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来世はペンギンになりたい

好きなものを好きと言うために生きてる

ポルノグラフィティのこの歌詞がすごい・昭仁編

 以前、晴一編を書いたので、だったら昭仁編も書かないわけにいかないだろう、と。
 今回も正解とか不正解とかではなく、100%主観でお送り致します。

penguinkawaii.hatenablog.com

 

 

1.音のない森

僕たちはまだ森の中
抜け出そう 陽のあたる場所へ

 岡野さん作詞ではじめてシングルになった曲。抽象的かつ内向的で、リリース当時に「これをシングルに!?」と驚いたのを覚えている。
 岡野さんの歌詞は、解決しないまま終わることが多い。きっと岡野さんの書く歌詞は「ひとの人生」ととても密接に関わっていて、人生とはそう簡単に解決しないものだから岡野さんの書く歌詞も解決しないままで終わるものが多いのだろう、と勝手に思っている。フィクションの物語を展開させる新藤さんの歌詞とは真逆といえるような部分がある。勿論、岡野さんの歌詞にも物語が展開する歌詞もあるけれど、傾向としては抽象的・内向的な歌詞が多い気がする。
 この「音のない森」も、物語が展開するというよりは自己を内省したような歌詞になっているが、最後に「僕たちはまだ森の中」と歌われている。森の中でもがき苦しみ、結局抜けられないまま終わる。しかも最後はオケの音も消えて岡野さんの声だけが残る。初めて聴いたときはぞっとした。「抜け出そう 陽のあたる場所へ」と歌っているということは、まだ「僕」は陽のあたらない場所にいるのだ。
 人が目を向けたがらない部分を、岡野さんの歌詞は暴いて晒して見せつける。「苦しくて叫ぶ声 届かない 何を待つ?」と問いかけてくる。自ら動くのではなく何かを待っているだけだということを、目の前に突きつける。私には心当たりのあることばかりで、一時期は岡野さんの歌詞を見るのが苦しかったこともある。
 しかしこの薄暗さと底知れない怖さは、岡野さんの書く歌詞の魅力のひとつだ。怖いと思う気持ちも苦しくなる気持ちも拭えないくせに、その魅力に抗えないのはきっと私だけではない。

音のない森

音のない森

 


2.ROLL

独りよがりの愛情は君に届かずに彷徨った

 岡野さんの歌詞はループする。まわる、めぐる。それが最も顕著に表れているのが「ROLL」だ。だってタイトルがもう「ROLL」だもの。多分だけど岡野さん、「回る」というモチーフが好きなのではないかなと思う。「メリーゴーラウンド」という曲もあるし「なにはなくとも」にも「廻る廻るMerry-Go-Round」が出てくるし「電光石火」の「グルグルと回って元通り」という歌詞もそうだ。ぱっと思いつくだけでこのくらいなので、ちゃんと探せばもっとあるかもしれない。wataridoriも渡り鳥=めぐるものがテーマだし、歌詞には輪廻のような表現も見られる。この「回る」とか「めぐる」の関連として「輪廻」もまた岡野さんの歌詞によく見られるテーマのひとつなのかもしれない。岡野さんの歌詞がいかに「回る」もので出来ているか、そのうち調べたい。
 で、ROLLの話だけれど、歌詞には直接「ROLL」という単語は出てこないものの、「めぐりめぐる」という言葉や「僕」の葛藤・逡巡といった感情がまさしく「ROLL」というタイトルで表現されていて、本当に天才的なタイトルだなと思う。
 私は岡野さんの歌詞の中では「ROLL」がめちゃくちゃ好きで、というのも散りばめられている言葉がいちいち美しいからだ。「剥がれ落ちる心が知ってた 愛してる」というフレーズがまず美しいし、「独りよがりの愛情は君に届かずに彷徨った」という一行に込められたやるせなさや切なさが凄い。多分、この言葉以外に「独りよがりの愛情は君に届かずに彷徨った」ということを表現できる言葉はない。それ以上の言葉で表しようがないし、それ以下の言葉では足りない。過不足のない、シンプルで美しい表現だと思う。「締めつける空の色」という言葉も奇麗で、開放的なはずの空の色を「締めつける空の色」と表現する岡野さんのセンス凄まじいな、と何度聴いても新鮮に驚く。この人の目に見えている世界はどんな色をしているのだろうか。
 また、ポルノの歌詞は(割と二人とも共通して)あまり具体的な背景をもたない、という点が特徴だと思う。「ROLL」も、描かれているのは逡巡する「僕」の感情で、具体的に何があったのかはわからない。「僕」の後悔すらも抽象的にしか描かれない。語られない物語があるからこそ想像の幅が広がるし、誰もが想いを重ねやすいのかもしれない。

ROLL

ROLL

 

 

3.Swing

君と僕でかわした言葉達はいったい何処へ行ってしまったんだろう?
迷子になっているのならば帰ってこなくていいよ

 岡野さん作詞のものでは一番好き。シンプルだし言葉数が多いわけではないけれど、どうしようもないほどにどうしようもない物語が展開している。
 まず「君はあの日何も言わずに飛び出して行った」とあるから既に過去の出来事を主人公が回想しているのだろうという予想ができる。主人公である「僕」はいつまでも「あの日」にひっかかり続けているようだ、ということが歌詞を見ていくとわかる。雨と「僕」の心情が重なり、物語が展開していく。
 言葉は基本的にシンプルに綴られているけれど、上に引用した部分はちょっと遠回りな言い方のように思える。他がシンプルだからこそ、ここの歌詞の良さが際立つ。きっと二人は他の恋人たちと同じように愛したり愛されたりする関係性だったのだろう、様々な愛の言葉も交わしただろう。でも、その言葉たちはもう二度と二人の間で交わされることはない。「何処へ行ってしまったんだろう?」と言いたくなるほどの感情は、なんとなくわかる。それに対して「迷子になっているのならば帰ってこなくていいよ」という言葉。口調は優しいけれどとても冷たくて好きだなと思った。冷たく当たりたくもなってしまうくらいの恋だったのだろうか。きっとたくさんの言葉を交わしたはずなのに、「君はあの日何も言わずに飛び出して行った」というのも心にずしんとくる。
 「ふたりはきっと確かな時間重ねたはずさ」と歌うのに、「結局ふたりは空っぽだったね 何にも満たされることはなく」とも歌われている。確かな時間を重ねたのに空っぽなふたり。そういうこともあっさりと描いてしまうのが岡野さんの歌詞の特徴のひとつかもしれない。
 そして最後に「相も変わらず煙草吹かしゆっくり僕のままでいるんだ」と「君を忘れてしまおう」という歌詞。この二人に何があったのかは語られないけれど、「僕」は僕のままでいることを選択し、「君」を忘れることを選んだ。もしかしたら「僕」のそういうところに嫌気がさしてしまったのかもしれないし、そうではないかもしれない。想像の余地を残した美しい終わり方だなと思った。また、この部分の歌詞はなんとなく「私は私と、はぐれるわけにはいかないから」「あなたをひっそりと思い出させて」と歌う新藤さん作詞のサウダージと対になるようにも思える。二人が歌詞を書けることで多様な価値観を描くことができるのはポルノの強みだ。
 ROLLのときにも思ったけれど、岡野さんの歌詞は岡野さんの曲によく合う。本人が作っているのだから当然かもしれないけれど、曲の雰囲気や音のイメージと言葉がぴったりとハマる。この「Swing」もそういう一面がある曲だと思う。岡野さんが歌ううえで無駄な部分も足りない部分も何もなくて、ボーカルが書く歌詞だからだろうか、とぼんやり思った。

Swing

Swing

 


4.n.t.

なんだ つまんねぇ こんな 生き方
はやく 自分を塗り替えてしまえ

 タイトルは「佞言(ねいげん)断つべし」という言葉を意味している。三国志(三国志を元にした漫画『蒼天航路』)に出てくる言葉らしい。
 この曲を初めて聴いたときは怖いと思ったし、今聴いてもちょっと怖い。かつては刺さらない部分がないくらいにこの歌詞のすべてが刺さっていた。胸ぐらを掴んで揺さぶられているような気持ちになっていた。今は多少落ち着いたのでそこまで怖いとは思わないけれど。でもやっぱり怖い。
 中学生のときにこの曲をよく聴いていたのだけれど、「なんだ つまんねぇ こんな 生き方」という一文がものすごく刺さった。私はそんなつまんねぇ生き方なんかするものか、と強く思っていた。実際そういう生き方はしていない(というかできなかった)し、ポルノグラフィティが私に与えた影響は大きいと改めて思うし、そうやって沢山の人に影響を与えているのだろう。
 この曲の「はやく 自分を塗り替えてしまえ」とか「PRIME」の「変わればいいんじゃない?」「こんな僕はいらない」とか、その手の歌詞が中学生の頃の私にはとにかく怖かった。変わればいいことはわかっているけれど簡単に変われたらこんなに苦労してない、と叫びたかった。もしかしたら岡野さんにも何か「変わりたい」と思う部分があったのかもしれない。それを真っ直ぐに叫ぶことができる岡野さんは凄い人だなぁと、今になってみれば思う。真正面からぶつかってくるから、こちらも目を逸らせない。魂と魂がぶつかるような、命のやりとりにも似ているような、そんな剥き出しの感情。私が塗り固めた壁はあっけなく壊されてしまう。だから私は岡野さんのこういう歌詞を怖いと思ってしまうのだろう。
 また、最後の怒濤の問いかけの部分は何度聴いても圧倒される。まだ20代の岡野さんの、出口の無い迷路を延々と彷徨っているような歌声がとても怖い。耳を塞ぎたくなる。でも岡野さんの声と言葉はそれを許さず、私が隠していた・見ないふりをしていた私を引きずり出してくる。私が直視することとなった私はとても醜く、痛々しく、でも愛おしい。だいぶ荒療治ではあるのかもしれないが、私は岡野さんのそういう言葉に救われた面もある。

n.t.

n.t.

 


5.夕陽と星空と僕

君の形 僕の形 重ねてはみ出したものを
わかり合う事をきっと愛とか恋と呼ぶはずなのに

 2004年の「FANCLUB UNDERWORLD2」のときに行われたファン投票、そして2013年~2014年のライブツアー「ラヴ・E・メール・フロム・1999」のときに行われたシングル以外の曲のファン投票で1位だった曲。メロディやアレンジ(特にキラキラした鉄琴みたいな音が散りばめられている感じが星空っぽくて好き)も勿論のこと、歌詞も素晴らしい。
 まず情景の描写から始まるのだけれど、具体的で思い浮かべやすいのにとてもロマンチックな光景が広がる。リリースされた当時は「五車線道路に掛かる歩道橋」をひたすら探したことを思い出すし、今も「五車線道路に掛かる歩道橋」を見るとこの曲が頭の中で再生される。
 私が特に好きなのは上に引用した部分の歌詞。間違いなくこれが愛とか恋というもののひとつの真実なのだろう、と思うくらいにはっとさせられた。リリースされた当時は愛とか恋なんてどうでもいい中学生だったのでただ「いい曲だなぁ」と思っただけだったけれど、今聴くと「これはまったく正しい」と思わざるを得ない。自分が持っていないけれど相手が持っている部分を互いに「わかり合う」ということが愛とか恋なのだ。少なくとも愛とか恋のもつ側面のひとつだ。それに「はずなのに」と続いているから、きっと「君」と「僕」は上手くいかなかったんだろう。どう上手くいかなかったのかはわからないけれど、それが名言されていないところがまたいい。
 最後の「君の形 僕の形 いつかはその形を変えて どこかで出会えるはずさ この世界はとても広く 素晴らしい愛があるはずだから」という歌詞は、来世も含めて「いつか」と言っているのかなとなんとなく思った。「ROLL」でも述べたけれど、岡野さんの歌詞は「めぐりめぐる」ことが多いから、そういうふうに捉えてもいいんじゃないかな、と勝手に思っている。

夕陽と星空と僕

夕陽と星空と僕

 


6.アニマロッサ

君とここに居ることを僕はそれを愛と呼んでいいのかい?
この肉体(からだ) この心 君をずっと守りたい

 私は未だにこの歌詞が意味するところを掴み切れていないのだけれど、このあいだポルノファンの友人と遊んだときにこの曲の話になって「この曲は『君』の屍を越えていく歌だよね」と言っていてなるほどと思った。
 「ここ」とか「この肉体(からだ)」「この心」という指示語が多用されているのは、その指し示すところが「僕」自身だからなのだろう。「君」という存在を「僕」自身の心と身体に連れているようなイメージ。だからこそ「そばにいる 終わりまで 離さない」という歌詞で締めくくられる。「終わり」とは「僕」の心と身体の終わりのことか。
 私は「この肉体(と)この心(で)君をずっと守りたい」なのかと思っていたけれど、「この肉体(と)この心(に宿る)君をずっと守りたい」という解釈も全然成り立つしそのほうが自然にも思えるので、岡野さんの歌詞の深さを思い知らされる。そのうえで「君とここに居ることを僕はそれを愛と呼んでいいのかい?」「君の為に僕は居るから」というフレーズを見ると、ぐっと重さを増したように思える。どっしりとした強い意志を感じる歌詞だ。「君」の屍を越えて、「君」の想いも「君」への想いも抱えて前へ進んでいく強い意志。
 一方で新藤さんの歌詞では「君」がそこにいるうえで「最後まで付きあおう 僕が果てるまで」(ネオメロドラマティック)と歌うのだから似ているようで対照的だ。

アニマロッサ

アニマロッサ

 


7.ワンモアタイム

One more time 僕らの中にある あまねく無限の力を感じて 
Be with you 大切な人の 手を離さず駆け抜けて行くだけ

 東日本大震災後、最初にリリースされたシングル。岡野さんの「今、この時代を生きている/生きていくこと」が反映された歌詞になっている。
 一方、新藤さんの「今、この時代を生きている/生きていくこと」が強く反映されているのが「2012Sperk」。ポルノの歌詞にはこんなふうに「同じものをそれぞれが描いた」とでもいうような歌詞がいくつかあるように思える。これもそのうちまとめられたらいいなぁと思う。
 岡野さんの描く「今、この時代を生きている/生きていくこと」は、とても力強い。岡野さんはライブの最後でいつも「君たち、最高!だから、自信持っていけ!胸張っていけ!」と言うのだけれど、それと同じようなことが書かれているのがこの歌詞だと思う。「あなたを守れなければ終わり ならばどうする?」と問いかけ、「One more time 僕らの中にある あまねく無限の力を感じて Be with you 大切な人の 手を離さず駆け抜けて行くだけ」という答えを提示する。「僕らの中」には「あまねく無限の力」があるというのだ。なぜそんな力があるのか、本当にそんな力があるのか、疑問に思う必要はない。岡野さんがあるというのだからある。だからその力を信じていけばいい、そんな気持ちにさせてくれる。
 岡野さんのメッセージソングの歌詞はあーだこーだと凝り固まった思考をシンプルにさせてくれる。「ただ~するだけ」とか「~すればいい」というような歌詞が多い印象があるからかもしれない。ちゃんと調べたわけではないけれど、ワンモアタイムの「大切な人の 手を離さす駆け抜けて行くだけ」とか、「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」の「ただその身を輝かせていればいい」とか、「Light and Shadow」の「古くなってても また磨けばいい」とか、そういう感じの歌詞が結構ある気がする。なぜそうするかとか、そんな理由はどうでもいい。「前置きはいらないからとにかく信じろ」みたいな雰囲気があって、そこまで力強く言われるとなんだか信じてみたくなる。
 ポルノは二人ともロックかつポップな曲を作るのが上手くて、何がポップかと言われても私はそれに対する答えを持っていないのだけれど、でもこの曲の大サビの盛り上がりはとてもポップな気がする。そのポップな盛り上がりをみせるメロディに前へ向く意思を持った歌詞が乗っかっていて、つまりそれは沢山の人の心に響くということだと思う。それがよく表れているのがこの「ワンモアタイム」だ。

ワンモアタイム

ワンモアタイム

 

 

8.LIVE ON LIVE

声にならなくて 失速する僕を
切り裂く興奮で 呼び戻す君よ

 岡野さんの歌詞を語るのならこの曲の歌詞は外せないというか外したくない。「ライブ」という空間やそれに懸ける思いが詰まった歌詞になっていて、ポルノグラフィティのライブを表すのにふさわしい歌詞だと心底思う。
 この曲や「Let's go to the answer」(こちらも岡野さん作詞)など、ちょっと特別な立ち位置の(ポルノグラフィティを反映するような)歌詞において、「」と「」という歌詞が使われているのが嬉しい。「僕」と「君」がいるからこの空間が成り立つ。「今ここにいる 全部がここにある」という歌詞が続くところも好きだ。岡野さんがライブでよく「ハネウマライダー」の歌詞を「他の誰かと、いや、ここにいる君と!」と歌うことがあるけれど、それもきっとこの歌詞と通じている。「今ここにいる」ということは、多分岡野さんにとってそしてポルノにとってとても大事なことなのだろう。だって、「君」と「僕」が「今ここにいる」ことは当たり前でもなんでもなくて、そのひとつひとつがすべて奇跡みたいなものだ。3万人が入るライブだとしたら、そこでは3万もの奇跡が起こっている。
 「憂鬱な日々 迷う日々の喧騒にまかれて 一時でも忘れさせてくれたらいい」という歌詞も、ライブという非日常な空間を明日への活力を蓄える場として捉えているポルノらしい歌詞だ。
 この曲はアルバム『WORLDILLIA』に収録される予定だったので(アルバム収録はされずライブDVDである「"BITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002」に収録された)、制作時期は少なくとも『WORLDILLIA』発売の2003年2月より前ということになる。この歌詞が今もポルノのライブを反映しているということは、その頃から今まで変わらない気持ちでライブをやっているということだ。ポルノグラフィティの変わらない信念のようなものを感じる。
 また、この歌詞の何がすごいって、ステージに立つ側の気持ちとしても受け取れるしステージを見る側の気持ちとしても受け取れるところだ(実際どちら側の気持ちで書かれているのかといったらおそらくステージに立つ側だと思うけれど、でも私はこれを自分の気持ちのようにも受け取れてしまう)。同じような感覚で「ライブ」という空間にいられることを、とても幸せに思う。

LIVE ON LIVE

LIVE ON LIVE

 


9.カゲボウシ

泣きたくなったら ここへおいで 僕が全てを受け止めるから

 新藤さんの愛が寄り添う愛なら、岡野さんの愛は大きく包み込む愛だ。そのひとつの極致がこの「カゲボウシ」だと思う。
 頑張る誰かにそっと寄り添うような曲で、「駆け抜けて 心のままに どこまでも寄り添うから」というようなあたたかくて優しい言葉が綴られている。
 ライブの最後に岡野さんが言う「胸張っていけ!自信持っていけ!」もそうだけれど、岡野さんの言葉はなんだかとても懐が広いというか、そんなに何もかも受け止めてくれなくてもいいよと思いながらも受け止めて欲しいと思ってしまう自分がいる。そんな気持ちすら、この曲の歌詞は受け止めてくれるような気がしてしまう。たとえば、「駆け抜けて」や「自信を持って」という歌詞があるけれど、本当に駆け抜けていいのか、自信を持っていいのか、不安になることもある。だって根拠がどこにもないから。本当にいいのだろうか、と不安になる。けれど、岡野さんの言葉はその不安も受け止めてくれるような気がする。他者に自分のよりどころを求めるようで、きっと本当はいけないんだろうなと思う。確固たる自分をつくらなければならないのだろうと思う。でも、私はそこまで強い人間ではない。伸ばしてくれる手を振り払っても立ち上がれるほど強くない。差し伸べられた手を、申し訳ないと思いながらも掴んでしまう。そんな気持ちすらも「それでもいいよ」と受け止めてくれるような曲が、「カゲボウシ」だ。
 ライブで歌われる「泣きたくなったら ここへおいで 僕が全てを受け止めるから」「ありがとう ここは僕らの 世界で一つだけの場所」という歌詞がずるい。何度でもライブへ行きたくなってしまう。早くライブに行きたい!!!!!

