて見える程度。それでも私は、モニターではなくて彼を見つめるしかなかった。目を離すことができなかった。

 遠くから見ていたから、Jr.が出てきたあたりの細かな動きは覚えていない。ただとても美しかったことは覚えている。だんだんと、青年の情熱の向く先がはっきりとしていく。動きも大きくなっていって、「んなもんいらねぇ 飛んでやらぁ」の跳躍がとても力強かったことを覚えている。
 「あやめ」の音源を聴いたとき、このポエトリーリーディングの部分が苦手だった。「あやめ」だからというわけではなくポエトリーリーディング自体が苦手で、聴いていてどう感情を乗せたらいいのかわからなくなってしまう。けれどコンサートでの「あやめ」では、この部分が台詞のように聴こえた。加藤さんが演じるこの曲の主人公(さっきから仮に「青年」と呼んでいる)が、救済の蜘蛛の糸を否定して自らの力で飛ぶことを選択する。青年の心の底から出てきた言葉のように思えて、すんなり心に入ってきた。青年の熱の向かう先が決まった、決意のようなものを感じる場面だった。
 自らの力で飛ぶことを選択した青年は、「雨の弓を渡れ超えろ抱きしめろ」と自分に言い聞かせ、クレーンの上へとのぼっていく。蜘蛛の糸を拒絶したから、彼は自分の足で行く。
 青年の、もとい加藤さんの、文字通りいのちを懸けた姿だった。勿論、安全であることがある程度担保できているからこそ演出として組み込まれているのだと思うけれど、それでも危険なことには間違いない。加藤さんのいのちが、あの曲に生きている。映画「ピンクとグレー」のごっちの姉を思い出させるようなコンテンポラリーダンス。彼がクレーンをのぼっていったとき、あのシーンが一瞬頭をよぎって、少しだけ怖かった。でも彼はまだこれからやれることがある、やるべきことがある、まだこの先を見ることができるひとだから、あのシーンのようにはなることはない。彼は歌詞のとおり「生きていく」のだから。

 青年は駆けあがった先でドアをノックする。ドアの向こうの誰かを呼んでいる。「cause i need u cause i love u/knock knock open the door」彼が呼ぶ先には誰がいる?
 そこにいるのは私だった。上手に世界に馴染めなくて扉の奥に閉じこもってしまった人だった。青年はそんな人たちに語りかける。「あなたが必要だから、あなたを愛しているから、ドアを開けて」と。
 私は「あやめ」を聴いたとき、この曲は「取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人たちを世界と繋ぐ曲」だと思った。そして私はその「取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人」だ。上手く世界に馴染むことができない。馴染む努力をしたら、それは自分を傷つけることと同義になってしまう。それならば、馴染めなくてもせめて認められる努力をしようと思った。けれど私の努力は裏目に出てしまい、結局は弾かれてしまう原因のひとつになるだけだった。自分にできることを頑張ればきっとどうにかなると思ったけれど駄目で、ただただ耐えることしかできなかった。そのうち、どうやって努力をすればいいのかもわからなくなっていった。物理的には引きこもらなかったけれど、心は扉の奥に閉じこもっていた。
 昨年の秋頃から、実家を出たり結婚したりということで自分について考える機会が増えた。考えれば考えるほど、己の駄目さ具合に気付くだけだった。私が自分で気付いただけではなく、親の意見を聞いてもそうだった。なるべく迷惑をかけないようにと思って生きてきたのに、弟の方が数倍楽だったと聞いて悲しくなった。私が必死にやっていることは、多くの人にとっては意識せずともこなせることだった。私が必死に悩んでいることは、多くの人にとっては取るに足らないし悩みの種にもならないことだった。頑張らないとできないことが多すぎて、どうして、と思った。どうして私はこんなに頑張らなければいけないの?必死になっても追いつけないのに、追いつけたとしてもその輪の中に入れるかわからないのに。毎日が怖い。明日が来なかったら良いのにと思った。
 だけど、加藤さんが呼んでいる。ドアをノックしている。大好きなひとが私を呼んでいるのだから、ドアを開きたい。のばされた手を掴みたい。そんな気持ちになった。

 そして青年は虹色の旗を振る。旗を振る青年の上にはクレーンでできた虹が架かっている。
 旗を振るという行為にはいろいろな意味があると思うけれど、「あやめ」における旗を振るという行為は「ここにいること」を示すことだと思う。私は加藤さんが全身で歌い踊り、そして「ここにいること」を示すこの曲がとても好きだと思った。
 多様性を示す虹色の旗を振って、ひとりの青年が誰かのSOSに応えているように思えた。ドアの向こうにいる誰かに、ドアのこちら側で必死に生きている誰かに、彼は旗を振ってその存在を示していた。ここにいるよと伝えていた。
 この世には神様なんていない。だって美しい世界はまだ存在しないんだから。だから蜘蛛の糸には頼らない。自分の足で虹を歩いていく。あなたのことを愛して、手を繋いで、前へ進んでいく。美しい世界は自分たちの手で描いていく。息遣いの音で曲が締めくくられる、これからも青年が、そして「あやめ」の世界が生きていくことを表しているかのようだった。コンサートでの「あやめ」は、そういうひとりの青年を主人公にして「生」を描いた演出のように思えた。

 