 

 

 岡野さんと新藤さんは歌詞の色が違っていて、それぞれに違う良さがある。どちらもタイプは違えど、それぞれのやり方で心を揺さぶってくる。
 どちらかというと新藤さんの歌詞の良さのほうが言葉にしやすい。きっと新藤さんが言葉に人一倍の拘りをもっている人だからだと思う。一方で岡野さんの歌詞は心の奥底にあるものを引きずりだすような感じがする。心に直接くらった衝撃を言葉にするのはとても難しい。初めて「PRIME」や「n.t.」を聴いたときの衝撃は忘れないし、「カゲボウシ」の優しさも忘れられない。忘れられないから、少しでも言葉にしたいと思って、長々と書きました。他にも書きたいことは沢山あったけれど、なんとか9曲に絞りました。
 彼らの書く歌詞はこんなに素敵なんだよということが少しでも伝われば幸いです。

 

 

ポルノグラフィティの15周年ライブをいつまでも語り継ぎたい

 

※この記事はポルノグラフィティのファンではない(けど知ってるしちょっと興味もある)方々に「ポルノの15周年はすごかったんだぜ!!!!!」という話をして15周年を祝うライブ2本の映像を見るときに作ったレジュメ(が一部不完全だったために後で追記したやつ)です。

 

 

 

基本情報

1-1:ポルノグラフィティとは?

 ボーカル:岡野昭仁
 ギター :新藤晴一
 広島県因島市(現・尾道市)出身の二人組バンド。2004年まではベースのTama含む三人で活動していた。
 1999年「アポロ」でデビュー。その後「サウダージ」「アゲハ蝶」などのヒット曲を世に送り出し、デビュー以来17年以上活動休止などをせず精力的に活動し続けている。現在シングル44枚、アルバム10枚をリリース。最新シングルは2016年リリースの「LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」。
 
 過去の曲のクレジットでよく「ak.homma」という名前が出てくるが、ポルノグラフィティのプロデュースを手掛けていた本間昭光さんのこと。

 

1-2:ポルノのライブについて

・ナビゲートキャラ

 ライブを盛り上げるキャラクター。前説としてライブ開演前の会場をあたためている。楽しいのでポルノのライブにお越しの際は是非余裕をもったご来場を!
 前説のほか、グッズのモチーフになったりもする。楽曲にちなんだ場合もあるし、ライブのコンセプトから生まれた場合もある。15周年のライブのナビゲートキャラは「キューブ教官」。

 

・グッズがかわいい

 とにかくかわいい!普段使いも全然できちゃう!
 しかしそんなかわいいグッズの中、圧倒的に普段使いに不向きなのが「ポルノTシャツ」。でかでかと「ポルノ」とデザインされたTシャツはライブ以外で着てるとちょっとびっくりされるぞ!

 

・異様に揃う手の振り

 なぜかはわからないが異様なまでに手の振りが揃う。「ミュージック・アワー」など、ポルノ側から「やってね!」という振りが揃うのは勿論のこと、自発的にやる振りすら揃う。揃えようと思っているわけではないが揃う。ホール規模は勿論のこと、スタジアムでも揃う。特に手を左右に振るワイパーっぽい動きはめちゃくちゃ揃うので必見。

 

・照明がえぐい

 えぐいとかえげつないとか、そんな言葉で表現したくなるほどすごい照明。とにかく数が多かったり、前後にも上下にも自在に動いたり、ぐるぐる回ったり、いろんな色が出たり、とにかくすごい。ただすごいだけではなくて、曲に合った演出装置として機能している。しっとりした曲もロックな曲も、照明によってステージの表情ががらりと変わる。「私が払ったお金は照明になったんだ」と実感できるほど毎回パワーアップしていく。
 照明に興味のある方・すごい照明が好きな方は是非ともポルノグラフィティのライブを一度でいいから観てほしい。

 

 

ラヴ・E・メール・フロム・1999

 2013年~2014年に行われたツアー。長いので以下「LEMF」と略す。
 シングルベスト『ALL TIME SINGLES』を受けてのツアーのため、シングル曲が満載。アポロの「ラヴ・E・メール・フロム ビーナスなんて素敵ね」とデビュー年の1999年から生まれたタイトルで、15年目に突入するぞという意気込みが感じられる。
 ちなみにこのときのツアーグッズとして販売されていた「アポログラフィティ」(ポルノグラフィティと明治のコラボグッズで、あのお菓子「アポロ」を特別パッケージで販売)は、ソチ五輪フィギュアスケートの羽生選手がキスクラで持っていたことで話題になったし品薄にもなったしMCの話題にも事欠かなかった。
 この公演はWOWOWで生中継もされていた。MCにはその話題もふんだんに盛り込まれている。

 ちなみにYoutubeの公式チャンネルでちょっとだけライブの模様が見られます。


ポルノグラフィティ 『13th ライヴサーキット “ラヴ・E・メール・フロム・1999”Live in MARINE MESSE FUKUOKA トレーラー映像』


00.OPENING
 映像の構成は新藤さん。絵コンテもてがけている。ポルノグラフィティのこれまでのあらすじをおもしろおかしく、そして優しく紹介する映像になっている。ちなみに一瞬会場の様子が映し出されているところはMステと鋼の錬金術師のイラスト。
 「それでもまだまだ みんなと夢の中にいたい 時には薄目を開けて 周りをうかがいたくもなるが ギュッと目を閉じて」という言葉が途中に出てくるが、これとほぼ同じ言葉が5周年の頃にも出てくる。新藤さんのエッセイ集『自宅にて』の中に「ポルノグラフィティを仕事として僕が生きていけてるのは、まだ夢を見られているからだとも思う。ときどきは目が覚めそうなときもあるけどね。そういうときはぎゅっと頑なに目をつぶって、見ていた夢をたどり直すんだ。」という言葉がある。当時の私がどうしても好きだと感じたことを、何年経っても同じように思っていることが嬉しくて、この映像を見るたびに何度でもぐっとくる。

 

01.青春花道(2013年、38thシングル) 詞曲:新藤晴一
 まだまだまだまだ青春だーっ!という言葉に続く「青春花道」。15年目に突入するに当たって二ヶ月連続リリースをしたときの第一段。80年代をテーマにしており、曲調もなんとなくそんな感じがする。しかしまるっきり古くさいとかどこかで聴いたことがあるというような風に仕上げるわけではなく、「ポルノグラフィティらしい」音楽にしてしまう力があるのがすごい。ジャケットやPVもちょっと懐かしさのある雰囲気が感じられる。ジャケットは当時めちゃくちゃびっくりした。今見てもびっくりする。
 紫がかったピンクのような照明がよく似合う曲。一曲目から会場の動きがばっちり揃っているが、これがポルノグラフィティ名物「宗教みを帯びるほど揃う手の振り」。ちなみに岡野さんがスタンドマイクなのに楽器を持っていないのは割と珍しい。
 それにしてもこの岡野昭仁ノリノリである

 

02.ミュージック・アワー(2000年、3rdシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 ポカリスエットのCMソングとしてお茶の間にも広く知れ渡っていて、ポルノを知らない人でも知っている曲のひとつ。ライブでもとても盛り上がる定番の曲。
 サビの「変な踊り」は、リリース当時に「何か振り付けを考えろ」と偉い人に言われて無理矢理考えたやつ。今となっては踊らない「ミュージック・アワー」なんて逆に無理。「ミュージシャンも張り切って」の部分は年々よくわからないアレンジが加えられている(好き)。
 間奏部分で聞こえるコーラスの歌詞がピックアップされたアレンジもあり、そっちもおしゃれでとても好き。「幕張ロマンスポルノ'11 ~DAYS OF WONDER~」などで聴くことができる。

 

03.オレ、天使(2001年、2ndアルバム『foo?』収録) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 2004年のベスト盤『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』にも収録されている。歌詞は割と尖り気味。「音楽なんてそんなもんか」という歌詞も含まれている。ステージの高い部分に上がって歌うのがよく似合う曲。いい感じの角度で観客の手が映るが、宗教みを帯びていて最高。
 イントロとアウトロで台詞があり、CD音源では岡野さんが喋っているが、今回はキューブ教官が喋っている。台詞も今回のライブ仕様になっている。

 

04.ヒトリノ夜(2000年、2ndシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 アニメ「GTO」の主題歌。「GTO」のテイストといい彼らのバンド名といいこの曲といいすごく合っていた、と今なら思うけれどアニメ放映当時は「ポルノグラフィティ」の意味も「性感帯」の意味も知らなかった。でも小学校の帰り道に大声で歌っていた。同じ経験をした人はきっと少なくないと思う。
 別れた相手のことを思うときの感情を「思い出だけ心の性感帯」と表現してしまう新藤さんの歌詞センスは何度でも惚れ直す。好き。
 パッケージ化されているファンクラブツアー「FUNCLUB UNDERWORLD 5」ではインディーズバージョンの「ヒトリノ夜」が披露されており、AメロBメロ部分の歌詞とメロディが異なる。

 

05.エピキュリアン(2013年、「青春花道」c/w) 詞:岡野昭仁/曲:新藤晴一
 あまり数は多くない作詞作曲の組み合わせ(この逆もそんなに多くない)。
 車のCMソングだったためか、モニターの映像は車から見た景色(しかもBMWのCMだったためか左ハンドル)。夏っぽい感じのする爽やかで軽やかなメロディに「Wow Wow」と繰り返すサビが心地よい。タイトルは「快楽主義者」の意。

 

06.サウダージ(2000年、4thシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 みんなご存知「サウダージ」。ポルトガル語で「郷愁」や「哀愁」を意味する。ポルノにラテンのイメージがついた最初の曲(次が「アゲハ蝶」)。NAOTOさんのヴァイオリンがこれでもかというほど切なく歌う。
 ポルノのライブの照明の良さが現れている曲で、赤と青のライトを中心に場面にあわせて切り替えられていて、どちらも炎のような色で効果的にステージを照らしている。サビで真っ赤に照らされるところには毎回血が騒ぐ。
 歌詞カードは女優・山本未來さんの手書き文字となっている。PVでも三人が手紙を読んでいるようなスタイル。ちなみにPVでは特殊メイクで三人とも老人になっている。
 ライブでも定番の曲で、個人的にはこれを聴かないと帰れないくらいの気持ちのときもある。いつかのライブで岡野さんが「これでもくらえ、サウダージ!」と言って歌い始めたときは「何を言っているんだ」よりも「わかる!」が勝ったしめっちゃくらった。とても強い曲。

 

07.東京デスティニー(2013年、39thシングル) 詞曲:岡野昭仁
 「青春花道」に続き、二ヶ月連続シングルとしてリリースされた。「青春花道」のシンメというべき曲(ポルノはときどき曲にシンメの位置づけをもってきたりするから困る)。
 「青春花道」と同じく80年代を意識した曲になっているが、「東京デスティニー」は大人なテイストに仕上がっている。若干の古くささとオシャレさが同居する感じ、好き。どことなくポップでキャッチーなところもいい。照明もゆっくりと色が変わっていくところが大人なムードを演出している。新藤さんのギターソロから岡野さんが最後のサビを歌うところが聴いていて心地いい。

 

08.ルーズ(2012年、「カゲボウシ」c/w) 詞曲:新藤晴一
 投票で人気が高かった一曲。一見すると意味が掴みづらいタイトル、「永遠という文字が何より似合うのは さよならや後悔だけなのかな」という文学的な香りのする言葉の並びはTHE新藤さんの歌詞といった感じ。
 「星が全部ほら空から落ちる」のときのモニターがあまりにも美しい。岡野さんの歌声で星は空から落ちるのだ。その後、紺色の闇と月明かりの黄色に包まれた夜のような間奏、夜が明けて岡野さんに夜が明けていくようにオレンジのライトが当たり、そしてステージ全体が真っ白な光に包まれる。ポルノのライブの照明の美しさがこれでもかと光る。

 

09.愛が呼ぶほうへ(2003年、13thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 深津絵里さん・岡田准一さん出演ドラマ「末っ子長男姉三人」の主題歌。リリース時のテレビ番組では岡野さんがピアノを演奏していた。2003年のライブ「74ers」でもピアノを演奏している姿を見ることができる。
 細い白のライトが左右と後ろから幾何学模様を作り出すようにステージを照らす。間奏から最後のサビに向かうときにあたたかな色に変わっていく。会場全体があたたかくて優しい気持ちに包まれる一曲。
 何度聴いても「愛」を擬人化する新藤さんの歌詞センスに惚れ惚れ。好き。

 

10.瞬く星の下で(2013年、37thシングル) 詞曲:新藤晴一
 アニメ「マギ」OP。今回はアコースティックバージョンでの披露となる。原曲はもっと音が華やかでパキっとしていてアニソンとしてぴったりだが、しっとりと聴くのもまたいい。二人のアコギの音の上をNAOTOさんのヴァイオリンが駆けていくかのよう。
 「白馬には自分が乗るほうがいい 大切な君の手を取りずっと高く舞っていこう」という歌詞に新藤さんの描く主人公像がよく現れている(個人的にはなんとなく新藤さんの小説『時の尾』の主人公を思い出す歌詞)。新藤さんには少し葛藤するけれどそれでも前へ進むことを決意するような主人公の姿が似合う。
 また「自分を信じること」をテーマにしている箇所については、「自分以上に自分のことを思ってくれる人ってほぼいない。だから自分でやるしかない」という新藤さんの考え方から生まれている。私が新藤さんのことを好きなのって本当必然としか言いようがなくない?と思ってしまう。好き。

 

11.サボテン(2000年、5thシングル) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 幾本も降り注ぐ細い照明が美しい。ゆらゆらと揺れる照明に照らされるステージはどこか雨の中のようにも見える。終盤には白い照明も加わり明るくなって、雨上がりのようにも見えてくる。しかしこの照明は上から見ることに意味があるのではないかと思う。上から見ると、いくつもの三角形にーー棘のように見えるのだ。この曲の主人公に「君」の気持ちを気付かせたサボテンの棘のように。
 この曲はベースがとてもいい味を出しているので是非ともよい音響で聴いてほしい。胸に迫るような音をしている。
 あとこの曲の途中にあるように、新藤さん越しに映る岡野さんの図が最高に好き。

 

12.ラック(2003年、14thシングル) 詞:新藤晴一/曲:Tama
 Tamaさん参加の最後のシングル。ツアー「74ers」へ向けての曲で、タイトルは「
欠落感」を意味する。「欠落感」や「閉塞感」といった単語がゴリゴリと抉ってくる格好いい曲。
 今回のライブでは新藤さんのギターソロから始まる(だいたい新藤さんのギターソロ始まりな気がする)。びかびかと目まぐるしいほどのライトを浴びる新藤さんの格好良さたるや。そこからのまるで穴の中に細く差し込むような照明がこの曲の「閉塞感」と合っている。サビの黄色いライトも、今度は穴の中から出ていこうともがくようにぐるぐると動く。終始「閉塞感」という単語が強調されたように思える照明がすごい。
 最後に横の紫のライト、縦の青のライトが次の曲へ映った途端に色が変わるのもいいし、一瞬何も見えなくなるほど眩しくてその光がギターの新藤さんへと集まっていくのもいい。とにかく照明が最高。

 

13.音のない森(2003年、11thシングル) 詞曲:岡野昭仁
 シングルで初めて岡野さんの作詞・作曲だった曲。初めてだったのに思い切り暗い曲でリリース時はめちゃくちゃ驚いた。しかも歌詞を見ると「抜け出そう 陽の当たる場所へ」で終わっていて、まだ森を抜けられていない。自分に重なる部分もあって聴いていてしんどくなることもあるけれど、それもまたいいと思う。
 このライブのヘソ(俺たちの演奏を聴け!!!みたいな曲)はこの曲。間奏がだいぶ長くなっており、このアレンジは5周年ライブ「PURPLE'S」のときのアレンジを元にしている。間奏の変拍子は聴いているとなんだか不安定な気持ちになるが、「音のない森」をさまよっている様子としてとてもぴったりで、だからこそこんなにも不安定な気持ちになるのだろう。音楽ってすごいんだな、と思い知らされる。
 それにしても「ラック」に引き続き照明がえげつない。恐ろしい森の中に迷い込んだかのような色の光が会場の不安定さを更に煽る。ばっと強く照らされた黄色い光すら、やはりどこか怖い。特に最後のサビに向かうところ、ばたばたと変化する強い光がやんで岡野さんに緑の光が集中し、そこから赤い光になって炎も出て、なんかもうとにかく怖い。その状態で楽器の音がなくなり岡野さんの声だけになるのが本当に怖い。この森でひとりぼっちでいる様子を表現しているようで、とにかく怖い。好き。

 

14.夕陽と星空と僕(2003年、「愛が呼ぶほうへ」c/w) 詞曲:岡野昭仁
 ツアーに際して行われたシングル以外の楽曲投票にて1位を獲得した曲。ちなみに2004年に行われたファンクラブツアーに際しての楽曲投票でも1位を獲得していた。約10年ほどが経っても変わらず1位になる不動の「夕陽と星空と僕」。でもわかるよ、名曲。「君の形 僕の形 重ねてはみだしたものを 分かり合う事をきっと愛とか恋いと呼ぶはずなのに」というフレーズはひとつの真理だと思うし、「君の形 僕の形 いつかはその形を変えて どこかで出逢えるはずさ この世界はとても広く 素晴らしい愛があるはずだから」という最後のサビの「この世界」は、なんとなく輪廻した先さえも含むような広さが見えてとても美しい。
 歌い出しはまだ「夕陽」なので、夕陽のようなライトで逆光になった岡野さんの横顔がなんだか心にぐっとくる。歌詞が「夜空」になると照明もステージを青と白でぼんやり照らし出すのも素敵。その後はオレンジと青白が混ざり合うような色合いなのもとにかく美しい。最後のサビでは「あの夕陽にも星空にも僕の想いは乗せられない」から、いっそ朝焼けのようにステージが明るくなるのも、ポルノの照明チームは天才としかいいようがない。

 

15.メドレー
 ここからはシングルをいくつか集めたメドレー。歌っている本人が「一曲一曲に想いを重ね合わせてください」って言ってくれるのありがたい。大いに感情移入しながら聴ける。
 バックに映し出されているのはそれぞれの曲のPV。

15-0.Mugen
 メドレーの前奏的な感じ。

15-1.君は100%(2010年、31stシングル) 詞曲:岡野昭仁
 サビ前のライトが意味わからないほど奇麗。
 ポルノのライブ名物「異様に揃う手の振り」。ワイパーだと揃い具合が露骨にわかってちょっと気持ち悪い(誉めてる)。わかる、わかるよ、これだけ揃ってたら映像に残したくなるよね。

15-2.ギフト(2008年、25thシングル) 詞:新藤晴一/曲:岡野昭仁
 映画「フライング☆ラビッツ」主題歌。
 個人的には人生の応援歌のひとつにしている。自分についてとやかく言うのは他の誰よりもまず「自分」なんだよなぁ、と思い知らされるし、それがわかるからこそ前へ進める気持ちになる。
 PVは「ギフト」=贈り物といえばサンタクロース!という考えのもと、フィンランドで撮影された。新藤さんはギターを持っていないのでうろうろしたり、サンタクロースに会ってご機嫌な笑顔を見せたりしている。
 シングル表題曲では初の新藤詞岡野曲の組み合わせ。

15-3.あなたがここにいたら(2008年、23rdシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 映画「奈緒子」主題歌。シンプルな歌詞で言葉の数も決して多くはないけれど、じんわりと心に染みる名曲。

15-4.Love too, Death too.(2008年、26thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 最高!!!超好き!!!!!なんとなく雰囲気はNEWSの「EMMA」と近い気がしている。「EMMA」が好きな人にオススメしたい一曲。
 タイトルは「愛さえも死さえも」という意味。「愛」と「死」が隣り合わせるこの美しい歌詞よ。骨董品みたいな、触れたら壊れそうな美しさ。しかし絶対的な美しさ。
 ちなみに調べてみたら2008年はシングル5枚も出していた。活動しすぎだろ。ありがたいことです。

15-5.Before Century
 リリースされている曲ではなく、「Century Lovers」という曲の前にあるC&Rという名の儀式(岡野さん談)。「everybody say」と言われたら「フー↑フー↑」と返す。裏声なのでなかなか言いにくいが、腹の底から声を出すと楽しい。
 新藤さんがよくわからないお手本を見せてくれる。あれが正解なのかどうかはわからないが、岡野さんがいいというならいいのだろう。

15-6.幸せについて本気出して考えてみた(2002年、8thシングル) 詞:新藤晴一/曲:Tama
 ポルノ史上最も長いタイトルの曲。通称は「チェケラ」。拳を突き上げながら楽しむ曲。モニターに表示される映像と照明が一緒になっている感じがぱーっと明るくてこの曲にぴったり。

15-7.Mugen(2002年、9thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 2002年W杯NHK公式ソング。サッカーの曲なのにサッカーっぽい単語をひとつも使わず、W杯というものに付随する熱気や熱狂を表現するところが新藤さんの歌詞。好き。
 「それは祈りの姿に似ていた」の岡野さんはもはや神像。
 間奏が開けるところの目まぐるしい照明がまさしく「Mugen」という感じ。
 曲が終わった後のヴァイオリンが奏でているのはシングル「Mugen」に収録されている「Mugen」のオーケストラバージョンの一部。まさかここで聴くことになるとは思わなくて驚いた。そしてえげつない照明。

 

16.アゲハ蝶(2001年、6thシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 みんな大好き「アゲハ蝶」。夏の夜のような照明が美しい。もう語ることがないほど有名な曲。間奏のラララを歌わずに家には帰りたくない。
 ちなみに普段この曲では新藤さんはアコギなので、エレキでの演奏は珍しい。岡野さんの歌を追いかけるように入ってくるエレキの音色がとても新鮮。岡野さんの歌と、新藤さんの歌うギター。彼らふたりが「ポルノグラフィティ」だ。
 最後に「最高の歌声をありがとう!」と言う岡野さんの笑顔がとてもいい。こんなに楽しそうない愛しそうな顔をしてくれるなら何度だってライブに行きたくなってしまう。

 

17.Let's go to the answer(2005年、5thアルバム『THUMPx』) 詞曲:岡野昭仁
 岡野さんの名演説から始まる。この人たちについていきたいと何度でも思わされる。
「君たちはこの遠吠えをまだまだ聞いてくれますか。わしらの遠吠えにまだまだついてこれますか。まだまだ聞いてくれますか。OK、それなら、わしらと一緒に行こう、Let's go to the answer」といって始まるこの歌が最高じゃないわけがない。「一緒に行こう」と言ってくれる限り、どこまでも一緒に行きたい。
 歌詞には彼らの出身地「因島」や過去のシングルタイトルが織り込まれている。彼らが二人になって、30代になって初めてのアルバムのラストナンバー。翌年のライブ「惑ワ不ノ森」では新藤さんが途中で40歳になるので、やるなら今回のライブしかないよな~!やってくれてありがとう!
 モニターに部分的に歌詞が出るのもおしゃれ。サビの疾走感溢れる照明も最高!

 

18.メリッサ(2003年、12thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 アニメ「鋼の錬金術師」OP。たくさんの少年少女を夢中にし、狂わせた曲。私もその一人である。ライブでは盛り上がる定番の曲で、この曲のときに銀テが出る印象が強い。
 新藤さんのギターソロの「俺のギターを聴け!!!!!」感が最高に好き。そして
隣に並び立つ岡野さん。好き。好きとしかいえない。好き!!!!!ジャケットの写真もこのときのもの。つまり、これぞポルノグラフィティという図なのだ。世界よ、これがポルノグラフィティだ!!!!!!!!!!!!

 

19.ハネウマライダー(2006年、20thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 ポカリスエットCMソング。タオルを回す曲。タオルを回しながら跳ぶため、体力の消耗がすごい。しかし岡野さんはタオルを回しながら跳びながら歌っている。どうなってんだあの人。
 「他の誰かと、いや、ここにいる君と!」が本当に嬉しい。彼らが「君」と呼ぶなかには私もいるのだ。こんな幸せが他にどこにあるだろう。

 

20.ひとひら(2013年、ベストアルバム『ALL TIME SINGLES』) 詞曲:新藤晴一
 大切な過去が元気や勇気をくれる。「振り返るな」と言わないところが新藤さんの優しさだなぁと思った。
 「強くあろうと生きてきたから 変わらなけりゃいけなかったよ」というフレーズが、とてもあたたかい。変わってしまったものはたくさんある。私もそうだし、ポルノグラフィティもそうだし、岡野さんも新藤さんもそうだ。強くあろうと生きてきたから変わらなけりゃいけなかったのだ。そう思ったら、変わってしまったものに優しくなれる気がした。変わってしまった自分を認めてやれる気がした。
 ポルノの歌詞に地図が出てくると、だいたいその地図は「ない」。地図がないことを歌うのだ。この「ひとひら」も、「地図でもあればいいがどこにもないけど」と歌う。でも、地図がなくても「コンパスだけはその胸にあるだろう」と続ける。方角さえわかればそれでいいのかもしれない。目指す場所なんてきっとわからなくて、どこかに向かって歩き続けていれば、いつかはどこかにたどり着けるのかもしれない。
 桜吹雪越しに会場を見つめる岡野さんの目がとても優しい。新藤さんのギターの音色がとてもあたたかい。
 特段何かを頑張って生きてきたわけではないけれど、私だって私なりに頑張って生きてきた。それを認めてくれるような優しい曲。私が頑張るそばにはいつだってポルノがいた。
 ありがとう。

 

21.アポロ(1999年、1stシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 「東京デスティニー」から、シングルのジャケットがリリースと逆順に表示されていく。だんだんとスピードアップして、「ヒトリノ夜」までいったところで、何度も何度も聞いたことのある、耳慣れたロケットの音。
 ライトが真ん中の四角いオブジェに集まる。そこには二人が乗っている。時折新藤さんが何かをよく見ようとする顔をしているのが印象的だ。この人、ギター弾きながら会場をじっと見ている。15年目の彼らを見つめるファンを見ようとしているのだ。なんか、こう、愛されてるなって気がする。
 新藤さんのギターソロでは岡野さんが新藤さんの後ろに回っているのがめちゃくちゃ格好いい。いいか世界、覚えとけ、この二人がポルノグラフィティだ。
 そして最後、一度オブジェから降りて曲が終わり暗転する。そして再びオブジェの上に立つ。これ、遠くから見ると二人が月に立っているように見えるのだ。15年かけて、ポルノグラフィティは月に到達したのだ。こんなに美しいライブの終わりがあるなんて!

 

EN-1.マシンガントーク(2000年、1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』収録) 詞曲:ak.homma
 岡野さんがモンキーダンスのしすぎで生死の境をさまよう曲。原因は主にギターの人である。そわそわとギターを弾き始めたりふわふわ歌い出したりほっぺ叩いて音を出そうとしているギタリストを見てほしい。どれだけ楽しそうな顔をしているんだ。
 1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』では、この曲と「Heart Beat」のみak.hommaが作詞も手がけている。ポルノ全曲通してポルノ以外が作詞をしているのはこの2曲のみ。

 

EN-2.Sweet Home Chicago
 いろんな人がカバーしているブルースの名曲(の日本語版?)。そこそこ多く回るツアーだったので、その土地の名前を入れて歌っていた。
 岡野さんのロングトーンはちょっと意味がわからないくらいすごい。

 

EN-3.ジレンマ(2000年、「ヒトリノ夜」c/w) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 最後の一曲はジレンマと決まっている。暴れなきゃ帰れない!跳ばなきゃ帰れない!
 間奏にはミュージシャンたちのソロパートがある。それぞれが楽しそうに楽器を弾く姿を見ていると、このステージを見られてよかったなと思う。そしてソロ回しの最後に登場するギター・新藤晴一。「俺の演奏を見ろ!」と言わんばかりにギターを引く姿が世界一格好いい。
 そしてこの曲の何がいいかって、最後に岡野さんが「君たち、最高!だから、自信持っていけ!胸張っていけ!」と言ってくれるところ。いつから始まったのか忘れたけれど(昔はなかった気もする)、これを言ってもらいたいがためにライブに言っている面もある。だって、ライブに行って楽しんだだけで、こんなに力強く背中を叩いてもらえるんだから。ポルノのライブから帰るときは、いつもちょっとだけ背筋が伸びている。明日を頑張る力をくれるのが、ポルノのライブだ。

 

 

 

神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~

 あまりに「不惑」(=40歳。「四十にして惑わず」)を推すタイトルにビビっていたが、ロゴもグッズもかわいかったので安心した。ちなみにこのときは15周年ということで珍しくツアーパンフも販売された。また、「ポルノ初の雨グッズ!」として、てるてる坊主も販売された。
 なお、今回は「惑ワ不ノホーン」としてトランペット2名、サックス1名、トロンボーン1名が参加しているため音が分厚く、またホーンの音が似合う楽曲が多く披露されている。
 今回のナビゲートキャラもキューブ教官。

 こちらもYoutubeでちらっと見られます。


ポルノグラフィティ 『神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~ Live at YOKOHAMA STADIUM』 トレーラー映像

 

00.OP「まどわずのもり」
 絵:はるいち、話:はるいち。日本むかしばなしやギャグ漫画日和を思わせるイラストと物語で、「惑ワ不ノ森」に入ったまま出てこない2人がいることを教えてくれる。彼らは生きていれば40歳になるらしい。

 

01.アポロ(1999年、1stシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 「LEMF」のラストではあれだけエモエモしい「アポロ」だったが、今回はあっさりとそしてシンプルに恰好良く演奏される。岡野さんの声が横浜の空を突き抜ける。

 

02.今宵、月が見えずとも(2008年、27thシングル) 詞:新藤晴一/曲:岡野昭仁
 劇場版アニメ「BLEACH」の主題歌。「アポロ」から月つながりでの選曲だろうか。岡野さんの作るゴリゴリした強い曲と新藤さんの書く繊細でロマンティックな歌詞が合わさって、「BLEACH」の世界観に合いながらも沿いすぎない曲になっている。
 当時、なんとなくこの曲で一気に若い男子ファンが一気に増えた気がするので弟(当時中学生)に確認したところ、「結構ポルノファンいるよ」とのことだった。更に言えばこの8年後には「THE WAY」でまた少年少女の心を掴んでいる。いつの時代も若い世代の心を掴むポルノグラフィティ、すごい。

 

03.リンク(2007年、22ndシングル) 詞曲:岡野昭仁
 ゴリゴリした骨太な音が心地いい。音源よりもライブの方が圧倒的に映える曲。岡野さんが真っ直ぐな目をして指をさす姿が印象的。とても真っ直ぐな言葉で綴られた歌で、岡野さんの真っ直ぐな声でなければきっとこんなにも響かない曲なのだろうと思う。

 

04.Please say yes, yes, yes(2007年、『PORNO GRAFFITTI』収録) 詞曲:新藤晴一
 「今宵~」「リンク」とゴリゴリした音が続いたあとに来るポップな楽曲。ポップでかわいく、たのしく、聴いていて気分が明るくなってくる。新藤晴一のポップの極みともいうべき作品。一時期はライブの最後の曲にしようとしていた感もあったが、いろいろあって「ジレンマ」に戻った。それ以来ライブでやらなくなったと思っていたが今回の披露となった。ポップで楽しくて好き。
 ところで、この曲のラストで岡野さんと新藤さんが向かい合ってギターを弾いているが、滅多にないことなので映像に収められてよかった。本当によかった。15周年で向かい合わせでギターを弾く二人、あまりにエモくて何回でも見てしまう。

 

05.ダリア(2013年、「東京デスティニー」c/w) 詞曲:岡野昭仁
 昭仁節と呼ぶべきメロディがこれでもかと光る一曲。作詞作曲のクレジットを見なくてもどちらのものかすぐわかる典型的な曲だと思う。先程の「リンク」と作詞作曲が同じ人って言われたらなるほどって思いそう。どう言葉にすればいいのかわからないけど……めちゃくちゃ昭仁節なんだよな……特にサビとか……。
 間奏のトランペットの音が空に響いていくのが心地よい。この編成だからこそ演奏できる曲。

 

06.痛い立ち位置(2008年、24thシングル) 詞曲:新藤晴一
 「ダリア」に続いてホーンが大活躍。サックスの音が大人なムードを漂わせる。サックスとトロンボーンを割って出てくる岡野さんが恰好良いし、踊っているホーンと森男が可愛い。Aメロを歌っている岡野さんの表情がとてもセクシー(特に下がり眉と目)でうっかり見惚れてしまう。曲だけでなく視覚的にも楽しい一曲。
 横浜一日目では、大サビの歌詞をめちゃくちゃに間違えていた。愛おしい。

 

07.グッバイサマー(2011年、「ワンモアタイム」c/w)  詞曲:岡野昭仁
 ライブでは初披露(だと思う)。ホーンがいるからこそできる曲なのかなと思う。手拍子や「最高じゃん!」など、曲を知らないと少し難しい部分もある。でもステージ上と一体になる感覚がある楽しい曲。

 

08.ラビュー・ラビュー(2000年、『ロマンチスト・エゴイスト』収録) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 1stアルバムに収録されており、知名度も高い曲。柔らかで可愛らしい曲だが、デビューから15年経った2人が披露すると、当時とはまた違った良さがある。生のホーンの音が9月の空に心地よく響いていく。

 

09.黄昏ロマンス(2004年、16thシングル) 詞曲:新藤晴一
 2人体制になって2枚目のシングル。「愛が呼ぶほうへ」や「カゲボウシ」などにも通ずるような、優しく愛を歌う一曲。あたたかなトランペットの音に包まれて、時間がゆったりと流れる。

 

10.Before Century
 惑ワ不ノ森カー(スタッフの手作り感満載のトロッコ)に乗って移動。会場が広いとたまにトロッコが出てきたりもする。

 

11.俺たちのセレブレーション(2014年、40thシングル) 詞:岡野昭仁新藤晴一/曲:岡野昭仁 
 15周年を記念して作られた曲で、「月」や「アポロ」など、デビューシングル「アポロ」を思わせるような歌詞になっている。1番の歌詞は岡野さん、2番の歌詞は新藤さんが担当しており、作詞クレジットに二人の名前が並ぶのは初めて。今回のライブでは四方をファンに囲まれて楽しそうな顔をしている2人が印象的。
 「見んさい・聞きんさい・歌いんさい」の「3サイ」シリーズの最初。「見んさい」ということでPVではいろいろな衣装を着たりほんのり踊ったりしている。

 

12.PRISON MANSION(2005年、「NaNaNaサマーガール」c/w) 詞曲:新藤晴一
 歌詞は現実を風刺した内容になっている。たまにそういう曲もあるが、野外で歌うと堅苦しさや説教くささはどこかへいって、楽しさと熱狂だけが残る。

 