 「来世はペンギンになりたい」というこのブログのタイトルは、「死にたい」を私なりに柔らかく言い換えたものだ。早く来世にいきたいとずっと思っていた。でも親を含め私に好意的に関わる人のことを思うと死ぬのも申し訳なくて、でも生きているのがつらくて、なにか言葉を残そう、と思って始めたのがこのブログだった。私がここにいることを残しておきたかった。私にとって「ここにいること」はとても重要なことだから。
 かつて私が加藤さんのことを好きだと思ったとき、そのきっかけになったのは「シャララタンバリン」というソロ曲だった。ちょっとひねくれたところのある彼があんなにもまっすぐなうたを歌っていること、そのまっすぐな曲も歌詞も彼の中から生まれたことに驚いた。それをきっかけにして、私は加藤さんのことを好きになった。「三番目にシゲが好き」といううちわについてMCで取り上げてしまうような彼が、誰より自信たっぷりに「ここにいること」を強く主張するように歌う姿が好きで好きで仕方がなかった。だから、いつかそんなパフォーマンスをする加藤さんを見ることが夢だった。
 昨年「星の王子さま」を見たときに書いたブログ(さよなら、私の愛したあなた。 - 来世はペンギンになりたい)にも「普段はどこか居心地が悪そうな顔をしているのにソロ曲では「俺はここにいるんだ」と自信を持って歌うあなたを、生きづらそうなあなたを、かつてはいたのかもしれないけれどもう今はどこにもいないあなたを、ずっと心の中に閉じ込めたままだった。」という文章があった。
 あのブログ記事を書いたあとも悩んでいた。加藤さんのことが好きだから、加藤さんのことを好きでいられるか不安だった。こんな気持ちになるくらいなら、加藤さんを好きになるきっかけが「シャララタンバリン」でなければよかったのにと何度も思った。中途半端に知っているくらいならいっそのことかつての加藤さんを知らない私になりたかった。知っていると言えるほど知らないのに、知らないと言えないほど知っている。この中途半端さが嫌で嫌で仕方がなかった。あの頃の加藤さんのことはやっぱり特別に好きで、でももういないからこそこんなに好きなのかもしれない。私はこの先も加藤さんを好きでいられるだろうか、と何度も悩んだ。
 確かに、あの頃の加藤さんはもういない。でも、全く知らない人ではなかった。「あやめ」を歌い踊る加藤さんを見て、「シャララタンバリン」の延長線上にいる加藤さんに会えた気がした。私がずっと見たいと思い続けてきた、「ここにいること」を強く訴える加藤さんを見ることができた。「星の王子さま」のパフォーマンスを見たとき、「あやめ」を聴いたとき、それぞれ加藤さんが知らない人に思えてとても寂しかったけれど、今は寂しくない。彼は旗を振っている。「ここにいること」を歌っている。
 勿論、あのときとは意味合いが違う。「シャララタンバリン」は単純に存在の主張だったけれど、「あやめ」は取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人に対して自分がここにいることを伝えているように思えた。

 

 

 ここから更にものすごく痛いことを言うので地雷のにおいがしたら引き返してください。
 「あやめ」を見ていたら世界には私と加藤さんしかいないような気がした。勿論東京ドームなんだから私は1/55000だし、加藤さんが私の存在に気付いているとかそういう話ではない。だけど、私の主観の話として、世界には私と加藤さんしかいなかった。あのドアをノックした先にいるのは私だし、あの旗は私のSOSに応えるために振られていた。1日目はそんな気がした。
 2日目は、私と加藤さんしかいない世界で、加藤さんは誰かのためにドアをノックしていたし誰かのために旗を振っていた。そんな加藤さんの背中を見つめることができたことを、幸せに思う。
 私はリア恋とかガチ恋とかというタイプではない。加藤さんに恋をしているわけではない。でも加藤さんのことを愛している。恋愛に発展するようなものではなくて、そもそもが全く別のかたちの愛。でもそれは愛と呼ぶ以外に呼びようがない愛。ファンとアイドルというかたちの愛。私はファンとしてアイドルである加藤さんのことを愛しているし、加藤さんはアイドルとしてファンである私のことを愛しているように思えた。私の愛は、間違いなくあのとき成就した。だからものすごく晴れやかな気持ちでいっぱいになっている。恋愛とはなんの関連もないし他のどんな愛とも代用がきかない「ファンとアイドル」というかたちの愛だってある。私の愛はそういう愛だ。

 ずっと見たかった「ここにいること」を主張する加藤さんのパフォーマンスを見ることができたことと、私のような人間のSOSにも応えてくれること。二つの意味で、私は「あやめ」に救われ、私の愛が成就したことを感じることができた。「あやめ」は私にとってとても特別な曲になった。この特別な気持ちは私だけのもので、誰にも何にもどんなことがあっても侵されたりしない。強く確信しているくらい、私にとって特別な曲になった。
 それがどうしたということかもしれないけれど、私は今すごくあたたかで晴れやかな気持ちで加藤さんのことが好きだ。

 

 というわけで、今日も私はシゲ担です。

マイお題「私のNEVERLAND」を作りました

 

お題「私のNEVERLAND」

 

 6/11、4月から始まったNEWS LIVE TOUR 2017 NEVERLANDがオーラスを迎えました。
 あなたが見たNEVERLANDはどんな世界でしたか?レポでも感想文でもポエムでも構いません。あなたが見たあなたのNEVERLANDを、是非ことばにしてみてください。

 私も後で書きたいと思いますが、取り急ぎお題だけ作成致しました。