13.アゲハ蝶(2001年、6thシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 何が怖いってこの「アゲハ蝶」、ファイアーダンスのパフォーマーが出てきて民族楽器の音が聞こえただけで「アゲハ蝶」だとわかってしまう。自然とあの手拍子をしてしまう。
 それに、いつもなら「歌って!」と煽る岡野さんが何も言わない。何も言わなくてもファンが歌い出すことをわかっているからだ。この信頼関係が嬉しい。岡野さんが嬉しそうな顔をしている様子が映像に収められている。
 それにしても、(曲はあるにしても)誰にも先導されずにこれだけ揃う3万人ってよくよく考えたらすごい光景。

 

14.ROLL(2005年、17thシングル) 詞曲:岡野昭仁
 「ネオメロドラマティック」との両A面シングルだった曲。C1000タケダのCMソング。「めぐりめぐる」という歌詞はこの「惑ワ不ノ森」というテーマに相応しいといえよう。この曲のCD音源にはギターソロはないが、ライブだとめぐりめぐる主人公の心を表現するようなギターソロがある。
 ステージの後ろから後光のようなライトが射していて、2人の姿が非常に神々しく見える。特に岡野さんが正面を向いて歌いながら後光が射している様子は宗教画のよう。
 曲の展開に合わせ最後に照明の花が咲くのもすごく奇麗だし、「森」に花が咲くという意味でもとても美しい演出。

 

15. デッサン#1(2000年、『ロマンチス・エゴイスト』収録) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 間奏が長くアレンジされている、今回のヘソ曲。どこか後ろ髪を引かれて振り返るように、新藤さんのギターが歌う。しかし照明がオレンジに変わってからは力強く、野外のステージを吹き抜ける風のように、ギターの音が遠くどこまでも響く。
 岡野さんの失恋をもとに新藤さんが歌詞を書いた。実体験を元にしているから「デッサン」。キーが高いので普段は半音下げで演奏するが、今回は珍しく原曲キー。ポルノグラフィティ最初期からある曲を未だに原曲キーで歌える岡野さんの喉がすごい。むしろ年々力強くなっていて怖い。

 

16.メドレー
 ポルノグラフィティの今までの歴史をダイジェスト版で振り返るメドレー、とのこと。メドレー前の新藤さんの言葉があまりにエモかったため、これは「ダイアリー 00/08/26」が来るのでは!?と思わせておいての「NaNaNaサマーガール」。そういうところも好き。

16-1.NaNaNaサマーガール(2005年、18thシングル) 詞曲:新藤晴一
 先程「グッバイサマー」したにもかかわらず夏気分復活。2005年の沖縄ライブ「ポルノグラフテー in OKINAWA Shine on the beach」ではメインになった曲。ちなみにPVも沖縄ライブの映像。

16-2.Sheep ~Song of teenage love soldier~(2004年、「黄昏ロマンス」c/w) 詞曲:岡野昭仁
 5周年ライブ「PURPLE'S」において、ポルノTシャツにこの曲の歌詞「Keep on lovin' you I love you from my heart」がプリントされていた。10代の恋心を歌った可愛い曲。

16-3.この胸を、愛を射よ(2009年、28thシングル) 詞曲:新藤晴一
 10周年を迎えた翌日にリリースされた壮大なラブソング。歌詞がTHE新藤さんという感じで、壮大かつラストにはどこか身近にも思えるような物語が美しい言葉で展開する。物語の展開的にフルで聴かないと伝わらない部分もあるので是非フルで聴いてほしい。

16-4.サウダージ(2000年、4thシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 メドレーだが、アウトロまで演奏している。歌うようなギターと岡野さんのフェイクが重なるところまでしっかりやってくれるところが嬉しい。このアウトロのギターを聴くと新藤さんのギターはまるで歌うようで、吟遊詩人のギターだなぁと思ってしまう。

16-5.メリッサ(2003年、12thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 みんな大好き「メリッサ」。この曲で銀テが出ないとなんだか不思議な感じがする。

16-6.Jazz up(2000年、『ロマンチスト・エゴイスト』収録) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』一曲目。バンド名を地で行くような曲。

16-7.PRIME(2000年、「ミュージック・アワー」c/w) 詞:アキヒト/曲:シラタマ
 ホーンセクションが映える曲。自己を内省するような歌詞だけれど、野外で聴くととても楽しく聞こえる。岡野さんの声もCD音源よりも明るくて開放的だ。

 

17.ワンモアタイム(2011年、33rdシングル) 詞曲:岡野昭仁
 東日本大震災後初のシングル。あの大きな出来事を目の当たりにした彼らが出したひとつの答えがこの「ワンモアタイム」だと思う。「今、この時代を生きている/生きていくこと」を思わせるような、心の底から湧きあがる動力を感じるような力強い曲。

 

18.ミュージック・アワー(2000年、3rdシングル) 詞:ハルイチ/曲:ak.homma
 正直、終盤でくるこの曲は日頃運動を怠っている身には体力的になかなかしんどいけれど、ステージ上の彼らが元気なので楽しくなってしまう。

 

19.ハネウマライダー(2006年、20thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 横浜スタジアムでの初ライブはこの曲がメインだったことを思い出す。「他の誰かと~」の歌詞のところで、今回もまた「君」を強調している。「今、ここに君がいること」をそんなにも嬉しそうに歌ってくれるから、私も嬉しくなる。「ここにいる」という実感をくれる。何度それに救われたかわからない。

 

20.青春花道(2013年、38thシングル) 詞曲:新藤晴一
 「ハネウマライダー」の終わりで、オープニング映像に出てきた少年が走っている様子がモニターに映される。懸命に「惑ワ不ノ森」を走り抜ける少年。そしてだんだんと森が開けていく。森が開けた先には、ファンの笑顔。
 「惑ワ不ノ森を抜けた先にいたのは、君です!君なんです!」という岡野さんの声。迷いに迷って森を抜けた先には、沢山の笑顔が待っていた。上がる歓声。そして聞こえてくるのは、「青春花道」!
 「LEMF」が「青春花道」で始まったのなら、「惑ワ不ノ森」は「青春花道」で終わる。あまりにも美しいセトリと、お祭り騒ぎに相応しい盛り上がりを見せる一曲で、楽しさは最高潮。ステージ上も、客席も、誰もが良い表情をしている。「楽しい」を辞書で引いてもこの光景が載っていないなら、その辞書はきっと落丁だ。

 

EN1.ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~(2014年、41thシングル) 詞曲:新藤晴一
 ライブで初披露となった曲。女性目線の歌詞で、新藤さんのセンスが光る。「夜空のスクリーン」「朝日の幕が下り」というワードが美しい。「俺たちのセレブレーション」と同じく「3さい」シリーズのひとつ「聞きんさい」ということで、最後に岡野さんが「甘い幻」と囁く。最初に囁かれたときは驚いたけれどもう囁いてくれなきゃやってられない。


EN2.Mugen(2002年、9thシングル) 詞:新藤晴一/曲:ak.homma
 ホーンセクションがいながら「Mugen」やらないのかな?と思ってたらアンコールに温存されていた。拳を突き上げて盛り上がる曲。横浜の夜が熱気に包まれる。

 

EN3.ジレンマ(2000年、「ヒトリノ夜」c/w) 詞:ハルイチ/曲:シラタマ
 最後はこれじゃなきゃ帰れない。今回はホーンのソロパートもあり、ひたすら恰好いい。

 このあとスタッフからのサプライズで、会場にいる3万人から「15周年おめでとう!」の声。照れながらも嬉しそうな2人の表情が眩しい。ファンの声に応えてバックステージでも愛を叫び、メインステージでも愛を叫び、これでもかと愛、愛、愛、愛しかない空間。こんなに幸せな時間を過ごせたことが今でもまだ夢みたい。もう2年以上前のことなのにまだ夢みたいに思えてしまう。だって、そのくらい幸せだったんだ。
 いつまでも、彼らと一緒に夢を見ていたいと改めて思った。

 

 

ポルノ15周年の何がすごいのか

・ファン歴関係なく楽しいセトリ
 15周年ということでヒット曲のオンパレード。アポロ、サウダージ、アゲハ蝶、メリッサ、ハネウマライダー、青春花道。このあたりはとても盛り上がる。ファン歴長すぎてもはや何やられても盛り上がっちゃうけど、多分初めてライブに行った人でも楽しめると思う。
 LEMFのほうでは人気投票を行ってセトリに反映させたり、惑ワ不ノ森では近年ライブで披露されることのなかった曲を多く演奏していた。長年のファンも楽しめるセトリになっているといえるだろう。
 また、15周年ということで、普段はやらないメドレー形式も披露していた。あまりライブで演奏していないシングル曲もメドレーならできるのがいいところ。


・「LEMF」と「惑ワ不ノ森」
 「青春花道」で始まった「LEMF」は「アポロ」で終わり、「アポロ」で始まった「惑ワ不ノ森」は「青春花道」で終わる。「惑ワ不ノ森」が「LEMF」の続きだから「アポロ」で始まるのはわかるとして、「青春花道」で終わるのが粋すぎる。「青春花道」で終わったことによって、この15周年のライブ二本を永遠の輪の中に閉じ込められたのだ。ぐるぐると、何度も、めぐりめぐる。楽しくて楽しくてたまらなかった15周年は、この2曲がつくる輪の中に閉じ込められた。いつだってこの2曲を聴けば楽しい時間が蘇る。楽しい時間を閉じ込める魔法は、こんな簡単に使えてしまうのだ。
 「アポロ」は彼らの夢がひとつ叶って、また新たな夢が始まった曲だ。大切なデビュー曲だからこの15周年を記念する2本のライブで重要な位置に置かれるのもわかる。では「青春花道」はなぜこの位置に置かれたのか。15年目に突入するという意味合いでは重要な曲だったけれど、たぶん理由は他にもあると思う。
 彼らがいつまでも「青春」しているからだ。まだまだまだまだ青春だー!という言葉と共に「LEMF」の「青春花道」は始まった。これからもまだまだ彼らの青春は続くから、「惑ワ不ノ森」のラストも「青春花道」なのだろう。
 いつまでだって青春していて欲しい。花道を突っ走っていて欲しい。

 

・相思相愛
 ポルノのライブに行くたびに驚く。彼らがどんなにファンのことを愛しているかということに。愛されていないとは思っていないけれど、私が思うより彼らはファンのことが大好きだ。
 特に「惑ワ不ノ森」では、わざわざ後方のステージで曲を披露したり(トロッコに乗って移動したり)、カメラで客席を撮ってみたり、生声で愛を叫んでくれたりする。会場が広いから、隅のほうまで見たい、という気持ちがあるのだろう。新藤さんはかつてインタビューで「ファンは群衆ではなく、ひとりひとり」という話をしている。だからひとりひとりを見たいのかもしれない。そんなふうに愛されていることが、私はとても嬉しい。
 それに、ステージ上の彼らはとても楽しそうに笑っている。ファンが彼らを愛していることをちゃんと受け取っているのだ、と思えるような笑顔だ。たぶん、私の勘違いではない。
 ポルノは「君」をとても大切にしている。「ハネウマライダー」の「他の誰かと、いや、ここにいる君と!」だったり、惑ワ不ノ森を抜けた先にいるのは「君」だったり。君が今ここにいることを、彼らは強く強調する。ポルノグラフィティの呼ぶ「君」で、いつまでもいたいなと思う。
 会場を見つめる、愛しそうな目。二人とも、とても大切なものを見る目で会場を見つめている。こんなふうに愛してもらえて、そして愛を受け取ってもらえて、とても幸せだと改めて思う。
 ポルノファンでよかった!!!と心から思う15周年だったし今現在も進行形でポルノファンでよかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!18年目も最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

おわりに

 ポルノグラフィティをあまり知らないジャニオタの方々にあの15周年ライブの素晴らしさをお伝えしたくてあれこれ解説しながら観ていたのだけれど、照明のえげつなさと愛し愛される空間ができていることをお伝えできて個人的には大満足。このレジュメも、一部不完全な状態ではあったけれどポルノのライブの楽しさをお伝えする助けになっていたら幸いです。

 

 そんなポルノグラフィティの最新ライブDVD&Blu-rayが4/26に発売されます!!!!!
 昨年9月に横浜スタジアムで行われた「横浜ロマンスポルノ'16 THE WAY」の模様を収録。シンクロライトを使った演出、ドローンでの空撮、あの興奮が蘇る!初回盤にはなんと台湾で行われたフェスでのライブ映像もついてくる!台湾に行かなければ見られなかったライブの映像が見られちゃうってことはもはや実質無料!
 

 

 

 ちなみに通常盤のジャケットがめっちゃ恰好いいからこっちも見て。

 


 
 
 ちなみに4/20にはポルノグラフィティYouTube生配信番組「しまなみテレビ」も配信!前回は今後のロケ企画を決めたりデビュー時の思い出を語ったりぽわぽわしたトークを繰り広げたり真面目に「サボテン」を披露したりしたが今回はいかに!?

 

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 18年目も現在進行形な彼らのことをこれからも愛していきたい所存です。
 
 

ドアの内側の君を呼ぶ ―「あやめ」感想―

 

 コンサートには行っていないのでネタバレのしようがありませんのでその点はご心配なく。楽曲についての感想を、今更ですがメモ書き程度に書いておこうと思います。相も変わらず100%が主観でできています。コンサート行ってないから、行った後には「全然違うじゃん!」と思う可能性もあるので、曲を聴いて思ったことを書き残しておきます。
 
  「あやめ」
 
 初めて聴いたときは、加藤さんがまた知らない人のように思えてしまって寂しかった。私が私の頭の中で作り上げた「加藤シゲアキ」をどんどん更新しないと追いつかない。それは私が勝手に寂しいだけなので別になんの問題もない。こんなに美しい世界をつくってしまう人を好きでいることは誇らしいことのはずなのに、私は勝手に寂しくなってしまっていた。最初の数日間はほとんどまともに聴けなかった気がする。その気持ちを率直に書いたのが前回の『NEVERLAND』レビューで書いた内容だ。
 発売週の週末、友人に会った。昨年のQUARTETTO後に加藤さんへの思いを聞いてくれた友人だ。彼女に「寂しい」「でも新しく知る一面も好きになりたい」と話したところ、「新しい一面を楽しんでいけるようになるといいね」と言ってくれた。その言葉は私が自分に言い聞かせていたのと全く同じことで、そう言ってくれる人がいたことでなんだか気持ちが楽になって、素直な気持ちで聴けるようになった。素直な気持ちで聴くと、あれもこれも考えたいことだらけだった。
 全部に「ここはこう思う」と書いていくことはせずに、印象に残っている部分を取り上げて並べていくことにする。

 

 という前置きをしたくせにまだちょっとだけ前置きをさせてほしい。
 この曲は人々を――とりわけ取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人たちを世界と繋ぐ曲で、私はその取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人たちのひとりだ。私が特別というわけではなくて、そういう人は沢山いる。多数派ではないけれどいる。(今は私自身のことを詳しく語るつもりはない。)
 「あやめ」のいう多様性は大袈裟なことではなくて、たとえばいじめられていた人とか、仲間外れにされてきた人とか、陰で笑われてきた人とか、そういう人たちにも寄り添うような言葉で綴られているのだと思う。私にはそう思えた。

 

 

紙で切れた指先のように
伝わらない痛みを忘れないように

 「紙で切れた指先」の痛みは大きいわけではない。小さくてささやかな痛みだ。けれど瞬間的にはとても痛いし、頭の中では痛みを思い出せる。でも、傷口は痛みほど大きくないので、どれほど痛くても伝わらない。だけど、伝わらなくても確かに痛みはあった。
 萩尾望都さんの漫画『トーマの心臓』を森博嗣さんが小説にした同名の『トーマの心臓』という本がある。その中に「傷口を見ただけじゃ傷の痛みはわからない」というような台詞があった。もうだいぶ前に読んだけれど、その台詞は印象に残っている。
 痛みは主観的なものだから傷口を見たってわからないし、同じ経験をしても同じ痛みを感じるとは限らない。ただ「あの人もこんなふうに痛かったのかな」と想像することしかできない。
 この「紙で切れた指先のように 伝わらない痛み」は誰の痛みか。私はこの歌詞の「僕」が経験した痛みのことだと思った。「僕」が、自身の経験した「伝わらない痛み」を忘れないようにしよう、と決心しているように思える。
 きっと「紙で切れた指先」の痛み自体は誰にでもある。私にもある。小さいけれど確かに痛い。でも、忘れてしまおうと思えば忘れられる痛みだ。だからといって忘れていてはいけないのだと思う。でなければ、私が「紙で切れた指先」の痛みを忘れたことで誰かの指先を紙で切ってしまうかもしれないし、切ったことにも気付かないかもしれない。そういうことのないように、自分が経験した痛みも大切に持ったまま、忘れずにいようということなのかなと思った。痛みを知っていたら、他者にも同じ痛みを与えようとは思わない。少なくとも私はそうありたいと思っている。

 

青と藍と紫のボーダーライン
見極めるなんてできないんだ

 「あなたは私/私たちとは違う」という線を、何度も引かれた覚えがある。線を越えてこっちへ来ないでと言われたり、線の向こうから指をさして笑われたりしたこともある。でも、私もまた線を引いたことがある。「私はあなたたちとは違う。ここから出ないから傷つけないで」という線を何度も引いてきた。

 違う。確かに違いはある。けれど、それは決して悪いことではない。たとえばこれは仮定の話だけど、私は紫で私の母は青だったとする。母は青が正と思っていたから、私に「お前は青だし世界は青が正しいのだから青として生きていかないといけない」と教えてきた。けれど私にとってはそれは苦痛だった。持って生まれたもの、私を私たらしめるものを殺さなければ私は青の中では生きていけない。でも、母のしたこと自体が間違いだとは思わない。私が他者から傷つけられないようにという私に対しての愛情からくるものだったし、紫でも青の中に馴染んで生きるほうが楽な人もいる。私はそうではなかった。ただそれだけのことだ。まぁ仮定の話だけど。
 違うけど違いを悪いものとしない世界が理想なんだろうと思うけれど、そこに至るのはとても難しい。

 

いずれあやめかかきつばた
いずれもあやめず青空

 「いずれもあやめず」という言葉が、とても美しいと思う。先程の仮定の話をまだ続ける。私は私を殺さないと溶け込むことができない。でも私はそれをしたくなかったしできなかった。でも、私を殺してでも溶け込まなければいけないという気はしていた。そう教えられてきたからということもあったし、私の溶け込むべき世界が正しいのだという認識でいるからか、できない自分に対して罪悪感もあった。ちゃんとできなくてごめん、とずっと思ってきたし今も思っている。
 だけど加藤さんは「いずれもあやめず」と歌う。なんだか心が少しだけ軽くなった気がした。私は私を殺さなくてもいいし、それに罪悪感を持たなくてもいい。今すぐ気持ちが切り替わるかといったらそうではないけれど、でも気持ちが軽くなったのは確かだ。
 私が「正しい」と教えられてきて正しいと思ってきた世界にも疑問に思うことはある。それでも頭のどこかでは「それが正しくて、疑問に思ってしまう自分が正しくない」と思ってしまうこともある。でもそこには正しい正しくないの判断は、きっとない。誰もが等しく正しくて等しく正しくない、というか正しいかどうかで測れるものではない。これもまた今すぐ変えられる価値観ではないと思うけれど、次第に変えていければ私の罪悪感もなくなるだろう、と思う。

 

ゴッホも描けないほどの 愛の美しさを
あなたと手をつなぎ重ね重ね塗り描いてこう

 「あやめ」に出てくる「あなた」はただひとりの誰かを示すというよりは聴き手すべてを指すような、あるいはもっと沢山の人を指し示すような気がする。「あなた」という存在は曲の中では完結せず、曲の外側にいる「あなた」に届くことで更に広がっていくようなイメージ。

 不特定多数の「あなた」と手をつなぎながら描いていけば、いつかは「世界」というキャンバスに愛の美しさを描くことができるかもしれない。

 

cause i need u cause i love u
knock knock open the door

 大サビの英語部分、それまではなめらかで流れるようなメロディだったのに、少し緊張感のある音になる。歌声の前の跳ねるような音は、まるでドアを叩いているよう。「knock knock open the door」という歌詞とも相俟って、ドアの向こうの誰かを呼んでいるように聴こえる。 受け取り方によって変わるとも思うのだけれど、ドアを叩いているのはドアのこちら側にいる私か、それともドアのあちら側にいる誰かか。私には外側から叩かれているように思えた。
 あなたが必要だから、あなたを愛しているから、そのドアを開けて。
 緊張感のある切実に訴えるような響きで、閉じたドアの中にいる人を呼んでいる。先述した「取り残されてしまったり弾かれたりしてしまった人たち」の中にはドアを閉じてしまった人もいると思う。あるいは自分から線を引いてその中に閉じこもってしまった人たち。きっとそういう人たちは(あるいは私は)、私がそこにいる必要もなく、誰かに愛されることもないと思ったから、ドアの向こうに閉じこもってしまったのだ。そこに「cause i need u cause i love u」と呼びかけられたら、外へ出てもいいかな外へ出たいなドアを開けようかな、なんて思ってしまう。
 「i need u」も「i love u」も、素直な感情で、そのままの意味。それ以上の意味などない。使い古された言葉かもしれないけれど、とても美しく響く。
 それに、「open the door」。鍵を特典につけるアルバムにこの歌詞があるソロ曲を用意する加藤さんのことが好きだ。どうしても好きだ。 

 

世界は心の奥底にある

 それまでのサビでは「世界は光の地図を求める」と歌っているところ。「光の地図」だからきっと明るい方向へ向かうための地図なのだろうと思うけれど「求める」と言っているからまだ手元にはないものだ。それに「世界」はとても広くて大きくて漠然としたもののように思える。しかし、最後は「世界は心の奥底にある」と歌う。ずっと漠然としていた「世界」は、実はひとりひとりの心の奥底にある。ひとつの大きな「世界」というものがあるのではなくて、ひとりひとりが集まってできるのが「世界」。それぞれの心の奥底にある「世界」が変われば、それが集まった「世界」もきっともっと良い方へ変わっていく。それをこんな言葉で表現する加藤さんの言語センスが好き。
 ひとりひとりが変われば世界が変わるなんてそれこそいくらでも言われてきたことだし、今更だけれど、しかし実践するのは難しい。しかし改めて言葉にして、それを頭のどこかにおいておくことに意味があると思う。

 

 コンサートの演出などについては情報を一切シャットアウトしているので本当にまだ何も知らない。なので既に行った方が見たら「こいつ何言ってんだ」という部分もあるかもしれないけれどそれはどうか見逃してほしい。私もコンサートを見たら「何言ってんだこいつ!」と思ってこの記事を消してしまうかもしれないけれど、それもそれで見逃してほしい。

 

 素直な気持ちでいろいろ考えながら聴くと、言葉にするのが難しいくらいいろいろなことが浮かんできた。私の音楽的な趣味と合致するかと問われたらそれはちょっと違うと答えるしかないのだけれど、でもとても好きな曲だ。加藤さんが作らなかったら聴かなかったし好きにならなかった曲だけれど、加藤さんにしか作れない曲だからそれでもいいんじゃないかと思う。
 私は「あやめ」はドアの外側から内側へ向けて歌っている一面があると思っているから、ドアの内側にいる私はドアの内側からの受け取り方しかできない。外側にいる人が聴いたらきっとまた違うのかもしれない。でも私はこういうふうに受け取って、誰かが私に言ったいろいろな言葉について「実はこういう意味があったのかもしれない」と思えるようになった。今更気付くなんて自分の未熟さを露呈するようだけれど、でもこの曲がなかったらもっと気付くのが遅かったかもしれないし、気付けなかったかもしれない。「あやめ」のおかげで気付けてよかった。
 曲を聴いて嬉しくなったり気持ちが軽くなったりはするけれど、その日から何もかもが一変するわけではない。絡まった糸が全部ほどけるわけではなくて、絡まった場所がわかった、くらいの感じ。周囲にうまく溶け込むことができないことの罪悪感は消えない。でも、今はそれでいいと思う。もう糸が絡まっている場所はわかったのだから、きっとほどいていける。

 

 

 

まだ鍵を見つけていないあなたに届け ―『NEVERLAND』感想―

お題「NEWS「NEVERLAND」レビュー」

 NEWSの新アルバム『NEVERLAND』がリリースされた。前回のアルバム『QUARTETTO』も名盤だったけれど、それとはまた違う良さが濃縮されている一枚。アルバムタイトルや収録曲タイトルだけでもあれこれと想像を膨らませ、こんな曲だろうかあんな曲だろうかと一人で想像を巡らせていた。これでもかというほど期待を高めて待っていたアルバム。
 まさか、こんなに期待したのにそれ以上のものが来るなんて。
 きっとこのアルバムのことはよく知らないけれど聴いたら響く人がいるはずだ、と勝手に思っている。そんな人に届けばいいなと思いながら、いつもの通り100%の主観で書いてみたい。

 

 『はてしない物語』という本をご存知だろうか。ドイツの作家ミヒャエル・エンデの名作ファンタジーである。読んだことがある人は、あの赤くてなめらかな触り心地の装丁を思い出して欲しい。『はてしない物語』は他の装丁で読むよりもあの赤い本で読むと数倍楽しくなる。なぜかというと、その装丁は『はてしない物語』の中で主人公が手にしている本『はてしない物語』と同じだからだ。
 NEWSの今回のアルバム『NEVERLAND』の初回盤には鍵がついている。この鍵は初回盤特典DVDでNEWSが作っているもので、ジャケットやブックレットの衣装にもついている。そして何より、アルバムを聴き始めてすぐにこの鍵の意味に気付くだろう。『NEVERLAND』に収録されたInterはどれもナレーションが入っていて、鍵を手にした「あなた」に語りかけるような内容になっている。つまり、手にしているこの鍵はアルバム『NEVERLAND』と現実をつなぐものであり、鍵があるとこの『NEVERLAND』をより楽しむことができるのだ。
 ファンタジー育ちの私はNEWSのこの凝りに凝った世界観に、アルバムを開封しただけでやられてしまった。曲も聴いていない、映像も見ていない、ブックレットも開いていない状態で、こんなにも幸せな気持ちになったアルバムは初めてだった。アルバムを再生して、幸せは更に高まっていく。

 

 

01."The Entrance"

 物語の幕開けを感じさせる曲。ポケモンでいうとオーキド博士が名前を尋ねてくるあたり。語りかけてくる優しいナレーションはミスター・インポッシブルと名乗る。彼は「鍵を見つけてくれてありがとう」と告げる。初回盤に入っている鍵のことだ。この鍵は「買った」とか「アルバムを買ったらついてきた」ではなく、「見つけた」ものなのだ。また、「NEWSのみんな」という言葉遣いもあって、まだナレーションだけなのにファンタジーの雰囲気がどんどん増していく。
 バックに流れるチェンバロの音は可愛らしいだけでなく、どこか古風な感じもする。多分バロック音楽を連想するからだろう。『NEVERLAND』の世界観を説明するナレーションにふさわしい音楽だ。

 


02.NEVERLAND

 この曲が入っているアルバムが最高じゃないわけがない。雑に説明するとALI PROJECTSound Horizon的な雰囲気の曲。この曲だけでも聴いてみてほしい。この曲が入っているアルバムが最高じゃないわけがないという意味がきっと伝わると思う。
 重厚なイントロから始まるこの曲は、民族楽器の音や民族音楽っぽいコーラスは入っているが、明確にどの国のものと言い切れるわけでもない。この不思議な雰囲気がどこでもない異国・ネバーランドを象徴しているかのようだ。
 Aメロは平坦に進んでいき、Bメロでいくらかなめらかになる。そして呪文のように唱えられる「Neverland」という歌詞のあとにブレイクがあり、サビへと広がっていく。サビではコーラスも合わさり重厚で豪華な世界が展開する。規則正しくリズムを刻む打ち込みの音や様々な音が重なっている様子は、サビ前の歌詞にある「PARADE」を思わせる。たくさんのものがごちゃごちゃと、豪華に絢爛に混ざり合い連なって行進していく。
 不思議なことが起こる異国とは、えてしてどこか危険なものである。たとえば不思議の国のアリスでは、楽しいだけではなくてハートの女王に目を付けられたりと危険な目にも遭う。先ほど例に挙げた『はてしない物語』に出てくるファンタージエンと言う世界もそうだ。異国(異世界)へ行くタイプのファンタジーでは、異国とは危険をはらんだ場所であることが多い。この「NEVERLAND」という曲がダークファンタジー風味なのも、そういう世界観を意味しているのかもしれない。
 このアルバムのリード曲となる「NEVERLAND」は物語の入り口にふさわしく、聴き手をNEVERLANDという異世界に引き込む力を持っている。

 

 

03.アン・ドゥ・トロワ

 イントロやAメロBメロの後ろで鳴っているキラキラでぽわぽわした感じの音(雫が落ちるような音)が爽やかで可愛い。タイトルからわかるように、踊るような軽やかなメロディで、春から夏にかけての季節にぴったりのイメージ。ピアノと打ち込みの音がとても爽やかで耳に心地よくて、一夜の夢とか歌っているのになんとなく青い空が似合いそうな気がする。航空会社や旅行会社の夏の広告に使って欲しいくらいだ。
 でも歌詞をよく見ると、これ多分抱いてる。わざわざ「君とイきたい」って書いてあるし多分抱いてる。この爽やかさにごまかされているけれどこれは多分爽やかに抱いてるタイプの曲、「Greedier」とかの仲間みたいな感じ。しかしあまりにも雰囲気が爽やかすぎて歌詞をちゃんと見るまで抱いてる系の曲だとは気付かない。歌詞をちゃんと見ないとわからないようにワンナイトするNEWS。こんなに爽やかに一夜の夢が見られるのはNEWSだけ!
 「魔法」「メリーゴーランド」というファンタジックなワードと印象的に繰り返される「アン・ドゥ・トロワ」という響きのおかげで、どれだけ爽やかでもアルバムから浮くことはない。サビでは合間に「Hey!」という箇所があるが、コンサートでファンが歌うところだろうか。アルバム全体を通して「一緒に」という言葉がキーワードになっているような気がする。コンセプトのひとつとして「一緒に」も盛り込まれているのだろう。
 また、「NEVERLAND」では「NEVERLAND」と書いて「夢」と読ませている部分があるが、この曲では「夢なら覚めないで」と歌っているところがなんだかずるい。「夢なら覚めないで」なんてこっちが言いたいくらいなのに!
 最後のサビ前、小山さんの歌うファルセットの「アン・ドゥ・トロワ」が優しく柔らかくて、更にどこかきらきらしていて、個人的にはこの曲一番の聴きどころ。

 


04.EMMA

 「アン・ドゥ・トロワ」は「24時のベル」から始まり、「EMMA」は「AM0:00」から始まる。同じようなことを言っているようで印象が全然違うのがすごい。「24時のベル」はシンデレラのようなイメージを受けるが、「AM0:00」=午前0時と言われるとなんだかハードボイルド感が出る。作詞家ってすごいな、と思わされる。
 この曲が初披露されてから、ダンスに対していろいろな意見があったが、私としてはこのダンスは「EMMA」がアイドルの楽曲として世に出るために必要な要素だと思っている。メロディのポップさに加え、腰を振るダンスの(言葉は雑だけれど)チープともとれるエロさによって、この曲のもつ愛とか性とか死といった重厚なテーマをうまく隠しているように思える。ポップの皮を被ったとんでもない曲だと勝手に思っている。
 その他、詳しいことは別記事にて。

penguinkawaii.hatenablog.com

 


05."7 Elements"

 ゲームでいうとチュートリアル画面の音楽。戦い方や操作の仕方を教えてくれるところ。そんな音楽をバックにして説明される、7つのエレメント。「シゲアキのクラウド」で加藤さんも言っていたけれど、このアルバムの歌詞には随所に7つのエレメントがちりばめられているので、探しながら聴くのも楽しい。

 

 

06.Brightest

 オケがキラキラしていてまさに「Brightest」という感じ。曲がもう既にタイトルを現している。イントロから心を掴まれる。
 言葉数が多い部分は小山さんの歌声の聴きとりやすさが目立つ。小山さんの歌声は繊細で、この曲に最も合う声が小山さんの声なのかなと思った。仮歌に引きずられるタイプなのかもしれないが、似合うんだから存分に引きずられて構わないと思う。ユニゾンながら抑えめに歌うサビがすごくいいし、最後のサビの手越さんのフェイク:三人のユニゾンというバランスもとても美しい。手越さんの声のキラキラした感じがより際だっていて、この曲の雰囲気にも合っているような気がする。
 今までのNEWSにはないタイプの曲だけれど、「star」というNEWSの歌詞にはお馴染みの単語が使われているところがなんだかいいなぁと思った。
 恥ずかしながらm-floについてはあまり知らなくて、「シゲアキのクラウド」で名前が挙がっていた「come again」を聴いた。16年も前の曲だとは思えないほどおしゃれで可愛くて、でもちょっと切ないような感じもする名曲だった。もっと早くこの曲に出会いたかったくらいに気に入った。この曲を聴いてから「Brightest」を聴くと、きっと仮歌とNEWSの歌では雰囲気が大きく異なるのだろうなと想像がつく。NEWSはやはり4人いるし、それぞれの歌声に厚みがあるのだなぁと気付くだろう。違いを想像するのが楽しいから、是非一度「come again」を聴いてみて欲しい。

 


07.Silent Love

 歌割りは「Snow Dance」と似たような作りになっている曲。誰ですか加藤さんに「首筋の跡が消えても 心の傷が憶えてる」なんて歌わせたのは誰ですか!?最高!でもこの曲は増田さんのラップが優勝!!!!!
 この増田さんラップ、増田さんの良さが存分に発揮されまくっている。まずは英語の発音の良さ。増田さんは英語の発音がとてもそれっぽい。英語が上手いというよりは音楽に英語の発音を乗せるのが上手いというか、とにかくそれっぽい。NEWSの中では増田さんしか持っていない技だと思う。それとリズム感。後半のラップの部分の特に終わりに向けての畳みかけるリズムがすごい。言葉のリズムに圧倒される。そしてラップの増田さんの声は温度が低いのがまたいい。NEWSで一番歌声のバリエーションが多い増田さんだからこそ、他の曲との差がすごい。さっきからすごいしか言ってないけどだって増田さんがすごいんだもん。
 この曲の声の温度は低いほうから増田さん、加藤さん、小山さん、手越さんというイメージだと勝手に思っているのだが、サビは最も温度の高い手越さんと最も低い増田さんが交互に来るので温度差がすごい。あまりにも格好よくてぞくぞくする。
 それから増田さんのラップの最後「実は伝えたかった My Silent Love」のところの歌声が最高。「実は伝えたかった」と歌う声がもう過去形の色をしている。この過去形の色をした歌声と歌詞がぴったり合っているところと圧倒するリズムのせいで切なさが胸に迫ってくる。
 小山さんの「どんな夜に夢を見よう」の歌声が優しいところも素敵。「Brightest」といい、切実さが滲む小山さんの声はこういう曲が似合う。
 増田さんのラップに「KEY」=鍵が出てくる。おしゃれな雰囲気の曲だったとしてもこのアルバム『NEVERLAND』の世界観はしっかり踏襲されている。

 


08.恋を知らない君へ

 想いが通じなかったり、想いを伝えられなかったりする曲が並んだ三番目に来るのが「恋を知らない君へ」。このアルバムは割とそういう恋の歌が多いが、中でも群を抜いて切ない。やはり、2016年の夏を、そしてあのドラマを思い出すからだろう。
 これも前にブログに書いたので詳しくは割愛。

penguinkawaii.hatenablog.com

 


09."Neverland Cast Menbers"

 これは間違いなく戦闘用BGM!そんな音楽に乗せて紹介されるNEWSの4人。ここでもまた「一緒に」という言葉が出てくる。

 


10.ミステリア

 09の戦闘用BGMから続くこの曲の歌詞が自分の化身と闘うという内容の歌詞というのがなんとなく繋がっている感じがする。
 この曲はなんといっても大サビの加藤さんが最高。「愛なら 歌にしよう 夢なら 旅立とう」という「~なら~しよう」のあいだに法則的な関係性が見いだせない文章だが、歌う加藤さんは自信満々に言い切るので、いっそ美しく聞こえる。あまりに美しい文章で、聴くたびにここに心を持って行かれる。「世界よ、これが加藤シゲアキだ」と言いたくなるような歌声。自分自身と対峙するような歌詞の世界観で加藤さんが一番美味しいところをもっていく感じがもう……本当にたまらない……
 バックに聞こえる音楽がなんとなく和風っぽくて「サクラ」という単語と合っているような印象がある。それがなんとなくアニソンっぽい。たぶん原作はサンデーで連載されている。
 大サビの加藤さんのあと、手越さんがネガティブな歌詞のところを担当しているのもなんだか新鮮で好き。
 また、この曲にも「地下室」という鍵を連想させるような単語が出てくる。『NEVERLAND』の世界観はどこまでも損なわれない。
 このアルバムの中で最もポップン力の高い曲(綴調べ)。間奏のピアノメイン→ストリングスメインになるところとか最高に楽しいと思う。脳内譜面しか叩けないのが惜しい。

 


11.BLACK FIRE

 頭を振らないわけにはいかない曲。ロックに詳しいわけではないけれどそれだけはわかる。もしかしたらコンサートに行っても舞台上なんて全然見られないかもしれない。思いっきり頭を振りたい。
 歌詞も曲の雰囲気も手越さんが拘ったという歌い方も、他のNEWSの曲ではあまり見られないもので、とても新鮮に感じる。「きっと ずっと 一緒? ならいっそ 嫉妬 卒倒するSHOTを」という言葉の並びは普段のNEWSなら出てこないだろう。切なさとも幸せとも違う、新たな顔。
 歌い出しのところは手越さんは勿論のこと加藤さんの声が最高。あまりにも最高。コンサートで聴くのが楽しみすぎる。前回は「燃え尽きるまで」が見せ場だった加藤さん、今回は「燃やせ」なので加藤さんは「炎」担当なのかなぁと勝手に思っている。

 


12.ORIHIME

 11とは打って変わってTHEアイドルサウンド。同じアルバムにこういう二曲が続いて入るのが、自分たちで楽曲を作らないアイドルの強みだと思う。どちらも歌い方が全然違って、しかしどちらもぴったり合っているしNEWSの色になるのはNEWSの強みだろう。
 打ち込みの音が爽やかで、サビに向けて空へと浮かぶような雰囲気があるのが素敵。
 Bメロからサビへの流れが私の大好きなJ-POPで、様々なタイプの曲が入っているこのアルバムだけれどこういった曲が入っているとなんだか安心する。
 このアルバムに入っている曲の中で一番歌詞の技巧が美しい曲だと勝手に思っている。特に「消えることない約束が 僕らの999」という歌詞があまりにも最高。銀河をゆく鉄道を「999」という言葉でもってくる作詞家の技にしてやられた感じ。この歌詞なら「星の旅人たち」と併せて披露されることもあるのでは……と期待してしまう。会えない(おそらく遠距離だとか失恋だとかではない理由で会えない)恋人を織姫にたとえているところが美しい。「ハイド&シーク」という歌詞を受けての「「もういいよ。」の声が 僕にはまだ聞こえない」というところが本当……いい……「まだ聞こえない」と言い張る「僕」が切ない……。だって「まだ」ってことはいつか聞こえるかもしれないと思っている(あるいは思おうとしている)んだから。曲の中で使える言葉の数は限られているのに、それでこんなにも奥行きのある物語を描ける作詞家というのはやはりすごい。ヒロイズムさんはすごい。
 織姫=ベガと彦星=アルタイル、そして「シリウス」で併せて夏の大三角だって言おうとしたら加藤さんに既に言われていた。書くのが遅かった……
 ところで今年の夏は「ORIHIMEブラ」みたいなやつ出ないんですか?これブラのCMの曲じゃないんですか?
 それとアウトロでピアノのきらきらとした音が残るのが素敵。まるで流れ星みたい。という流れで次に「流れ星」というタイトルの曲がくる曲順があまりに美しすぎる。

 

 

13.流れ星

 「ORIHIME」のピアノを受けてか、この曲もピアノから始まるのが最高だし、イントロや間奏のギターがTHE J-POPといった感じ。J-POPに慣れ親しんで生きてきた私としてはもう最高。
 この曲は歌割がすごく好き。加藤さんに「あどけない希望連れて 僕らは明日を探した」と歌わせた人に何かしらの賞を贈らないとやってられない。「奇跡だろうが信じていた」という歌詞もいい。「奇跡だろうが」という投げやりな、信じていなさそうな言い方なのに、それでも「信じていた」と続くのがいい。他に頼れるものがないから「奇跡だろうが信じていた」んだろうなと思うけれど、それを加藤さんが歌うのがなんだかエモい。そして二番では同じ箇所で「奇跡じゃないと信じている」になるのがたまらない。「奇跡だろうが信じていた」人が、今は「奇跡じゃないと信じている」のだ。またしてもヒロイズムさんのすごさを思い知らされるし、どちらも歌っているのが加藤さんというのがまたいい。
 最後のサビ前、「また歩き出すよ」が小山さんで「まだ歩けるだろ」が加藤さんなのもずるいなと思ってしまう。私は多分、小山さんと加藤さんの歌うこの手の歌詞に弱い。でも加藤さんの「まだ歩けるだろ」が優しい歌い方なのがずるい。こんなの好きしかない。
 楽曲制作陣的に、そして時期的に、この曲は「フルスイング」の先にあるものなんだろうと勝手に思っている。「フルスイング」して飛んでいく白いボールは空を渡る「流れ星」なのかなぁ、なんて。

 


14."The Grand Finale"

 バックの音楽は「The Entrance」と同じメロディが使われていて、「The Entrance」で語られている「これはあなたの旅のゴールでもあり、旅の始まりでもあります。」という言葉が思い出される。
 「あなたにだけ」という言葉を聴くと、やはりNEWSは1対1を意識しているアイドルなのだなぁと実感する。「ファン」というものを群衆ではなく個々として捉えている感じがして、そういうところが大好き。

 


15.U R not alone

 「The Grand Finale」で「このアルバムは、とりあえずここまで。」と言っているのだから、この曲はネバーランドから外の世界=現実へと聴き手を帰すための曲だ。聴き手をネバーランドへ連れ込んだのに、帰る道もちゃんと示してくれる。アルバム『NEVERLAND』は「行って帰る」という形式を持ったファンタジーの物語なのだ。最初から異世界に生きているわけではなく、『はてしない物語』のように普通の主人公が不思議な異世界に迷い込み、そして帰っていく。馴染みのある作品でいえば「千と千尋の神隠し」などもそういうタイプの物語。
 低音+高音の感じが聴いていて耳に心地いい。「SEVEN COLORS」で小山さんが下を歌っていたのがめちゃくちゃ好きだったので、この曲の感じもたまらなく好き。それに加藤さんの低音も高音もすごくよくて、なんて素敵な声なんだろうとまたいっそう加藤さんのことが好きになってしまった。高音にやはりどこか少年のような雰囲気を感じてしまって困る。こんなに素敵な声の人を好きになってしまったなんて。今更改めて気付いてしまうなんて。困る。ずっと加藤さんのなかに少年の加藤さんがいてほしい、と勝手に願ってしまう。少年だった頃の加藤さんを知っているわけでもないのにそんなことを思ってしまう。とにかくこの曲は加藤さんの声が好き。低い声も好きだし高い声も好きだし、なんでこんなに好きなのか説明しきれなくてもどかしい。たぶんこの文章を読んでいる人が思っているよりも五億倍くらい好き。しんどいくらい好き。
 サビのユニゾンは物語のフィナーレにふさわしくて、このアルバムが大団円で終わることをこんなにも美しく示す方法があるだろうかと思ってしまうくらい美しい。「U R not alone」ということを歌声でも示しているなんて。それに、最後のサビの転調はもう大正解としか言いようがない。曲の高揚感と重なる歌声で気分がすごく前向きになる。俯いていても自然と顔を上げてしまうような、そんなイメージ。
 リード曲である「NEVERLAND」では「孤独をかき消すように」と歌っていた。孤独をかき消すのだから、ひとりじゃない。「U R not alone」。最初から最後まで美しく構成されたアルバムであることがよくわかる。
 でも曲の内容としては「NEWSがそばにいるよ」ではない。孤独をかき消すためにNEWSがそばにいてくれるわけではない。聴き手はネバーランドから現実へと帰らなければならないから。だから「君」ではなく「僕」に向けた応援歌を歌う。この「僕」はNEWSでもあるし聴き手でもあって、それぞれがひとりではないのだから前へ進もうという歌っている。
 NEWSの歌声に背中を押されて、聴き手は現実へ帰る。また次にネバーランドへ来るための鍵を胸に抱いて。


16."To Be Continued...."

 「つづく!」がお茶目で可愛い。ツアー楽しみだなぁ!!!

 

 

 初回盤の曲(Inter除く)の中での頻出単語を検索したところ、「僕」の34回に続いて「夢」の18回が多かった。どの曲にも多く出てくる人称である「僕」を除けば「夢」が最多となる。「NEVERLAND」の中で「NEVERLAND」という言葉に「夢」というルビを振っているのだから、このアルバムを象徴する言葉が「夢」ということだろう。
 きっと『QUARTETTO』までで何かが一区切りついたのだと思う。コンサートで加藤さんが「4人になって4枚目のアルバム、4回目のツアー」と言っていたけれど、沢山の「4」を重ねたことできっと一旦の区切りになったのだろう。だから『NEVERLAND』では「NEWSの新しい物語の始まり」という言葉が使われている。ファンタジー要素を高めるためのものではなく、実際に新しい物語がここから始まっていくのだろう。だから今までと違って専属作家陣だけでなく他の方々からも楽曲提供がある。楽曲の幅がより広くなり、新しいNEWSが沢山見られる。
 また、発売前に発表されていたアオリ文からInter、そして招待状に至るまで、「一緒に」という言葉が多用されている。「アン・ドゥ・トロワ」や「U R not alone」など、明らかに一緒に歌うことを想定して作られている曲もある。ファンと一緒に歩んでいくということを何度も繰り返しているようにも思える。
 私は「一緒に夢を見てくれる人たち」が本当に大好きで、まさかこの『NEVERLAND』にそういう要素がこんなに詰まっていると思わなくて本当に幸せ。NEWSを好きになってよかった、と心から思うし、NEWSを好きになった自分をどこか誇らしく思う。

 

 以下はソロ曲について。

 

 

17.I'm coming(手越さんソロ)

 バラードが続いたと思ったら、なんだかすごい曲がきた。突き抜けるような手越さんの歌声が聴いていて気持ちいいけど歌詞がすごい。
 基本的には男性ボーカルだと突き抜けるような高い歌声(ようはポルノグラフィティの岡野さんみたいな声)が好きなので、手越さんのこういう歌声はとても耳馴染みがいいというか、こういう曲歌って欲しかった!という歌い方や音程が続くので聴いているあいだずっと「これだよこれ!」って気持ち。「本音吐き出してみろ」のところのメロディが個人的にはツボで、このメロディを手越さんが歌っているのがもうそれだけで最高だし、「開いた果実」のところの歌い方が美しくて好き。
 歌詞だけ見たときはびっくりしたけど、ボーカリスト手越祐也のいいところがぎゅぎゅっと詰まっている一曲。

 


18.ニャン太(小山さんソロ)

 かつて私が大学に合格したとき、父方の祖母にも認められると思っていた。親戚中で一番の高学歴となったのだから、長いこと邪険に扱われてきたけれどこれで認めざるを得ないはずだ、と。しかし実際は違った。祖母は私に「他の孫は自分の夢を追うために努力している。お前は頭がいいからって調子に乗るな」という旨の話を延々とし続けた。
 という話を、かたちを変えて小説に落とし込んだ。当時の私はそうでもしないとこのつらさを乗り越えることができなかった。
 私はそうやって、自分の身に起きた出来事を誰かが消費できるかたちにしないとダメなタイプの人間なのだ。誰かに届いて欲しいわけではないけれど、でも消費されないとやっていられない。自分で自分を消費するというか、とにかくやってられない。心の中が感情でいっぱいになって更につらくなってしまう。私のこのブログにはそうやって「消費されないとやってられない傷」をなんとかするために書いた文章がごろごろと転がっている。言葉にして誰かの目に触れることで、感情を外部に置いておくことができる。自分の感情が外側へ霧散して消えていくような気がする。
 だから小山さんもそうだ、とは言いきれないけれど、そうかもしれない可能性はある。少なくとも、この世にはそういうタイプの人間がいるのだ。
 別にこの曲を聴いて何を思え、ということを、小山さんは考えていないのではないかなと思う。ただ彼が、19年間ずっと愛してきた飼い猫のことを言葉にして音楽に乗せて表現したいと思っただけのことなのではないか。だから逆を言えば何を思うのも自由なのだろう。
 私はつい先日引っ越しをしたのだが、そのために大きな段ボールいっぱいのぬいぐるみとさよならをした。どの子も思い出がいっぱいで引っ越しの前日には明け方までその子たちをきれいにしていた。最後まで手放したくなかった。生き物の生死を握るのが嫌で生き物を飼えず、代わりに死なないぬいぐるみたちに囲まれて生きてきた。でもぬいぐるみは自分でさよならを告げなければならないと気付いて、引っ越しの数ヶ月前からずっと泣いていた。ぬいぐるみを神社に連れて行ったときも泣いていた。今これを書きながらまたちょっと泣いた。あの子たちは私が成長するために必要な存在だったのだ。きっと小山さんにとってのニャン太もそういう存在だったのではないかな、と勝手に思う。
 ニャン太や小山さんが幸せかどうかなんて私にはわからないしわかる術もないけれど、私はこの曲を聴けてよかった。

 


19.あやめ(加藤さんソロ)

 また加藤さんが知らない人みたいに思えた。どこからどう聴いても加藤さんの要素がこんなにも詰まっているのに、私はこの人を知らない。それがどうしようもなく寂しい。何回だって新鮮な気持ちで好きになるから、どうせ私の寂しさなど最初から届いていないしこの寂しさは私だけのもので加藤さんとも一切の関係がない。私はこの寂しさを私だけの宝物にしていたい。だからどうか私の寂しさとは一切関係ないところでもっともっと遠くまで行ってしまって欲しい。そんな気持ちを改めて実感する曲だった。

 


20.FOREVER MINE(増田さんソロ)

 ダンス曲がずっと続いていた増田さんがバラード、しかもカバー。
 増田さんの声の柔らかさがメロディに馴染んでいて、とても優しく包まれる感じがする。こんな優しい歌声に「堕ちて行こう」って誘われたら頷くしかない。どんなに危ない道だとわかっていても頷くしかない。
 これ多分オケが原曲とそのまま同じだと思う(違ったらごめん。終わり際に右のイヤホンから聞こえる声がないという違いはあるけどそれ以外は同じだと思う)。増田さんの歌声が素晴らしいからできることなのだろう。
 とても言葉をはっきりと、でもなめらかに美しく歌っていて、ひとつひとつの言葉と音を大切に歌っている感じが伝わってくる。いろいろな媒体で語っているけれど、増田さんにとって大切な曲なのだというのがよくわかる。
 増田さんの歌声の美しさを堪能できる世界一贅沢な約5分。

 

 いろいろと書いたらまた10000字を超えてしまった!とにかく最高のアルバムなので、是非ともお手に取ってみてください!!!

 

 

 

 

 

 

彼らに出会って生まれた私の話

 お題「○○担になったらこんないいことがありました!」を使った記事の投稿、ありがとうございます!沢山の熱い思いを読むことができてとても嬉しいです。
 「担」とは書いているものの、それ以外の好きなものについてもOKです。好きなものについての熱い想いを語ってくれたらそれでいいのです。ということで私ももうひとつ書いてみようと思います。

 

お題「○○担になったらこんないいことがありました!」

 

 
 ポルノグラフィティのファンになって、今年で18年目だ。
 出会って何が変わったかってすべてが変わった。彼らがデビューしたとき私は9歳で、音楽なんてろくに知らなかった。そんな子どもをも魅了する音楽が、ポルノグラフィティの「アポロ」だった。
 初めて買ったCDも、初めて行ったライブも、初めて入ったファンクラブも、全部ポルノ。今の私の基礎は間違いなく彼らが作った。というか私は彼らに出会って生まれたのだ。
 これはそんな「私」の話。

 


・共通の話題

 中学生のとき、居場所のなかった私にとって、ポルノグラフィティの存在は救いだった、という話は前にもしたと思う。
 このブログでも何度か話題に出したけれど*1、中学生のときの私は問題児で、明らかに学校に馴染めずにずっと浮いていた。陰口を叩かれることもあって、そのたびに「バレないように言ってくれよ」と思いながら泣いて帰った。私に届かないものは私にとってないのと同じなんだから。さすがに嫌がらせを受けたときは気付かないようにやれとも思えなかったけど。
 担任の先生ともよく給食を食べながらポルノの話をした。というか私が一方的にした。ポルノが2人になるときちょうどテスト期間中だったのだが「落ち込んでテストどころじゃないんじゃないか」と心配された(点数には全然影響なかった)。ベスト盤が出るんだよと毎日話し続けたら「毎日言うから買っちゃったよ」と言ってくれた。あの曲が好きだな、いいね、と話した。先生の中に私のことが残っているとしたら、きっとそこには「ポルノファン」という要素も残っていると思う。もし誰とも好きなものの話をできなかったら、学校に行くのも嫌になってしまっていたかもしれない。私の話につきあってくれた先生にも、話題の種になってくれたポルノにも、感謝の気持ちしかない。

 
 また、同世代にも「ポルノグラフィティ」は共通の話題になりやすい。思春期を「メリッサ」と共に過ごした人たちは多い。CDを買ったりライブに行ったりするほどではなくとも、テレビに出ていたら見るという人が沢山いる。友達の多くもそうだし、私の彼氏もその一人だ。
 私がポルノファンだと知ってから、聴く機会が増えたという。「Sheep ~song of  teenage love soldier~」(Sheep〜song of teenage love soldier〜 - ポルノグラフィティ - 歌詞 : 歌ネット)という、10代の可愛い恋心を歌った曲をよく聴いていたという話を聞いて、とても可愛い人だなと思った。彼とは今は一緒にライブに行っている。2014年に行われたライブ「惑ワ不ノ森」ではメドレーの中の一曲ではあるが「Sheep ~teenage love soldier~」を一緒に聴くことができた。イントロが聞こえてきて、二人で少し笑ってしまったことを覚えている。

 
 大好きな人たちと大好きなものについて話せるって幸せなことだなぁ、と現在進行形でかみしめている。

 


・特別な時間

 ライブのアンコールのラスト1曲は「ジレンマ」という曲を演奏するのが定番となっている。そしてその最後にボーカルの岡野さんが「君たち、最高!だから、胸張っていけ!自信持っていけ!」と叫ぶ。
 こんな幸せがあるだろうか。だって、私はただライブに来ただけなのに。ただそれだけで、無条件に肯定して励ましてくれる。私は自分に自信なんかないけれど、ポルノのライブから帰るときはちょっとだけ背筋が伸びて、胸を張って歩いている。岡野さんが叫んだ声は私にちゃんと届いて、私を変えてくれる。
 ポルノは、彼らが「君たち」とか「あんたら」とか呼ぶところの人たちにとってライブが特別なものであると思っている。ライブの合間や挨拶でも「今日は嫌なことを全て忘れていい」「心のタンクにエネルギーを貯めて帰って」と伝えてくれる。自分たちのライブが明日からの活力になれば、という言葉をくれるのだ。日常を生き抜くための力を、ライブという非日常でチャージする。
 きっと、彼らもまたライブを特別なものだと思っているから、そういう言葉が出てくるのだと思う*2。つまり私はポルノと互いが特別だと思っている特別な時間を共有しているのだ。それってすごく貴重なことだと思う。

 


・『君』/私という特別な存在

僕たちは、自分の時間を動かす歯車を持っていて、
それは一人でいるなら勝手な速度で回る。
他の誰かと、例えば君と、触れ合った瞬間に、
歯車が噛みあって時間を刻む。

ハネウマライダー - ポルノグラフィティ - 歌詞 : 歌ネット

 ハネウマライダーという曲をライブで披露するとき、この歌詞の「他の誰かと たとえば君と」という部分を「他の誰かと、いや、ここにいる君と!」とか「ここにいる君たちと!」と歌ってくれる。私はそれが好きで好きで仕方がない。日常の中では取るに足らない「私」は、ポルノのライブという場においては彼らが「君」と呼ぶ存在になれる。
 また、ポルノの二人が30代になったときに作った「Let's go to the answer」という曲がある。アルバム『THUMPx』の最後に収録されている曲で、1番には「因島(intoと読む) Dreamin'」「30'sの遠吠えをしかと聞いとけ」という歌詞があったり2番には今までリリースしたシングルのタイトルが織り込まれたり*3している、ちょっと思い入れの深い曲だ。ポルノの二人が30代で行う最後のツアー「ラヴ・E・メール・フロム 1999」の中でもこの曲が披露された*4
 この曲を披露する前に、岡野さんはこう語っている。

 「もしかしたら君たちの人生を変えてしまうような音楽を、もしかしたらこの音楽シーンを潰してしまうぐらいの音楽を、君たちに届けることを夢見て、これからも進んでいきたいと思います。君たちはこの遠吠えをまだまだ聴いてくれますか? 君たちはわしらの遠吠えにまだまだついてこれますか? まだまだ聴いてくれますか? OK、それならわしらと一緒に行こう、Let's go to the answer」

 一緒に行こう、という言葉から始まる「Let's go to the answer」(Let's go to the answer - ポルノグラフィティ - 歌詞 : 歌ネット)。そしてこの曲の最後では「君となら行けるさ痛みがあるのも構わない」と歌うのだ。彼らの歌う「君」でいられることが幸せで仕方がない。
 私が初めて行ったライブはこの「Let's go to the answer」が初披露された「SWITCH」というツアーだった。スイッチを入れる、というコンセプトのツアーで、死にそうだった中学生の私はこのライブでスイッチを入れてもらった。まっすぐ生きるためのスイッチを入れてもらったんだと思っている。

 
 私は人生で三回ほど折れかけたことがある。一度目が中学生のときで、二度目は就活のとき。二度目を支えてくれたのもポルノだった。
 就活自体は終わったものの、思い描いていた未来には辿りつけなかった。一番言われたくない言葉を一番言われたくない人に言われたりもした。そんなとき、ポルノのライブで「カゲボウシ」という曲が披露された。
 「大切な人を思い浮かべて聴いてください」という前置きの後に披露されたその曲で、私は自然と、私を思い浮かべた。就活をしていて周囲からマウンティングされることもあったし、面接が苦手すぎて面接で落とされるたびに人格ごと否定されている気持ちになった。自分が誰からも必要とされていないように思えて、私が存在する意味とは、と悩んで眠れないこともあった。

会いたくなったら ここへおいで 僕はずっとキミのカゲボウシ
駆け抜けて心のままに どこまでも寄り添うから

 たぶん誰よりも私のことをわかるのは私だし、誰よりも私の味方でいられるのも私だと、この曲を聴いて思った。もしかしたら、私以外の誰かにとって私は替えのきく存在かもしれない。しかし私にとっては私しかいない。私が誰からも必要とされなかったとしても私には私が必要だ。それなら、私は私を大切に思いたい。武道館のほとんど天井みたいな席でひとりぼろぼろ泣きながら、そんなことを思っていた。

 ポルノの曲を聴いていると、私にとって「私」とは特別な存在なのだということに気付く。彼らが「今、ここにいる君」と呼びかけるとき、その「君」には私も含まれている。私が私を大切にできるのは、彼らにそれを教えてもらったからだ。

 


・ファンへの愛

 また、ポルノはファンのことをとても好きなように見える。ていうか好きだと思う。好きだろ。絶対好き。愛されているという実感がすごい。最近は特にすごい。2016年に行われたファンクラブツアー「FUNCLUB UNDERWORLD5」では、ファンクラブ発足15周年記念企画(ファンから募った願いを叶える、というもの)を締めくくるにふさわしいものだった。ファンから「インディーズバージョンの曲が聞きたい」と言われたらYoutubeにアップロードされた音源を元に練習して披露してくれるし、「いつも岡野さんがやっている煽りを新藤さんにもやってほしい」といわれれば新藤さんがイェイイェイするし(同じものをやらないところが新藤さんらしい)、「メンバーの声が入ったグッズが欲しい」といわれたらボイスメッセージカードを作り(しかも3種)、「常に身につけたいのでアクセサリーがほしい」といわれればネックレスを作り(お手頃価格だけどかわいい)、などなど他にもまだある。私自身は叶えて欲しいことを応募することはなかったが、彼らがファンを愛していることはとてもよく伝わってきた。
 「FUNCLUB UNDERWORLD5」最終公演の挨拶では、新藤さんが「よその人のことはよくわかりませんけれども、せめて君らにはがっかりされないような活動がこれからもできたらいいなと思います」と言っていた。ポルノはよく「沢山の音楽があるなかで自分たちを選んでくれた人たちにはいいものを届けていきたい」というようなことを言う。先程の、ライブ=互いにとって特別な時間ということもそうだけれど、ファンにとってポルノが特別な存在であるようにポルノにとってもファンは特別な存在なのだ。

 


・言葉

 彼らの言葉も支えになった。というか未だに支えられている。先程の「胸張っていけ!自信持っていけ!」という言葉もそのひとつ。ライブ自体も楽しみだけれど、この言葉を聞かないと帰れない、くらいの気持ちでいる。そのくらいこの言葉に救われている。
 新藤さんはかつてエッセイ連載「自宅にて」で、メンバーが1人脱退したときの気持ちを「嘘でも前に」と表現した。嘘でも前に進めば、明日か明後日かもっと先にはきっといい日さと言える日が来ると。

「明日はきっといい日さ」と僕自身歌詞に書いた記憶があるが、そうとばかり思えないときもあるよ。経験値ゼロのポルノと、100%の自信をとり戻すまで、「嘘でも前に」だよ。「嘘でも前に」行けるうちは前に行く。「嘘でも前に」行けなくなったそのとき考えよう。そうしてるうちに「明後日か明々後日か一週間くらい先は、いい日さ」って思えるかもしれない。

 この言葉には当時も励まされたし、今も座右の銘として掲げている。嘘でも前に進んだらきっといつか本当に前に進める日が来る。つらいことにぶつかるたびにこの言葉を思い出す。嘘でも前に進めなくなったときはそのときに考えよう、それまでは嘘でも前に進もう。

 中学生の頃もそうだし、家で何かあったときも会社がつらいときも、いつだってこの「嘘でも前に」を思い出す。前に進めていないことを嘆くのではなく、嘘でもいいから前に進んでみようと思ってみる。私はだいたいのことをそれで乗り切れた(私が気付いていないだけで、私をサポートしてくれている方々のおかげもあるだろうけれど)。

 この「自宅にて」、今は絶版になっているけれどとてもいい言葉が詰まっているので、新藤さんの言葉が好きな人には是非とも読んでいただきたい一冊。

 

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 それに何より、ポルノグラフィティは私の理想なのだ。バンドとかアイドルとかアーティストとか、そういった類のものたちに対する私の理想を、ポルノはもっている。
 「一緒に夢を見てくれること」*5「特別な『君』と呼んでくれること」。私の中では何よりもこのふたつが何より重要だ。わがままな要求だとは思うが、気付いたときには構築されていた理想だから仕方がない。
 私の理想と彼らが合致しているのか、私の理想が彼らによって作られたのか、今となってはわからない。私は一緒に夢を見ていたいし、「君」という特別な存在になりたい。NEWSもまた私の思い描くこの理想に一致するからこそこんなに好きなんだろうと思う。


 いつも以上に話が散らかってしまったけれど、これが私の「ポルノファンになったらこんないいことがありました!」です。
 彼らに出会わなかったら私は今頃どんな人生を歩んでいただろう。多分全然違う私になっていたと思う。もしかしたらダメになっていたかもしれないし、変に歪んでしまっていたかもしれない。そういう意味で、私は彼らに出会って生まれたのだ。彼らに出会わなかったら生まれなかった私が、今の私だ。
 もしも彼らに言葉を伝える機会があるとしたら、先のことなんてひとつもわからなくて朝目覚めることが怖かった私を「君」と呼んでくれてありがとう、と言わせてほしい。
 あなたたちに出会えて本当によかった。
 これからもあなたたちの遠吠えを聴きながら、どこまでも一緒に行きたい。

*1:私のチヨダ・コーキたちへ - 来世はペンギンになりたい

*2:「星球」という曲はまさにライブ=特別なものという価値観が描かれている

*3:正確に言うと「ジレンマ」だけシングルではない

*4:その次のライブ「惑ワ不ノ森」では3公演目が新藤さんの誕生日だったため、二人とも30代のまま終わるライブは「ラヴ・E・メール・フロム 1999」が最後

*5:『自宅にて』でも「ポルノグラフィティを仕事として僕が生きていけてるのは、まだ夢をみていられるからからだとも思う」、「ラヴ・E・メール・フロム 1999」のオープニングでも「一緒に夢を見ていたい」という話をしている

ジャニオタの読書遍歴

 早いもので、2015年6月から始めたこのブログもこの記事で100個目の記事となりました。たぶんひとつの記事について最低でも4000字近く書いているので、単純計算でも40万字くらいが詰まっていることになる。学生時代のレポートを全部集めたってこんなに書いていないだろう。
 100の記事を振り返って、改めて自己紹介のような記事を書いてみようかと思い、「読書遍歴」「音楽遍歴」「その他」でTwitterにてアンケートを取ってみたところ、読書遍歴がわずかに多かったのでその話をしようと思う。投票して下さった皆様、ありがとうございます。
 時系列はだいたいこの時期かな?って感じでまとめたので多少のズレはあるかもしれませんが大目にみてください。

 

 

小学校1~4年

 ひたすら本を読むのが好きな子どもだった。学校の図書室がしょぼすぎて地域の図書館に入り浸っていた記憶がある。毎週末には必ずといっていいほど図書館へ行き、限度いっぱいまで借りて帰ってくるのが常だった。
 ひたすらペンギンの本を読みあさっていた。中でも好きだったのは『まいごのペンギン フジのはなし』。実際に長崎の水族館にいた「フジ」という名前のコウテイペンギンの話で、あまりに好きな話だったため当時買ってもらったペンギンのぬいぐるみには「フジ」という名前をつけた。
 読める本の範囲が広がってからは「こまったさん」シリーズ「名たんていカメラちゃん」シリーズ「まじょ子」シリーズなど、おそらく同年代の女の子が通ったであろう本は一通り読んでいた。
 3年生くらいになってクレヨン王国」シリーズに出会う。今でもクレヨン王国の白いなぎさ』の印象が強い。ちょっとダークな部分のある物語で、シリーズの他のどの話よりも強く印象に残った。私もポケットに百人一首を忍ばせて歩きたかった。
 「クレヨン王国」シリーズをきっかけに講談社青い鳥文庫の存在を知る。そして夢水清志郎」シリーズ「パスワード」シリーズと出会う。このあたりからミステリに傾倒し始める。図書館に置いてあったシャーロック・ホームズのシリーズをはじめとする子ども向けの訳がなされたミステリはだいたい読んだ。
 この頃からレーベル読みをする癖があったので、面白い作品のあるレーベルはきっと面白いだろうと思い、青い鳥文庫でびびっとくるものがあればとにかく手に取るという読み方をしていた。
 また、小学校3~4年の頃は特に「分厚い本を読むとかっこいい」と思いこんでいたため、『モモ』はてしない物語などの海外ファンタジーも読んでいた。特に『はてしない物語』はね……あの赤いハードカバーが最高だから読むなら是非あの赤いハードカバーで読んでほしい(リンクを貼ってあるけど、これの中身が赤いカバー)。あれはあの装丁で読むから意味がある。また、2000年から刊行されている「リンの谷のローワン」シリーズも好きだった。

 

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

 

 

 

小学校5~6年

 ファンタジーとかわいいミステリばかり読んでいた私の読書人生が大きく狂わす大事件が、4年生の終わりごろに起きる。
 講談社ノベルスと出会ってしまった。
 きっかけは母が新宿少年探偵団」シリーズ(太田忠司)を薦めたせいだ。母の読書趣味を信頼していたため、母が面白いから読むといいよと言っていたシリーズ最初の一冊新宿少年探偵団を図書館で探し、読み始めた。
 今まで読んでいた本とは全然違う、新鮮な面白さがあった。まず文章が子ども向けではない。難しい漢字も沢山出てくる。物語も単純ではない。それに何より!文字が!二段もある!!!しかも字も小さい!!!!!文字を読むこと自体に喜びを見出すタイプの子どもだったのでもう最高としか言いようがなかった。
 友人が映画版「新宿少年探偵団」のクリアファイルを持っていて、どうしても欲しかった私は手持ちのクリアファイルと交換してもらった記憶がある。そのクリアファイルにいるのが相葉さん松本さん横山さんだと知るのはもっと後の話。
 それ以降、太田忠司さんの本を読みあさった。狩野俊介」シリーズが特に好きで、既刊が沢山あって読んでも読んでもまだあるのが楽しくて仕方がなかった。この頃から「挿絵が漫画っぽくても文字が細かくていっぱいある本がある」ということを知り、CLAMPが挿絵を手掛けていた創竜伝」シリーズ(田中芳樹)なども読んだ(これも母の薦め)。
 また映画「ロードオブザリング」の公開に合わせ、指輪物語も全巻読んだ。ファンタジー好きの心には強く響く物語だった。「リンの谷のローワン」シリーズの佐竹美保さんの挿画の本を読みあさったのもこの時期。『ネシャン・サーガ』『盗まれた記憶の博物館』『魔法使いハウルと火の悪魔などは読んだ記憶がある。同年代の方々の中には同じような読み方をした人が少なくないと思っている。
 和製ファンタジーにも目覚め、狂ったように新井素子作品を読んでいたのもこの時期。当時は『扉を開けて』いつか猫になる日までが好きだったが、今はひとめあなたに……』が一番好き。勾玉シリーズ(荻原規子)月神シリーズ(たつみや章)などの日本神話っぽさのあるファンタジーもよく読んでいた。
 小さい頃にアニメで見ていた「魔術師オーフェン」がラノベ原作であることを知ったことでラノベも読むようになる。魔術師オーフェンシリーズ(秋田禎信)はシリアスな本編とギャグ要素の多い番外編のギャップが大きく、それが楽しくて読むのをやめられなかった。相変わらずレーベル読みをするので、2000年に創刊された富士見ミステリー文庫の作品も沢山読んだ。「キノの旅」シリーズ(時雨沢恵一)をきっかけに電撃文庫も知り、これもまたレーベル読みしていた。

新宿少年探偵団 (講談社文庫)

新宿少年探偵団 (講談社文庫)

 

 

扉を開けて (コバルト文庫)

扉を開けて (コバルト文庫)

 

 

 

 

中学生

 講談社ノベルスと出会ってしばらくして、再び大事件が起きる。今度は活字倶楽部と出会ってしまったのである。
 「活字倶楽部」とは本についてのファンブック的な雑誌で、作家のインタビューやさまざまな特集、新刊案内や小説のキャラクターのイラストを投稿するコーナーなどがある。おたく向け「ダ・ヴィンチ」という印象を持ってくれればだいたいそんな感じだろう。図書館にはバックナンバーも豊富に置いてあった。同じ号も繰り返し読んだ。
 イラスト投稿コーナーに掲載されているものはどれも素敵で、こんな人が出てくるなら読みたい!と思い、気になったイラストのキャラクターが出てくる本を片っ端から読み始めた。妖怪と人間の関わりといったファンタジー要素を持った「薬屋探偵妖奇談」シリーズ(高里椎奈)、とにかくキャラの強い探偵ばっかり出てくる「JDC」シリーズ(清涼院流水)、独特の雰囲気に引き込まれる「S&M」シリーズ(森博嗣)、そして2002年から刊行が始まったばかりの「戯言」シリーズ(西尾維新)。察しのよい方は気付くだろう。これらはすべて講談社ノベルスから刊行されており、かつメフィスト賞を受賞した作品だということに。
 あの『新宿少年探偵団』と同じだということと、気になる作品がことごとく講談社ノベルスだったことで、私の講談社ノベルスへの信頼度は一気に増した。あの黄色い犬のマークが背表紙についている本はそれだけで面白そうに見えたし実際面白かった。
 更に、メフィスト賞を受賞した作品が自分の趣味に合っていると気付き、巻末に乗っているメフィスト賞受賞作リストを見ながら本を探した。鏡家サーガ」(佐藤友哉)奈津川家サーガ」(舞城王太郎)「安藤直樹」シリーズ(浦賀和宏)などにドハマりしていた。思い返せば歪んだ思春期だった。
 小学校高学年から継続してラノベも読んでいた。なかでも電撃文庫ブギーポップ」シリーズ(上遠野浩平)「Missing」シリーズ(甲田学人)などが好きだった。
 中学を卒業する直前に伊坂幸太郎作品とも出会う。最初に読んだのはアヒルと鴨のコインロッカーだった。タイトルに惹かれてなんとなく手に取ったらめちゃくちゃ面白くて度肝を抜かれた。

 

コズミック (講談社ノベルス)

コズミック (講談社ノベルス)

 

 

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

 

 

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

 

 

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

 

 

 

高校生

 お小遣いが増えて自分で本を買えるようになり、月一冊は文庫本を買うことにしていた。初めて買ったのは勿論銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)。他にはポルノグラフィティ新藤さんが薦めていた『ぶらんこ乗り』(いしいしんじ)『お縫い子テルミー』(栗田由起)なども買って読んだ。スロウハイツの神様をはじめ辻村深月作品と出会ったのもこの頃。
 高校の図書館が充実していたこともあって入り浸っていた。京極夏彦作品を鞄に入るだけ借りてどうにか詰めて帰ったこともある。図書館で予約を待たなくても新しい本が普通に置いてあるので天国としか言いようがなかった。
 また、通学路に図書館があったおかげで帰り道には図書館に通っていた。この頃もまだミステリに傾倒していたが、『アヒルと鴨のコインロッカー』をきっかけに東京創元社ミステリ・フロンティアというレーベルを知り、このレーベルの本もひらすら読み尽くしていた。余談だが私が推理小説の意で「ミステリ」と使ってしまうのはきっと東京創元社のせいである。誤字で「ー」がないのではなく、「ミステリ」なのだ。
 アニメ「彩雲国物語」を見始めたことで、原作の彩雲国物語』シリーズ(雪乃紗衣)も読み始めた。いわゆる少女小説のレーベル角川ビーンズ文庫から出ているもので、自分がこういうレーベルの本にハマるとは思わなかったので新鮮だった。最終巻は号泣しながら読んで眠れなかった記憶がある。
 図書館でたまたま見かけた『リレキショ』をきっかけに中村航作品を読むようになる。とはいえこの時点ではまだ『ぐるぐるまわるすべり台』までしか発売されていなかった。『夏休み』が文庫化した際には感想を送るとサイン入りのハガキが返ってくるというキャンペーンをやっていて、渾身の感想文を送った記憶がある。
 『リレキショ』は河出書房新社から出ている本で、『リレキショ』をきっかけに河出書房の本を読みあさる。エンタメと純文学のあいだみたいな話が沢山あって面白かった。これまでの人生では手に取ることのなかった種類の話ばかりで、成長したからこの面白さがわかるようになったんだな、と思った。

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

 

 

 

リレキショ (河出文庫)

リレキショ (河出文庫)

 

 

 

 

大学生

 急に海外文学や日本の名作文学に目覚めた。世間よりちょっと早く文豪ブームがきていた。
 というか、大学生になったのだから「名作」と呼ばれるものを読んでおかないなんてない、と思っていた。国内だと夏目漱石太宰治江戸川乱歩あたりを読みふけった。海外文学だとキャッチャー・イン・ザ・ライ』(サリンジャー)赤毛のアン」シリーズ(モンゴメリ)『変身』(カフカ)『一九八四年』(オーウェル)星の王子さま』(サン=テグジュペリ)、その他光文社の古典新訳文庫を中心に読んだ。これまで海外文学を避けてきたためになかなか慣れなくて読みづらい部分もあったが、物語の面白さに気付けた作品はすらすら読めた。
 大学生のときに入っていたサークルが読書系のサークルだったため、周りに読書好きが多く、本をオススメし合うことも多かった。感想を語り合うことの楽しさもこのときに知った。
 大学生になってから自分の好きな本について考えていたら割とSF要素が多いことに気付き、SFも好んで読むようになった。特に早川書房ハヤカワ文庫JAに好きな作品が多かった。マルドゥック・スクランブル』(冲方丁)『時砂の王』(小川一水)『華竜の宮』(上田早夕里)などが好き。
 そして一番重要なのは私が大学在学中に小説家・加藤シゲアキがデビューしたこと。『ピンクとグレー』を読んだときに心が大きく波立ったことは忘れられない。

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

 

 

キャッチャー・イン・ザ・ライ

キャッチャー・イン・ザ・ライ

 

 

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

ピンクとグレー

ピンクとグレー

 

 

 

 

 

社会人

 大学3年の冬から就職活動が始まり、そこから本を読む意欲が失われてしまって今もまだ回復はしきっていない。スマホを持つようになって、暇な時間はスマホを触っているから、ということもある。
 しかし、加藤さんが書いた本、加藤さんが紹介した本や小山さんが読んだと言っていた本、あるいはドラマ原作本などは読んでいる。というか今はそのくらいじゃないと本を読む気がわかないのだ。
 あまりよくない状態だと思っていたところに、askで『いなくなれ、群青』という本に関する質問があった。そのときは未読だったのだが、本屋に並んでいるのを見たことがあるし(読む意欲はないのに本屋通いはやめられない)、私の愛する新潮文庫の新レーベル新潮文庫nexから出ている。これは買ったほうがいいな、と感じた。読んでみると実際面白かった。かつて私が夢中で読んでいた電撃文庫ラノベと近いにおいがした。シリーズもののようなので続きも読もうと思いつつ、本屋に行って本を買うのがすっかり億劫になってしまっているので今度こそ買うぞ。
 これを機にまた習慣的に本を読むように戻れたらな、と思っている。

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

 

 

 

 

 ここに挙げたものはほんの一部で、本当はもっと沢山読んできた。私は「好きな本を晒せば(というか本棚を晒せば)その人の趣味嗜好がなんとなくわかる」と思っているので、私の趣味嗜好がだいたいバレてしまったなぁと思うのだけれど、101記事目からもまた宜しくお願い致します。

マイお題「○○担になったらこんないいことがありました!」を作りました

 おたくが自分の好きなものについて情熱を傾けているところをみるのが好きだ。自担に憧れて本を読むようになった人もいるだろうし、自担が美しすぎて美意識が高まった人もいるだろう。そういう、自担の存在による明るい変化の話がききたい。
 あるいは、自担が存在するだけで毎日ハッピーな人もいるだろう。私もハッピーです。ハッピーすぎて溢れるこの想いを文字にしたい!!!
 というわけでマイお題「○○担になったらこんないいことがありました!」を作りました。

 

お題「○○担になったらこんないいことがありました!」

 

 自担(個人)または自担グループ、どちらについての話でも構いません。「私は○○担になったらこんないいことがあったんだぞ~!」という話を是非してほしいです。好きなものを好きでいることによって生まれるメリットって最高じゃないですか?そんな最高な話がたくさんきけたら嬉しいです。
 まずは言いだしっぺの私が書きます。

 

NEWS担になったらこんないいことがありました!

 

・すごく愛される

 初めてコンサートに行ったとき「こんなに愛されていいのか……?」と驚きながら帰ってきた。私の初めてのNEWSコンは2012年(あの大雨の)秩父宮だったのだが、あの大雨を抜きにしても、NEWSはファンのことをすごく大切にしているんだなと思った。その後、同コンサートの大阪、東京ドームにも行ったが、あまりにも愛されすぎて抜けだせなくなってしまった。
 アイドルが王子様だとしたら、ファンは街娘みたいなもので、王子様を遠くから見てキャーキャーするものだと思っていた。しかしNEWSはファンを「お姫様」にしてしまう。王子様とお姫様の、最高に幸せでファンタジックな空間、それがNEWSのコンサートだ。2012年のコンサートを通してそれを実感したし、それ以降2015年のWHITE、2016年のQUARTETTOに行っても私の認識は変わっていない。
 NEWSのコンサートは「デート」だとはきいていたけれど、それはNEWSの甘い雰囲気を比喩的にたとえたものだと思っていた。まさか本当に全力で「ファンの子は彼女!!!」という扱いをされるとは思っていなくて、当時彼氏いない歴=年齢だった私が誰かに大切に思ってもらえることの嬉しさを知ったのはNEWSのコンサートが初めてだった。
 前にもこのブログで書いたと思うが、NEWSに出会った頃の私はとにかく愛されたかった。大学4年になり、周りは恋人のいる友達で溢れ、おひとりさまでおたくを楽しむ私は若干浮いていた。社会人になっていろいろあって、寂しさは加速していった。そんなときにNEWSのコンサートに行き、NEWSの愛に触れて、寂しさなんていつのまにか忘れてしまっていた。誰かの大切な「君」になることの幸せを知った。この辺の話は過去記事(いつまでも「君」でいられるように ―初めてNEWSのコンサートに行った日― - 来世はペンギンになりたい)に詳しく書いてあるのでどうぞ。

 
 余談だが、NEWSのコンサートに行くといつも、小さい頃の私はお姫様に憧れる女の子だったことを思い出す。
 小学校に上がる前、ピアノの発表会のために祖母が白いレースのドレスを作ってくれた。身長の伸びが激しく、春と秋で同じ服が着られないこともあったため、アニメキャラの衣装や可愛いワンピースをほとんど買ってもらえなかった。仕方ないと思って諦めていた私が初めて手に入れたドレスだった。発表会で弾いた曲は忘れたが、まるでお姫様になったみたいで嬉しかったことは覚えている。NEWSのコンサートに行くと、あのドレスを着たときの気持ちが蘇るのだ。
 NEWSのコンサートは私にとってはあの白いドレスと同じで、たくさんの愛で私をお姫様にしてくれる。小さい頃の夢が叶ったような気分になる。誰かに大切に思われることできっとお姫様になれるのだと思う。
 
 コンサートだけではなく、様々な場面でNEWSは愛を届けてくれる。たとえば、ジャニーズwebでの小山さんの連載「メンバー愛」。月曜にはいつも読者を応援するようなメッセージが書かれている。4人での連載「NEWS RING」でも、雑誌でも、ラジオでも、いろんなところでNEWSは愛を伝えてくれる。
 愛されたかったらNEWS!是非!

 


・美意識が高まる

 NEWSは現在、「美的」という雑誌で「NEWSな美意識」という連載をもっている。4人が交代で美意識を高める企画を行う、という趣旨の連載だ。過去には手越さん洗顔回(スッピンが可愛い)、加藤さんお風呂回など、圧倒的美を見せつけられる企画があった。
 それらの記事を見ているだけでもなんとなく「もっと美しくありたい……!」という願望が芽生えるし、何より雑誌「美的」を読んでいるとコスメに興味がわいてくる。全く興味がなかったわけではないが、よくわからないからと敬遠しているところがあった。しかし、雑誌を見ていると可愛いメイクが沢山掲載されている。なかには手持ちのコスメで真似できるテクニックもあって、ポーチの肥やしになっていたアイシャドウが蘇ったりもした。
 また、NEWSのコンサートで愛されまくった結果、コンサートに行くからにはもっと美しくありたいと思うようになった。今までもコンサートやライブがあるごとに服を買ったりオシャレをしようと心掛けてはいたが、どれだけ頑張っても私なんかじゃ可愛くなんてなれないという気持ちは拭えなかった。しかしNEWSはファンを彼女の如く愛し「可愛い」と言うので、もしかして私も可愛くなれるのでは!?という気持ちになってくる。そんな勘違いのもと、まずはスキンケアに気をつけるようになった(NEWS担になってスキンケアにかける額が格段に増えたがそのぶんの効果は出た)。
 特にスキンケアに関しては、小学生の頃からずっとニキビがひどく化粧水はどんなものでも必ず沁みて痛いものだと思っていたくらいだったが、今は化粧水が沁みることもなくなり、ニキビがひとつできたらそれが目立つくらいに全体がきれいになった。夏の暑さや冬の乾燥にやられて顔も首もニキビだらけになり、耐えきれずかきむしっていた日々とおさらばできた。肌がそれなりにきれいになったことでメイクにも興味が出て、デパートで売っているコスメを買う機会が増えた。高価なコスメを買うことがすなわちいいことではないけれど、高価なコスメの良さがわかるようになったことは個人的に嬉しい。今まで知らなかった世界に足を踏み入れたような気分。
 社会人になって自由に使えるお金が増えたこともあるが、それを自分磨きのために使おうと思うようになったのはNEWSのおかげだ。
 
 ところで私のお気に入りブランドの「ADDICTION」のアイシャドウには「Never Land」という名前の色(しかも緑)があるので要チェック。私はNEWSのアルバム『NEVERLAND』発売決定の知らせが来た日に買いました。
 

 

 

・社会に興味を持つようになった

 私は自分の半径30cmくらいしか見えていないので、社会にもあまり興味がない。興味がないというか、遠くの話すぎてよくわからない。が、NEWS担になってからは少しずつではあるが社会問題について知識を得るようになった。
 普段は報道番組は特に見ておらず、ネットニュースを見ているだけだが、ネットニュースではどうしても自分の見たい情報だけを見てしまうというところがある。しかし、小山さんが出演しているということで家にいれば「news every.」を見るようにしているし、選挙の特番を担当しているということで選挙にも興味を持つようになった(恥ずかしながら選挙権を持った最初の2回くらいしか選挙に行っていなかった)。
 また、小山さんと加藤さんがMCを務める番組「NEWSな2人」を見ていると、社会の様々な問題が垣間見えてくる。孤独死やストーカーなど、ときには目を覆いたくなるような話題もあるが、社会問題について考えるきっかけになる番組だ。当初は軽めのテーマも取り上げていたが、最近は重ためのテーマを中心に取り上げる、他にはない番組となっている。自分とは全く無関係とはいえない話題も出てくるので、社会問題に興味を持つきっかけとなっている。
 相変わらず自分から半径30cmくらいしか見えていないし、報道番組で取り上げられる話題はどこか遠くの話に聞こえてしまう。目に見えて何かが変わったということではないけれど、「わからないからいいや」と社会について全くの無関心でいた頃の私に比べたら「わからないけど知りたい」と思う今のほうが少しはましなんじゃないかな、と思っている。

 

・読んだり書いたり考えたりする機会が増えた

 最近はなかなか本を読まなくなってしまったのだが、この前は小山さんが読んでいた本を読んだ。加藤さんが書評を書いていた本も読んだし、久しぶりに「本を読む」ということを楽しめたのはNEWSのおかげなので小山さんはもっと読んだ本のタイトルを教えてほしい……!おそらく小山さんとは好きな本の趣味が合う……。
 それに加藤さんのソロ曲がサン=テグジュペリの『星の王子さま』をモチーフにしていたり、「チャンカパーナ」や「EMMA」にも発想の元となった本があったりと、本を読む機会が沢山ある。まだ読んでいないものもあるのでこれからもっと読んでいきたい。
 また、NEWSのコンサートや楽曲はどれも奥が深く、あれこれ考えたくなることが沢山でてくる。たとえば2015年のコンサート「WHTE」では、セットリストや演出がとても練られており、考えたことをまとめたくなった(今更Whiteコン覚書(6/13、6/14) - 来世はペンギンになりたい)。そのためにこのブログを始めたくらいに考えることがあったし、書いて誰かに伝えたくなった。それまでは何も考えないようにしようと思っていた頭と心が生き返ったのは間違いなくNEWSのおかげだ。

 それからも沢山書きたいことがあって、こうしてブログを続けている。ブログを始めようと思ったときよりも遥かに多くの人の目に触れるようになったので、見られることを意識した文章を書くようになった。言葉の重みを改めて知った。日常的に「書く」という行為を習慣づけたことで頭の中身の整理もしやすくなった。自分には書いてまとめることで考えるという手法が合っているんだなと認識したのも、NEWS担になってからのことだ。
 NEWSを通して自分について考えることも増えた。私が何かを書くときは「私」のフィルターを通したものについて書いているのだから、自分のこともよく考えるようになった。就活で自己分析をしていたとき以上に自分のことがわかるようになってきた気がする。

 

・ちょっとだけ積極的になった

 今までは何かを思っても自分から発信することは滅多になかった。そんなことをしても意味がないような気がしていたというか、私のような一般も一般を極めたような人間の声が本人や公式に届くなんて思ってもいなかったし、届いたところで何も変わらないと思っていたからだ。
 しかし、何かを伝えることで変わることもあるのだな、とNEWS担になってからは思うようになった。「いいな」と思ったことは言葉にして伝えないとなかったことになってしまうということを学んだ。たとえば番組に対して感想を伝えたり、ラジオにメールを送ったり。自分が何かを伝えることで明確に何かが変わったとは言い切れないけれど、きっと伝わるものがあったのではないかなと思う。「変ラボ」ではファンが見たいと言っている企画(お化け屋敷や全員でのロケ)があったが、きっとファンの声に番組が応えた結果ではないだろうか。
 加藤さんは自分がパーソナリティを務めるラジオに届いたメールは「全部目を通している」と言ってくれているので、好きなものは好きだと伝えたいしよかったものはよかったと伝えたい。そんな気持ちでメールを送っている。幸いなことにメールが読まれたこともあって、嬉しいこともあるものだなぁと思った。
 また、ジャニオタ用のTwitterアカウントを取得したことで人見知りの私にも友達もできた。おたくの話だけではなく、人生においてそこそこ大きめの悩みを相談できる人たちもいる。今までひとりで抱え込むことが圧倒的に多かったので、友達が増えたことでちょっと生きやすくもなった。そういう人たちと出会ったきっかけはNEWSだから、やっぱりNEWSに感謝。

 

・つらいときにも元気になれる

 沢山の愛を伝えてくれるNEWSは、つらいときに元気をくれる。
 仕事でつらいときには「ヒカリノシズク」が胸に響いた。「どうにもならない想いもあるだろう 誰にも言えない傷痕もあるだろう」というフレーズに救われた。そっと寄り添うような歌詞とNEWSの歌声で心が軽くなった。
 小山さんはコンサートで「みんなは僕たちを応援してくれてるけど、僕たちもみんなを応援してる」と言っていた。NEWSとファンのあいだには相思相愛の関係ができているように思える。NEWSが応援してくれているなら頑張ろう、という気持ちになる。会社に行かなければならないのにしんどいとき、家から一歩踏み出すのがつらいとき、もうどうでもいいかなと思ってしまうとき、NEWSのことを思い出すとどうにか一歩を動かせる。私は心が強くないので、そうやって助けてもらいながら日々を生きている。
 それに何よりNEWSはみんな顔が美しいから見ているだけでハッピーになる!!!NEWSの顔見てるだけで元気になる!!!特に新曲「EMMA」はワイルドビューティなNEWSが見られて最高!!!!!

 


 以上、私の「NEWS担になったらこんないいことがありました!」でした。
 こんな感じで「○○担になったらこんないいことがありました!」の話を是非きかせてください!